
アスキー・メディアワークスから発行されているUNIX関連情報誌。表紙にあるように、いろいろな方言的UNIXの最近の状況と今後の発展の方向性の解説だ。
UNIXもLinuxも縁がない方が大半という時代だと思う。しかし、WindowsがMacの真似といわれてきて、両社はずっと裁判で争ってきたが、スティーブ・ジョブスがアップルに復帰して、マイクロソフトからの資金援助をはじめ幾つかの取り決めがなされた。その中のひとつ、マック版Officeの開発の合意は、Windowsがマックのルックアンドフィールを真似てもいい、という一つの隠された意味があるらしい。もともと、マイクロソフトが商業的なアプリとして最初に取り組んだのが、マック版エクセルだった。IBM互換機上で、Macのエクセルと同様な表計算を動かせたら儲かる、と考えてWindowsが開発された、というのが歴史の流れ。
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そのMacはもはや、かってのMacOSではなく、NeXT社の、UNIXを母体とするMacOSXとなって久しく、iPhoneなどのOSもMacOSXの派生というか、まんまOSX、すなわちUNIX系ということで、あらためてUNIXやLinuxとは、あるいはMacとWindowsとは、根本でどう違うのかなどと考えると、どうしてもブラックボックスのWinとは対局のUNIXへの理解が手短に必要ではないか、と考える一人だ。
http://
nmuta.fri.macserver.jp/dict18.htmlでは、OS/UNIXという解説の中で、衝撃的な記述に出会った。
『インターネット上の場所を示すURLというものがあるということをこの別頁にも書いた。
インターネット上のアドレスのようなものだが、例えばこの頁は
http://www.geocities.jp:80/nmuta2003/dict18.html
というURLで表現されている。』
『このURLはどういう意味かというと
HTTP(ハイぺー・テキスト・トランスファー・プロトコル、つまりhtmlのテキストや画像、音楽などの素材を転送する通信手順)で通信するということわり(スキームという)から始まって、 世界にひとつしかないサーバ名(ドメイン名)とそのポート番号にあたる
www.geocities.jp:80
という表示が続く。
その次の
/nmuta2003/dict18.html
という部分がそのサーバの中で、このページが置かれているディレクトリを表示するパス(ファイルにたどり着くまでの道順というほどの意味)を表示している。』
『それも道理で、インターネットに置かれた素材(リソースという言い方をする。これも別頁で触れた)を世界中どこからでも閲覧できるというこのシステムは欧州合同素粒子原子核研究機関(CERN)でUNIXを使って開発されたからだ。
正確にはCERNにいたTim Berners Leeという人物が
NeXTSTEPというOSで開発した資料閲覧システムがこのWWW(ワールドワイドウエブ)のもとになった。所内の研究資料を研究者がいちいち書庫に取りにいかなくても、自分のワークデスクで居ながらにして全て見ることができるという閲覧システムがこのWWWのそもそもの考え方だ。』
そして、最後のほうに『そのLinuxもかつて大型化し過ぎたUNIXを低性能な小型パソコンでも動くようにしたいということで、UNIXのバリエーションのMINIXをベースにして開発された。
いわばLinuxもUNIXの小型版としてスタートした。』などという解説がある。
UNIXの基礎のおさらいも、mutaさんの記事がかなり参考になる。
http://
nmuta.fri.macserver.jp/unix-index.htmlさて、大学でのプログラミングの基礎教育もUNIXを基本としておこなうために、Windowsもうごき、まんまUNIXのマックが、東大や東工大で大きな顔をしていても不思議ではない。
今回の特集では、現行Mac OS Xの呼び名であるLeopardの素性を「デスクトップとして洗練されたUNIX」と、MacOS Xの隠された機能に迫る"Inside Leopard”との二本立てのため、特に興味を持った。
現行のMacOS Xは、白山貴之氏の記事によれば、一時期UNIXと名乗って異論を唱えられたこともあったが、Single UNIX Specification の認定を取ったUNIX 03に準拠しているという。
一方で、UNIXとは異質のMacOSも引き継いでいる、という。私がはじめて購入したSE/30という機種は、システム6.04あたりがインストールされていて、継いで漢字TALK7.0となり、その後MacOS7.xとなっていったが、MacOS7.6からOSと呼ばれるようになった、という。この7.6は、今はフリーで教育機関などで利用されたりしているようだ。
そのMacOSは、単にGUIを実装したというだけではなく、その方法論の多くがWindowsをはじめとする後のウィンドウシステムでも踏襲されている、という。一方、メモリー保護を持たず、その点を克服するため、ラプソディー計画などがあったが、結局完成せず、NEXTStepを母体とする新OSへ移行する、との決定が下された。なお、この決定を下したアメリオCEOは、新生アップルからは追放に近い形で解任された。ビル・ゲイツ会長は、ウィンドウズNTを母体にして、マック風なOSにすればよいと進言していて、アメリオ会長が、NEXT系にするという決定を伝えたときの怒りはすさまじかった、と伝えられる。一時、多くのマックファンもBeOSで決まりか、などとも囁かれていたが、それでもなかった。アップルうみの親が、NEXT社で培った、UNIXを主体とするOSが、メモリー保護など新生OSの中核となった。
アップル社をBeOSの開発者であるジャンルイガセーとスカリー会長の連携プレーで追い出されたジョブス氏にしてみれば、フリーのUNIXしか、もはや自分の会社の売り物として利用できる素材はなかったが、これが後年、紆余曲折を経て実を結んだ形だ。
ジョブス氏は1988年にNeXTという独自のワークスステーションを発表した。このNeXTワークスステーションに搭載されたOSがNEXTStepで、Machをベースとして4.3BSDをパーソナリティに持つ、とされている(白山氏)。その上にオブジェクト指向フレームワークによって構築された洗練されたアプリケーション環境を搭載していたが、商業的にはまったく成功しなかった、という。
ただ、Rhapsodyは、いわばNextstepからOPENSTEPという仕様として販売されたものを母体として、パワーPC上でのOPENSTEPであり、MachとBSDというカーネルが用いられていたが、プラグ&プレイなど現代的な機能が大きく欠けていて、サードパーティの開発者からの支持も得られず、フェードアウトした、と書かれている。しかし、MacOS Xの二つ目の源流が、NEXTStepとRhapsodyだと、はっきり書かれている。
なおMachとは、簡単には、『Mach(マーク、Multiple Asynchronously Communication Hostsの略)は、カーネギーメロン大学のリチャード・ラシッド教授(実際の実装はアビー・テバニアンが中心[1])らの Mach プロジェクト(日本からオムロンのエンジニアも参加)により開発されたマイクロカーネルタイプのOS。』などと紹介されている。
http://
ja.wikipedia.org/wiki/Mach現在MacOS XのサポートするCPUはPowerPCとx86の二種類となっていて、最初から公開されたMacOS Xのカーネル部分を抜き出したオープンソースのDarwinは、両方に対応していた、という。
Mac上でウィンドウズOSなしで、Winアプリを動かす計画があって、以前から注目されていたが、それをDarwineなどといって、ワインにちなんでボトルと言う単位を設定して、特定のアプリに対応したボトルを用意して、直接実行きるようになっているが、アプリの数がまだ限られている。それで、私は、Mac上では、VMware Fusionで、Winを起動し、Winアプリを実行したりしている。
