月曜日, 2月 01, 2016

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (china and soros)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)2月1日(月曜日)
         通算第4792号 <前日発行>
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 株暴落も人民元安も「仕掛けているのはジョージ・ソロスだ」
  中国はこれら「陰謀投機を跳ね返す自信がある」と中国系メディアが合唱
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 香港のメディアには北京の代理人的な新聞が目立つ。
なかでも「文わい報」と、「明報」はひどい。「リンゴ日報」は北京に批判的だが芸能とスポーツ記事がおおく(たとえばSMAPの解散騒ぎなど一面トップ)、政治論評はお世辞にも一流とはいえず、老舗の「サウスチャイナ・モーニングポスト」はなにか奥歯に物の挟まった言い方だ(同紙はアリババの馬雲が買収するので、北京批判がおとなしくなってしまった)。

 さて香港で早朝7時にコンビニへ行くと、新聞は全紙そろっているので、買ってホテルに戻り、毎朝30分ほど、テレビニュースを見ながらざっと読んで、大事な記事は切り抜く。

滞在中、もっとも頻度激しく報じられていたのは、ジョージ・ソロスだった。可笑しな話である。
なぜクォンタムファンドを畳んだ旧投資家が話題になるのか?

 株暴落も人民元安も「仕掛けているのはジョージ・ソロスだ」と断定し、しかし「中国はかれらの陰謀投機を跳ね返す自信がある」と香港でも中国系メディアが合唱していた。これは面白いと買いそろえてきた。

 なんでもジョージ・ソロスら禿鷹ファンドが上海株安を仕掛け、いまは人民元崩落のために空売りをしているとか。かつて英国ポンド、ドイツマルクに挑戦した昔話でも思い出したのだろう。

しかし1997年アジア通貨危機の時に、ソロスの投機を跳ね返して香港ドルと人民元の崩落を防いだように、香港通貨当局と北京は、断固として、ヘッジファンド筋の空売りに打ち勝つ、と戦闘的な物言いが奮っている。

 読んでいて思い出したのは東、南シナ海における中国の開き直りの論理だった。
 東シナ海にリグが16基、ガスを採掘している風情はなく、レーダー基地化するのは見え見えで日本政府が抗議すると「ことを荒立て、問題を複雑にしているのはすべて日本政府の責任だ」と開き直った。
 あの開き直りとすり替えの論理を思い出したのだ。

 南シナ海の人口島建設と滑走路建設に米国が抗議すると「域外国は口を挟むな」と言い、アセアンの主要国が強く抗議すると「もともと古来よりの中国領、文句あるか」と傲然と開き直った。

こうした論理的すり替えがお家芸の中国ゆえ、驚くほどのことでもないが、やっぱり人民元安、株暴落の原因は破天荒に自滅的なギャンブルを繰り返した、中国の自業自得の結果であり、外国ファンドの責任はなにもない。いや、むしろ欧米の禿鷹ファンドの手口を真似て、上海株の空売り、通貨投機を背後で画策したのは欧米留学帰りで香港で怪しげなファンドを運営する太子党の連中である。
 しかし、仮想敵をでっちあげ、問題の本質をそらす必要が中国にあるのだ。


 ▼つねに独裁者には仮想敵が必要なのだ

 香港の新聞スタンドでも、こうした論調のもと、表紙がジョージ・ソロス、週刊誌『壱』は、ジョージ・ソロスの右腕だったジム・ロジャーズがカラーの表紙だった。
 株暴落の犯人をいうなら習近平ではないのか?

 ソロスが97年から発生したアジア通貨危機ではタイ・バーツとマレーシア・リンギに先売り投機を仕掛けた。

悲鳴を挙げたマレーシアは取引を停止し、ついには外国への資金送金を規制するなど当時のマハティール首相の豪腕によって、かろうじて最悪の危機を脱した。
 通貨が「商品」として取引されるとなれば、、そのメカニズムが脆弱な通貨は狙われやすい。

 このとき、ソロスは香港ドルもたしかに狙ったが、当時も今も香港ドルは米ドルペッグ制であり、投機目標としては魅力に乏しく、まして当時の人民元は紙くずでしかなく投機するに値しない通貨だった。
「あのときも香港当局がソロスらを撤退させたのだ」とする自慢話は過剰な誇張表記である。

 原油市況をみれば、あるいは納得できるかもしれない。
 1バーレル26ドル台などと極端な値崩れも需給関係によらず、投機筋の先安を見込んだ空売りと、買い戻しの繰り返しの結果、おきていることである。
まだ空売りに余地があるため、もう少し原油相場は下がるだろう。実需とは無縁のメカニズムが構築されているからだ。

 米ドル、ユーロ、日本円、そして英ポンドも通貨が投機目的の「商品」でもある以上、相場の乱高下は繰り返される。
 このメカニズムに準拠するブラジル・レアル、南ア・ランド、カナダドル、豪ドル、NZドルなども人民元と並んで下落の最中にある。


 ▼ソロスのダボス会議発言に猛反発して

 しかし、変動相場制ではなくドルペッグを採用する通貨は、投機筋の攻撃にも耐えられるのである。換言すれば人民元には国際性、利便性がないからである。香港ドルは発行上限枠を設けた地域通貨だから、むしろ人民元の乱高下に比例する。人民元は需給関係と金利でレートが策定される特徴があり、年初来の株安、通貨安は当局のマネーサプライの異常な膨張に連動していることは明白である。
 だれが見ても先行きは通貨暴落である。

 つまり、ここで言いたいことは昨夏からの人民元安はジョージ・ソロスとは何の関係もない。ソロスがなぜ、中国によって目の敵にされたかと言えば、ダボス会議の発言への激しい反撥からなのである。
 ダボス会議でソロスはこう言った。
 「中国経済のハードランディングは不可避的である」と。

 また上海株安を仕掛けて儲けたのもジョージ・ソロスだと中国は難癖を付けたが、ソロスが中国企業株を売却したのは「米国市場」であり、アリババ、百度など通信関連の保有株ぜんぶを売り抜けたことは事実だ。
しかしいずれもが米国に上場している中国企業株であり、上海株暴落の震源とも仕掛け人とも言えないのである。
 中国株の下落、人民元の崩落はソロスとは無関係にこれからが本番である。

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◇書評 ◎しょひょう ▼BOOKREVIEW ●書評▽
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 イザベラ・バードの『朝鮮紀行』に先んじた朝鮮観察
  幻の名著が120年ぶりに日の目を見た

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本間九介著 クリス・スピルマン監修『朝鮮雑記』(祥伝社)
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 副題は「日本人が見た1894年の李氏朝鮮」となっている。
 この幻の名著が、じつに120年ぶりに現代語訳、そして近代史研究の泰斗、スピルマン教授の解説によって再登場した。それだけでも意義が深い。
原著は明治27年に出版され、当時ベストセラーとなったばかりか、著者は内田良平らと交遊し、また与謝野鉄幹との接点もあったらしい。
 この本がなぜ面白いか。
 それは当時の朝鮮半島の政治経済軍事を高みから見るのではなく庶民の生活に入り込み、寺子屋風景や、町の様子、末端の暮らしぶりを目撃し、実感し、なかなかの名調子、漢文の素養も豊かでなかればつづれないような迫力に富む描写も多い。
 くわえて、著者の観察は、かのイザベラ・バードの『朝鮮紀行』に先んずること四年、先駆的な作品であることに着目するべきである。
イザベラ・バードから引用して、当時の朝鮮情勢を述べた論考は夥しいが、今後は本書の引用を先にするべきではないかとさえ思う。
評者(宮崎)がとりわけ注目したのは、朝鮮半島で暮らす当時の無知蒙昧なる末端庶民の「文化生活」である。
なんと朝鮮には「新聞」がなく、仁川と釜山ででていた新聞は日本語。つまり日本人経営の新聞であったこと、そしてソウルをのぞいて朝鮮には書店がないという、その文化力のていどの低さである。
ソウルに二軒か三軒の書肆(本屋)とて、「そこで売っているのは、多くが零本欠冊(巻数がそろわず端本ばかり)にすぎない。(中略)内地の人々は、行商人が、『通観節要』『孟子諺解』など、二、三の本を、市の立つのを待ち受けて、はじめて買い求める」(143p)というほど文化的に殺風景だったのだ。

 さて原著を著した本間九介なる人は、どういう人物か?
あの戊辰戦争で少年隊の悲劇を生んだ二本松出身、本名は安達某。いくつかのペンネームがあり、青雲の志を抱いて半島へ渡り、いわば民間の情報マン、内田良平らの流れが満州へ渡って『大陸浪人』を輩出させるが、その文脈から言えばさしずめ「半島浪人」。
酒が好きで、詩を読み、なんとなくボヘミアン風。そして朝鮮人の奇妙は風俗を描く。それは愛妻・妾らを客に提供するという珍妙な奇譚、風習や暖色。当時の売春屈の実態など、およそ政治論が触れない社会の底辺も観察していることである。
 むろん、日本人居留地の実態、ビジネスと差別、村落の構造、冠婚葬祭にも多くの筆が割かれている。
 スピルマンは監修の言葉のなかで、こう言う。
 「当時、アジア主義という思想を抱いていた一人の若い日本人が、国家の近代化とは何か、欧米の帝国主義とアジアの関係はいかにあるべきかといった、壮大な問題について思索を巡らせながら」、書かれた、と。
その同時代性、そして西欧文明と対峙する、あるいは対極として鎖国の朝鮮半島が歴史的に多くを依存してきた、朝鮮の背後にあって軍事的庇護者でもあった清王朝を頼り、それがやがては日清戦争に繋がっていくのだが、その前夜の風雲急を告げる国際情勢が背景にある。
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 お知らせ
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 宮崎正弘 vs 室谷克実
『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
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  韓国ウォッチャーの室谷克実氏と繰り広げるアジア新情勢シリーズ第三弾!
――破滅の淵に立つ中国と韓国の経済はどこへ向かうのか?
 ――日本はどう対応するべきなのか。最新情報とデータで解析
――再燃する中国株大暴落、日韓慰安婦合意の裏側の意味とは?
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 ――習近平の『軍事改革』で激化する権力闘争
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1358回】                  
―「街路湫隘ニシテ塵穢?集到ル處皆然ラサルハナシ」(黒田12)
   ?田清隆『漫游見聞録』(明治十八年)

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黒田は続ける。
「苟モ官吏タルモノ」は文官・武官、さらには官位の高低を問わず、「或ハ衙門ニ舞弊シ或ハ人民ニ勒索シ或ハ部下ノ定員ヲ殺減シテ常ニ力メテ此金庫ヲ滿タス」。つまり不正・汚職をしたり、人民を絞り上げたり、定員を減らせて浮かせた人件費を着服したり――と、色々な方法を駆使して私腹を肥やし「金庫ヲ滿タス」というのだ。であればこそ、「商賈愈々隆昌ナレトモ小?々貧困ナル所以ナリ」と。

これを現代風にいえば「権貴体制」ということだろう。つまり共産党一党独裁下の野蛮市場経済体制に在って、カネと打算で結びついた幹部と企業経営者が「勝ち組」となり、困窮するばかりの人民は「負け組」となっている。これを言い換えるなら代官と越後屋の構図だ。「越後屋、そちもワルじゃのう」と「いえ滅相もございません。オ殿サマには敵いません」。「ムフッ、ムフッ、ムフフ」。「ブハッ、ブハッ、ブハハハハッ」のアレだ。となると、やはりオ代官サマは山形勲で、越後屋は上田吉二郎で決まりだろうに。

漢口の項には、こんな記述もある。
「清人ノ性利ニ敏ニシテ商機ニ熟スルハ世人ノ知ル所」である。利に敏いというわけだが、そのうえに「其結合力ニ富ムモ亦清商一般ノ氣風」である。だから余所者が出掛けて行って商売をしようものなら「其地ノ同業者連串通謀シテ失敗ヲ蒙ラシム??」は少なくない。であればこそ如何に優れていたとしても事情に疎い外国商人が乗り込んでいった彼らと商戦を繰り広げたとするなら、「其術策ニ陷ラサル?殆ント稀ナリ」。欧米人の機敏さをもってしても商売に関しては退けられてしまうのである。

だが彼らは徒に《自己人》で富を独占するために「其結合力ニ富」んでいるだけではなく、取り扱い商品の管理・保管に細心の注意を払っている。黒田は「清商」が保有する倉庫の構造まで図解した後、だから日本から輸出する場合には「貯蔵ニ注意シ以テ其品位ヲ保ツハ最モ急務ナリトスルナリ」。苟も日本商人たる者は「其國産ヲ愛シ前途ノ長計ヲ思ハサルヘケンヤ」。将来を考えて仕事に励め、と説く。
 鎭江、蕪湖、九江、宜昌、福州、淡水、鷄籠は飛ばして、一気に広東へ。

 広東では「一般人民ノ性質」は「頗ル活?ナリト云ハサルヲ得ス其勞役ニ服スルモノヽ如キ舉措ノ敏ナルハ蓋シ支那人中ノ第一ニ位スルニ似」て、「婦女子ニシテ労働スル」姿も数も「殆ント男子ニ均シ」。加えて「衣服及ヒ家屋モ稍潔淨ヲ覺ヘ」たとのこと。さらに廣東では「上海、厦門等支那街巷ヲ行テ惡臭鼻ヲ衝キ眼ヲ掩テ匆々經過スルカ如キ醜陋ノ状尠ナ」い。どうやら黒田は、人も街並みも広東が第一だと受け取ったようだ。それはともかく「聞ク支那不潔ノ習慣ハ北京ヲ以テ其極トシ漸ク南シテ漸ク薄シト其言眞ニ然ルヲ知ルナリ」と。

 黒田の予備知識では「廣東人ハ剽悍ニシテ風俗最モ惡シ」であるはずが、どうもそうでもないらしい。そこで「在廣東本邦人某ニ聞」いてみると、こんな答えが返ってきた。

 「剽悍ニシテ風俗最モ惡」いのは「最下等ノ賤民ノミ」である。それというのも「無智ニシテ氣力ノ壮ナルモノハ常ニ剽悍粗暴ニ流レ易」いからだ。彼らは自らが置かれた立場を判っているゆえがゆえ、自分たちの立場を守ろうと剽悍な振る舞いをしているのであり、氣力に溢れていればこそ剽悍さが言動に現れてしまうもののようだ。「上流人種ハ概子古學ニ拘泥シテ天禀ノ性靈ヲ發揮スル」ことができない。ところが「賤民ハ之ニ反シ無知蒙昧ノ者ト雖モ天性ノ自然ニ任セテ百業ニ勞働セリ」。だからこそ広東人は「剽悍ノ名アルニ拘ハラス通商ニ工業ニ甚タ他省ノ支那人ニ超越スル所以ナリ」と。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ ERADERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌4791号(2月26日)で、(R生、ハノイ)様が「フランコと大日本帝国」(フロレンティーノ・ロダオ著)の記述を紹介されていますが、マニラ市街戦で、日本軍が憂さ晴らしに無防備の市民を襲ったとあるがいかがなものか。スペイン人は南米やフィリピンで現地人を気晴らしに殺したようだが日本軍人はそういうことはしない。
また武器弾薬が不足している状況で、弾薬を無駄にはしない。ただ敵のスパイの処刑はあっただろう。万国、野戦では共通だ。勿論これは人種差別ではない。これを記した人物はスペイン内戦の敗北で欧州から極東に逃げてきていた共産主義者だったのだろうか。
 米軍がマニラ包囲戦で現地人を平気で殺したのは、1900年フィリピン共和国を滅ぼした時、現地人60万人を殺している実績があるからだろう。大量のフィリピン人の白骨の上で自慢げなポーズを取る米軍人の記念写真が今も残っている。
 今回の天皇陛下の慰霊ご旅行にあたり、大東亜戦争におけるフィリピン戦の報道が行われているが、内容が混乱している。産経紙がフィリピン側の死者110万と書いているので多すぎておかしいと電話した。日本軍、米軍、フィリピン人に分けて戦死者を掲示すべきだ。
 戦前、フィリピンは米国の植民地だった。マッカーサーの父親はフィリピン総督だった。日本軍は米国植民地軍を開戦初頭、インドネシアのオランダ軍同様、撃破してフィリピン人を解放し、フィリピン再独立の準備をした。そして日本は大東亜会議でホセ・ラウレル大統領にフィリピンの独立を承認した。
 しかし米軍マッカーサーが再度植民地を取り戻すために反攻した。この米軍にインドネシアの場合と違い、かなりの現地人が参加した。
これがフィリピンゲリラだ。このため、日本軍は米軍と米軍フィリピンゲリラと戦ったのだ。フィリピンの戦争は簡単ではない。日本側に立って米軍やゲリラに殺されたフィリピン人も多数いたことを忘れてはならない。
   (東海子)



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(読者の声2) 「マイナス金利」に関連して思い出すこと。
 昭和天皇がご下問されたことがあったと記憶。「円高は悪いことなのか?」
国の通貨の価値が上がることが何故、悪いことなのか、逆ではないのかと素朴な疑問を口にされたことがありましたよネ。当時のメディアが盛んに「円高=悪}の風潮を作ってたと記憶してりますが、35~40年位前か? 
中曽根総理だったかがデパートで海外の有名ブランドのネクタイ等を買って輸入振興の旗振りをしていたことを思い出す。「程度問題だが、基本的には円が強いことは良いこと」と思います。昭和天皇のご下問に与するものです。
国の姿として、
(1)円が高くとも輸入金額に相当する輸出ができる様な産業構造を構築。アベノミクスの第三の矢の「お題目だおれ」が悔やまれる。
                                
(2)物価の安定は良いことではないのか。何故何が何でも2%のインフレをおこそうとするのか。原油価格が大幅にさがったので、2%の物価上昇は難しくなったので、大見栄を切ってスタートした、2年以内に2%のリフレを実現させる、目標期限(約束期限)を2016年後半から2017年の前半に変更。その実現のために劇薬と称される「マイナス金利」を導入。
 銀行業界に不都合なこの政策はエゴの性格が強い銀行業界のこと、多くの中小企業を苦しめる策をとることが懸念される。全体として国民(消費者)心理はうわむかないのではないか。
 一ビジネスマンとしても、端的に言って、円高の方が円安より都合がよい。
海外の取引先の親しい間柄の友人と話しをする時、時によって互いの年収の話題がでることがある。例えば、年収1000万円で為替が現行の一ドル120円のとき、約8.3万ドルの年収になる。80円ならば、12.5,万ドル.オトコの価値基準の重要な一つの物差しとして年収が不可欠。ドルが国際基準の物指しになっているのでそれで当方の価値を見られかねない。国レベルでも全く同様に評価される。
 民主党時代の白川日銀総裁時代の80円の為替で輸出不振=全体の不景気状態からバトンタッチした安倍政権としては黒田バズーカで号砲一発順調にスタートを切ったが株価重視の運営政策。実体経済軽視。大幅金融緩和の円安誘導で輸出回復。
「不況脱出の対処療法」としてはその功績を認めたいが、上述したような根拠で、本来は「円高」が望ましいと思うがいかがなもでしょうか? 
 いずれにしても程度問題であくまでもバランス感覚が大事と思いますが。
  (木内信胤信徒の一人)


(宮?正弘のコメント)円高が望ましいというより、人民元安が望ましいと思います。黒田バズーカの新型「マイナス金利」に対して、香港のメディアの反応は「上海市場は無反応」というものでした。



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(読者の声3)ある証券業界関係者から、中国政府は、上海総合指数の防衛ラインを3000から2500に下げたと聞きました。2500に下がると上場会社の平均で配当利回りが預金金利と同程度となるからだそうです。
自由主義市場経済に住んでる者の感覚では変な話です。株の場合。今後値上がりが予想されるのでなければ、リスクがある分株式配当の方が預金利息より高くないと割が合いません。
もう一つ、損益のバランスが取れたところで、市場価格の下げはとまりません。高値で買った人の投げ売りがあるので、いったんはバランスする価格より大きく下げたあと、徐々に値上がりが始まります。この原則からいうと、リスクを含めて考えた妥当な価格が2000なら、一端1500くらいまで下がって後半年くらいかけて2000に戻すということになります。
ただし、中国では奇策も愚策も悪策もありなので、2500を死守するということも考えられます。そうする、価格維持のために相当大量の資金が必要となり、人民元の通貨供給量が増えます。この増えた人民元が他の通貨に替えられると人民元の為替レートへの下げ圧力が強まります。
この状況を丸く収めるには、天才か狂人が必要になります。
  (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)香港はH株暴落のトバッチリで、市場は激しく揺れ、とうとう暴落の黒幕、仕掛け人はジョージ・ソロスとジム・ジャーズだという珍奇な分析が飛び出していました。各週刊誌の表紙をふたりが飾っていました。

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