月曜日, 5月 06, 2013


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(ネトウヨって何だ?)


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 ◎臨時増刊号です
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成25年(2013) 5月7日(火曜日)
   通巻第3935号   <前日発行>
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(本号はニュース解説がありません)
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◎ BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ☆
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 「ネトウヨ」って何ですか?
   新しい現象、珍現象、これが世論の一角にあることが現実

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古屋経衡『ネット右翼の逆襲』(総和社)
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 こういう未踏の分野に挑んで、一冊を書いた人がいて、そのことに寧ろ驚ろかされた。
「ネット右翼」(これを「ネトウヨ」というそうな)という存在があることを評者(宮崎)は、つい最近まで知らなかった。でもそれなら「ネット左翼」はいないの?
評者は他人様のブログをまったく読まない、ツィッターはやらない。フェイスブックも興味がない。そもそも操作方法を覚える気がない。こういう人間がハイ・テクノロジー時代となると、なんとも時代遅れなことは自覚しているが、必要あって携帯電話だけはもっている。なぜなら駅に公衆電話が殆どなくなったからである。ただし電話の受け答えだけでニュースの契約も、メッセージの打ち方も知らない。そういう必要がないし、情報というのは、決して、ハイテク器機から入ってくるものではないからである。
インテリジェンスの本質をハイテク世代は勘違いしていないか。

 さて「ネット右翼」が「ネトウヨ」なる新語で呼ばれ、それらは社会の底辺に蠢く、「低所得」で「低学歴」という侮蔑的イメージを付帯させていたという。
ネットで攻撃をうける側、主として左翼団体やらマスコミが命名したらしいが、悪印象をあたえる情報操作のために右翼=反動的という錯誤の印象を与えたかったのだろう。
げんに本書の著者はネトウヨが日本会議に参加しないのは会費が有料だからだと分析している。しかし、こんな分析で良いのかな?
 政治の本質はゲバルトであり、もしネトウヨがそういうクチだけの存在であると仮定するなら、政治改革を実力でやろうとする未来のソウモウの志士は、おそらくネトウヨからは出てこないだろう。
 ともあれ、新鮮な話題をわかりやすく解説していて、新事情を理解する上で有益だった。

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 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 897】       
    ——「支那人の矛盾に対する無頓着が現れている」(安倍の下々)
    「瞥見の支那」他(安倍能成 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
  

 △
かくして安倍は、「こんなに考えると支那の高士なんていう連中は、皆盛に豚を食ったように思えて来る。陶淵明だとか竹林の七賢なんかも、きっとそんな人間だろうといいたくなる。豚を食ったか食わないかは暫く措いても、生活力が強くて余裕があることの一の現れが『悠然として南山を看る』境地となる、と考えるのはあながち無理でもあるまい」と。

確かに日本の伝統的で“正統派”の看板を掲げる漢学者的視点では、やはり「陶淵明や竹林の七賢」は“霞”を喰らって生きていてもらわなければ困るだろう。だいいち、豚の脂身に塗れた「陶淵明や竹林の七賢」なんぞは想像だにできないはずだ。だが旺盛な生活力に加え何だって咀嚼し消化し栄養にしてしまう強靭な胃袋があればこそ、陶淵明のように「悠然として南山を看る」こともできるわけであり、世を拗ねて竹林に遁げ込んで昼の日中から酔眼朦朧と琴でも弾いていられるわけだ。酔狂・風狂を演ずるにも、やはり“鉄の胃袋”は必要不可欠ということか。

こう考えれば、鳥インフルエンザ如きに周章狼狽する昨今の情況を見せつけられると、中国人もヤワになってしまったものだ。いったい中国人が中国人であることの証明である“鉄の胃袋”は何処にいってしまったんだと、深い疑いをもってしまう。同時に中国人から“人間離れした胃袋”が失われてしまうことに一抹の寂しさを覚える。

ところで安倍は日本人と比較して、「支那人は日本人よりも遥かに『衆と楽して楽しむ』ことの『独り楽して楽しむ』に優ることを解して居るように思う」としながら、「各個人がお互いに無関心で居てそうして全体の空気を楽しもうという社会的訓練は、西洋人と同じく日本人よりも或は発達して居るのではないか」と考える。どうやら安倍は日本人と中国人の違いを「独り楽して楽しむ」のか、それとも「衆と楽して楽しむ」かに見出したようだ。だが「衆と楽して楽しむ」は一歩進めば付和雷同の責任放棄につながるはずだ。昨秋の反日デモにみられた日系企業焼き討ちなど、まさに「衆と楽して楽しむ」そのものだ。

安倍が「最後に考えることは、この支那人の旺盛なまでの楽欲と儒教の関係」だった。儒教は日本人が常識としているほどに「禁欲的なストイックな厳粛な道徳教」ではなく、「むしろ実際的な、現実生活に即してそれに秩序と方向とを規定せんとする所の教であり」、であればこそ中国人の間では「無意識的若しくは半意識的な風習として、偽善だとか矛盾だとかいう小うるさい詮議は抜きにして通用して居る」わけだ。

そこで「更に進んで考えると、支那人は日本人よりも一層複雑であり、ずうずうしく物を気にしない所があり、儒教は儒教、生活は生活ということをちゃんと心得て、その間をよろしく平気でやって居られるといえよう」。一般民衆は種々雑多な民間信仰を持つゆえに、儒教は「此等多数民衆を支配する力を有しないとも考えられよう」と疑問を投げかける。

かくして安倍は、「支那人の個人としての生活力の強さ、その弾力の豊富は、支那人をして圧えればひっこみ弛めれば膨れしめる。支那人はこの点に於いて無気味な不死身の性を持って居る。けれどもこれは同時に強い力の前にはちぢみ上がり、相手が弱いと見ればむやみにのさばるという厭うべき性質ともなって現れるのであろう。何といっても国土が広く、資源が豊かで、人間の生活力が強い支那の前途は実に我々の前に置かれた興味ある謎でなければならない」とし筆を擱く。
それから1年が過ぎた昭和4(1929)年10月、安倍はハルピンを散策している。
《QED》


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【知道中国 898】   
   ——「支那人の矛盾に対する無頓着が現れている」(安倍の下々々)
     「ハルピン散策記」(安倍能成 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)


 △
安倍がハルピンを散策した昭和4(1929)年、日本では7月に濱口雄幸内閣が成立し、11月には海軍軍縮会議に向けて若槻代表団が出発している。中国では?介石の政権基盤が定まらず、軍閥は合従連衡を繰り返し、漢口、唐山、上海、青島などで労働者のストが頻発し、陝西と甘粛の両省で干害による飢饉が発生した。

安倍は、「今八万のロシア人と二十数万の支那人と三千余の日本人を包容して、国と国の生存欲が頭をかち合わす折衝点であり、現世の逸楽と苦痛とをめちゃくちゃにつき交ぜた巷であるこの都会が、実にこの広大無辺の?野に唯中にあるという感じ、この感じは我々が本国では経験し得ないところのものである」と、「現世の逸楽と苦痛」に日々を送る中で国家と国家、民族と民族とのむき出しの欲望がぶつかり合っているハルピンの姿を描く。

次いで「西洋風の家屋から成る支那町」の傅家甸を歩き、「この混乱と猥雑とを考慮せずに、一種独特の色彩感覚を造り上げる支那町の街上には、その喧しい噪音の中に期せずしてまた一種の支那式情調を形造っている」と印象を綴った後、その町にみられる「粗末な建築ではないが優れた建築でもない」建造物に対し、「支那側がこうして幾十万の金を費やして文廟や仏寺を建てる趣旨はどこにあるのか」と疑問を呈す。

それというのも、「同じ吉林省内でも主都の吉林の宏大な孔子廟の屋根には草が茫々と生えて、その境内は瓜や茄子又は大根の畑となったりしている」からだ。かくして「一方にあるものは荒廃に任せ、他方にない金をしぼって新たに鉅万の工事を起す。ここにも支那人の矛盾に対する無頓着が現れている」と結論づけた。

!)小平による社会主義市場経済、7人の共産党最高幹部という名の執行役員による中華人民公司経営、毛沢東を否定しながら天安門に巨大な毛沢東像を掲げ、「和諧社会」を政策の大カンバンに掲げながら一向に社会の和諧(融和)が実現できなかった胡錦濤時代(02年〜12年)、共産党幹部による地上げなど——「支那人の矛盾に対する無頓着」とは、けだし名言であり至言だろう。

街並み、そこで生活する人々を仔細に観察するに従って、安倍の眼が捉えるのは「日に日に急激な勢いで支那化されゆくハルピン」だった。

「支那人の富豪や大官らしいものは、如何にも搾取者らしく肥え太って、ともかくも立派である。若い紳士の中には瀟洒な服装の男も居るが、しかしその顔は如何にも意識的に気取っている」。「ロシア名の市街は皆支那名に改められた。小旗を掲げた立派な磨き立ての自動車にふんぞり返っているものは多くは支那人の官吏であり、レストランでもカヴァレーでも支那人は大威張りである」。「方々に支那人の宏大な百貨店が新たに作られ、また作られんとし、街頭を往来するものは大方支那人であり、そこに聞かれる詞は殆ど支那語のみである」

かくて「イラショナルな支那のあらゆる現象の中に、ここにもまた大連や奉天その他の到るところと同じく、支那商人はその勤勉と倹約とによって極めてラショナルな利勝を博しつつあるように見える」と総括した後、「思うにこの勢いが進めば、今後十年を出ずして、ハルピンは支那人の市街と成り了するであろう」と結論づけながら、ある日本人の「ハルピンの町が支那人の手によって日一日と汚くなりつつある」との慨嘆を引いて、「ロシア人の如くその清潔と保存に留意するか否かは疑問である」と、中国人の振舞いを疑問視する。

安倍のハルピン散策から3年後の昭和7(1932)年春、満州国が成立した。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)産経新聞社の憲法改正草案を読んで情けなくなりました。小室直樹さんも書いたように日本人は本当に憲法が何かわかっていない。韓国人の歴史認識のようです。
その点では保守派の人たちも同じです。
行政法の中で規定すべきことをも憲法に盛り込もうとしたり、美しいファンタジーを書き込もうとしたり。
憲法は国家運営するための道具、いわば草履のようなものです。はきつぶれれば、はき捨てるだけのものです。不磨の大典は教育勅語です。
   (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)産経新聞の憲法改正案に前後して、主権回復記念日、それから憲法改正集会のイベントが続きました。といっても、この間、小生儀ずっと日本にいなかったので、帰国後、新聞を読み返しての追体験でした。
さて痛切な産経案へのご批判ですが、この件(産経の改憲案)は、具体的に読んでいませんのでノーコメント。それより、いまの政局の影響下、とつじょ「96条改正論」が議論の焦点になっていて、驚きです。
 改憲論議の矮小化ともとれますが、基本的な憲法廃棄論から言えば、不毛の議論でもあります。このあたりが、しかしながら安倍政権の限界でしょう。
 なお憲法廃棄論は下記資料欄に西村真悟議員の論文を再録しましたのでご参照あれ。



  ♪
(読者の声2)お気づきのことと存じますが、『週刊現代』(5月11日号)の書評欄に宮?さんの新刊『中国の反日で日本はよくなる』(徳間書店)の書評が掲載されていて、「還暦をすぎても中国全省を日々ほっつき歩いている宮崎正弘氏」とか「新たなアラをさがして今日も中国を歩き回るこの人、いったい中国が好きなのか嫌いなのか」とやや斜に構えての文章があります。
こうした表現は著者をオチョくっているかのごとき不快な印象を持ったのですが、如何でしょう?
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)『週刊現代』は昔から伝統的にリベラル、左翼文化人の本しか書評に取り上げられなかった時代もあります。
70年安保までは完璧な左翼でしたが、こんにち編集の基本が大幅に修正され、切り口も塩辛いが保守的様相を帯びています。それは同じ号の特集が「門外不出レポート 中国経済は7月に自壊する」というものですからね。
 さて拙著への短評ですが、小生はむしろ好意的に受け止めました。ただ「あらさがし」とはこれ如何に、ですね。なぜなら特に意図して捜さなくても現代中国はいたるところ、アラだらけ、ですからね。



  ♪
(読者の声3)平成25年6月9日(日)に靖国神社にて國學院大學教授 茂木貞純教授の「昭和二十一年元旦詔書と三島由紀夫」と題した講演会が「みことのり普及の会」主催で行われます。
記念式典が1時から行われ、講演は3時からです。参加費は二千円で初穂料と会場費を含みます。
お問い合わせは電話03−5261−2891 錦正社内にお願いします。
  (TU生)
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 参考資料
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西村真悟 「主権回復を祝い、無効論定着す」
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五月一日夜には、東京の憲政記念館で西村塾総会を開き、中山恭子参議院議員のご挨拶の後に国政報告をする。そして、「明後日、五月三日には、どの旗を揚げようか」と話を結んだ。「どの旗」とは、祝日に玄関に立てる国旗を「半旗」にするかどうかということである。
それから深夜に堺に帰り、翌日の二日は、朝から北海道に飛び札幌から旭川を巡った。目的は同志に会い、講演をすることだ。札幌は、三年連続五月三日に訪れ、「憲法講演」をしている。以前は、北海道の同志が「赤の広場」と呼んでいる大通り公園やすすき野と狸穴通りの角で街頭演説会をしたが、今年は街頭演説はなかった。
本年は街頭どころではなく、北海道の人も寒い寒いと言っている。内地は桜が散って新緑の世界になっているが、北海道は、梅も桜も咲いていない雪と氷雨の世界だった。
(第一の視点) 
さて、憲法を考える場合、さらに広く、法を考える場合には、「不文の法」と「成文の法」
が存在することをまず脳裏においておかねばならない。前者(不文法)は、人の社会生活状況の変化に従って流動していて後者(成文法)の解釈に影響を与える。そして、前者と後者の文言が甚だしく乖離してくると、後者は捨てられる。つまり、死文化する。法として機能しなくなる。
例えば奈良時代に、大宝律令、養老律令というのがあった。私は読んだこともない。しかしこの律令の文言と社会生活実態が合わなくなったときに何が起こったか。「令外の官」が設けられた。これは、律令の外の官ということ、つまり武装組織、武士だ。
さらに時代が移り、社会生活実態と律令の文言が合わなくなると「関東御成敗式目」が武藏守北条泰時によってつくられる。この時泰時は次のような趣旨のことを言う。
「京都には、律令というのがあるらしいが、我々はそんなものは読んだこともないし全く知らない。従って、こんなもので裁かれれば、山に入って猟師の仕掛けた獣穴(ししあな)に墜ちるようなものだ。よって、これからは今まで我々が従ってきた頼朝殿の裁定を基本にして生きてゆこう」
つまり北条泰時は、支那の唐の制度を持ち込んだ律令(成文法)よりも、自分たちの生活実態すなわち歴史と伝統のなかからできあがっている先例、慣例、慣習(不文法)を法としたのだ。そして、この関東御成敗式目は、江戸が終わって明治になっても寺子屋で教えられ、庶民の規範、生きた法となった。
そこで、この大宝律令・養老律令と関東御成敗式目の関係を、現在の日本国憲法と社会生活実態の関係と対比して考えれば、例えば、自衛隊は「令外の官」として始まったと言える。つまり日本国憲法は当初から現実の社会生活実態(国際・国内情勢)と合わなくなっていて、まず「日本国憲法外の官」である自衛隊つまり軍隊を国民が認めたということである
そして現在は、いつの間にか、泰時が言う「そんなので律せられたら獣穴に墜ちるどころが日本民族が支那に呑み込まれてなくなるから、京都の馬鹿(社民・共産や左翼)はほっといて、我らは、我らの常識に従って生きていこう」という関東御成敗式目制定の時代をとっくに過ぎた段階にある。
では、この通りであるならば、かつての大宝律令・養老律令がそうであったように日本国憲法もそうであろう。つまり、死文化している。
即ち、我々日本国民、日本民族の、憲法は、日本国憲法と題する文章のなかにあるのではなく我々の歴史と伝統と社会生活実態のなかにある。

(第二の視点)
次に、法一般ではなく、特に日本国憲法を考える場合、この一点を避けて通ることはできない。即ち、成立過程からして、果たして「有効」なのか「無効」なのか。これは、「無効」だ。
黒いカラスを白いという人や、東京大学の教授(宮沢義俊)のように、ないものをあるという人(彼は昭和二十年八月十五日にクーデターがあったと言っている)はほっておこう。
そもそも我が国に主権がないときに、我が国はどうして憲法を制定できるのか。我が国に主権がないときに、占領軍兵士が憲法を書き、我が国に主権がないときに、それを公布しそれを施行した。これがどうして「有効」なのか。
本年四月二十八日、我が国政府は、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、六十一年前の四月二十八日に、我が国に主権が回復されたことを祝った。
まさに六十一年前の四月二十八日、サンフランシスコ講和条約が発効し、我が国は被占領国状態から主権を回復し独立国となったのである。即ち、その前の昭和二十年九月二日の降伏文書調印から同二十七年四月二十八日までの間、我が国は被占領国であり、我が国は主権を奪われていた。この被占領期間の間に、日本国憲法は外国人が書き、公布し施行された。
四月二十八日、我が国が公式にこの日を主権回復の日として祝ったこと、これ即ち、我が国が公式に、日本国憲法は我が国に主権のないときに書かれたもの、即ち、無効の憲法であると、公式に認めたことなのだ。
さらに重大なもう一つの観点、からも日本国憲法は無効である。
その観点とは、近代国際法が誕生して四百年、国民国家を単位とする国際秩序の形成という「国際文明の段階」から見ても、日本国憲法は無効である。
これは、こういうことである。
判りやすい具体的なありうべき例をあげる。
将来、支那の人民解放軍が、朝鮮半島の三十八度線を突破して一挙に南下し朝鮮半島全体を席巻し軍事支配を完了したとする。そして、「統一朝鮮民主主義人民共和国憲法」を公布し施行した。諸兄姉、この憲法は有効か無効か、文明の正義の名において判断されたい。 無効である
諸兄姉がこう判断されたなら、日本国憲法を有効としてこの無効の判断ができるか考えられたい。

文明の正義の観点から、統一朝鮮民主主義人民共和国憲法が無効ならば、日本国憲法も無効なのだ。日本国憲法が無効だから統一朝鮮民主主義人民共和国憲法も無効なのだ。日本国憲法無効の判断が、軍事独裁国家の暴挙を抑止し将来にわたって「文明の正義」を維持する力となるのだ。
以上の考えを引っ提げて、季節外れの雪の北海道で講演しまた同志と懇談したが、四月二十八日に、公的に主権回復の日を祝ったことは、即ち、公的に日本国憲法無効としたことに他ならないとの確信を深めた次第である。なお憲法改正論は、こうあるべきだ、あああるべきだの政策論であるから、大いに活発に議論を発展させていくことが、国家のために有益である。

(にしむらしんご氏は衆議院議員、日本維新の会)
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 三島由紀夫研究会主催シンポジウムのご案内
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 三島由紀夫『文化防衛論』をめぐって長時間のシンポジウムが行われます。25日(土曜日)の午後、コメンティターに藤井厳喜、西村幸祐の両氏にくわえ、ゲストに松本徹(三島文学記念館館長)と冨岡幸一郎(鎌倉文学館館長)の両氏も参加されます!
   
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 三島由紀夫研究会主催 「文化防衛論」シンポジウム
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         記
時       平成25年5月25日(土)
午後1時〜午後5時50分(途中コーヒーブレーク・トイレ休憩あり)
所       ホテル・グランドヒル市ヶ谷 西館3F「ペガサスの間」
*(新館左手にある旧館です。ご注意ください。
会費      三島研会員 1,000円
一般    2,000円

 <<プログラム>>
1300−1310 「このイベントの意義」 玉川博己(三島研究会代表幹事) 
 1310−1410 第一セッション
・菅谷 誠一郎   「文化防衛論の描く戦前と戦後」
 司会とコメント  宮崎正弘

1410−1420 珈琲ブレーク

1420−1520 第二セッション
・佐々木 俊夫  「文化防衛論と国防思想」
 司会とコメント  藤井厳喜(政治学者)

1520−1620 第三セッション
・浅野 正美   「天皇と文化防衛論」
 司会とコメント  西村幸祐(評論家)

 1620−1630 休憩
 1630−1730 全体討論(松本徹、冨岡幸一郎氏らも参加)
 
各セッションの基調報告終了後、聴衆の皆様からの質疑応答の時間を取ります。ぜひ活発な意見、質問をご発言ください。

 なお、シンポジウム終了後、懇親会を開催いたします(別途会費5,000円を申し受けますが誰でも参加できます。ただし懇親会のみ事前申込みが必要となります)。
出席希望の方は、下記事務局までメールか電話でご連絡ください。席は十分にあります。
 三島由紀夫研究会事務局 090-3201-1740
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 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2013 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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