日曜日, 1月 04, 2015

宮崎正弘の国際ニュース・早読み(クルーグマンの大予言「アベノミクスは世界のモデルになる」?)



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015) 1月4日(日曜日)
   通巻第4430号 <臨時増刊号>
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 クルーグマン教授の御託宣は「アベノミクスは半分うまく行っている」
  しかし「女性進出」と「構造改革」がカギというのはいただけませんが。。。
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 日本という巨大市場はアメリカ人学者にとってまだまだ稼ぎになるらしい。
 日本を褒めそやしたエズラ・ヴォーゲルも『ジャパン・アズ・ナンバーワン』でしこたま稼ぎだしてから、日本がバブル崩壊におそわれ、以後、「失われた二十年」になるや、突如中国派に転向した(トウ小平をほめあげて、中国から賞賛された)。

 フランス人経済学者トマ・ピケティという新人論客が、このところ大流行だが、左翼エリートの机上の空論に近い。人口学者のニアル・ファーガソンのほうがまだ面白いというのが筆者の意見だが、さて。

 ノーベル経済学賞のクルーグマン、昨年11月に日本に講演に来たおり、安倍首相とも会談し、アベノミクスはこうするとうまくいくなどと『講義』をしたらしい。そのことを彼自身が自慢げに書いている。
 カギは「円安」はともかくとして、「女性進出」と「構造改革」であるというが、日本のことをよく知らないで流行の議論を追っているだけという印象だ。

 14年10月31日付けのニューヨークタイムズに寄稿したクルーグマンは「日本に謝ります」と題をつけた(APOLOGIZING JAPAN)。
そのなかで、氏は『流動性の罠』を説明し、従来日本に対して声高に金融緩和をぶったものだったが、「われわれには日本を痛烈に批判する資格なぞなかった」と気味悪いほどに反省気味であり、謝罪したいと比喩した。
 
 クルーグマンは消費税導入の延期を評価し、これでアベノミクスが成功すれば、世界のモデルになりうるだろうとして次のように続けた。

「黒田バズーカは『大歓迎』であり、じつはもっと大胆にやれ」
でなければ「いまは空母から発艦するジェット戦闘機がブレーキをかけている状態」であり、それじゃ墜落してしまう。「デフレ脱出には『脱出速度』が必要なのだ」と力説するのである。

「黒田バズーカ」程度では脱出速度ではないというわけだ。
 黒田日銀総裁はインフレ目標を2%と言っているが、もし2%を実質的に達成するとすれば目標は4%にするべきで、これは「臆病の罠」(『流動性の罠』に対比させての比喩)である、とクルーグマンの応援歌も幾分変形を帯びてきた。

 そしてクルーグマン教祖はこうつづける。
 「確かに量的、質的金融緩和の効果はでている。しかし需要が弱く、構造改革をすぐにでも実行しない限り難しい」


  ▼アベノミクスが軌道にのるか、どうかは「円安」、「原油安」というダブルチャンスを活かすことにある

 構造改革というのはアメリカの要求する改革、規制緩和に応じろという意味であり、黒田は国債の無制限買い上げばかりか、円安の防衛にも積極的であるように見える。だが、円安の効果は一年か一年半先でないと現れず、上半期に企業業績があがっても株価は精々が二万二〇〇〇円であろう。事実、日本経済新聞の財界、エコノミスト等数十人の予測アンケートをみても、最高予測額は22000円であり、いま現場の声を、日本経済の再生にまだ時間が必要と考えていることが分かる(同紙、2015年1月3日)。

 とはいうものの大企業の国内回帰が目立ちはじめた。
安倍首相は『週刊文春』の新年号で櫻井よしこ氏と対談しているが、東芝を例に挙げて、大工場が日本にもどってきたことを力説しているほどである。

 しかし昨年十月頃からアベノミクスの腰折れが明確になった。
 日本経済はアベノミクスの下、順調に回復する筈だったのにGDP速報は意外にもマイナスを示した。

 2014年第四四半期がマイナス1%前後というのは意外な結果である。巷間の不況、賃金の値下がりと株価高騰という矛盾が同時におこるというアベノミクスのパラドックス現象が起きていたのだ。

 これは消費税と原油高騰のため消費が伸びない上、エネルギー代金が値上げとなって実質賃金が下がったからだ。
 
 それはタクシーと居酒屋の不況を観察すれば分かる。日本経済はあやうく頓挫しかけていたのである。
 この回避策として日銀の「黒田バズーカ」は一時的効果をあげたが、殆どがファンド筋に吸い上げられ円キャリとなって消えたため毀誉褒貶が大きい。

ところが昨年後半から円安と原油下落というダブルの幸運に恵まれ、輸出競争力の回復は企業業績を高めるから正規雇用が増えるだろう。問題は非生産部門に予算の多くが振り向けられ、拡大再生産に繋がらないこと。福祉厚生方面が防衛費より多いという奇観をいかに是正するかである。

 ともかく原油安により電力代金が下落するうえに原発の再稼働が見込まれるから不安材料は多層に減少する。
円安により国内回帰の企業もようやく目立ちはじめ、経済の本格回復が望めるのが2015年後半の展望である。
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 ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ 
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 日本のおかげで独立できたとアジア諸国は感謝した
  誰が大東亜戦争のただしい解釈・評価を悪意で捻じ曲げたのか

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平間洋一『イズムから見た日本の戦争』(錦正社)
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 一般参賀に駆けつけると最初のお立ちに間に合った。夥しい国民が日本の国旗を振って『天皇陛下万歳』を唱えている。この静謐なる激情、すがすがしい風景をみたいためにも、評者は毎年参賀を欠かさないのかも知れない。
皇居の清流のような空気と静謐の空間のなかに裂帛の精神が溢れている。
天皇陛下のお言葉は「我が国と世界の人々の安寧と幸せを願い」。。。
 そうだ。あの戦争は世界の人々の幸せを踏みにじり、とりわけアジア・アフリカ諸国を蹂躙し、有色人種を奴隷のごとく扱って搾取してきた白人国家への日本の挑戦であった。大東亜戦争の目的はアジアの植民地の桎梏から解放することにあった。この崇高な歴史的意義が、じつにじつに戦後七十年も忘れられてきたのだ。
 アジア諸国は華夷秩序にしたがう朝鮮半島の国をのぞいて、おしなべて日本に感謝しているのが現実、ことし予定されている「安部談話」は正しい歴史認識に立脚して、凛としてものであってほしい。

 さて本書の副題は「モンロー主義、共産主義、アジア主義」とあって、これら三つのイズムが人種偏見と折り重なって、日清戦争以来壱世紀にわたった日本の戦争を分析、再評価する。
ともかく浩瀚である(大判で494ページもある)。
 というわけで参賀から帰宅し、襟をただして本書に取り組んだ。著者から贈呈されてから壱ヶ月半もツンドク状態にあったのも、浩瀚ゆえに時間が取れなかったからである。
しかし読み出すと止まらない。殆ど一昼夜で読み終えて、感動の余韻のなかに拙評を書き出す。
 だが、何をどう評価するかと言っても、本書は時間的空間が宏大であり、原稿用紙にして20枚ほどの紙幅がないと十分に論ずる能わざるといった、思想的な歴史書である。氏には『日露戦争が変えた世界史』などの名作があり、すでにその業績は斯界で高く評価されている。

 本稿ではしたがっていくつかのポイントに的を絞ることにしたい。
というのもインドネシア独立戦争も、マレーも、ベトナムも残留した日本兵が指導したし、インドの独立戦争はともに闘った事実は小誌の読者なら殆ど知っているだろうと推測されるから、これらの項目は割愛する。
 意外だったのは(というより小生が知らなかっただけかも知れないが)フィリピン独立運動を日本が助けていたという歴史的事実だった。
 ともすれば戦後のフィリピンは米国の示唆、いや使そうされて反日感情に燃え、日本にたいそうな悪意を投げた歴史があり、モンテンルパの悲劇を知っている。マルコス政権の時代までフィリピンは米国の傀儡と言ってもよく(いやマルコス転覆劇とて米国が仕組んだ)、だからフィリピンにおける独立運動史は等閑され続けてきたからかも知れない。
近年、この方面では高山正之氏らの著作によって、真実が明らかにされつつあるものの、まだまだ日本人史家も自虐史観に基づいて日本がフィリピンを「侵略した」という解釈が横行している。

 真実は異なる。
 日露戦争以前から対米独立運動をフィリピンで展開していたリカルテ将軍は何回も捕らえられるが、香港へ亡命し、1903年に日露戦争の戦雲が広がるや密かにフィリピンに帰国して独立本部を設営した。米軍の急襲を受け、ふたたび捕らえられが、またも香港へ亡命し、その後、1915年に日本へ亡命するのである。
「犬養毅や後藤新平らの援助を受け、横浜でスペイン語の教師などをしていた(中略)。その後、41年12月19日に日本軍とともにマニラに」凱旋した。26年ぶりの帰国だったのだ。
しかし日本軍はこれらの親日派を重宝せずにいたが、ゲリラ活動が活発化したため、「43年には独立を認めることを宣言し、五月には東条英機首相がフィリピンを訪れ、ルネタ公園の歓迎式典で独立を公約し、その五ヶ月後の10月14日の独立式典ではリカルテ、アギナルド両将軍の手でフィリピン国旗が掲げられた」(307p)

 本書によればジョイス・C・レプラはアジア各地に日本軍が残した『戦闘精神、自助、規律というものを教え込んだ』ことを強調し、『民族主義を抱いていた一つの世代の指導層全体に厳格なる軍事訓練を施し、規律とは何かを教えた』。
「この経験があったからこそ、戦後、アジア各地に戻ってきた植民地主義諸国と独立戦争を闘うことができたのである」とした(ジョイス・レプラ『チャンドラボーズと日本』、原書房)。

 本書で得た重要な語彙に「ピンコ」がある。
 泉ピン子ではない。国際政治学用語である。PINKOとは、『左翼的意見をもった人』、『政治的にピンクな人』『穏健な共産主義者』などと定義されている。平間氏の注釈によれば、最初にPINKOが登場したのは1926年の『TIME』で、爾来、左翼陣営を批判するときに軽蔑を籠めてPINKO PRESSとか、表現するという(評者(宮?)がよくワシントンへ通って多くのシンクタンクの研究員や議会関係者と討論した時代、あのレーガンの時代ですら共和党関係者から一度のこの「PINKO」という比喩的な表現を聞いたことがなかった、変わりに左翼を揶揄するときは『LIBERAL―PINKY―FOOL』だったが)

 いまひとつ重要なことは戦後アジアで継続された日本の教えである。
アセアンの原型は、日本が教え込んだ留学生達が、その後、祖国で独立を勝ち取り、政治家となって「東南アジアの共存共栄のアセアンの結成向けて努力を結集した」から成立した。
 「シンガポールとマレーシアとインドネシアの同期生(日本がほどこした南方特別留学生)たちがジャカルタで会合し、五ヶ国の共同体を結成しようと提案した」。
 インドネシアからスハルト政権の中枢にいたアリ・ムルト、マレーからはラザク副首相ら、ジャカルタではスハルト邸にあつまり、クアラルンプールではラザク邸にあつまり、会合は重ねられ、フィリピンのラウレル・アシス(大統領特別顧問、元陸士)、タイからはコーマン外務大臣。
そして、「67年8月5日にはバンコクでマレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイの五カ国の外相によってバンコック宣言が発表され、アセアン結成が世界に発表された」のである。
かくして「日本の戦争中の教育の成果は、この例が示すように軍事面だけではなく、政治面にも大きな遺産を残した」(321p)
わたしたちは日本のアジアへの貢献を正面から再評価するべき時を迎えており、自虐史観とは永遠に訣別しなければならないことを本書を通じて改めて思った。

          ○○○○○
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1180回】   
  ――「我國萬世一統。所以冠萬國也」(日比野7)
 「贅肬録」「没鼻筆語」(東方学術協会『文久二年上海日記』全国書房 昭和21年) 

  △ 
東西交易が盛んな上海には莫大な関税収入があるにもかかわらず、「ソノ利ヲ洋夷ニ奪ハル」る要因を考える。
 
「夫レ洋夷ノヨダレヲ流シ萬里ノ波濤ヲ來ル。豈些々タル利上ニアランヤ。ソノ素謀ヲ察スルニ、交易和親ヲ以テ名トシ、ソノ地ヲカリソノ地ニ家シ城郭スデニナル。コゝニ於テ金ヲ以テソノ民ヲナヅケ?喝ヲ以テソノ民ヲオドシ、コレニ次グニ邪?鴉片ヲ以テソノ民ノ耳目ヲ塗塞シソノ心腸ヲ蕩漾ス。ソノ術既ニオコナハル。コゝニ於テ漸々ニソノ地ヲ蠶食シソノ國ヲ并呑ス。カクノゴトクセザレバアカザルナリ。清國スデニソノ術中ニ陥リ、至ラザルトコロナク邪?ニ化シ鴉片ニ溺ル。嗟危哉」。
 
――西洋人が万里の波濤を厭わずにやって来る最終目的は、とどのつまりは「金」「?喝」「邪?」「鴉片」などの手段を弄し、物心両面で洗脳し民族の生気を徹底して骨抜きにしたうえで「ソノ地ヲ蠶食シソノ國ヲ并呑ス」ること、つまり殖民地化にある。戦争せずとも、相手を無血開城させたうえで殖民地化してしまう。ロー・リスク、ハイ・リターンである。すでに清国はそうなってしまった。「嗟、コレ實ニ慨以テ歎ズベシ」。なんとも嘆かわしいばかりだ――
 
ここで日比野は、1857年に始まった第2次アヘン戦争(=アロー戦争)処理のために英仏連合軍が制圧した天津で、1858年に英仏両戦勝国に加え、ロシア、アメリカの4ヶ国との間で結ばれた天津条約を持ち出す。
 
同条約の骨子を示すと、?英仏両戦勝国への莫大な賠償支払い。?外交官の北京駐在。?外国人による中国旅行と貿易の自由の保障と治外法権の承認。?外国艦船の長江通行の権利保障。?キリスト教布教の自由と宣教師保護。?牛荘(後の営口)、登州(山東)、漢口・九江・鎮江・南京(共に長江流域)、台南・淡水(共に台湾)、潮州(広東東部韓江中流域。後に沿海部の汕頭に)、瓊州(海南島)など10港の開港。?公文書には「夷」の文字を用いず――まともに考えれば、いや考えなくても、4ヶ国は寄って集って猛禽のように清国を骨の髄までしゃぶり尽くそうとしたわけだ。
 
この7項目のうちの7項目に、日比野は注目した。
 
「西洋各夷ノ書簡必ズ漢文ニテ蠏字ハ通達セズ、コレ小事ニ似タルモソノ關係頗ル大ナリ」。この条項に拠れば清国側役人は英仏露語の「蠏字」を学ぶ必要はないが、「洋夷ハ却テ漢字ヲ學ブニ至ル。ソノ國體ニアズカル、豈鮮々ナランヤ」。ここでいう「國體」とは国情とか国の根幹に関わる情報といった意味合いのように思える。これでは清国側の秘密は筒抜けになってしまう、というわけだろう。
 
こんな危機感を抱いていた日比野の許に、上海に入港したイギリス船から「日本伏見ニテ大ナル變アリ」との情報がもたらされた。「夫レ洋夷ノ鬼子ラ何ヲ以テ伏見ノ變ヲ知ルヤ」と訝る。日本を遠く離れた上海に身を置いているからには、「伏見ノ變」の真偽を確かめる手段を持たないわけだが、「洋夷ノ速カニ我國事ヲ知ツテ流言スル」ことに対抗しようがない。当然のように上海での交易の可能性探索などといった当初の目的は吹き飛んでしまい、千歳丸一行は浮足立つはず。あるいは、それこそが「洋夷」の狙い目だったのでは。
 
千歳丸が上海に赴いた文久二(1862)年に伏見で起きた事件といえば、一行が長崎を出港した「文久壬戌年四月廿七日」の直前に寺田屋を舞台にした島津久光による有馬新七ら薩摩藩尊皇派制圧だろう。これが「洋夷」が速やかに知った「我國事」なのかは不明だが、「流言」の真偽を確かめる手段を持たない一行は浮足立ち、交渉力を失いかねない。
 
これをインテリジェンスというのだろうか。「實ニ惡ムベク又オソルベシ。嗟々」
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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   ♪
(読者の声1)明けましておめでとうございます。五日から再刊と予告されていたのですが、早々と増刊号を拝読、うれしい限りでした。日本の大雪、メルマガの発行にも影響がでるのですね。
 さて前号の吉田松陰の書評、たいへん参考になり、また宮?さんの『吉田松陰が復活する』(並木書房)のなかに、この『武教全書講録』のことが殆ど出てきませんでしたので、新発見でした。
有益な情報でもあり、感謝します。またNHK大河ドラマが始まって観光ブームが怒る妥当と想像しますが、老生も老骨に鞭打って山口、萩、防府などを回ってみたいと念じております。
  (YT生、足立区)


(宮崎正弘のコメント)老婆心ながら萩は現在、観光ブームに沸いており、夏あたりが一番良いのではありませんか?



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(読者の声2)貴誌4429号で川口雅昭氏全訳註の吉田松陰『武教全書講録』が取り上げられていました。以前、山鹿素行の武教全書を読むとき松陰のこの本を参考にしましたが、全文は読んでいないので、この際読むことにします。
「エコノミストへの苦言」の箇所を拝読しつつ、思い出したのですが、長州藩では藩が所有する林を12区画にわけ、樹齢に基づく管理を行っていました。
つまり樹木の輪作です。
そして長州藩では、これは山鹿素行先生の考えを応用したものだといっていました。誰かは忘れましたが、東京大学農学部の教授が行った山鹿素行の農学への影響に関する講演で聞きました。
吉田松陰の『武教全書講録』は武教全書のごく一部しか講義していません。
武教全書は大部ですので、初学者用にかかれた武教小学がお勧めです。
中央公論社の「日本の名著」シリーズに現代語訳がありますが、とんでもない誤訳があります。金沢工業大学日本学研究所からでている「先哲に学ぶ」の中に収録されているものがお勧めです。
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あまり知られていませんが、吉田松陰は被差別部落民の解放運動も行っており、弟子たちの努力が明治四年の被差別部落民解放の太政官令発布に貢献しました。また女子教育の重要性を説き、「女学校」という言葉は吉田松陰が作った言葉です。日本では古来から武士道精神に富んだ女性が多くいて、身を挺して戦った人も多くいました。
スパルタは軍国主義で知られ、女性も幼いころから軍事訓練を受けていました。しかし実際に戦闘が起きると逃げてしまったと読んだことがあります。日本の武士道精神は稀有のもののようです。
川口雅昭氏は広島大学の教育学研究科大学院で学ばれました。
広島大学教育学部には国体論の泰斗である井上順理教授がいらっしゃられました。井上先生はまた日本における孟子受容史の研究をされ、孟子の革命思想を憚って受容が遅れ、江戸時代になってやっと孟子が学ばれたという俗説の間違いを指摘されました。
清原氏が平安時代に天皇に行ったご進講の原稿に孟子があることを発見されましたが、これは日本人のおおらかさを示しています。
  (當田晋也)



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(読者の声3)12月16日に1USD=80ルーブルまで下がりましたが、1USD=58ルーブルくらいで最近は落ち着いています。
 取引量がすくないので、誰かがまとまった量のドル売り・ルーブル買いを行うと大きく動きます。おそらくロシア政府ないし政府系金融機関が介入したのでしょう。
  (ST生、千葉)


(宮?正弘のコメンと)どうでしょうか? ロシア中央銀行はソ連崩壊後、旧来の制度を止めて、西側の指導で作られたので、制度的にはEU並み、つまり独自の為替操作は難しいと思います。いまのプーチン政治にとって、ロシア中銀はお荷物に化しています。
実勢のルーブルの価値を見計らって、投機筋が仕掛けているはずで、大儲けしたファンドがある筈です。
 ロシアのメディアはジョージ・ソロスらと非難していますが、存外、ロシア自身の投機筋だったりして。それもプーチンの側近とか。
それにしても、今のルーブル下落は異常ですね。ロシアで新車がとぶように売れるのも「換物投機」の一種でしょうから。
脱線ついでに言えば、資源リッチの通貨、たとえばカナダ、豪など、次は通貨暴落に陥る危険性が高いと踏んでいます。



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(読者の声4)貴誌4429号で宮崎先生は「プラウダ」(英語版)の記事を引用され、通貨ルーブル暴落の背後には「トランスナショナル・エリート」たちがおり、彼らが束になって画策しているとのロシアの見解を紹介されました。
この見解は馬渕睦夫氏がその著書『世界を操る支配者の正体』の中で説かれている下記の説と符号する。つまり、
「今世界を操る者たちは国際金融勢力である。具体的にはロンドン・シティとニューヨーク・ウォール街の金融資本家であり、彼らは彼らの利益の最大化のための武器であるグローバライゼーションを振りかざして世界を操っているのである」
馬渕氏は今ロシアと欧米との軋轢の焦点であるウクライナ(モルドバ兼任)大使を務めたこともある元外交官であり、ウクライナ問題の背景を的確に指摘されている。
馬渕氏によれば国際金融勢力の目的はプーチンを排除してロシアをグローバル市場化し、自分たちの利益の最大化を達成することにあるという。
とすればルーブル暴落はプーチンが退陣し、ロシアに親欧米政権が誕生するまで終わらないのかも知れないが、そんな政権がロシアに成立するとも考えにくい。先生はプーチンに焦りの色が濃いと書かれましたが、プーチンに奇策を授けるとすれば次は如何でしょう。
「日本に北方四島を直ちに返還し、石油・天然ガスを格安で日本に提供する」
(ちゅん)


(宮崎正弘のコメント)馬淵大使の著作は殆ど読んでおりますし、よく桜チャンネルの討論番組でもご一緒していますが、分析にやや一面的な嫌いがあることと、いま一つはユダヤの陰謀論と混同されて、読者に誤解されかねない懼れが強いと思います。
 つまり世界市場を操ろうという意思をもつ複数のグループがあっても、かれらに団結がない、思惑が恒に混在しているという事実は陰謀論を成立させません。ゴールドマンサックスの商売敵だったリーマンブラザーズは倒産にいたったように。
今度、小生は珍しくニューヨークの辣腕ファンドマネジャーで著作も多い大竹慎一さんとの対談本を出します(『中国崩壊で日本はこうなる』、徳間書店、27日発売)が、その中でも明確にユダヤの金融陰謀論を否定しております。
 
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宮崎正弘『中国崩壊で日本はこうなる』(大竹慎一氏との対談 1512円。徳間書店)
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2月10日頃発売予定
 『保守の原点』(仮題。海竜社。小川栄太郎氏との対談。予価1300円)
  ――古事記から神皇正統記、そして宣長、松陰、西郷への系譜を徹底討論。
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<宮崎正弘の対談シリーズ>
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宮崎正弘 vs 室谷克実
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宮崎正弘 vs 川口マーン惠美
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<宮崎正弘のロングセラーズ>
宮崎正弘『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
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 『中国の反日で日本は良くなる』(徳間文庫)
 『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、1026円)
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宮崎正弘 vs 石平の対話シリーズ
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 『2014年の中国を予測する―中国大陸から次々と逃げ出すヒトとカネ』
(石平氏との対談第五弾)
『2013年後期の中国を予測する』(石平氏との対談第4弾 ワック)
『2013年の中国を予測する』(石平氏との対談第3弾 ワック)
『増長し無限に乱れる欲望大国、中国のいま』(石平氏との第2弾 ワック)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談シリーズ第1弾。ワック)
   http://www.amazon.co.jp/dp/4898316891/
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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