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中国の本当の富裕層は買い物どころではないのである。 (この文章は北国新聞、3月9日付け「北風抄」からの再録です) ◇◇□○ ○▽◎◎ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ 樋泉克夫のコラム @@@@@@@@ 【知道中国 1214回】 一五・三・仲四 ――「右顧左眄頭ヲ垂レ糞ヲ尋ヌ糞山溺海・・・」(曾根13) 曾根俊虎『北支那紀行』(出版所不詳 明治八・九年) その「其狡猾惡ム」べき一例だが、ある村落まで船を進めると、「最初に手渡した費用では、もう先には進めない。いま6元を支払わなければ先には進まない」といって、舟子(せんどう)が櫓を漕ぐのを止めてしまった。そこで最初の話と違うじゃないかと叱り飛ばしながらも「二元ヲ與へ放舟セシメタリ」。かくて曾根は「其狡猾惡ムヘシト雖モ是レ舟子ノ風習ニシテ亦敢テ深ク尤ムニ足ラサルナリ」と述懐している。まあ、相手の足元を見透かしてのブッタクリだが、これもまた「舟子ノ風習」と諦めるしかないのか。 あるところで休息していると、「不潔ノ土人來看スル者堵ノ如ク拾糞人ノ糞籠ヲ擔フテ四方ヲ圍ミ、甲去レハ乙來リ、孩童ノ滿頭ノ虱白ヲ抹スルアリ」と。物見高いは中国人の常とはいうものの、何処とも判らない田舎町で、「不潔ノ土人」に「糞籠ヲ擔」う拾糞人、頭が虱だらけの子供、ヨチヨチ歩きの纏足女――これだけの人々にワッと取り囲まれたうえに、「嘖々(ピーチクパーチク)トシテ?雜(うるさいこと)尤甚シ、加ルニ天熱シ穢ヲ送リ臭來シ其厭フ可キノ?實ニ筆舌ノ盡ス可キニ非ス」。もはや我慢の限界を超えている。 3つの「い」――穢い・臭い・五月蠅い――に加えて難儀なのが水だ。水を飲もうと路傍の水売りから買い求めると、「緑色ヲ帶テ臭氣アリ」というからさぞや気持ちが悪かったはず。現在の中国では環境の劣化が甚だしく河川や湖沼が緑色や赤色に染まったなどと報じられるが、日清戦争までまだ10年ほどもあるという時代に、中国内地では「緑色ヲ帶テ臭氣アリ」の水が売られていたというのだから、やはり考え込んでしまう。やはり中国人には環境などという考えは、端っからなさそうだ。 物見高いといえば、ある「穢塵殊ニ甚シ」い村の宿で夕食を食べていると、「土人來看スル者多ク坐ニ?入シ、殆ント食事ヲ妨ケタリ」。相手が食事中であろうがお構いなし。ワイワイガヤガヤと曾根を囲んだわけだ。この時、曾根は中国服を身に着けていたから、自分では中国人に見られていると信じ込んでいたらしい。だが、当たり前のことだが、中国服を着たからと言って日本人は中国人にはなれない。とっくに日本人だとお見通しだった。かくて「土人來看」した結果、五月蠅いやら煩わしいやら。ともかくも不味い夕食が終わって粗末極まりない板の床に就くと、「時ニ破窓ヨリ頭ヲ出シテ窺フ者アリ」といった情況。 曾根は悪戦苦闘の大旅行を、次のように“総括”している。 !):「皆廉耻已ニ絶エ民心殆ント離レ、土人黠詐ヲ尚ヒ唯自己ノ利ヲ計ルニ汲々タルノミ、嗚呼宜ヘナル哉滿清ノ振ハサルヤ、思フニ是レ變換ノ勢ヒ來ル遠ニ非ルノ由縁ナルカ」 ――すでに廉耻の心など誰も持っていない。民心は清朝から離れ、中国人はウソ・デタラメばかり。頭の中にあるのは自分の利益だけだ。こんなことだから清朝の弱体化は当然であり、そう遠くない将来、必ずや世の中はデングリ返ることになる―― !):「(山東省は)政体稍存シ風尚樸素ニシテ兵備仍ホ張ル(中略)ト雖モ大廈ノ覆ル一木ノ能ク支ル所ニ非ス、嗚呼區々タル一省ノ山東豈能ク四百余州ノ衰運ヲ挽回スルヲ得ンヤ、東洋慷慨有志ノ徒早ク茲ニ注目シ碧眼ノ猾賊ヲシテ變ニ乘シ毒鋒ヲ亞洲ニ逞ウセシムル?勿レ若シ治ニ歸セハ則チ合心合力東洲ヲ振ハシ西洲ヲ壓スルノ急務ヲ策スヘシ」 ――ややマトモとはいえ山東省だけでは衰退する中国を救うことはできないことに、「東洋(にほん)」の「慷慨有志」の士は、深く思いを致すべきだ。狡猾な西欧の賊徒による清朝の変事に乗じてのアジア侵略の野望を挫くべし。中国が安定した暁には日中双方が「合心合力」して早急にアジアの振興を図り、ヨーロッパを圧する策を講ずべきだ―― 曾根は「東洲ヲ振ハシ西洲ヲ壓スル」ために日中双方による「合心合力」が急務だと語るが、後の歴史に照らしてみるなら、それは儚い理想、いや夢想・・・何故。 《QED》 ◇◇◇ ◎◎ □□□ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ (読者の声1)「宇宙人」鳩山元首相一家の資金源を巡るスパイ疑惑が持ち上がっているようですね。ここベトナムも一皮向けばロシアのスパイは多いと思われます。そもそもハノイにはロシア人が多いです。 ベトナムは歴史的にシナ嫌いの国でサイゴンのチョロン地区にシナ人は固まっているものの「ASEANで唯一シナタウンのない国」といわれています。 ただしベトナム人のなかにもシナマネーは食い込んでいて、不動産やインフラプロジェクトのなかにはなぜかシナ系資金がほとんどといったものもあります。 シナからの賄賂を受け取っているベトナム人もいるのです。 つい15年前までベトナムは共産圏のような相互監視社会でしたが、そのたががなくなってきたのかもしれません。もしかしたら、そのころからこういうシナのスパイは存在したのかもしれませんがわかりません。 2月末には共産党序列1位のチョン書記長の米国訪問が決定しました。今後、米越の結束は強まります。なお経済面では2014年のベトナムは対米貿易で250億米ドルの大黒字になっています。米国にとってはシナに代わる労働集約製品の輸入先国です。 ロイター通信によると米政府が「ロシアにカムラン湾の基地をつかわせるな」と要請したというニュースが流れています。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0M80KW20150312 カムラン湾近くやニャチャンの不動産に大きく投資しているのが、ベトナム軍部に近いビングループ(VIC)というベトナム最大の不動産会社です。 米国としては、ベトナム戦争当時のごとくカムラン湾を戦略基地として使用したいでしょう。 ベトナムは旧友のロシアではなく米国を選択するとは思いますが、まだまだ一筋縄ではいかないように思えます。いずれにせよ米軍が来ればパタヤのごとく、カムラン近郊やニャチャンは発展するでしょうね。 (R生、ハノイ) (宮崎正弘のコメント)パタヤビーチ? あそこも米軍相手の売春窟が蝟集していましたね。ニャンチャンもそうですか。 ♪ (読者の声2)貴誌前号の貴見「クリミア併合の成否はともかく、彼(鳩山ルーピー)の動機はひたすら日本政府の足をひっぱって目立とうとする幼稚さでしょう」とありました。 「幼稚」。彼のウクライナでの会見をみますと喋り方顔の表情などは、まるで子供です。ウクライナの美人検事総長を餌に釣られたのでしょう。 (桃太郎、岡山県) (宮崎正弘のコメント)奇抜な服装をして、ファッションショーにでたり、あの人のやっていることに首相経験者としての威厳も風格もありませんね。しかし、かれを撰んだのは国民です。そのことこそ甚大にして深刻な問題です。 次なる言葉は誰が発したのでしょう? 「指導者の振る舞いに国家の風格がでる」。 これ、朴権惠大統領が言った言葉です。あの国もこの国も同じ? ♪ (読者の声3)貴誌前号に質問があった『誅韓論』は晋遊舎新書、「日本戦略ブレイン」著です。ISBN 978-8018-0049-6 関東大震災後、共産主義インターナショナル朝鮮支部所属の在日朝鮮系(韓国系)の人たちがモスクワからの指示により、破壊工作、暴行殺人、東京下町の大火災を含む放火を行ったことと、昭和21年に大量(数十万人)の韓国人が日本に不法移民して、密輸、密造酒の製造販売、暴力団行為を行い、そのうちの数十万人が沖縄に渡って住民台帳や土地台帳が戦災で焼失していることを利用し沖縄県民に成りすましたことが書き漏れていることを除いて、非常に良い本です。 (ST生、千葉) ▽◇□○□◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (明日、日曜日は小誌、休刊です) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘の新刊 宮崎正弘の新刊 宮崎正弘の新刊 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪♪ 新刊予告 25日発売 宮崎正弘『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ―今日の「脱亜入欧」論は脱チャイナ・コリア、そして『こんにちはアジア』である。 ―世界企業は中国からごっそりと抜けだして、アジアに向かう。アセアン十ヶ国と『インド経済圏』の現場をずべて取材してまわった最新報告の総集扁!(予価1080円) ♪♪♪ 宮崎正弘『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ★重版出来!! ――中国経済がクラッシュするのは時間の問題ですが、従来型の恐慌ではなく、どのような金融災禍が、どの市場に待ち受けているのか? 米国債を世界最大に保有する中国が、手元資金をうめるためにこの債権を市場で売却したら世界経済にいったい何が起きるか。日本はどれほどの被害を受けるか? 中国とビジネスのつながりが深い日本企業は? http://www.amazon.co.jp/dp/4569823386/ ♪ 宮崎正弘 vs 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ http://www.amazon.co.jp/dp/4759314091/ 保守論壇の新星=小川榮太郎氏と宮崎正弘の徹底討論が一冊にまとまりました! ♪♪ 大好評発売 重版出来! 宮崎正弘『中国崩壊で日本はこうなる』(大竹慎一氏との対談 1512円。徳間書店) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ (アマゾン ↓) http://www.amazon.co.jp/dp/4198639000/ △△○ ○ ◇◇□ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪♪ 宮崎正弘のロングセラー *********** 『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円) 『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円) 『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円) 『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円) 『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円) 『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円) 『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円) 『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円) 『中国の反日で日本は良くなる』(徳間文庫、680円) 『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、1026円) ☆☆☆ <宮崎正弘の対談シリーズ> ************ 宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店) 宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック) 宮崎正弘 v 石 平『2015年 中国の真実―中国は習近平に潰される』(ワック) 宮崎正弘 v 西部 遇『日米安保五十年』(海竜社) 宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社) ◎◎◎ ◎◎◇ ◇◎◎ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━ ■今回の記事はいかがでしたか? 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土曜日, 3月 14, 2015
宮崎正弘の国際ニュース・早読み(中国人観光客、爆買いの実態) 隠れたベストセラーは紙おむつだ。
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