水曜日, 10月 07, 2015

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (銀座「爆買い」ブームにも秋風)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月7日(水曜日)
         通算第4675号  
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 銀座「爆買い」現場にも秋風。ブームが終わる兆候か
  他方、決済通貨で人民元は世界四位に躍進したが
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 10月6日、SWIFT社が発表した国際的な決済通貨のシェアは以下の通り。
 米ドル  44・82%
 ユーロ  27・2
 英ポンド  8・46
 人民元   2・79
 日本円   2・76
 僅かに0・03%だが、人民元が日本円を抜いた。

 しかし外貨流出を防ぐため、中国当局は海外旅行の持ち出し外貨交換をひとり千ドルに制限したうえ、買い物決済手段の中軸を担う「銀連カード」の外貨使用上限を年間10万元(180万円)から五万元(90万円)に唐突に縮小するとした。

 つまり買い物限度額が半分となったのである。

 それかあらぬか、銀座の現場はどうなったか。筆者はさっそく銀座へでかけた。
 相変わらず蝗の大群、観光バスがひっきりなし、集合場所で中国人を降ろし、あるいは集めているが、荷物が少ない。
「えっ?」という感じである。
 
 銀座四丁目あたりで、中国人が電話で大声をあげているので、何を喋っているか訊いていると「バスの集合場所が分からない」「いま和光の前だけど、そこまでどう行けば良いのか?」

 殆どの中国人ツアーが日本でも通話可能なスマホを持っていることには驚かされたものの、爆買いの様相からはほど遠いのだ。

 先月まで荷物を何重にも抱え込んだ中国人ツアーが目立ったが、買い物袋をたくさん抱えている中国人はきわめて少ない。

 免税店の幾つかを見学したが(見学時間は午后四時半から五時半ごろ)、ラオックスは閑古鳥、銀座通りの有名ブランド店=ルイビュトンやフローラ、ティファニーにもまばらにしか客がいない。
レストランも高級店をさけ、吉野屋とか、ラーメン屋、ファストフードに客が溢れているが、寿司屋では殆ど見かけなかった。


 ▲習近平、急遽ロンドンへとぶ可能性大

 おりしも中国の習近平主席は10月20日から23日まで、急遽、英国を訪問するという情報が流れている。

 さきの訪米で大失敗、つめたくあしらわれた中国は、米中心のTPP合意を目撃した。
 こんな筈ではなかった、というのが中国の本音だろう。なぜなら訪米にあたって、ボーイング300機という大量注文が手みやげ、しかも随行訪米団は、なんと千名。このうち800名はアリババ、テンセント、ハイエールなど中国を代表する企業経営者だったから、すごい意気込みで米国に乗り込んだのに、議会演説を拒否され、米マスコミは黙殺に近い態度だった。

 思惑の狂った中国は、西側との橋梁を演出する必要に迫られた。そこで御しやすいロンドンに小当たりしようという計算が働く。

 なにしろ英国がAIIBに先に手を挙げて呉れたお陰で、57ヶ国の参加表明の胎動を作り出したのだから、この危機に米国にあてつけるように、英国に飛んで、孤立打破の道筋を協議する目的があるのだろう。
 
 さらに二番手の投資国=ドイツがVW問題と難民60万人受け入れにより、対中投資縮小、VW新工場沙汰止みの可能性もでてきたため、中国の焦りが深刻化したのかも知れない。
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1304回】   
  ――「市店雜踏、穢臭衝鼻、覺頭痛??」(岡45)
        岡千仞『觀光紀游』(岡千仞 明治二十五年)

   ▽
 11月も末になると、天津は「寒、甚だし」。その寒さのなかをやってきた友人が、「『衙門大官(せいふこうかん)』のなかでは1人として和平を口にする者がいませんが、どう考えられますか」と。そこで岡は、

 ――防備を固め自らの土地を死守する覚悟の民がいるならいいが、「中土」の朝野は果たしてそれだけの覚悟をお持ちかな――
すると先方は岡の質問に答えることなく、「じつは知り合いの結婚式がありまして・・・以後は他日ということで」と、そそくさと帰ってしまった。

  ――確かに「中土」では結婚と葬儀を重んじてはいる。だが国境に「強寇(しんりゃくしゃ)」が現れている非常時にまで結婚の豪華さを誇ったところで無意味だろうに――

  11月26日、李鴻章からの招請を受け総督署に向う。岡を出迎えた李鴻章は開口一番に「曲阜の孔子廟には行かれましたかな」。そこで「内陸部の人心は荒々しく、外国人の旅行には不向きでして」と。あらかじめ岡は自著の『尊攘紀事』を贈呈していたのだろうか。李鴻章は、「あなたの著書は説得力があり、説くところは雄偉なり。あなたは素晴らしい才を持ちながら『樗散(やくたたず)』に甘んじているようだが、貴国の現政府とは考えに違いはないのですか」と。そこで岡は、

 ――維新の大業は西南雄藩より起りました。「小人」は東北人でありますがゆえに、政府幹部は「小人」を用いませんし、また「小人」も彼らに諂うことを望むものではありません。わざわざ異論を口にしているわけではなく、自らの使命を全うするのみです。

 我が政府のうちでは誰を相手にすべきかとのご下問ですが、亡くなられた岩倉大臣と大久保参議に比肩するようなものはおりません。

 伊藤参議の人物像に関するお尋ねですが、「是人」は20年前に攘夷の主張に疑問を持ち、イギリスの船に乗り込み、「賤業(よごれしごと)」に従事しながら海外を見聞したほど。やはり並の人物ではありません。

 (やがて時事問題に議論が移る)現在、内外は閣下が動かれることを大いに待ち望んでおるところ。「是の機に乘じ、大策を建て、大勢を運らし、禍を轉じて福と爲し、危を變じて安と爲さん」ことを切に望む次第です――

 これに李鴻章は「我が国でも20年前の貴国と同様に攘夷論が盛んではありますが、考えますに5年を経ずして消えてしまうでしょう。恥ずかしながら『老夫(やつがれ)』は大役を仰せつかってはおりますが、責任は甚だ重いもの。暇を請いて悠々自適を望みはするものの、そうもできそうになく。『足下(きこう)』のように世間とは交渉を断ち、海外を漫遊し、大いなる志を満足させておる姿が実に羨ましいかぎりだ」と。続いて岡の従者に向って「旅行資金は充分かな」。すかさず従者は「極めて愉快な旅を続けております」と。

 夕暮れ時となり、部屋に灯がはいる。仲介した中国の友人に促され、挨拶の後、李鴻章の許を辞去し、日本公使館へ。そこで待ち構えていた榎本公使は、「李鴻章は数々の難局に当たってきましただけでなく、外国事情にも明るい。『中土』では彼以外に人物はおりません。だが訪問客は中国人はイエスマンのみで、外国人は『諛言(おべんちゃら)』が多く、却って彼の判断を誤らせてしまう。どうやら期待外れになるのでは」との考えを示す。かくて岡は、

 ――果たして斯くの如かれば、将に老いを知り、耄(ぼけ)、之に及ばんか。姑くは記して五年の後を待たん――
 冷たい北風が吹けば川は冰り船は動かない。残り少なし天津の日々。
《QED》
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 読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌4674号に重大な「間違い」(?)が二ケ所あります。
まず佐藤公彦『中国の反外国主義とナショナリズム』(集広舎)の書評「『愛国無罪』という中国でしか通用しない非論理」→「『愛国無罪』という中国と韓国でしか通用しない非論理」
です。
つぎに(読者の声2)に対するコメント「『インテリが書き、ヤクザが売って、馬鹿が読む』といわれる、かの新聞」→「『嘘つきが書き、ヤクザが売って、馬鹿が読む』といわれる、かの新聞」です。
 (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)より分かりやすいですね。



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(読者の声2)今年は三島由紀夫諌死事件から四十五周年です。楯の会学生長だった森田必勝氏の追悼会が故郷の四日市で、行われます。
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四日市における「森田必勝氏追悼会」のご案内
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「三島由紀夫『楯の会事件』から四十五年――森田必勝氏追悼の集い」
 森田必勝氏(楯の会学生長、自決)の没後45周年を記念し、追悼会が開催されます。
      記
  とき   11月7日(土)14:00~
 ところ  四日市市文化会館 第三ホール(300名定員)
      http://ticket.st/places/mie-363
講演   宮崎正弘氏(評論家、「憂国忌」代表世話人)
演題   「三島由紀夫・森田必勝とあの時代」
入場無料  記念冊子を差し上げます。また当日森田必勝遺稿集『我が思想と行動』の
頒布が行われる予定です。
 どなたでもお気軽に参加出来ます。予約の必要はありません。

 <参加される方へ>三島由紀夫研究会としてはこの機会に、講演会の前に四日市にある森田必勝氏の墓所へお参りをする予定です。また講演会終了後懇親会を行う予定です。
 つきましては参加人数を把握するため、本講演会に参加される方は、墓参と懇親会への参加希望の有無を下記事務局までお知らせください。後日集合時間と場所をご連絡します。
 (大体当日の午前十一時前後に近鉄四日市駅前集合となる見込みです。)
  三島研会員以外の方のご参加も歓迎します。
  連絡先: 三島由紀夫研究会事務局
FAX:  03-5419-7670  電話: 090-1611-9839 (玉川代表幹事)
Eメール: yukokuki@mishima.xii.jp
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宮崎正弘の新刊案内  http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のロングセラー 
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『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々  世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円) 
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)

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<宮崎正弘の対談シリーズ>
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宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘  v 室谷克実『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
(石平さんとの第7弾は、十月下旬発売予定です。ご期待下さい)

宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 西部遭『日米安保五十年』(海竜社)  
宮崎正弘 v 黄文雄『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社) 
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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