日曜日, 10月 25, 2015

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (ヒラリー最大の危機を乗り切る)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月25日(日曜日)
         通算第4698号 
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 ヒラリー、最悪の危機を乗り切ったか?
  バイデン不出馬、ブッシュ選挙戦撤退か
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 共和党の激しい攻撃に11時間にわたった公聴会を弁舌巧みにかわし、ヒラリーは最大の危機を乗り切った模様である。
 
 論戦の焦点はリビアでおきた「ベンガジ事件」だった。
米国駐リビア大使が領事館にいたところを過激派に襲われ、四名が殺害されたが、(1)なぜ米大使はトリポリではなく、警備のお粗末なベンガジの領事館にいたのか(2)シリア反体制派への武器を、リビアで蒐集していたのではないのか(3)作戦をヒラリーは私的メールで国務省を通さずにおこなっていたのではないのか。

 しかし、22日の下院特別委員会での質問に満を持してヒラリーへの詰問を展開した共和党だったが、言葉巧みに、雄弁に乗り切られた。
 ヒラリーは予備選前の最大の危機を克服できた模様で、党内最大の脅威とされたバイデン副大統領は不出馬を宣言した。

 また共和党は、最有力とされたジェブ・ブッシュ(元フロリダ州知事)が、選挙本部を縮小し、スタッフへの給与削減に踏み切った(フィナンシャルタイムズ、10月25日、電子版)。
ということはブッシュの撤退の構えを見せたことになる。

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【知道中国 1312回】 
       ――「市店雜踏、穢臭衝鼻、覺頭痛??」(岡53)
         岡千仞『觀光紀游』(岡千仞 明治二十五年)

  ▽
李氏朝鮮第26代国王で大韓帝国初代皇帝(在位1864年~1907年)に就いた高宗(1852年~1919年)と閔妃(明成皇后/1851年~95年)の2人が、清国の朝貢体制に組み込まれ、極めて限られた国際関係のかなで、西欧列強や日本に対していた。2人は、相次ぐ宮廷内クーデターと内乱、加えるに日清・日露戦争、やがて日韓併合へと続く歴史の奔流に道化振りを発揮しながらも立ち向かうことになる――当時の朝鮮が置かれた情況を、こう簡単に振り返っておこう。

 高宗即位から10年間は大院君執政期と呼ばれ、最高権力者は高宗の父親である大院君であり、この時代、財政政策の失敗から、国防態勢は脆弱化するばかり。農村の貧窮化が急速に進み、鴨緑江近くの農民は清国やロシアへの越境・逃亡を余儀なくされた。ということは「脱北」は彼らの“民族的伝統”ということになる。

 妃より格下の貴人である張氏との間に生まれた義親王は宮廷外で育てられただけでなく、高宗お膝元である漢城府に住むことは許されず、日本やアメリカなどの海外を点々とすることを強いられた。どうやら義親王は浪費癖もあったらしく、その点からも高宗には嫌われたようだ。この義親王の境遇は海外に留め置かれた金正日の実弟を、海外留学中の浪費癖が原因で父親から快くは思われていなかった点は若将軍ドノにとっては母親違いの兄君に当る金正男を連想しないわけでもない。

 1898年、高宗は勅令で自らを「大元帥」と、皇太子を「元帥」と定め、陸海軍の一切を統率しただけでなく、非常事態や出征などの特例を除き、皇太子以外の皇子・皇孫を大将に任ずることが出来ないようにした。まさに腹違いの兄である正男に加え同じ母親から生まれた兄の正哲すら飼い殺し状態に置く北の現状は、権力維持のための伝統的手法ということだろうか。

 対外関係は、「第一に(宗主国の清国を差し置いて)、自らの密書による秘密外交で西洋列強を引き込もうとすること、そして第二に、その事が露見した場合には、それを直接の交渉に当たった臣下の責に帰すること、第三に、その場合に工作の対象となった列強には最大限配慮するというやり方である」(『高宗・閔妃』木村幹 ミネルヴァ書房 2007年)。

 金正恩権力掌握以後の対北京外交を考えれば、まさに木村の指摘のまま。加える「密書による秘密外交」は韓国の朴政権の“告げ口外交”を連想させるに十分。かくして金と朴の2人の半島指導者は、こと外交に関しては共に高宗路線の信奉者であり後継者なのか。

 改めて高宗の治世を振り返ると、やはり国内問題も対外関係も関係なかった。その“超非常識政治”の目的は、なによりも自分と家族とを守ることでしかなかったから。これをいいかえるなら朝令昼改・優柔果断・熟考短慮・終始一貫・自己保身――こう思えて仕方がない。

 さて岡の友人の見解に戻る。
 日本と提携した新党勢力に国内の支持が集まったことを「不悦」な「中人」が多くの「不逞」な輩を煽動して今回の事態を起こしたものの、「中兵は規律無く、韓人の厭(きら)う所と爲る。今、また亂黨を助け愈々韓人の望みを失う」。英米各国の公使は混乱を避けようと日本兵に同道して済物浦まで逃れた。だから「中日の曲直は各国公使の之を明らかに知る」と。以上の見解に対し、岡は反論する。

 ――「日人」は「中」の曲(まちがい)だといい、「中人」は「日」の曲だと主張するが、これが「人情」の当然の帰結だ。ただ今回は突発的事態であり、両国政府の意図は見られない。ならば必ずしも「中日交際」に影響を与えることはない。(12月16日)
《QED》

   (ひいずみかつお氏は愛知大学教授。華僑、京劇研究の第一人者)
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 読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)容易ならぬ事態がアメリカで進行しています。
 慰安婦の像の設置で、反対運動の先頭に立っておられる目良浩一さんが以下のような発言をなされています。時間をかけてゆっくり読んでください。
 これを危機と感じない日本の外務省は、まさに「害務省」です。不要です。
https://gahtjp.org/?p=1107
 日本はアジアにおける共産主義の蔓延に危機感を持って、大正時代から昭和にかけて支那大陸で戦いました。
 それが結果として、成功しなかったのは、アメリカの全くの愚かさのせいです。今は資料がこれを明らかにしています。
 しかし、共産主義との戦いは今も続いているというのが目良さんの認識でしょう。
 大東亜戦争はまだ終わっていません。共産主義との100年、200年戦争はこれからも続くのです。日本国民に覚悟はあるのでしょうか!
   (HT生、大田区)

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 鍛冶俊樹の軍事ジャーナル  第210号(10月24日)
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日中歴史戦、最終ラウンド
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 昨日、「南京大虐殺」の歴史捏造を正す国民会議が国会内で記者会見を開き、安倍総理への要請状を自民党の木原稔衆議院議員に手渡した。ちなみに小生もこの国民会議の呼び掛け人の一人である。
http://www.sankei.com/politics/news/151023/plt1510230022-n1.html
 中国が9日に「南京大虐殺文書」をユネスコの世界記憶遺産に登録させたのに対して、日本政府は直ちに遺憾の意を表明した。ところが22日、ニューヨークの国連の軍縮委員会で中国の傳聰軍大使が「旧日本軍が化学兵器や人体実験で多数の中国人を殺害した」という、これまた捏造事件を持ち出して日本を非難した。
 この大使は軍服を着用していることから、中国人民解放軍の意図を体している事は明らかで、20日にも同委員会で、日本が核武装を画策していると核戦略関連で対日非難をしている。

 旧日本軍の化学兵器使用といい日本の核武装といい、これらの対日非難は如何にも唐突で取って付けたような印象は免れない。一体、何故この時期に何の脈絡もないような対日非難を狂った様に繰り返すのか?
 菅官房長官が13日に「ユネスコへの拠出金停止」を言及したのに対して、中国外務省の女性報道官はその日の内に、日本が「ユネスコを公然と脅迫する言論には驚かされた」とコメントした。
 外交的脅迫がお家芸の中国外務省がこんな弱音を吐くぐらい、中国は日本の反応に動揺した訳だ。傳大使の狂った様な対日非難もこの動揺の顕われとしか考えられない。おそらく中国内部では今回のユネスコ登録は、致命的な失敗だったと認識されている筈である。
 というのも「南京大虐殺」はもともと対日宣伝工作として捏造されたものであり、学術的に研究されれば戦時プロパガンダだと直ぐにばれてしまう。そこで学術研究の対象にしないという政治的な合意が国際的になされてきた。

 ところが今年、日本の教科書検定で南京事件を記述しない歴史教科書(自由社)が合格した。不安を感じた中国は、国連において政治的に大虐殺を認定させる意図をもって、遺産登録に踏み切ったのである。
 だが、いやしくも国連の公式機関に資料が登録された以上、当然その資料は学術研究の対象となってしまう。もともと中国には学問の自由が存在しないから、この事態に立ち至るのを予見できなかったのだ。

 日本の研究者から、今後は登録された資料を学術的に論破していくと聞かされて、中国の情報機関は初めて致命的な失敗に気付いた。習近平主席はロンドンで日本の残虐性に触れたが、遺産登録されたばかりの「南京大虐殺」には言及しなかった。論点を「南京大虐殺」から如何にそらすかに腐心しているのは明らかだ。
 日中歴史戦は最終ラウンドに入ったと言えるだろう。

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