金曜日, 2月 15, 2008



ひと月ほど前、LeopardでもBasiliskII上でマセマティカのクラシック環境用のバージョンが完全動作できることを確認してほっとした頃、ウルフラム社からメールが届いた。マセマティカのノートブックをエミュレーターでは、最近のプリンターしかないので、印刷はできないし、BasiliskIIなしの環境では閲覧もできないので、無料のMath Playerを、Win版、Mac版とダウンロードしていたので、市場調査の意味で来たのだとおもっていた。


"A while ago you downloaded Mathematica Player. We are writing to a few people who downloaded Player to ask you to share your feedback, if you have a moment.

How are you using Player, and will you continue to use it?

Have you had a chance to use Mathematica 6 yet? Did you realize that you can run and create interactive notebooks, like Demonstrations, with Mathematica 6?

Thanks for sharing your views with us.

Sincerely,

The Mathematica Player Team
Wolfram Research, Inc."




Math Playerは、大変便利なソフトで、いちいちエミュレーターを起動しなくても中味を確認できるし、機種依存性もないので、マセマティカの使い方ガイド文書を見たり、印刷して保存もできるので、助かっている。

アドオンで供給されている(オプション)のパッケージがたくさんあり、それらの使い方は実例集を見ないと
十分に使いこなせないので、本一冊分は優にある内容を概観はもちろん、精読したりするのには不可欠だ。

そんなこんなで、ありがたく使用中にまた、私のライセンス番号の登録変更の有無を問い合わせる邦文メールが届いた。英語版も届いてたらしいのだが、うっかり削除していたらしい。なんでも、近々に、Math Playerのプロ版(有料)を低価格で発売する、という案内でそれを使うと、マセマティカで作成したファイルを、いろいろ加工できるらしい。



無料の通常版で今のところ十分な気もするが、これを購入すると、マセマティカ6.0へバージョンアップもできるようになるというのが、気になるポイント。

4.0のときのバージョンアップを見送っていて、5.0になったとき、アップしようとしたら、過去2年半にアップしていないユーザーは対象外で、新規にライセンスを取得しないとだめです、と断られた。新規に買うと
当初のころの倍以上の30数万円もするので、また遠のいた。

6.0がでて、私のようなユーザーにも、20%引でどうですか?と誘いがきたが、それでも24万円ほどもするので、ぐらついたりしたものの見送った。



3.0とか4.0の頃、大学の先生方には行き渡り、販路拡張のため、高校の先生なら3万円台で売りますと言うようなアカデミック・ディスカウントを行い、販売店から知り合いの先生の名前でも買えるというような話しも
なくはなかったが、そこまでするほどの必要は感じなかった。

当初の売れ行きが鈍化し、中味もさらに洗練されたらしく、お値段も高値の花となり、教員でない身にはおいそれと手がでない商品であったが、ウルフラム社も考えたものだ。

無料版でもダウンロードにかなり時間がかかるが、それはマセマティカの大半の機能が含まれるためだという。多くの人にマセマティカのすばらしさを知ってもらい、6.0の売れ行きを伸ばすための手段だと、はっきり謳っている。いまさら値引きもしづらいので、実質値引きの手段としての迂回策の側面もあるのだろう。

値段にもよるが、思案中。バージョンアップは2.2から3.0のとき10万近くしたのだった。今なら、新規にパソコンが買える値段。

先日、MacPeople誌をひらいたら、MacLeopardに正規対応したオフィス2008が、パワーポイントもはいって
バージョンアップでたしか2万円台後半、なのに、3ライセンスを新規に買うと2.3万ほどだから御奨めと言う
案内があった。東大のMacにもすべて来期からこれが入り、ウィンドウズ用2007は入れないと言う。Vistaはいれるようだが。

3.0が出たとき、積分公式集の本で200箇所近い誤りがあることがマセマティカ3.0での検証で判明した、と宣伝していた。今は、動画機能の充実ですか?。バグの固定や、新関数などの追加もあるのだろうけど、・・・。表計算ソフトで、パレート則ではないが、大半の計算は可能だし、・・・。

http://www2.odn.ne.jp/excel/function.html

には、エクセルのワークシート関数が網羅されているようである。昔は、分厚い関数編の解説書などを買いあさったものだったが。


なかのひと

火曜日, 2月 12, 2008



観測方程式による水準網平均(Adjustment with derived observations)

前回引用した、田島・小牧共著「最小二乗法の理論とその応用」の後半部分にある「第11章 測量の分野における最小二乗法」から、観測方程式のみによる網平均の計算例を取り上げる。数式を見やすくするために、数式処理ソフトTheoristを使用し、処理の流れを見ることにする。

行列計算を式の通りに行い理論的理解に主眼をおいたので、最も効率的なプログラムというわけではない、と断り書きがしてある。

標高のわかっている既設点P0から出発し、新設点P1、P2・・・の標高を決定する。観測8路線、未知点5、条件数3(交点をもとめ差をもとめる)、路線距離、観測の比高(出発点と到達点の高低差)、近似標高から
測量した通りの「観測方程式」を作り、最小二乗法で解く1例。

見やすくするために、Mr.Boo氏の作成されたエクセルによる処理画面から、必要な情報を読み取れるように借用した。


aは計画行列の転置で、かけ算の順番の最初に来るので転置して入力した。その元の要素は観測方程式の各式を偏微分してえた結果で、該当する部分のみ、1か-1となり、他はすべて0となる。(テーラー展開の一次項で線形近似、AXからくる。両者はマトリクス。テーラー展開は素性のわからぬ関数を多項式で近似して、その輪郭を探るもの、という。「独習 微分積分学」 梶原譲二 現代数学社 1982)未知の補正量であるが、近似がよければ微小量ということで、より簡単なかたちに割り切る。


pは重み行列で、各路線の精度が路線距離に反比例するとされているので、各路線の観測の精度を統一するためになくてはならない。対角的に入れたのは、相互に無相関という前提で。計画行列と重みがきまれば後は公式どおりに行列計算だけで解が求められる。
tは本来の計画行列で、これは各最小二乗法での定法。左から順々に計算していく。Theoristでは、式をクリックして選択し、メニューから計算を選べば積が出力される。エクセルで手動で行っても可能だし、そのほうが、入力データの変更などはたやすいかもしれないが、要は好みと慣れでしょう。工夫一つでエクセルで大抵の統計処理は可能のようですが、・・・。エクセルも、Mac向けに当初開発されて、・・・一度、すべてのMacに採用するなどという話しもあったらしいが、アップルがこの約束を果たさなかった、という。



l は観測方程式の常数項を10,000倍して0.1ミリ単位であらわしたもの。

近似標高は、古い測量で求められていた成果値だという。今回新しく計り直して、経年変化を補正する。新設の水準点標高を求める場合は近似標高を0としても十分の精度で結果が得られる、という。(線形モデルのため)

nはいわゆる正規方程式。観測方程式から、最小二乗法の過程の偏微分を経て導出されるので、以後機械的に
というか公式そのもの。そして、nの逆行列を求め、観測方程式の常数項ベクトルに重みづけしたベクトルとかけ算をして、求めたかった推定値を得る。近似標高に、その推定値を加え、それぞれ
P1 17.148614
P2 2.858234
P3 5.577315
P4 1.948829
P5 3.302896
という結果になる。精度の算出は別の機会に。

Theoristでは、逆行列もa^(-1)として入力しておけば、代入によりaの逆行列が表示されるので、後はメニューから計算を選べば、結果が得られる。梶原教授によれば、最もMac的なソフトで、式の代入も、将棋を指すかの様な、代入すべき式をマウスで押えたまま代入すべき場所に移し、マウスを離す、ドラッグ操作で済む、つまりWYSIWYG(What you see is what you get.)で、見ての通りの結果が得られる、呪文のタイプの必要は全くない、と紹介されていた。





なかのひと

月曜日, 2月 11, 2008


もし、数学者ガウスの時代に、数式処理ソフトがあったなら、ガウス氏は狂喜したに違いないと、数式処理ソフトに接してから思い込んでいた。それから、十数年後あらためて考えると、違うように思い始めた。

当時は、Mac版のマセマティカでは桁数が19桁であり、ようやくでたウィンドウズ版は、NECのPC98などの倍精度と同じく16桁だったことなども気にいった点であったが、今ではそんなことは問題にはしていない。同じPCで、クラシック環境だと16桁、エミュレーターではコプロ付きで19桁であるのは面白いが、クラシック環境の適当さを感じる。エミュレーターの方が実直なようである。

『ガウスは循環小数の計算を、来る日も来る日も続けそこから整数論の重要な問題を発見した。問題が「最初からそこにあった」わけではない。割る数を順に大きくして行き、そこに現れる「循環節の動き」に身を任せているうちに、漸く問題は彼の頭の中で熟成され具体化したのである。彼は「詰まらない計算は弟子に任せて、先に進めば好いではないか」とのまわりの忠告を、決して聞き入れようとはしなかった。彼が生前公表しなかったノートの中には、様々な自家製の数表や公式が書いてあった。帰納されるべき要素を自らの手で日々造り上げ、”その時”に備えていたのである。』(「虚数の情緒」吉田武、2000、東海大学出版会)

そのあとで、例えば小学校における通分を教えても、実際の問題を大量にこなさなければ身に沁みて来ないことは大人以上である、と指摘されている。大量とは10題20題のことではない、100題1000題の話しである、と。

私は、Basicでプログラムを入力して、同じデータに適用し、200回ぐらい試したが、計算はPCがやってくれるので、計算誤差程度しか最初は気づかなかったが、表計算ソフトに移ってからはいろいろな統計量も出力されるので、だんだんと背後の誤差にも自ずと気になりだした。マセマティカでも乱数を発生させ、データに加えて、回帰分析の結果がどう変わりえるかを、かなりシュミレートしたこともある。

"If among these errors are some which appear too large to be admissible. then these observations which produced these errors will be rejected, as coming from too faulty experiments, and the unknowns will be determined by means of the other observations, which will then give much smaller errors." ---Legendre in 1805,in the first pblication on least squares

"This idea, however,from its nature, involves something vague,... and clearly innumerable different principles can be proposed.... But of all these principles ours is the most simple; by the others we shall be led into the most complicated calculation.---Gauss in 1809, on the least squares criterion

これらは、Peter J.Rousseeuw氏とAnnick M.Leroy氏の共著、”Robustregression and outlier detection"の扉に書かれている最小二乗法の基礎を築いたふたりの数学者の言葉の引用だ。(1987、John Willy & Sons)

この本には、ディスクはついていなかったが、解析プログラムをお願いして分けてもらった。それで、当時はMacしかもっておらず、Virtual PC上で使っていた。昔のDOSの世界に戻ったような使い心地であった。



一般の多変量解析や単なる回帰分析の場合でも、ガウスーマルコフ過程がほぼ満足されるというような理想的な場合は滅多に無く、通常outlier(外れ値)があったり、誤差分布が相互に独立でなく系列相関があったりと、いろいろと「悪条件下」での最小二乗法の適用が大半なのが普通であろう。それで、経済分野(典型的な数学の応用分野と言われる)などでもいまだにこうした論文がでたりするのであろう。

べつにSASやSPSSなどの専用統計解析ソフトが無くても、エクセルなどで工夫すればかなりのデータ解析がこなせる、という指摘もあり、データの外れ値などを落として回帰分析などを試すような場合は、エクセルに頼りっきりになったこともあった。

エクセルは、隠れた数値演算機能も持ち、文字式の行列演算などはしないが、数値データならマトリクス関連の数値処理は問題ないようである。それで、最近、まともに買えばかなり高い測量関連ソフト群のうち厳密平均網処理(データ数に制約があるが)などもこなしてくれるようなエクセルマクロがフリーで公開されていて、驚いた。
http://www.cadcamcube.jp/rakraksokumain.html

ためしに実行したら、以前紹介した『最小二乗法の理論とその応用』(田島稔・小牧和雄、東洋書店)の例題をサンプルデータに貼り付けてあったので、それらを消去して入れ直そうとしたら、何だ同じデータだと気付いたが、必要なデータだけ入力しおわると、バックグラウンドで計算は終わっていて正解が表示されていた。


独力で5年ほどかかって、測量士になられたというMr.Boo氏の尽力に敬意を評する次第。いろいろな注釈も
眼から鱗の指摘も入っていたり、計算理論をマスターするには、プログラムサイズも比較的小さく場所もとらず、エクセル2000が動けば問題なく、私はMacのエクセルでそのまま開いて実行したが、Win版となんら異なる結果は得られなかった。

さらに、測量で通常固定点としてその座標を変えない与点の座標も経年変化などで動いている可能性もあったりするので、自由に変えて、残渣の平方和を最小になるようにするフリー・ネットワークとよばれる方法も試すことができる。この自由網平均において一般逆行列を計算する場合、などというのが加わるが、それにも対応しているらしい。マセマティカでは、PseudoInverse[x]で答え一発で表示されるのだが、・・・。

またMathLinkというのがあって、表示はエクセル、計算機能はマセマティカでという手もあったりしたりする
。



なかのひと

日曜日, 2月 10, 2008



TIME誌のCD-ROM版というのがあった。最近は見かけないが、止めてしまったのかもしれない。時代は、Windows95が出たか、出る直前。今もっているのは94年までの数年間と95年までの数年間をまとめたもので、全冊出そろってから発売したと思うから、やはり'95年頃か。しかも、Mac版とWindows版と両方出ていて、Mac版は在庫が当然ながら少なかった。こんなにTime誌のCD-ROM版が出たからって、そううまく売れる物かと思った。Time誌に限らないが、薄いといっても週刊の雑誌は1年も経つと馬鹿にならない場所とり物となる。日頃Time誌を読んでいる人の、そのまた一部の人しか買わないはずだと思ったが、店側はとにかくWindows 95もCD-ROMが標準装備(でないとインストールできない)で、音楽CDとならんで、30本ぐらいそろえていたように思う。案のじょう、一本も売れなかったか、売れたとしても1,2本、棚の背ラベルの幅にほとんど変化は見られなかった。

これに付随するQuickTimeは2.xぐらいで、System 7対応であったが、9.2環境でも当然ながら動く。

上智大名誉教授の渡部昇一氏は、タイム誌の50年分位はすべてお持ちだとのこと。文系の学者さんの書庫の充実振りは、氏の著書「知的生活の方法」を読むまでもなく、子供の頃から、湯川博士と同窓の学者さんの家の床が本の重みで抜けた、とか聞いていた。当時、予約してなくて本屋で買うと720円で、いつもあるとは限らず、都内で見つけて買ったりしていたが、永六輔氏がラジオで、米国のフィギュア選手の評価を、だれだれはこう言われている、などというのを聞いて、氏もタイム誌読者の一人かと思った。悪いほうで有名になってしまったトーニャ・ハーディングの名前は覚えているが、〜ヤマグチとか他一名の名前は忘れてしまった。
最近では、叶姉妹の紹介記事もあったが、今は読んでいない。



そんなわけで、将来にわたって、英語の文例や用法を参照するのには、索引機能がついていて便利なので、インテルMacでも使えるように、BasiliskII上のOS8.01にインストール、といっても単にコピーするだけだがしてみた。8.1とちがい、8.0ではHDの最小区画が大きいので、コピーしたら、たしか1GBを越えてしまったが、このHDは~.imgファイルなのでべつにいくらでも追加できる。ついでにハイパーカードも入れてみた。
ただ、ハイパーカードは、パワーPC上でイメージファイルにコピー、それをインテルMacでBasiliskII上で、マウントするHDとして指定し、OS8.0上で、コピーしないと、アイコンが活性化されないので、要注意。レパード上8.0の本来の起動ディスクにコピーしても白色化したアイコンで開けない。

知りたい単語の用法も、1単語入力しただけでも検索してくれて、その単語を使った記事が表示されるので、
英語で文書を書かなくてはならないときなどは、英英辞典かそれ以上に参考になることは請け合いだ。渡部教授も、秘かに御愛用では!?などとついつい思ってしまう。^^);



ハイパーカードは無くてもそれほど私の場合は困らないが、当時の雰囲気を思い出すだけでも参考になる。遊び心が感じられて使っていて気持ちがよい。昨日、久しぶりに2チャンネルの投稿を見たら、Linuxの創始者、Linus Torvalds氏も、Macにはまっているんだぞ〜というような書き込みも見られた。一度、パワーPCにも移植を考えて勉強されておられるということだったが、今ではインテルMacになってしまい、仕事をあきらめてMacで癒されているのかなとさえ、思ってしまう。


なかのひと

日曜日, 2月 03, 2008





8.1.1 Gauss-Markov の定理の証明. 説明変数が k − 1 個,サンプルの大きさ. 14. が t のモデルを考えてみましょう.さしあたっ ..... 変数を用意することが必要になります(order condition).もちろん,説明変数のなかに ...

http://www.google.co.jp/search?q=Gauss%E3%80%80Markov%E3%80%80condition&hl=ja&lr=lang_ja&start=30&sa=N

『ネコでもわかる入門』とあるが、PDFファイルを開くとネコでもわかるStata入門とあり、著者は東京大学大学院経済学研究科博士課程 の別所俊一郎 氏とある。

以前に(このブログの1月9日)『・・・そこで、さらに未知のパラメーターの最確値の標準偏差(従来はきわめて複雑な計算で求めていた)が係数行列の逆行列対角要素の平方根を重量としm0*sqrt(各対角要素)と簡単に求められること、・・・などがさらりとふれられている。』

と書いたが、無理解で来てしまい、すっきりしなかったので、手許のRegression AnalysisーTheory, Methods, and Applications (Springer, by Ashish Sen and Muni Srivastava, 1997)
を開くと、ガウス・マルコフ条件が満たされる場合には、最小二乗法による推定値は良い結果を与えると最初に(11ページ)に出てくる。

一度、ある投稿にガウス・マルコフ条件なる言葉を使ったら、不用意に使うべきタームではないから、と校閲者に削除を要求された経緯もあり、再度挑戦の気持ちもあるが、やはりてっとり早く概要を知りたい。

そこで、まず Gauss Markov conditionsでGoogleを使って検索したら出会った。自分でTEXで数式を書いて説明するのは億劫だなあと思っていたら、かなり良質と思われる説明に思えるので、そのまま引用させていただいている。出力は疑いもなくTEXによるものだ。


私が始めて統計の勉強に使用した教科書は、スネデカー・コクランの統計学教科書だったが、大変に分厚く当時は電卓が普及しだしたばかりであり、あまりなじめなかったが、パソコンを買ってから、参考書としたのは『統計入門』(中村隆英、新家健精、美添泰人、豊田 敬 共著、東京大学出版会、1984)で、今でも手許に保存している。例題に第二次大戦中のアメリカ海軍によるドイツ潜水艦撃沈数のデータがあり、実際の数と報告数のベクトルデータが与えられていたのが印象的。・・・日本も、大部分はアメリカの潜水艦にやられたというのが実情のようだ。もっとも、アメリカの潜水艦の被害も相当なもので、損耗率はたしか50%を越えたようだ。米海軍の報告書には、彼らは今もなお暗い海中をパトロールしているのであろうという、追悼文言があったように記憶している。

その後、今度は「人文・社会科学の統計学」、「自然科学の統計学」も同出版会から刊行されているが、最初の教科書のほうがインパクトが強かったような、個人的な感想である。



最近の理工系の書物も大抵は、これくらいの数式は載せるようになっているが、パソコンやTEXの普及も手伝っているものと思われる。しかし、いままで、直接ここまで丁寧に解説された文章にであったことはない。
もしかしたら、出会っていたのかもしれないが、ネコでもわかるようには書いていなかったのであろう。

ただ、いくらこうした数式や概念が見近になったとしても、実際のデータを問題意識をもって分析してみなければ、なかなか見にはつかないだろう。エクセルにベクトル(マトリクス状態)データを入力しさえすれば、OLS(ordinary least square、最小二乗法)は実行できるのであるが、それだけでは十分ではないような気がする。

行列の計算過程を視覚化する数式処理ソフトを愛好する理由の一つは、そういう理由で、最初はBASICで、重回帰分析のできるプログラムを何日もかかって打ち込み、一週間もかかってバグ取りをして、と散々な苦労を経験したので、中味の理解まではなかなか手が回らなかった。それが今は、データがありさえすれば、後は行列計算で結果だけはとにかく出る、というのがあたり前になってきたので、改めてその中味、理論や前提条件に関心が移ってくるのだろう。

お茶の水大教授の藤原先生は、偉大な数学者が出ない国は、断じて大国ではない、という信念のようなことを吐露されており、その意味では中国は、まさに中国、インド・ロシアは大国ということらしい。三浦朱門氏も、奥さんの曾野綾子氏と一緒に、別の理由で、やはり中国(中くらいのランクの国)だな、と笑いあったという投書を載せられておられたが、その理由は失念してしまった。

英語版ウィキペディアには、http://en.wikipedia.org/wiki/Andrey_Markov
Markov氏の業績の略歴が紹介されている。Gauss-Markov theoremと
Gauss–Markov processとは別々に紹介もされている。
一覧には多くの業績が光る。
Markov chain
Markov chain Monte Carlo
Gauss-Markov theorem
Gauss–Markov process
Hidden Markov model
Markov number
Markov property
Markov's inequality
Markov brothers' inequality
Markov process
Markov blanket
Markov network
Markov decision process
Chebyshev-Markov-Stieltjes inequalities
Markov algorithm

引用文献は次のふたつだが、息子さんや兄弟にも数学者がおられたので、ガウス・マルコフ理論がいつ完成したかには、もっと資料を増やさないとわからない。岩波数学辞典には出ていようが、・・・。
А. А. Марков. "Распространение закона больших чисел на величины, зависящие друг от друга". "Известия Физико-математического общества при Казанском университете", 2-я серия, том 15, ст. 135-156, 1906.
A.A. Markov. "Extension of the limit theorems of probability theory to a sum of variables connected in a chain". reprinted in Appendix B of: R. Howard. Dynamic Probabilistic Systems, volume 1: Markov Chains. John Wiley and Sons, 1971.


なかのひと

土曜日, 2月 02, 2008



Macにおいては、起動ディスクを自由に外付けHDに移したり、容量が十分ならiPodに移し、それを起動ディスクとしても活用できたりと、柔軟さがある。しかも、昔キャノン販売さんだったと思うが、System switcherというデスクトップアクセサリがあって、同一ボリューム上に複数の起動用システムファイルを置くことができて、スイッチャーを起動しては、自由にシステムの起動を切り替えられた。

かの梶原教授の解説書でも、メモリ食いのマセマティカを走らせるときは、痩せた英語システムに切り替え、RAMの余力をアプリにまわすというようにすれば、例の爆弾マークが出る、システム再起動から幾分か逃れられることができるようなことが書いてあり、一時は私も、英語版システムではないが、OSのバージョンの違うものを三つほどおいたりしていたことがある。

OSXになってもその点には変わりがなく、内部HDにゆとりがない場合が多いので、外付け大容量HDをメインの起動システムとして設定し、大量のファイル群を置いている。バックアップも兼ねられるし、いろいろと便利だ。

ウィンドウズでも外付けHDに、システムをだまして起動ボリュームと誤認させ、そこから起動させるソフトが発売されたが、動かない場合の返金保証がついていたので、とうとう買わなかった。内蔵HD容量が十分な場合、XPとVistaあるいはVistaの異なる版をパーティションを切ることなく同居させることができる、と同じことなのだが、残念ながらウィンドウズではそういう風にはできていないようだ。一時、ウィンドウズでもその点がクリアされたら、メイン機にしてもいいかな、と思ったりしたこともあったのだが、・・・。ビル・ゲイツ氏さえメイン機がマックと聞いて、今更ふらつきはしないが。勝手に事務室に取材カメラを入れてしまって、メイン機がばれてしまったゲイツ氏は、かなり激怒された、という。

ウィンドウズ95が出たとき、それまではウィンドウズ3.Xだったので驚いた。Macはすでに7.5以降だったと思うが、その順序からいけば4.0ぐらいのはずだ。ただ、アップルも95をみて、Macの6.xぐらいのできだと安心したようだ。逆にマイクロソフトとしては、アップルが7.xですぐ8.0が出るというときに4.0では、明らかに遅れているという感は、否めないと思ったらしく、8の上をいく95という発売年に合わせたネーミングで大ヒットした。
以後それに味を占めたらしく、98、2000と続き、その後どうなるかと思いきや、XPとなった。
また、蛇足ながらMeはウィンドウズの最悪バージョンだといううわさがありますよ、と納入業者にささやいたら、うなずいておられた。

どうもOSXのXを意識したかの感があったが、大部分のウィンドウズユーザーには気づきようもないだろう。この頃、ラジオのやる気まんまんの中で吉田氏が、ウィンドウズカケルpって、何!?と発言し、アシスタントの小俣嬢が、それってXPというのとちがうんですか?などと言うのを聞いてクスリと笑ってしまった、ことがある。

ウィンドウズ98のコントロールパネルを開いてシステムを開くと、システムバージョンはたしか4.2xだったと思うから、95が4.0x、USBが使えるようになった98が4.2だということは、私の推測がそれほど間違いではあるまいと思う根拠だ。





ただ、複数のシステムがあると便利な反面、いろいろと混乱をきたす場合もなくはない。今のG4は最後のデュアルブートマシンで、旧OS9.xが単独で起動できるが、OSX上でも再起動なしに、同一のシステムファイルがクラシック環境として起動する。

このクラシック環境で実行したマセマティカの挙動の一部に一貫性がなく、今回本来のOS9を正式に起動させて実行したが、その結果はBasiliskIIでの結果と同じだった。ちがうことを期待したのだが、・・・。

するとクラシック環境上で、マセマティカの3.0が2.03と同じ動きをしたり、そうでなかったりするというのが、いかにも不思議だ。間違った答えを出すわけではないからいいようなものの、気にはなる。反面、BasiliskIIの安定性(ウィン上、インテルMac上、パワーPC上)を再確認することができた。

上のショットは旧OS9.2、下のショットはウィンドウズ上での8.1環境。
インテルマック上では、クラシック環境は用意されないので、BasiliskIIかOS9環境が欲しければSheepshaverを使うほかは現在のところ無いようだ。両者は使用できるMacROMのバージョンが違うので、各人にあったものを使わざるをえない。

首都大学東京の準教授の社会学者、宮台先生はマック雑誌でも二、三回も登場された、自他ともに許すマック使い。旧システムで、ファイル検索犬ポチが動かないと、原稿が書けないなどとおっしゃっておられたが、新品を数台確保してかなりの年月、一定の環境を保持できるよう投資されている由。ふつうはそこまではなかなか行けないもので、クラシック環境が撤廃される新時代になった今、エミュレーターは大変助かる。

宮台先生は、社会学者なので、社会学系に強いとされた統計解析ソフトSPSSなどをSE/30にインストールされていた、とのことであるが、私は、その変わりに統計解析もできるマセマティカをSE/30に入れて、使ったがすぐに使用できなくなるほど、ハードの進歩、変遷は特にマック系
は著しかった。インテル系では、まあ、速度変化がメインだと思うが、本当に選択に苦しんだ時期もあったものだ。これで、当分は、過去の変遷からは開放されるかな?、と思い始めている次第。

なかのひと

木曜日, 1月 31, 2008



マセマティカのバージョンの違いによる演算の表現の差が少し気になり、例によって、梶原教授の解説に範をとって、入試問題の数式処理を試行してみた。

先生の使用したVersionは2.03で、インストール方法を含め、懇切丁寧に解説されている。もちろん、Mac用で、先生が大蔵大臣に御相談申し上げて購入された当時は、マセマティカは、まだMac用しかなかった。

院入試問題や、上級公務員試験などへの解説が刊行された1994年(Windows95も出ていない!)には、ようやくNECのPCなどでも何とか走る版が出てきたが、知名度が低く、別人の梶原教授は、私のNECでは、問題なくマセマティカが動いている、と雑誌などで誇らしげに書いておられた。NECのシェアは1993年に52.8%、二位のMacが13.9%、三位が富士通の6.8%だった、という。



数学を通じてのMacintosh活用入門も兼ねているが、Mac意外のほとんどすべてのパソコンやワークステイションの愛用者にも活用いただけるものである、と書かれており、ワークステションでの速度比較や、NECのBasicでの別解なども掲載されたり、もある。

『連立微分方程式を解かせるコマンドは、DSolve[  〕の中にまず、幾つかの式をタイプ、その中には、初期条件が含まれていてもよいが、式を二つの==で顕わして{ }で囲み、次にコンマを打ち、その次に{ }の中に従属変数をいれ、また、コンマを打ち、最後に独立変数をタイプすればよい、』などと懇切丁寧な解説がなされている。・・・以上数行をタイプし、enterキーを押せば(enterキーがない場合はshift+return)大学院入試問題の解答は終わりであるが、あまりにも風情がなく、あまりにも非教育的であるので、一般の正方行列の上右三角行列化のvariationとして本問を解説、あわせてパソコンMacおよび数式処理ソフトMathematicaの解説を行う、などとの但し書きも。



まず、マセマティカの2.2をインテルMac上で走らせた場合を示す。ちょっと見には出力が2.03での実行例の場合と違うように見えるが、出力を吟味すれば、同一の結果になることが分かり、なぜかホッとした。ここまでなら見開き2ページで十分足りてしまうが、マセマティカの機能の解説部分が、ワークステイションの事例も含めて、なかば別解風にさらに約5ページもあり、買った当時は、最後まで試していなかった。今回、BasilskIIというエミュレーター上での動作であるため、忠実に追試してみたが、ほぼ満足のいく結果だと思った。ほぼ、というのはバージョンの違いから来るものらしく、教授の使用された2.03と同じ操作をすると、いろいろの警告が連発して出てくるが、結果は、冗長であるものの、同一の答えを出してくる。



しかし、あるところまで来ると、根本的に違った結果が返されて、???と思った。ウィンドウズ版、パワーPC版、インテル版ともに同じである。BasiliskII上では、DSolve[y3’[x]== -2 y3[x],x]]の結果が単なるSolve[・・・]と同じ結果になってしまって微分を実行していないではないか!?。

それで試しに、パワーPC上でクラシック環境を起動し(MacOS 9.2.2)、マセマティカの3.0.1.1xで実行するとちゃんと教授の実行例と同じ結果を返す、ことがわかった。BasiliskII上での2.2のノートブックでは、単なるSolveの結果、そのコマンドをコピーして、3.0のクラシック環境でペーストして実行するとちゃんとDSolveの結果を返す。

私は、ヒヤリ、ドキリとした。所詮、エミュレータはあくまでも実機ではないので、これはエミュレータの構造上の問題だと最初は感じた。しかし、時間がたつと、インテルMac上では、ちゃんととDSolveを実行し、表現が少しちがうだけで、数学上は同一の結果を出しているではないか。



さらに、不思議なことには、次にもう一度、クラシック環境上で3.0を立ち上げて、2.2で実行したノートブック(マセマティカの実行ファイル)を開いて、問題のDSolve文のところを、そこだけ実行させると、BasiliskII上と同じ結果しか出なくなる。単なるSolve文実行と同じになってしまう。

それで、初めて厚さ7センチ近いマセマティカ3.0の基本解説書を、買ってから多分初めて本気で、DSolveの項を開いてみたが、例文には教授が2.03で実行されたようなDSolve[y3’[x]== -2 y3[x],x]]というような表現はされていなく、皆DSolve[ D[y3[x],x]== -2 y3[x],x]]と同じ表現が用いられている。試した限りでは、基本的に2.2と3.0は同じ構造らしく、2.03と同じことをすると、警告メッセージは同一である。3.0は、積分記号のインテグラルなどを表示したまま演算実行が出来るぐらいの差しかないようである。

y3’[x]とD[y3[x],x]は同じことなのであるが、Dsolveでは、2.2以上では対応しないようだが、クラシック環境では対応するとは、その辺が、BasiliskIIとの違いかとも思った。何しろ、キーボードが基本的に
実機とは違い、クーリエフォントでBasiliskII上でy3’と入力するのは至難のワザなのである。ウィンドウズ上ではさらにまたキーボードがちがう。パワーPCのデスクトップ機では、’はテンキーでない7のキーをシフトキーを押せば難なく入力でき、昔の実機と同一である。

一方、BasiliskII上では、option+eを押して簡易微分記号を入力せねばならない。optionキーにはMacでもちいさくaltと印字されているので、たぶんウィンドウズ上ではAlt+eで入力するのだろう。(ウィンドウズのDELL機では、ウィンドウズマークキー+eでした。)



しかも、困ったことにクラシック環境でも、出力が安定しないことである。試しに、再起動して1+1を実行後にDSolveの例題を試すと、y’なら実行するが、y3’となると実行していない。最初の方で上げた、BasiliskIIで作ったファイルからコピーしてもy3’のほうは正しく実行したのにである。まあ、9.2.2
環境などというのは、3.0発売時はなかったことだし、ましてやクラシック環境というのもなかった。すべての8.x環境のソフトがちゃんと動くとはアップルも保証していない。いままで、まず大丈夫と思っていたが、
それなりに不安定なのかもしれない。

Mapleでも、dsolveというコマンドで実行されるようだ。
http://www.cybernet.co.jp/maple/interview/002.shtml
には、大阪大学でも昨年までマセマティカを使っていたが、今年からMapleに重点を移す予定の研究室もあるような話題が出ていた。先生も、まだMapleには十分に慣れておられない御様子。



マセマティカ3.0は、入出力番号が、ブルーで表示される。これは、インテルMac上のBasiliskIIでも同様。しかし、クラシック環境は、以前述べたように1+1を事前に実行しないと(他の選択肢を排除するものではないが)、適当な結果が出たりすることが今回改めて分かった。しかし、今のところ、梶原教授の2.03での実行例と同じ結果を出力したのは一回きりで、特に添字付き変数に’を付けたものはまず実行しない(スクリーンショットの2番目の図での実行例)。すると、BasiliskIIと基本的に同じことになる。まだ、単独のMacOS9.x環境では試していないが。・・・・



なかのひと

日曜日, 1月 27, 2008

東大にまたまたMac!・・・・そういえば名古屋大学もMACになるとかならないとか聞いたような・・

『さて、みなさんはパソコンは何を使っていますか!?
MAC、windows、Linuxなどなど。はたまたBeOSなんかもあったりするかもしれません。
私は今の所windows派です。そろそろMACにチェンジしたいと思ったりしています。
intelマックになって、windowsもMacOSも両方動くようになったのが大きな理由。
次に買い換える時は「Macだぁ!!」と言いながらDELLのセール品に飛びついてたりして(苦笑)』

という書き出しで始まる『鈴鹿に住む現役大学生が綴る日記(コラム)』というタイトルをWEBで見つけた。

http://japan.mie1.net/e11286.html

『東京大学がWindowsでなくMacを採用するのは何故ですか
質問者:noname#40401 またiMacらしいですが
​http://www.ascii.jp/elem/000/000/072/72217/​
東京大学がグローバルスタンダードであるWindowspcでなくほとんど誰からも使われていないMacを採用するのは何故ですか?』というのを見つけて、第三者がいろいろな理由を述べているのを見て考えてしまった。背景には、ウィンドウズ使用者の意識というか、1Macファンからみて見過ごしできないような誤解やひねくれたような理由付けなどもあるような気がした。

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3398841.html

まあ、2004年に東大に1200台近いMacOSX10.3を搭載したiMacが大量導入(AutoCad用にウィンドウズ機はたしか200台!)されると聞いて、私自身も驚いた。じつは、もっと前、OS8.xの時代から、用があって某研究室を訪れたころから、行くたびに学生達がつかうマシンがMacに変わっているのを見てきた。そこの助教授先生、某国産機使用中で、今度自分用に買い替えるときは、国産機ではなく、IBM機にしようと思っている、とおっしゃっておられた。私は、いっそ、Macにされては!?と提案したら、え〜、Macですかあ〜と馬鹿にされたような顔をされたことが忘れられない。廊下にも、Macの空き箱が山積みにされていて、東大生のMac人気も相当なものだと、一人合点していた。・・・しかも、パソコンを研究に使う重要度が高い人ほど早くからMacにスイッチ、若い学生がその動向に無関心な筈がない。ソフトが当時はMacの方が毛色のかわったものが多かったのも事実だし。ウィンドウズは95も未だ出ていなかったから当たり前か!?。

そんな体験から東大の『制式マシン』がiMacにほとんど変わると聞いたとき、意外な歓びと共に、やはり!さすが!と思ったものだ。昔、メインフレームを使わせてもらったとき、システム管理は、助手、助教授、技官とたった数名で管理されているようだった。廊下にも、コンピュータ管理者(助手)の公募公告が出ていたりした。そして、慶応の助手だったTronで有名な坂村健先生が着任したりして、新しい時代がここにも訪れているように感じた。TSS(タイムシェアリングシステム)の全盛時代で、私はあまり得意でなかったので、現役東大生にほとんど代用で、端末から入出力をお願いした時代があった。彼らは、駒場で教育を受けてきて、まるで何の造作もなく、あっというまにこなしてくれた。脇で呆然と見つめる私を含めてBBCの取材カメラが舐めるように撮影して回っていった。私は、私の時代遅れの無能さが全世界に広まってしまうかのような、ある種のやりきれぬ屈辱を感じた・・・。

まだ、Basicがようやく普及し出した頃であったが、大半はフォートランだった。早稲田の院へいった高校まで同級生だったH君もここで出会った。けっこう外部からも訪れていたようだ。根津の坂を登ると、いつも冷房された(学生のためではなく、機械本体のために)部屋は、学生の頃紹介された、まさに大型計算機室というイメージにぴったり。紙テープに刻印されたデータが、あっというまに、オープンテープの大型磁気ディスクに置き換えられて、数十台のプロッタから印字され結果が出てきた。・・・

その後、また別の角度からそのデータにアクセスしようとしたが、使用期限が切れていた。それで、またまた学生さんのだれかを捉まえて、バイトを持ちかけ、学生のパソコンから、メインフレームに繋いでもらい、フロッピーにデータをダウンロードしてもらった。重くて大きい磁気テープはその瞬間私にとっては粗大ゴミとなってしまった。たまたま教授が現れ、びっくりしたが顔見知りのためか咎められなかった。学生の使うディスプレーに、外付けディスクがついていたので、プロンプトにC:>とかD:>とかが出ているほうが気になられたらしく、C〜ってなあに?と学生にきいていたが、学生は無視^^);、いまさら説明の用もあほくさいというありさまだった。わたしも陰でニンマリ。

話しが脱線したような気もするが、東大に、ちょうど5年間のウィンドウズとユニックスの共用時代がおわり、次期システムを模索したとき、ちょうどよくネットブート機能を備えたOSX10.3のMacが登場し、コアは基本的にユニックスであるため、あらたにユニックスマシンをそろえる必要はなく、ネットブートであるため、HDは必要なく、CD,DVDや、USB装置だけで、アクセスでき、数名の管理者で、1000台をこえるマシンを、アンチウイルスを含めて管理できると聞いて、独立行政法人化した後だから、コスト管理もふくめて当然の選択だろうと思った。

しかも、当時なかなか信じられなかったが、iMac上でウィンドウズも起動していた。バーチャルPCを使用したのかどうかは、定かではないが、動画ではたしかにウィンドウズ画面だった。これが、ネットブートなのかと思った。サーバー内で起動したウィンドウズ画面を、遠隔操作でiMacのディスプレーで見ているだけなのだろうが、当時ドックに並んだアイコン群にはマセマティカの5.xも確かに写っていた。とうじ、いくらの追加出費もなく、OS固有でネットブート機能をもっていたのは、10.3だけだったとMac雑誌で知った。担当助手さんも、ウィンドウズで1台1台少ない人数で、アンチウイルスソフトをバージョンアップなんて出来る話しではない、というのをきいて、これだけでもウィンドウズは外される、と私は秘かに思った。家のMacは、ここ10年ほどは、アンチウイルスソフトは使用したことがない。それいぜんは、いちおう、使ってみたりしたが、・・・。

さて、某国産機全盛末期の頃、そのメーカーの部長さん達はMac!?・・・俺達が使うためにあるんだよ、自社製品!?・・・それは売るためにあるんだと、と言っていると雑誌で紹介されていて、一般企業でも、個人の机の中には、Macノートが入っていたりするなどと書かれていた。現在のソニーでも社内比では、VAIOよりMacが多いと言ううわさも。国内シェアで、ソニーとアップルが、3、4位争いを昨年繰り広げたそうだが、内部でさえ逆転しているくらいなら、今年は第三位かな、と期待したりするのも、当然かもしれない。

一般が使うには、急には無理だが、東大生なら面食らわず使えるから、・・・という理由づけが上げられていたが、暴論ではないものの、傍論のような気がする。

東大以前に、東京女子大でMacが制式に、ついで東京工業大でも・・・。最近は神戸大で東大よりわずかに多い1200台規模でMacになり、京都女子大もそれに習った、という。(東大より台数では上にこだわったといような突っ込み記事も・・・.。)

今年は、2004年から4年経ち、次期制式機種決定されるというのに、ニューズにならずやきもきしていたが、鈴鹿にすむ大学生さんのコラムで、次期の東大の制式もやはりMacで、サーバーを管理するNECがやはり受注したのだという。

昨年10月1日に入札決定という情報を、大学生氏は、三重大の奥村教授のブログから初めて知った、という。

三重大学教育学部奥村教授のBLOG(該当記事):
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/node/1766

次期教育用計算機システム(ECCS2008)について:
http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/announcement/2007/10/01_917.html

教育用計算機システム-政府調達(公告):
http://www-gpo3.mext.go.jp/kanpo/gporesultm.asp?idno=D0027414

さっそく奥村教授とは何者ぞ!?と思い訪問しました。なんと、あの微分書ならぬ美文書、つまり
『LaTeX2e美文書作成入門』の御著者様でありました。それいぜんにも、データ整理入門などの本で勉強していました。20年来の恩師とでもいえる先生。繋がるものですね。以前は、松阪大教授ということでしたが、
・・・。

2冊目の美文書が登場したとき、(今は三冊目の筈)、Linux、WindowからMacに変更されたようなことが書かれておりました。とうとう、この先生もMacにユーザーになられたかと。

ホームのトップには

『東大がiMacを1176台調達
某先生からタレコミをいただいた。www.ecc.u-tokyo.ac.jp [広報] 次期教育用計算機システム(ECCS2008)について:20インチiMac+Happy Hacking Keyboard+Parallels Desktop for Mac。

東大がMac,阪大がLinux。三重大は総情センターはWindowsだが,工学部情報工学科はSun Ray,教育学部情報教育課程はWindows+Linuxのデュアルブート,奥村研はMacとLinux。いろいろあると楽しい。何よりもWindowsを教えるのが情報教育という風潮だけは勘弁してほしい。』

とある。

すると『おぉ、今度名古屋でアップルの人を呼んで講演会を開くのですが、いい雰囲気ですねえ。

うちのWindowsサーバが壊れちゃったんですが、拙速で修復しても復旧になるだけなので、とりあえず半年どうしようか考えてやりたいと思います。

投稿者:だきわ (未認証ユーザ) 投稿日時:2007-10-02 』

などというのもあり、古いiMacを捨てるなら拾いにいきたいとか、レンタルだから全部返却だとか、だったら、格安で売ってくれなどという書き込みもありました。

まだ、アップルの雑誌では見たことがないので、もう少し後の号で発表されるのだろうか?いつものようにタレコミありがとうございます、などとも書かれておられるので、公示はまだなんでしょう。サーバーもダンチの性能のものに置き換えられるのだとか。

『>何よりもWindowsを教えるのが情報教育という
 >風潮だけは勘弁してほしい
↑ここ、「Windows『だけ』」の方が良くないですか?
(あるいは、「Windowsを教える『ことこそ』が」など)

教える側がWindows『しか』使うことができないという
ことがそもそもの問題だと思います、が…、先生の側に
Windows以外のOSを教える能力を求めるということも
どうなんでしょう、限界がありそうな気がします。
(新任の先生が「Windowsだけ」というのは論外な
気もしますが…)』

などというのも。

結局、個人ではMacのほうが割高かもしれないが、集団で使うときには、Macのほうがコスト
的に割安(しかもかなり)というあたりに落ち着くのかもしれない。次期システムは入札のため未定とあったが、これでひとつ心配事が消えた。折があったら、天ぷら学生でも化けて見てきたい気がする。それにはそれそうおうの舞台装置が要るのだが、・・・。

http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/announcement/2007/10/01_917.html
には、

『現システムとの相違
 標準端末
 CPU速度が単体で2倍以上,コア数が2に
 メモリ容量が4倍に
 画面サイズが 15インチから20インチワイドに
 ネットワークインタフェースが100Base-TXから1000Base-Tに
 光学ドライブがDVD+R DL, DVD±RW対応に
 マウスがレーザーマウスに
 Windows環境がローカルCPUで提供される.前システムのVID端末も置き換え 』

とあり、マック上でウィンドウズVistaが使えるらしい。

詳しい説明がないが、松坂教授のブログと合わせると、パラレルズデスクトップを使用するのかもしれい。そうすると、Vistaのどのバージョンがはいるのだろうか?

『端末全般
 台数減少
 現システムではレンタル 1376 台 + 買い取り58台
 新システムでは 1362台
 予算減少率より減少率を小さく押さえる 』

とあり、安さが一番のようだ。安くてVistaもUNIXも使えるとあらば、使わない手はないだろう。もう、ウィンがど~の、こ~のとかいう時代は過去のものになったのだが、大方の人々の意識、および使用状況はそうではない、というだけのことのようだ。

レンタル1376台の行方や如何に!?。

追記:

『ソフトウェア

  • ユーザー認証管理サーバー: NEC EDS(Enterprise Directory Server)
  • プログラミング言語環境
    • GCC,Java言語環境 がMacOS環境で利用可能
  • 統計処理ソフトウェア
    • SASがWindows環境で利用可能
    • JMPがWindows,MacOS環境で利用可能予定(別調達)
  • 数式処理ソフトウェア
    • MathematicaがMacOS, Windows環境で利用可能
  • CADソフトウェア
    • AutoCAD Inventor, 3ds max がWindows環境で利用可能予定(別調達)
  • オフィスアプリケーション
    • MS-Office(導入時にはおそらくOffice 2008 for Mac) が標準端末 Mac OS環境で利用可能
    • MS-Office 2007 Enterprise 2007が CAD端末で利用可能
  • ラスタ描画アプリケーション
    • Photoshop ElementsがMac OS環境で利用可能
  • Unixフリーソフト
    • MacOS環境で,可能な限り現状と同様のUnixフリーソフトを提供

現システムとの相違

  • Mac環境でのMS-Officeの互換性が向上したため,標準端末のWindows環境にはMS-Officeはインストールしない
  • PDF作成やページ統合などがOSの標準機能で可能なので,Adobe Acrobatはインストールしない.』
マック用Office一本やりでいこう、ということのようだ。MS明朝などの互換性を維持するためのフォントも入っているし、研究主体なので、企業用の厳格な組表がたとえ完全互換でなくとも、経費節減を狙ったようだ。私も厳格な比較はしたことがないので、どの程度の互換かはっきりしないが。


標準でMacOSXがPDF作成機能を持つなどというのも、美文書入門で、奥村教授がMacに変更した理由のなかで挙げられており、まだ、インストールできないという旧型に無理やりインストールしていた当時はかなりOSXはいいらしい、と純正のマシンが欲しくなったものだった。速度が遅かったので、とりあえず試用中という段階で、MacOS9.04あたりで速い~(G3:500MHz)などとCPUアクセルレーターを入れて喜んでいた。

うわさでは、Windows陣営が、最初の入札のとき、一切の値引きを断固拒否、アップルはジョブスレベルまで、値下げの許可申請が達したとかと事実だか憶測だか。最初の入札(2004)の決定時、米国でも、これマジ本当の話として、驚きをもって報道されたとも。

なかのひと

金曜日, 1月 25, 2008



パワーPC用とインテルコアデュオ用のBasilisk II 1.0は同じバイナリー組成の筈であるがマセマティカの場合、グラフィック関連は、パワーPC上では、使い物にならない。単純な関数プロットを実行させてみて改めてわかった。y=sin(x)のグラフ位ならと思ったが、やはり異常出力をする。インテルMacでは、今のところ何をやっても問題ないようだ。



ウィンドウズ上では、以前から3.0であるが問題なくBasiliskII上で動いていた。それに対してパワーPC上では、今回取り上げた東京電機大学出版界発行のマセマティカによるプレゼンテーションという本に付録のCDの例題集では、やはり当初クラシック環境でさえ、グラフィック表示に問題があり、これじゃ、なんのためのクラシック環境か!?とさえ思ったことがある。

それで、クラシック環境がありながら、マセマティカは、Win上のBasilskIIに頼らねばならないかと思ったことがあった。あった、というのはその後何かの機会に問題なく早く動くこともあり、その原因を追及したら、
なんと、例題実行前に1+1を数秒かけて実行した後なら、例題のグラフが問題なく表示できることに気がついたしだい。

どうやら、単純な計算ながら1+1を実行させると、マセマティカの基本機能がすべて読み込まれることが関連しているらしい。それをしなくても問題ない例題もあり、一概に言えないが、グラフ機能の一部を省略して出力するような場合などは、実行されたほうが良い。G3のiMacではそんなことはなかったが、というか、OSXではなかったから、真正のOS9環境ではもちろん起こらない。OSXのクラシック環境の時にだけ、たぶん起こる。
デュアルブートしえる最後のマシンなので、OS9から直接ブートしてやれば問題ないのだろうが、その後の切り替えで、トラブったりして、なかなかOSXに戻り難かったりする場合もあるので、今はもっぱらクラシック環境に頼りっきり。



なかのひと

木曜日, 1月 24, 2008



『MathematicaとTheoristでの大学院入試への挑戦』(マッキントッシュなどによる数学入門)という本がある。今でも発行されていて、数学関連書のコーナーなどに置いてある。1994年8月が初版発行となっている。Mathematicaは関連書籍が多く、特に使用法で困るというようなことはそれほどなかったが、それでも一般解説書は、少々物足りなく、数学者が書いた活用事例が豊富なので、趣味として購入。また、Theoristは、使用法のマニュアルが2冊ついていたが、翻訳も拙く、分厚いので、あまり近寄らず、この本でほとんど学んだといっても過言ではない。著者の九州大学教授、梶原先生には、フロッピーディスク経由での両ソフトの計算結果のコピーサービスが縁で、いろいろとお世話になり、また、岡潔博士のお弟子筋(専門領域での)ということもあって、一層身近に感じて折にふれて
勉強させていただいた。

この本を開くと、数学の素養をせめて学部レベルぐらいにはもっていきたい、と思って勉強した数年間が懐かしく思い出される。

マセマティカの2.2が動くことがわかり、梶原先生が当時マセマティカの2.0で解説された問題の幾つかを、追試してみようと思った。使用法にのっている例題くらいでは、少し物足りないのも事実。

今回は第136回の四次対称行列の対角化を選んで行った。

最初、コロンを入力してもセミコロンになってしまい、正常に動作しなかった。やはりエミュレーターでは高度な処理は不向かと思い出しはじめたが、この本は、Macの使い方も丁寧に解説されていて、分かっているつもりでも参考になる。それで、マセマティカは、ノートブックで使うフォントがクーリエだということを思い出して、リンゴのマークをクリックするとプルダウンメニューに現れるアイコン群から、キーボードを呼び出し、フォントをクーリエに設定して、キー配列を見ると、コロンはshiftkey+セミコロンとなっている。以後その手順で入力すると順調に、この本通りに出力して行った。また、()も1文字づれて)0と打ってやらねば()とならない。10年近く使用しなかったので、細かいところは忘れてしまっていた。



aという行列は4行4列すべて1で、これを対角化する直交行列を求めよ、という問題。平成4年のお茶の水大数学専攻の院入試問題だと言う。おそらくは、藤原正彦先生の出題なのかもしれないが、単なる私の妄想でしかない。先生の当時のMacでは、5.3秒かかった出力が0.08秒などとかなり速いことがわかる。最後の出力では、14874.6秒もかかった。それが、220秒程度。G3の500Mhzで、38秒だったが、これはパワーPC用の3.0で行った時の値。タイプが違うので単純にクロック数に比例しないが、6倍前後の開きが。40MHzの040は内部クロックは80MHzとモトローラは主張していたので、6倍前後の差は理にかなう程度の差であろう。

教授室のMacIIfxが、先生の3.8倍くらいでワークスステイションはさらのその7倍くらい速いという記述がこの本にあるが、エミュレーターでありながら、それよりも速い。時代の動きはもっと速いというべきか!?


なかのひと

水曜日, 1月 23, 2008



G4Macでのマセマティカ2.2は、本来動くはずも無いのだが、エミュレーターBasiliskII1.0のバイナリー版では辛うじてうごく。演算は問題ないようであるが、グラフ描画などは、ごらんのように、ウィンドウズでおなじみの砂時計マークに相当する腕時計マークが出て、20分経っても一向に終了しないばかりか、フリーズ状態でにっちもさっちもいかない。しかし、いちおう、OSXなので、この画面を壁紙状態にして、他の作業は問題なく続行できる。OS9.xでは、一つのアプリがフリーズしたらシステム全体に影響が出て、即再起動しないとならなかった。そのために、次期システムを模索し(その頃には、ウィンドウズNTが完成していた!!)、マイクロソフトはコアにNTを奨めたらしいが、BeOSでもなく、Next社のOSが基幹システムとして採用された。
マイクロソフト社は、当初パワーPC用のNTも供給していたのだが、Macの基幹システムがNextとなって開発続行を中止した。

また、Macでウィンドウズ環境を提供するコネクチクス社のバーチャルPCに眼をつけて、この会社を買収、そして、Mac用のみならず、ウィンドウズ環境で、ウィンドウズの別のバージョン環境を提供するWin用バーチャルPCを発売した。しかし、インテルMacとなってしまったので、マイクロソフトはMac用バーチャルPCの開発はまた停止した。私は、OS9時代に、バーチャルPCを使い、95をインストール、さらに98までアップした。当時は速度が本体自体が遅く、エミュレーターではその25~30%程度でしか動かなくて、イライラさせられたが、とにかく家でもWinが完全動作することに眼を見張った。エミュレーター体験の原点だったのかもしれない。

その後、会社のソフトで2000環境を要求するものがあり、XPでウィンドウズ用バーチャルPCを使い、XP内で2000を起動して使っていたが、そのうち、XPでも何とか不足をカバーする方法が見つかり、使用しなくなったが、インテル上でインテル環境をエミュレートするので、速度は、本体というか実機の50〜60%位は出ていた、と思う。


話しが脱線してしまったが、同じエミュレーターなのに、インテルMac上では、マセマティカの2.2は問題なく動く。そこへ行くまでは、HDのフォーマットが変更されたせいか、いろいろ試行錯誤させられたが、そのせいでもあるまいが、動きはたいへん感動的。完全に、モトローラ社製のCPU、MC680X0環境を実現しているようにも思う。音も問題なく出る。さっき気付いたが、パワーPC用BasiliKIIでは、ゲームでは音が出ない。Mac本体からコピーするだけで動いたが、無音のまま・・・。

ウィンドウズ用に開発されたBasiliskIIの古いバージョンでは、Macに電源を入れたときに発生する、それぞれのマシンに特有の起動音がついていたが、BasilisikII-1.0では、起動音はしない。おそらくウィンドウズ版やLinux版でも1.0版では同様だろう。あの音が、当時目の玉が飛び出るような高い金額を払ったマシンへの愛着を蘇らせ、強化する役割を当時はしていたようにも思う。雑誌にも、あの起動音を聞きたいが故に、用もないのに、電源をいれてしまう、という話しが出ていた記憶もある。

マセマティカの旧バージョンを使い続けたいがゆえにBasiliskIIを選んだのだが、その意味では、OS8とOS9の差を除けば、クラシック環境が簡単に実行できて今は非常に満足。製作者の方々にお礼を申しあげる次第。
これでは、XP内で2000とか98環境を実行しているのと全く同じ使用感覚だ。これがフリーなのだから、改めて驚く。もっとも、Macの実機やROMを、正当に所有している、という条件がつくのだが。

同じエミュレーターだがインテルMacでは、ちゃんとウィンドウズ面の上部に、ソフト名が表示されるが、G4Mac上では表示されないことも、初めて気付いた。開発は、一昨年五月に終了し、次のバージョンが出るまでに2〜3年かかるだろうし、その頃には、G4.G5機は商品ラインから消滅しているだろうから、どうも、開発主力をバイナリーといってもインテルMac用に注いだのではないか、とさえ思える。



ご覧のように、当時の最速マシンで実行しているような待ち時間で、グラフィック画面も完成する。これで、当分インテルMacから離れられそうもない。VistaもXPもインストールが正式サポートされたし、他の商品版エミュレータもあるし、ソフトがなければタダの箱、といわれた当時の環境が21世紀初頭になって再び再現し、
感慨もひとしお。モトローラ製のCPUは1997年当たりには姿を消し、・・・21世紀初頭には、Macとウィンドウズとは限りなく接近するだろうと、予測されていて、私は2007年ごろか!?と漠然と予想した。そして、結果としては、その通りになって来ていると私は思うのだが・・・・。


なかのひと

日曜日, 1月 20, 2008



今のところ、インテルMacは好調であるが、忙しくてあまり使っていない。家族がiPod touchを購入し、アップルのミュージックストアにアクセスするのに使っていたりする。

普段はウィンドウズとタイガー版のG4Macで大半をこなす。そこで、G4にも比較のためにBasiliskII 1.0を
入れてあるが、起動してシステムプロフィールを見たところ、インテルMacと同じモトローラ製のCPUで68040の40MHzと出ていた。Win版では、68040でも20MHzとしか、どのマシンでも表示されない。もちろん、コプロ無しとして認識されている。Mac用の、インテル版でもパワーPC版でもどちらも、搭載されているCPUはWin版よりもクロック数は低いのに、Win仕様のものより倍も速い、と認識されている。

それなら、インテル版でやっと動かすことができたコプロ付きのCPUを要求する古いマセマティカも動くのでは?と思って、また古いマセマティカをWinのHDにのみ残っていたのを、imgファイルにコピーして読み込ませたら、案の定ちゃんと起動してくれた。G4はクロック数が700MHxと低いので、起動画面も画像としてキャプチャできたので、改めて掲載した。

ただ、インテル版は制約がないようだが、こちらは、重い処理を行うグラフ出力は実行しないようだし、同時にTheoristを起動したりすると、今までに起こらなかった、突然システムがダウンするような現象も起こる。単純な数式処理はちゃんとやってくれるようで、この古いマセマティカは、正規のクラシック環境の整っているこのG4では、動かないものが、曲がりなりにも動くので、そのためにだけでも存在意義を感じている。最初に買ったとき、2.1でそれは簡単な文字だけの行列の逆行列を間違って出力したりしていた。そのため、バージョンの異なるもので、出力を比較するのに都合がよいと思っていたが、パワーPC移行後、680X系は
切り捨てられてしまい、インストールフロッピーは埃を被っている。

実行スピードも、古いファイルに残っていた秒数とさして変わりなく、68040のコプロなしの40MHzで行った値と大差はないので、システムプロフィールの表示はまずまずのところだろう。この当時のマセマティカも、コプロ用とNonFPU用と別れていて、最後には、NonFPUを使っていたのだが、それでも不満にはあまり感じなかった。68030とちがって、68040は、コプロと一体化してしまっていたので、変えるには、CPUごと買い替える設計になっていて、おいそれと手が出なかったことが思い出された。





なかのひと

日曜日, 1月 13, 2008



http://www.cc.kyushu-u.ac.jp/RD/watanabe/

『学会や研究集会での発表や、そこでの議論を聞いていると、ある「知識を」を持っていることが前提となって話しが進んでいく場合がよくあります。特に数値計算の分野では「××法」と名のつく方法が山のように登場します。・・・この記事は、科学技術計算の主役のひとつである連立一次方程式の数値解法に登場する手法および用語の解説です。』ではじまる渡部善隆先生の手になる数値計算の各手法の解説集で、パソコンを買った当時最初に取り組んだのがBASICによる行列プログラミングだったので、当時を思い起こしながら、懐かしいものに触れるがごとく、拝読した。元は、九州大学大型計算機センター広報、Vol.28,No.4(1995)で発表されたものをを加筆・修正したものとのことわりがある。

とかく単調になりがちな、数多い解法を分類・整理されたのみならず、当然のことながら100近い文献を網羅し、それらのさわりを脚注にダイジェスト的に表示され、門外漢である私にも、比較的抵抗感なく読めた数少ない好著とでも言った読後感であるが、あまり書くと僭越とのお叱りも受けるかもしれない。

数値解法の全体像をまず示され、それぞれの大分類、直説法、反復法、共役(きょうやく)勾配法、Gaussの消去法のアルゴリズム、Gaussの消去法は安定か?についてやく80ページにわたり、解説されている。

『なお、最後の章でGaussの消去法の安定性に関する(ある面で恐ろしい)話題を紹介します。こちらも「知識」として持っていると、たとえば座長をしていて質問に窮したときや、懇親会で知らない人に囲まれたときなどに役立つかもしれません。』などと「はじめに」に書かれており、思わず昔の冷や汗をかいたことを思い浮かべるとともに、先生の語り口に引き込まれた。

連立一次方程式の解法についてよく使われる方法として,直接法、反復法、共役勾配法とざっとみわたした後、どれが最も優れた方法なのか知りたくなりますが、いざ比較となると行列Aの条件(次数や形状など)や、計算機の性能、欲しい精度などのいろいろな条件を加味しなくてはならないので、誰もが納得するような比較は簡単ではないとされている。

逆にこれだけたくさんの手法が淘汰されずに残っているというのは、連立一次方程式の決定的な解法が未だ提案されていないことの証明でもあります、とされている。

私も、微分方程式の学会へ紛れ込んだことがあって、東工大の先生から、私の専門は数値計算です、と自己紹介されたことがあったが、お名前は残念ながら失念した。

科学技術計算になぜ、連立一次方程式が使われるのかは、薄々知ってはいたが、渡部教授は簡潔にこう述べておられる。

『微積分の概念は、自然現象や社会現象を数学の言葉でモデル化することを簡単にしました。微分方程式や積分方程式のような無限次元で関数方程式を数値的に解く場合は、数学モデルを有言次元の近似モデルに置き換えることが必要です。

情報処理技術の急速な発展は、有言要素法・境界要素法・差分法などの近似モデル化の研究を多いに助けました。

連立一次方程式は、この近似モデルを具体的な数値にする段階でしばしば登場します。そして他の計算に比べ、計算時間がたくさん必要なことと、ちゃんと解けていないと後で大変困るという意味で、数値解析の中心部を占める大切な解法のひとつです』、とされている。

有限要素法の教科書を、学生時代に買ったが、そこには例えば航空機の機体にかかる応力の解析に、機体表面を多くの部分にモザイク状に分割し、それらをつなぎあわせて一つのシステムとしてモデル化して解析し、成功を収めたというようなことが書いて有り、最初から行列の計算法で始まっていた。

戦後華々しくジェット航空機として登場した英国航空のコメット機は、幾度も大西洋上で行方をくらまし、事故調査委員会は、膨大な経費をかけて機体を水圧による繰り返し荷重試験を実施、当初想定された時間よりもはるかに短時間で、機体に亀裂が生じることを「発見」し、以後の機体設計の貴重な教訓となった。佐貫先生は、その名の通り、彗星のようにデビューし、その名の通り消えて行った、・・と。

アメリカで発展した有限要素法は、事前にそうした危険を解析するための切り札となった、と理解している。

それで、このマニュアル中でも、脚注に特色があるのであるが、Newton-Raphson法と連立一次方程式の関係の章の最後に、『非線形方程式の数値解法においては、連立一次方程式を解く必要がしばしば生じます。』
とあり、脚注に文献ではなく先生のご体験として、『この大きなながれを押さえていないばっかりに、修士論文の発表会で「結局それは何を計算するんですか?」という(温かい)質問に絶句してしまい、著しく心証を悪くした人を知っています、ご注意ください」などというのもある。



数式処理ソフトのMapleでは、連立方程式の解法コマンドに、gaussjord(A)というのがあり、最近知った。

これ一発で、簡単な連立方程式であれば答えがでる。jordというのは、ジョルダンの標準形の名で知られる人の名かとも思ったが、ガウスヨルドとも読める。

脚注には、『"Jordan"は有名な数学者Camille Jordannさん(1838-1922)ではなく、ドイツの測地学者Wilhelm Jordanさん(1842-1899)の名前から来ています。したがって、ドイツ語読みをすれば「ヨルダン」が正しいそうです[91].』などときめ細かい配慮を感じてしまう。

数学者のちょっとした人物像の紹介なども結構脚注にあり、興味深い。また、マセマティカによるグラフ出力のほかに、こんなイラストもあって、笑ってしまう。



なお、先生の冒頭のサイトには、マセマティカ備忘録なども掲載されている。


なかのひと