金曜日, 6月 19, 2015

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (李鵬一族の邯鄲の夢は終わった)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)6月19日(金曜日)
   通算第4582号  
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 李鵬一族の黄昏、周恩来は地獄で泣いているかも
  李小琳は「李公主」とまで称賛された黄金の日々も「邯鄲の夢」に。
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 李鵬の娘、李小琳は父親の名代として電力業界を牛耳った。「李公主」とまで渾名がついた。
その華麗なる日々も終わりを告げ、落剥の後人生に陥落する。すでに既報のように、6月9日、李小琳は「米国の会議出席」を名目に北京空港から出発しようとしていたところ、突如、「出国禁止」が言い渡された。

「マネーロンダリング容疑と言われた」(多維新聞網、6月19日)。すでに電力関係の国有企業幹部は十数名が取り調べをうけている。

李小琳につけられた「李公主」という渾名は、明らかに「文成公主」にあやかっている。王朝の救世主、あるいは権力者の犠牲、という二重の意味がある。

六世紀、西方に台頭した吐蕃(チベット)は青海省を攻略して落とし、長安(西安)に迫るほどの軍事大国だった。七世紀(638年)、唐王朝の皇帝は娘の「文成公主」を吐蕃の王=ソンツェン・ガンポの息子に嫁がせた。
明らかな政略結婚である。
ソンツェン・ガンポは名君として歴史に輝くが、チベットに仏教を導入した国王でもあり、日本が後世に採用する官位十二階制の発案者でもある。

中国歴代皇帝で、異民族に皇女を嫁がせたのは前漢のおり、「きょうど」に嫁がせた「王昭君」など少数の例外しかない。
ちなみに文成公主は夫が落馬死したため、父親で皇帝に返り咲いたソンツェン・ガンポと再婚した。

文成公主の巨大な、白亜の像は青海省青海湖の畔に屹立して、長安の方向に別れを告げる構図となっている。筆者は十年以上までに青海湖のまわりを一周したおり、この像をみて、慈母観音も似ていると思った。

もう一つ脱線すれば、王昭君の銅像は、内蒙古省フフホト郊外に公園があり、その場所に騎乗の構図、公園はいまでは観光地化し、モンゴルのゲルが並んでおり、なぜかチンギス・ハーンのミニチュア像や肖像画が売られていた。


▲盛者必衰の理

さて李鵬一族の黄昏のことである。
李鵬元首相の息子ふたりは「どら息子」の典型で、兄の李小鵬はようやく山西省省長にして貰ったが、殆ど政治的実権がない。省長になるとき、李鵬は回想録の出版をとりやめて、胡錦涛政権と妥協した経緯もある。

李鵬は世上いわれた「天安門事件」における学生の弾圧は、自分が指示したのではない、と釈明の書を世に問おうとしていたのだ。

弟の李小勇は不動産投機に失敗して、ながらく米国に滞在したが、そのご、香港に舞い戻り怪しげな不動産開発集団の名目上の代表となった。ところが事実上の経営陣の投機失敗などで、李小勇はシンガポールに逃亡した。
「紅色家族」の「神秘商圏」などと面妖な比喩で、権貴階級は揶揄されてきた。

 娘の李小琳はビジネスウーマンとして一際光り、ボーアオ会議(中国版ダボス会議、日本からも歴代首相が参加する)でも発言するほどの実力を見せてきた。

しかし李鵬一族への風当たりが強まり、電力数社が産業再編の政治課題の下、新会社として合併する「中国電力投資集団公司」の役員リストに李小琳の名前がないことが判明し、にわかに周辺があわただしくなっていた。

 「邯鄲の夢」の続きは刑務所でみることになりそう。義祖父の周恩来、泉下でさぞや泣いていることだろう。

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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌4581号に以下のようにあります。
「サウジアラビアは石油減産に応じないため、過去2年間で原油代金は130ドル台から50ドル台に「暴落」した」(中略)「ところが、ロシアよりひどい惨状に陥ったのが、米国だった。シェールガス革命と騒がれて米国のシェール鉱区開発はつぎつぎと頓挫し、倒産したファンドも目立った。サウジは「究極のライバルであるシェール鉱区開発つぶしにあった」というのが最近の分析で主流となった」(引用止め)。
米国とサウジアラビアに大きな違いがあります。
シェールオイル産業が崩壊しても米国はびくともしないが、石油産業が崩壊すれば、サウジアラビアは崩壊します。これは、どんなに強力なものを持っている国でも、多面的な強みをもっている国にはかなわない。短期的には強みを持っても、いざとなれば捨てられるということです。
これは、日米関係にも言えます。
「SSA生氏」が(読者の声2)に書かれた以下は至言です。
 「私は日本の経営者の多くが「グローバル時代では企業は国家の影響力から一定の距離を取りながら活動し、自社の利益を追求することが許される」と認識しているらしいことに大きな疑問を感じます。
彼らは企業の手に負えぬ事象に遭遇した時は国家の庇護を必要とする上に、事実上日本国籍を持つことによる”便宜“を享受しているにもかかわらず、日本の安全保障や経済全体に多大な悪影響を及ぼすことを勘案せずに、自社のみの利益を追求する身勝手さを見過ごすわけには行きません」。
 後藤健一氏がISISの捕虜になったとき、後藤氏の中東で取材のスポンサーとなっていた2つの放送局は、そのことにはだんまりを決め込み、政府批判に終始していました。
たとえ短期契約のジャーナリストでも自社が雇ったら事故に対して責任をとるのは当然ではないのか。
  (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)逆に言うと、ああいうフリーの映像ジャーナリストが、大金を稼げるチャンスに巡り会える可能性があるのが戦争、内乱地域だということですね。
 イラク戦争のとき、隣のヨルダンから「こちら現場です」と各局がやってました。



  ♪
(読者の声2)最近フリーメイソンについての本を集中的に読んでみましたが知らないことが次々にでてきます。
副島隆彦氏はフリーメイソンとユニテリアン教会(三位一体を否定する)が表裏一体であるという。
荒俣宏氏の著書では英国の穏健なフリーメイソンが大陸では過激化し、世界共和国を目指すことが帝政・君主制の否定・革命思想につながったこと、ドイツで生まれた過激派のイルミナティは十年ほどで解散させられた後に、イルミナティを名乗る団体が多く現れたことなど、思想は伝染し拡散することがわかります。
共産主義思想など学生時代に罹る麻疹(はしか)どころか次々に転移し増殖する悪性の癌だったのかもしれません。
 荒俣氏によると、アメリカはフリーメイソンの思想で国造りが行なわれ、首都ワシントンDCは占星術によって議事堂などの配置が決められた。
一ドル札で有名なフリーメイソンのシンボル化が米国占領下で発行された拾円紙幣でも行なわれ、「十円」表記が「米国」と読めることなども紹介されていますが、陸軍記念日に東京大空襲を行い、いわゆるA級戦犯を4月29日に起訴し、12月23日に死刑執行したことを思えばいかにもありそうなことです。
 「フリーメイソンと錬金術」という本ではバースデーケーキにロウソクを灯して祝うのが古代ヨーロッパの儀式に由来するという序文から、古代魔術・密儀宗教としてのフリーメイソンを取り上げます。
 『「啓蒙の世紀」のフリーメイソン』では自由・平等・友愛の名のもと、バベルの塔の再建と言語の統一もフリーメイソンの目的であるという。
それが国際連盟やエスペラント語の普及という動きにつながるわけです。

 21世紀の今もフリーメイソンの思想は強い影響力を持つことがわかります。
ストラスブールのEU議会の建物はまさにバベルの塔そのもの。経済面でのグローバル化の流れもそうでしょう。
世界共和国・世界連邦といいつつその枠組みや国際機関のトップは白人という構図。オリンピックでも産業の国際規格でもルールを決めるのはいつも欧米で日本の発言力など微々たるもの。欧州と米国は内輪もめにすぎません。
 EUがバベルの塔の再建を目論むものとしてその成否を占うとやはりバベルの塔は崩壊することでしょう。
EU内部に異分子を抱え込みすぎました。シロアリのように土台を喰い荒らす中国人、まったく価値観の異なるイスラム教徒、いまでも毎日アフリカから押し寄せてきます。経済面ではドイツの一人勝ちに対して周辺国は耐えられない。
ドイツがよほどの度量をしめせばまだしもドイツの偏狭さと周辺国のドイツへの嫉視がEUを崩壊させると予想します。
 
自由・平等・友愛の本家といえばフランス。フランス革命では国王を殺し神を殺し、世界遺産のモン・サン・ミッシェルの修道院も監獄になり、キリスト教由来のグレゴリオ暦は革命暦にかえられました。
そののち政変を繰り返し、19世紀末には公教育と公共施設から宗教色を排除、国立大学の神学部も廃止されます。当時ドイツ領だったストラスブールの大学だけ神学部が残っているというのも不思議です。
理性信仰を誇りとするフランス人、学校でのイスラム教徒のスカーフも許せない。
ムハンマドの風刺画の件も表現の自由というより宗教的なものに対する嫌悪感といった印象を受けます。公教育に宗教の時間があり宗教政党もあるドイツでは、ビスマルクがイエズス会を禁止し、ヒトラーはフリーメイソンを禁止しました。
欧州ではいまだに宗教戦争をしているのでしょうか。

 結婚と葬式は教会の管轄だったフランス(イスラエルは今でもそうです)が宗教色を排除した結果、いまや正式な結婚よりも事実婚で生まれる子供のほうが多い。
ロシア革命では家族の破壊をすすめた結果、弊害が多すぎました。
現在のフランスはややソフト路線ですが婚姻・家族といった制度をこわそうとしていることに変わりはないようです。最近では日本でも同性婚の話題が多くなりましたが、これもまた婚姻制度を破壊しようとするものなのでしょう。

フリーメイソンの思想は一見理想的ですが、猛毒を含んでいます。
鳩山由紀夫の「日本は日本人だけのものではない」などという寝言はともかく、占領軍による皇室の弱体化政策もフリーメイソンの思想に忠実です。
ナチス・ドイツのゲッベルスが警告したといわれる「愛国心の消滅、悪平等主義、拝金主義、自由の過度の追求、道徳軽視、義理人情抹殺、3S政策事なかれ主義(Sports Sex Screen)、俗吏属僚横行、否定消極主義、無気力、無信念、自然主義、刹那主義、尖端主義、国粋否定、享楽主義、恋愛至上主義、家族制度破壊、民族的歴史観否定」という心理戦、神経戦は集団的自衛権を巡る国会論戦をみても未だ継続中なのがよくわかります。
   (PB生、千葉)

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