金曜日, 4月 17, 2015

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (中国GDP、日本の1・87倍?)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)4月17日(金曜日)
   通算第4518号  
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 GDPは二倍だが、中国は日本に40年遅れていると華字紙も自省
  ひとりあたりのGDPは中国7000ドル弱、日本は40000ドル
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 「勝った」「勝った」と勇ましく進軍ラッパを吹いてきた中国だが、国の成長はあっても、一部の富裕層が裨益しただけで庶民の暮らしは低いまま。公害垂れ流し、福祉は貧弱。高層ビルは表向きビカピカ光るが、なかへ入るとエレベータが動かない。コンクリート剥き出し、トイレの水は流れず、電気が付かなかったりする。

 在日華人らの中国語新聞は華やかに出そろっているが、最近は日本批判の記事に混ざって自省の色彩を帯びてきた。

 なかでも「中国のGDPは日本の二倍だが、実質の経済実力で中国は日本に40年遅れている。ひとりあたりのGDPは中国7000ドル弱、日本は40000ドルである」(華風新聞、2015年4月10日号)

 エンゲル係数、乳児死亡率、第一次産業への依存度、個人の電力消費量などを勘案すると、「中国はまだ日本の1970年代の状況にあり、たとえGDPが世界二位と雖も日本に遅れること40年だ」と分析する同紙は次のように続けた。

 「1980年の統計で中国のGDPは日本の27・9%でしかなかった。2014年統計で中国のGDPは日本の1・87倍までに成長したが、輸出生産基地としての中国の経済性格が変わり、また日本からのカネの流れも変わった。1979年から2007年まで日本が貸し付けたカネは3兆3164億円で、くわえて日本企業の直接投資は10兆300億円にものぼった。近年は中国の対日投資が14兆3000億円となって、資金の流れも双方向となった」
 しかし中国の対日投資の中味は日本とはまったく異なることには触れていない。
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 本日、日清戦争勝利、下関条約120周年 国民の集い」です。
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記
とき     四月十七日 午后六時(五時半開場。八時半閉会)
ところ    星陵会館二階ホール
(資料代  千円)  
記念講演  「日清戦争における武士の情けーー 伊東祐亨と立見尚文」
直木賞作家 中村彰彦
   「アメリカ外交からみた日清戦争―― 列強の外交・舞台裏の真実 
カナダ在住作家 渡邊惣樹 
発言予定  梅原克彦、加瀬英明、河添恵子、石平、西村幸祐、西村真悟、高山正之
室谷克実、平間洋一、藤井厳喜、宮脇淳子、水島総ほか
主催    「下関条約120年、日清戦争の意義を問う国民のつどい」実行委員会
どなたでも予約なしで御参加いただけます!
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 読者欄は下段にあります
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 (内容紹介)
中国が戦争の準備をはじめた! 新・日中戦争カウントダウン!
戦後最大の危機に日本が取るべき戦略シナリオを緊急提言!
オバマ外交の失敗により、アジア支配が現実となりつつある中国。中露が接近する一方、米軍基地の撤退により「日中戦争」も避けられない事態に!
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)先日、桜チャンネルをみていたら久しぶりに宮崎先生が登場され、ベトナムの話をずいぶんとされていました。
ベトナム戦争がおわって新世代が急増し、人口は9000万人、最近日本からも若い女性、カップル、そし家族連れがベトナム観光に行くと言われています。現地の様子は如何でしたか?
   (HI生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)ハノイで乗り換え、ディンビエンフーへ行きました。フランスを敗北させて歴史的な戦闘現場はトンネルもA1陣地もフランス軍指令跡も保存されており、あちこちに戦車の残骸がありました。
しかし訪れる人はいまやごく少数、博物館も閑古鳥でした。
 ディンビエンフーは作戦を指揮したボーグエンザップ将軍がつとに有名ですが、彼の背後にあって作戦指導したのがベトナムに敗戦後も残留した日本兵です。
 ついでハイフォンを視察しましたが、沿道の工業団地に相当の日本企業が工場を持っていました。ハノイでも駐在日本人が激増し、日本食レストランも随分とあちこちに、日本酒に焼酎も揃っているのは驚きでしたね。
 さて日本からはハノイ、ホーチミンのほかダナンにも直行便が飛んでおり、あちこちの観光地は随分と日本人が増えたようです。
ベトナム戦争中、最初にサイゴンに小生が取材で行ったのが1972年でした。
43年前です。あのことに比べると本当に別の国ですね。
若い女性はアオザイを着なくなり、洋装です。インドですら若い女性はサリーをまとわず、洋装が主流です。時代の変化は激しいけれど、その国の特性、アイデンティティが喪失されてゆくのは一方で悲しいことです。いまの国民の殆どが民族衣装を着込んでいるのはブータンくらいでしょう。



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(読者の声2)国立国会図書館では「近代デジタルライブラリー」として明治以降に刊行された図書・雑誌のうち、インターネットで閲覧可能なデジタル化資料を公開しています。
 中国関係を検索していたら面白い本がありました。1931年に発行された松岡洋右著「東亜全局の動揺-我が国是と日支露の関係 満蒙の現状-」です。
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1453943

内容は国会議員として民政党の幣原外交を徹底的に糾弾している。対露では大正14年(1925年)の国交回復以降の変化として、貿易は日本の輸入超過、北樺太の石油・石炭事業に対する妨害、北洋漁業は昭和3年の漁区の割合が日本側8割6分1厘だったのに昭和6年には日本側4割9分6厘と押されっぱなし。国交回復しないほうが良かったのではないかとまでいう。
日本政府に対しては『我が帝国の総理大臣も外務大臣も、尚ロシアの善意と好意に固く信頼し、そのうちに、円満なる解決をロシアはしてくれるであろうと言っておられるのである。・・・ロシアは誠によい支持者と代弁人を我が政府者に有している事ではある』と批判する。
他にも「ルーブル」換算率問題、ウラジオの朝鮮銀行支店閉鎖などがでてきます。為替レートに関しては今も昔も大問題。廣田弘毅駐ソ大使が日本側の主張を押し通したのに対しロシア政府は大使の頭越しに直接幣原外相と交渉を試みた。
大使といえば国の代表ですから外相はあくまで廣田大使をバックアップすべきなのですが実態は『しかるにこの明白なる事理を無視し、出先帝国の代表使臣の面目を潰し、立場を失わしめ、しかも廣田大使の主張と態度とを覆すが如き譲歩を敢えてしたる幣原外相の真意は果して那辺にあったか』と対露外交の弱腰ぶりを嘆いている。

対支外交についてはもっと悲惨です。
江西・福建では共産党が勢力を強め、国民政府も広東政府あり、張学良・閻錫山・馮玉祥ありで、支那二十二省中、完全に南京政府の下に支配されているものは、わずかに江蘇・浙江の二省にすぎない。
経済問題では関税自主権の回収と国内産業保護により日本製品の輸出に大打撃。政治では小幡公使(現在の大使)のアグレマン問題があり中国側の気に入らない外交官は受け入れ拒否という滅茶苦茶ぶり。
中国側は中村大尉事件ほか日本人襲撃事件では日本の陰謀と言いつのる。
日貨排斥、上海では白昼公然、日本人商人の貨物を強奪、ついには海軍陸戦隊が出動する始末。『我が出先軍部のかかる直接行動は、取りも直さず、外交の破綻を意味するものでなくて何であるか。腕力の行使は外交ではない』、『由来敗北宗の信条は無抵抗であり、譲歩であり、叩頭である。自ら屈する者に敬意を払う国は今日世界に一国もない』と批判はさらに続きます。
戦後の対中国、位負け・叩頭外交と瓜ふたつ、福田元首相など、相手の嫌がることはしない、とまさに幣原外相そっくり。
蒋介石は国共内戦に負け台湾に逃げたために忘れがちですが、国民党はあくまで革命党でした。
条約も国際法も無視の「革命外交」に対し日本の「協調外交」などいかに無力であるか、『人足に小笠原流の礼式を以て臨んだり、荒くれ男に箱入り娘が立ち向かったりするのでは、夫は到底物にはならない』と表現する。
満洲事変以降の歴史を日本の侵略だった、軍部が全て悪かった、とする戦後の歴史教育がいかに偏ったものだったのかわかります。
  (PB生、千葉)
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宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実―中国は習近平に潰される』(ワック)
宮崎正弘 v 西部遇『日米安保五十年』(海竜社)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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