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「同族だから攻めてくるはずがない。核兵器を同胞に使うはずがない」というのは根拠のない未来論を説く新興宗教の信仰に近い。 通常なら北の軍事的脅威は与党有利となって、これを「北風現象」と譬喩したのだが、殆どの韓国国民が反応せず、保守党はどん底の人気に低迷している。 4月4日、風向きがすこし変わった。 第二野党「国民の党」が正式候補で安哲秀を決めると、「もし二人が決戦となれば」という世論調査が行われ、トップを走る文在寅が41・7%に対して、安哲秀は39・3%、その差が僅差の2・7%でしかないことが判明したのだ(東亜日報の調査) 米国の大統領選挙でも顕在化したように2・7%の差は誤差の範囲内であり、逆転の可能性も否定できない状況がうまれた。 安哲秀は、とくにTHAAD配備に関して「合意を護るべきである」と現実路線が鮮明である。国連事務総長だった播基文支援グループも、この安支持に回った。 つまり4月4日の時点で「文在寅・一強論」が潰れたのである。 ▼逆転の可能性が高まった 4月6日、流れが勢いよく変わった。 文在寅と安哲秀の支持率が「逆転」したのである。まるで昨年のトランプvsヒラリーの熾烈な選挙戦のようだ。 同日の世論調査では「二人の対決なら」という設問で、中央日報は安哲秀が50・7%、文在寅が42・7%、YTNテレビのそれでも安哲秀が47・0%、文在寅が40・8%.両方ともに逆転である。 しかし安哲秀も、国防問題、外交ではリアリストだが、対日認識では反日姿勢が濃厚である。 安哲秀は時事通信(4月4日)のインタビューで「慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意について、当事者たちが生存しており、当事者たちとの合意を基に直さなければならない」とし、「慰安婦を象徴する少女像が釜山の日本総領事館前に設置された問題」でも、「日本政府が撤去を要求し、移転を条件に大使の帰任を拒否してきたことは理解できない」などと妄言を吐いている。 これらは韓国のメディアが流していることの受け売りで、独自性がない。 安哲英は「日韓関係は歴史問題で国民感情が悪化している。歴史問題を解決しない状態で、安全保障問題などを分離し、アプローチするのは極めて難しいのが現実だ」とし、余白を残した発言に終始している。 同時期、米韓合同演習は続き、また北朝鮮のミサイル発射が繰り返され、北朝鮮問題の解決は韓国を蚊帳の外において米中首脳会談で論議される。 ところが、韓国軍の内部ネットワークが北朝鮮にハッキングされ、米韓の軍事作戦の機密「5027」流出したらしいと韓国KBSテレビが伝えた。 しかもハッキングは2016年9月であり、発覚したのが同年12月、三ヶ月も機密漏洩が分からなかったのだ。 この「5027」作戦は米韓軍が北朝鮮の進撃をとどめ、北上し、日本海と黄海には海兵隊を上陸させ、平壌を制圧するという軍事作戦の機密が多く含まれているとされ、国防部の必死の否定にも拘わらず、不安が拡がった。 また済州島沖では、日米間の初めての対北朝鮮潜水艦訓練が実施された。 日本の海上自衛隊からは護衛官「さわぎり」とP3C対戦哨戒機、ヘリが参加した。米軍はイージス駆逐艦、哨戒機が参加し、とりわけ北朝鮮の潜水艦発射ミサイルSLBMに対応する訓練だった。 そして4月6日、韓国軍も射程800キロのミサイル実験を胡なった。これで韓国南部から平壌を射程にいれることが出来るため、年内配備が急がれている。 □○○み□◎◎や○◎○ざ○○□き□◇◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ 樋泉克夫のコラム @@@@@@@@ 【知道中国 1552回】 ――「彼等の體力は實に野生である、獸性である」――(高瀬12) 高瀬敏?『北清見聞録』(金港堂書籍 明治37年) ▽ やはり「支那官吏の出資その多き」ゆえに、「支那商人」が「商界に覇と振へる」ことになる。かくして「以て支那官吏が、如何に貪慾に、如何に蓄財に熱心なるかを見るべきなり」。だが考えてみれば、権力をテコにした不正蓄財のカラクリはそのまま現在の中国にも当てはまりそうだ。 結局、共産党幹部となって昇進すればするほどに「賄賂忽ち飛んで彼等の懷中に入り、官金濳かに來りてその袖に隱る」。その資金が“越後屋”に回る。権力と財力が合体し、富が富を呼んで資産が膨れ上がる。なかには越後屋を兼任する幹部がいたとしても何ら不思議ではない。これが権貴体制のカラクリというものだろう。 ?小平が掲げた改革開放政策の実態は、共産党独裁堅持を唯一無二の目的に、政治改革を棚上げしたうえで、共産党独裁に抵触しない範囲で国内経済に関する規制を大幅に緩和する。その一方、海外の豊富な資金と先進技術を積極的に導入し、これにタダ同然の労働力を提供した。つまりは毛沢東が目指した「自力更生」の4文字で象徴される経済の自給自足体制を放棄し、毛沢東が“粒々辛苦の末”に築きあげた貧困の共同体からの脱却を狙ったものだ。 タダ同然の労働力を求めて海外から押し寄せた企業は有利な条件を求め、あるいは同業他社を出し抜くため可能な限り、いや限界を超えてでも“即応”したことは想像に難くない。毛沢東の時代では考えられなかったような莫大な賄賂が「忽ち飛んで彼等の懷中に入り」、経済成長によって膨らんだ「官金濳かに來りてその袖に隱る」ことになった。「彼等」こそ、一党独裁のウマミを知り尽くした幹部だ。 おそらく毛沢東の時代であっても幹部はオイシイ汁を啜っていただろう。だが、なにせ当時は人口過多の超巨大貧困社会である。であればこそ精々が人民公社の配下の綺麗な娘、あるいは別嬪の女房を手籠めにするとか、食糧切符をチョロマカスとか。その程度の、およそチンケなものだったに違いない。だが改革開放以後、彼らが手にした賄賂や官金の額は天文学的に膨れあがったのである。一党独裁体制の下での規制緩和であればこそ、極論 なら上は北京の中央政府から下は地方の郷鎮政府まで、規制のバルブの開閉は彼ら幹部のサジ加減一つ。ならば外国企業がもたらす「賄賂忽ち飛んで彼等の懷中に入」ったとしても、なんらの不思議もない。 いわば?小平が毛沢東の幻想的革命路線をボロ雑巾のように棄て去り、経済最優先政策を遮二無二推し進めたことで、「如何に貪慾に、如何に蓄財に熱心なる」「支那官吏」がゾンビのように復活したのである。どうやらゾンビは、毛沢東時代がどんなに苛烈であろうが絶滅させることは不可能だったようだ。天上界で不老不死の丸薬を呑んだ孫悟空のように、煮ても焼いても死なない。いや殺しても死ぬわけがない。孫悟空にとっての丸薬こそが、彼らにとっては莫大な不正蓄財に当るだろう。 林語堂によれば「収賄汚職は人民にとっては罪悪であるが、家族にとっては美徳である」(『中国=文化と思想』講談社学術文庫 1999年)ということだから、家族を解体し、家族主義を根絶しない限り、「収賄汚職」は永遠に不滅ということになる。 さて高瀬は、さらに「利」について論じ、「利を好み、?金を愛することの極みは、遂に人の物を盗むに至る。泥棒根性の支那人に盛なるは、また何ぞ怪む足らんや」と言い切る。さすがに「泥棒根性の支那人に盛なる」とまで口を極めることは憚られるが、確かに我が新幹線技術を例にみるまでもなく、「遂に人の物を盗むに至る」との一言は、不思議と説得力を秘めている。 やはり山塞(パクリ)文化は永遠に不滅ということになるのか。 《QED》 ▽△◎◎ヒ□◇▽イ□◎○ズ◎□○ミ○□◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため4月13日―17日が休刊となります ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ (読者の声1)時差の関係だと思いますが、トランプvs習近平のフロリダ州会談、アメリカの新聞はまだ報じていません(日本時間4月7日午前六時現在ですが)、しかも全体的な印象ですが、アメリカ人の関心はシリアに向かっています。 やはり、日米メディアの温度差がでているのでは? (JJセブン) (宮崎正弘のコメント)シリアで化学兵器が使用され、100人以上が殺害された悲劇ですが、アサド政権がおこなったと米国は断定し、シリアへの軍隊増強を検討するなどとトランプ政権は騒ぎ出した。 ロシアはアサド政権ではなく、過激派が使った可能性があるとしています。 つぎにウクライナ問題をめぐり、ティラーソン国務長官が11日のモスクワを訪問すると発表されました。ペンス副大統領の来日は18日です。 こうした状況の変化のなか、トランプ大統領がどこまで強気で中国を説得できるか、北朝鮮は主要議題から外れる可能性がでてきましたね。 □◎◎○ ○◎○▽ ◎○◎○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪♪ 宮崎正弘 新刊ラインアップ ************* 『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず潰される』(徳間書店。1080円) https://www.amazon.co.jp/dp/4198643660/ 『トランプノミクス』(海竜社、1080円) 『日本が全体主義に陥る日―旧ソ連邦・衛星国30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円) 『世界大乱で連鎖崩壊する中国、日米に迫る激変 』(徳間書店、1080円) 『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) 『中国大恐慌以後の世界と日本』(徳間書店、1080円) 『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円) 『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社、1512円) 『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円) 『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円) 『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円) ♪♪♪ <宮崎正弘の対談・鼎談シリーズ> @@@@@@@@@@@@@@ 宮崎正弘 v 石平 『いよいよ、トランプが習近平を退治する!』(ワック、994円) 宮崎正弘 v 渡邉哲也『世界大地殻変動で、どうなる日本経済』(ビジネス社、1404円) 宮崎正弘 v 福島香織『暴走する中国が世界を終わらせる』(ビジネス社、1188円) 宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円) 宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円) 宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店) 宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店) 宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、以上三つは1080円) 宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円) 宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、994円) 宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円) 宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック。994円) ************** 宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円) 宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円) 宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) □◇▽□○◎□◎○□□▽▽ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため4月13日―17日が休刊となります ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (C)有限会社・宮崎正弘事務所 2017 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ─────────────────────────────────── ■今回の記事はいかがでしたか? 下記ページより、あなたが記事の評価を行う事ができます! http://melma.com/score_q0b0CQnq60VBBsWvP1qdeqNq5ddbefd5/ □このメルマガのバックナンバーやメルマガ解除はこちら http://melma.com/backnumber_45206/ □その他のメルマガ解除や登録メルマガの検索はこちら http://melma.com/contents/taikai/ ───────────────────────────────────
金曜日, 4月 07, 2017
宮崎正弘の国際ニュース・早読み <猛追す る安哲秀が、優位だった文在寅との支持率を逆転
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