月曜日, 9月 16, 2013

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(香港財閥第一位の李嘉誠が中国撤退か)

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★台風被災の方、お見舞いを申し上げます。関東以北はこれから(9月16日午前8時)。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
 平成25(2013)年9月16日(月曜日。祝日)
      通巻第4021号  
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 香港最大財閥、李嘉誠も中国投資から撤退の憶測しきり
  すでに資産の半分は欧米豪投資に移行している
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 李嘉誠といえば中国圏でもっとも有名な富豪。香港財閥第一位。香港株式市場の時価総額の三分の一は、李嘉誠率いる長江実業と傘下の和記黄舗(ハッチソンワンポア)などのグループで占めるほどである。
 世界富豪第八位。個人資産は310億米ドルと言われる。

 李嘉誠はトウ小平、江沢民に近く天安門事件直後には「逆張り」で中国への本格的投資を開始し、広州、上海などでオフィスビルを建てた。マカオ、香港をふくめ中国国内には300店舗の安売りディスカウント・ストア(百佳超市)を開店し、一時は北京から全国政治協商会議副主席をオファーされたという噂もあった。

 その大富豪が「大恐慌前にケネディの父親が保有株式を全部売り逃げたように、中国経済破滅を前に財産のたたき売りを始めた」とするニュースが流れ出した。
 実際に香港のデパートを売却し、広州(西城都会)と上海に保有したオフィスビル(陸家嘴の東方センター)を売却した。

 「向こう十八ヶ月で香港の不動産価格は15%程度下落する懼れがある」(ウォールストリートジャーナル、中国語版、9月13日)。
 かわりに李嘉誠は英国、カナダ、米国、豪の不動産、通信企業に投資し、またインフラ建設の企業を設立し、英国ではエネルギー産業にも大々的な投資をしている。
その欧米シフトは資産の半分を超え、邦貨換算で3兆5000億円が欧米にシフトした。
 
 すでに八月から李嘉誠の中国撤退のニュースは流れていた。
というのも、八月恒例の中間決算発表記者会見に顔を見せなかったからで長男のヴィクターが代わって決算報告記者会見に応じた。
このときすでに中国に於ける不動産売却の話が流れており、ショッピングモールの「キングウッズ・ギンザ」(KINGSWOOD GINZA)も増店計画はないとした。

香港のメディアのなかでは「これは梁振英(香港行政長官=団派系)への政治宣言だ」(香港立法委員の陳偉業)であり、李嘉誠が支持したのは落選した江沢民派の唐英年だったからだ。

 「分散投資は華僑の常識、それほど騒ぐ問題ではない」と香港行政当局は反応している。また香港の不動産王手「新鴻基」(サンホンカイ)は、新に24億ドルを香港の不動産開発に投資すると、まるで李嘉誠とは逆コースを宣言している。
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 ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ■ BOOKREVIEW 
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 易姓革命の正統性を自己主張することと前王朝がなぜ滅びたかを分析すること
それが中国のいう「歴史を鑑とする」ことである

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黄文雄『もしもの近現代史』(扶桑社)
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 日本人は歴史の真実を知ることに情熱を傾ける。客観的事実、そして科学的根拠が重要であり、小説ですら時代考証を間違えたりすると、批評家から批判されることがある。
 中国人は「歴史を鑑とする」のが口癖だが、その歴史には一片の客観的事実もなく、また証拠となる科学的根拠もなく、つくり話、法螺話、そしてでっち上げと過去の通史の改竄である。そのためには古文書さえ、遡って改竄するのである。その妄執的な歴史でっち上げの情熱は凄まじい

 歴史学というより庶民は想像上のつくりごと、『三国志演義』や『西遊記』が好きである。
すなわち中国では「歴史学は政治に属するから、日本のように文学部で教えるのではなく、政治学部で教える」のである。
政治的判断が一等重要だからである。

 本書は中国の歴史を「もし」という架空のフィクション仕立てにしたシュミレーションではなく、歴史学の碩学、黄さんがひとつの尺度をもって中国通史を論じたもので、各所に箴言が散りばめられている。

 黄文雄氏は、中国史の作者らを次のように評価する。
 「『史記』をはじめとする中国の正史、また『史実通鑑』がそうであるように、歴史をつくる目的は二つある。易姓革命の正統性を自己主張することと、前王朝がなぜ滅びたかを分析するためだ。いわゆる『歴史を鑑とする』ということだ」

 そしてこう続ける。
 「秦王朝は暴政で滅び、清王朝は腐敗で崩壊したと小中学校の歴史教科書は教えているが、それは王朝衰亡の理由としては極めて抽象的で主観的である。(中略)王朝興亡の分析は、決して科学的でなく、『教訓』という倫理的なものが殆どで、経済社会的な視野から歴史を語ることが欠落している。また中華帝国歴代王朝の衰亡については共通の原因が多い。秦漢王朝をはじめ、たいていは農民反乱やカルト教団の反乱によって滅びるのだ。清王朝も十八世紀末の白蓮教の乱から二十世紀初の義和団の乱に至るまで、「会匪の乱」と「教匪の乱」がえんえんと一世紀も続いた。しかし、太平天国の乱や回乱のように、王朝をゆるがす大乱が繰り返し起きても、清王朝はそれが原因で滅んだわけではなかった」。

 黄氏はときに外戚や宦官が原因であり、暴君は愚君がいなかった王朝でも、国を守ることができず、しかしローマやオスマンのように、大国が滅びるのには時間がかかるのであると説かれる。
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 964】         
  ——「それにしても我々日本人はあまりに中国を知らな過ぎた」(安倍の6)
     「新中国見聞記」(安倍能成 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)


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「今や中国は毛主席の音頭の下に、和平の声は全土に満ち溢れて居ます」とヨイショした安倍は、「中国が平和を単に政策としてではなく、恒久な原則としてこれを貫徹し、事実に於いてこれを実現されことを望みます」と表明しながら、一転して「例えば中国が一段上手の大所高所に立って、ソ連に対して千島返還を勧告される如き手をうたれることを望」んでいる。

中国の勧告を受け入れてソ連が千島を返還すれば、日本の中国やソ連に対する警戒感・不信感が拭えるとでも、安倍は夢想したのだろうか。

さらに「中国はかつて日本の再軍備に反対しました。私も亦再軍備に反対する日本人の一人です」としたうえで、「しかし日本人の中には、中国のアジア政策が日本を圧迫することを恐れて、再軍備の必要を真面目に考えている人も少なくありません。私は中国の平和政策が徹底して、このような不安が一掃され、中日両国が共々一致して、アジアの平和、世界の平和を実現するに至らんことを、心から望んでやまないものであります」と、挨拶の最後を結んでいる。
日本人なら、やはり「中日」ではなく「日中」というべきだ。

とはいえ、さすがにリベラル保守の旗頭だった。安倍は米ソ両陣営対立という現実を前にして、「勝手に日本の軍備を撤廃して、勝手に日本の再軍備を強要するアメリカを信じ得ない」とする一方で、「かつては日露戦争を彼等の運動に対するプラスだと言いながら、千島攻略を日露戦争の敵討というスターリンの言説に至っては、狼がどんな口実を恥とせず、羊の子を食い殺すのと選ぶ所はない。我々はソ連の冷静と打算とその上に立った利口さを見るが故に、一層不快をます」
と、米ソ両国への不快感を隠そうとはしない。

そこで「日本が独立の日本、民主・平和・自由の日本となった場合、自衛のための武装を持つことは当然であります」という周恩来の考えを紹介し、日本は中国に対し「アメリカに駐兵の口実を与えぬだけの、平和的意志、平和的政策、平和的実行を示すのが望ましい」としつつ、「自信を得、安固を感じ、戦争の苦患を過ぎ、始めて自分の領土を領土とし、顧みて自分の力と自国の富源とを意識して、新たな建設にいそしもうとして居る」新中国が「名実共にアジアの中心となり、又世界の外交を指導し得るに至るであろう」と期待を寄せる。

だが安倍は、中国外交が掲げた領土保全・相互不侵略・内政不干渉・平等互利・平和共存を柱とする平和五原則のうちの内政不干渉に疑問を示す。というのも、「今まで共産主義国が随分えげつなく(内政干渉を)試みて来た」からである。

「例えばインドの場合、インド国内やその周囲に定着せる華僑の、或は華僑中の中国人民代表の、共産主義的運動を積極的に試みるということが、結果として内政干渉になるということも考えられる。こういう場合事実上内政干渉を断じてしないために、特に共産主義国は、他国に対して自己の勢力圏を拡大するためのあらゆる運動を厳しく抑制せねばならない」とクギを刺した。

安倍は帰国を前に「殊に世話になった対外文化協会に向かってメッセイージを残した」。曰く「別れに臨んで我々は一言中国に望むことがあります。今や中国は武に於いても世界の強国であります。我々の浅い知識によると、『武』の意義は『戈を止める』にあるということです。即ち武装的平和であります。・・・我々は若い新興中国の野心の更に大ならんことを熱望します。・・・ここに敬んで毛首席を始め中国人民諸君の健康と幸福とを祈ります、一九五四年十月十五日」

安倍は柳田ほどのブザマに振舞ってはいない。
だが、「毛首席を始め中国人民諸君の健康と幸福とを祈」って帰国した直後から「中国人民諸君」は生き地獄を体験する。確かに安倍の言う通り・・・「それにしても我々日本人はあまりに中国を知らな過ぎた」のだ。
《QED》

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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)最近の新日鉄住金への賠償請求判決に見られるように韓国では、日本に対しては法律の訴求適用、条約の無視等、異常な判決が韓国の裁判所ででています。
韓国では、日韓併合の違法性をこういった判決の正当化のための法理上の根拠とする動きがあるとのことです。つまり、違法な日韓併合のもとで行われたことはすべて違法で、それを処罰することは、法律の訴求適用にはならないという議論です。
もちろん、当時の国際法では正当に日韓併合がおこなわれました。
 また韓国の側から日本政府に日韓併合が提案されたことも、当時の日本に著しく不公平な内容であったことも明確です。これらをすべて、日本が強制した全く不当なものであったということが、韓国の歴史学会、韓国政府の見解だけでなく、国民の意識の中にも浸透しているようです。
これを象徴する事件が平成25年5月に韓国で起きました。95歳男「日本統治よかった」発言で殴り殺される 韓国ネットでは「死んで当然」「正義の審判だ」J-CASTニュース 9月13日(金)18時26分配信)
韓国で多くの老人が散歩に来て、談笑するある公園で、95歳の老人が「日本統治はよかった」といったところそばを通りかかった35歳の男が、老人がもっていた杖を奪って頭をたたき、その老人は病院でなくなったそうです。
9月にその男に対して懲役5年の判決がおりると、韓国のネットに、その男を擁護し称賛するメッセージがあふれ、その老人は日本統治が良かったといった時点で犯罪者であるとする意見があったそうです。これを狂気の沙汰ということは簡単ですが、その奥に、韓国の対日関係での法理が欠如した対応を日韓併合の違法性に求めるという動きが符合します。
今後、韓国政府の対日外交でも、韓国内の日本人、日本企業がからむ裁判の判決もこの観点からのものが主流をなすと推定します。これに反論するのに理をもってしても、日本側の資料や、当時の第三国の資料をもってしても全く効果がありません。

最も有効な論拠は、平成17年に韓国で韓国人の学者が発見した、大韓帝国皇帝が内閣に日本に日韓併合を提案(実際には懇願)することの可否を論じるよう命じた結果開かれた閣議の議事録です。
実は、私はその要約を平成17年7月の日本経済新聞の記事で読んだので、日本経済新聞社には、その議事録の全文ではなくてもある程度の内容を書いたものがあるはずです。
 しかし、あの新聞社の体質からいって、それが現時点での韓国関連の報道で言及されることはあり得ません。韓国でも非公開となっているようです。
ただし日本側からこれを主張するとその議事録が廃棄されるか、発見した学者が殺害されて、ないことにされてしまう可能性があります。
以前、韓国人の学者の鄭女史が国際法上竹島は日本領であると発言したら、自宅軟禁状態になってしまい、弟は日本に帰化してしまった(せざるを得なくなった?)ということもありました。私は、これは行くところまで行かせたうえで、あまりの異常さに対して韓国内から正常な意見が出てくるのを待つしかないと思います。
何百年かかるかはわかりませんが。
  (ST生、千葉) 


(宮崎正弘のコメント)韓国は中国の顔色を見ながら「中国様の一歩先を行く」のです。阿諛追従が目的です。元寇のときも秀吉が進出したときも、中国に支援を仰ぎ、その先兵となるのが、体質ですね。ところが中国は朝鮮民族を徹底的に嫌う。両国関係はまさに異常という他はありません。



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(読者の声2)イプシロンの打ち上げ成功はおめでたいことであるが、その軍事的・外交的意味が日本で論じられていない。これは、世界の識者の間では、全くの非常識である。
固体燃料ということは、液体燃料のように打ち上げ前に数時間かけて燃料を注入する必要がないということである。
1トン以上の人工衛星を打ち上げることができるということは、大陸間弾道弾なら数トン、東アジアなら10トンくらいのものを打ち込める力があるということである。現在の日本の技術力なら、ゆっくりやっても3年あれば原子爆弾を作ることが可能であり、急げば半年でできる。
何も使う意思がなくてもかまわない。作るかもしれない、使うかもしれないというだけで、政府主導の反日運動に対する抑止力となる。
  (ST生、千葉


(宮崎正弘のコメント)イプシロンは完全にICBMになりえます。つぎに核弾頭開発ですが、シナリオはいくつもあり、嘗て小誌に書きましたが、インドから買う。パキスタンから買う。過去の援助の棒引きが条件です。またオバマ政権のシリア不介入はアメリカの衰退を象徴する出来事、いずれ第七艦隊は極東から撤退することも近未来のシナリオとして想定しておく必要があります。
そのときは米国債を担保に第七艦隊ならびに在日米軍をそっくりいただくという、途方もないアイディアも実現性がありますよ。
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お知らせ NOTICE
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 明日です!
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 三島由紀夫研究会の九月「公開講座」は明日です。どなたでも予約なしで参加できます。
とき    9月17日(火曜)午後六時半
ところ   アルカディア市ヶ谷 四階会議室

講師    山口洋一(元ミャンマー大使、トルコ大使。外交評論家)
      http://gekkan-nippon.com/?p=2074(山口大使の関連記事)
演題    「腑抜けになったか、日本人」
会場分担金 お一人2000円(「三島由紀夫研究会」の会員は千円)

<やまぐちよういち氏は佐賀県出身。元マダガスカル大使、駐トルコ大使、駐ミャンマー大使。平成10年外務省退官。主な著書:『トルコが見えてくる この親日国の重要性』サイマル出版会、『ミャンマーの実像 日本大使が見た親日国』勁草書房、『思いこみ>の世界史 外交官が描く実像』勁草書房 、『敗戦への三つの〈思い込み〉外交官が描く実像』勁草書房、『腑抜けになったか日本人 平成の若者よ、これでは日本はダメになる! 日本大使が描く戦後体制脱却への道筋』新風舎のち文芸社。『歴史物語ミャンマー  独立自尊の意気盛んな自由で平等の国』カナリア書房)など多数>
お問い合わせはyukokuki@mishima.xii.jp
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『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2013 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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