水曜日, 4月 15, 2015

宮崎正弘の国際ニュース・早読み  (スリランカ異聞)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)4月15日(水曜日)
   通算第4516号  
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 スリランカで失敗したはずの中国軍事戦略だったが
  新大統領が北京訪問、熱烈歓迎の波に中国への気迷い
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 一月のスリランカ大統領選挙で、親中派のラジャパスカ大統領が番狂わせの敗北。この異変に北京は慌てた。
コロンボ沖に人工島を建設し、そこに複合ビル、大型ショッピング・アーケード、高級ホテルにマンションを林立させる大プロジェクトが破綻しかけた。
これは中国が14億ドルを投下する大型案件で、殆どが中国の融資により、着工式は習近平の訪問時に行われた。

 タミル族との三十年にわたった内戦に終止符をうった辣腕を買われ、再選されたラジャパスカ大統領はその一族が利権を独占し、息子は北京へ留学させ、反対派を弾圧し、あげくは南東部ハンバントタ港を中国企業に任せ、浚渫工事と港湾設備の拡充工事をやらせて、なんと昨秋の習近平訪問時にあわせて中国海軍の潜水艦が寄港した。

 「真珠の首飾り」の具体的成果が南インド洋に出現し、米国は驚き、インドは怒った。しかしかくも国を挙げてスリランカが中国へ酔っていたのは、目の前の仮想敵インドへの戦略上の対抗措置だったことは言うまでもない。
 その地政学上の盲点に中国がつけ込んだのだ。

 だが、スリランカ国民はおとなしい仏教徒が多く、性格的に優しい。
しかし「正邪」を区別する目はある。
前大統領一族のあまりの利権独占と腐敗、人権侵害やジャーナリスト弾圧に怒りの声があがり、ラジャパスカ政権から抜け出した清廉な政治家シリセナが、大統領に立候補するや、奇跡の逆転劇へとまっしぐらに繋がった。

 シリセナ大統領は国際的に無名である。
獄中体験があり、汚職とは縁遠く、政治的基盤が弱い。したがって「自分でも意外だったとい選挙結果」(TIME、4月20日号のインタビュー)をうけて、大統領になるや憲法改正を目指し、大統領権限をむしろ弱め、議会に決定権を大幅に付与するという民主的な改革に着手した。
 またコロンボ沖の中国主導のプロジェクトを見直すとした。

 その新大統領シリセラは最初にインドを訪問し、関係改善の第一歩をしるし、つぎに訪問したのが北京だった。

 「スリランカはどちらにも深く肩入れせず、インドと中国とはバランスをたもつ外交が重要であり、一方に急傾斜する方針は改めなければならない」とシリセナ大統領は発言を繰り返した。

 つまり中国主導のプロジェクトを中断するには至らず「再評価する」とだけでお茶を濁し、またパパンドラ港への中国の軍事的コミットを排除するとも言わなかった。
 それは七月の予定される国会議員選挙で、ラジャパスカ前大統領派の巻き返しが予測されるからでもある。
北京訪問でシリセナが得たものは、いったい何だったのか。

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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌4515号に『プラウダ』(英語版、2015年4月7日)の人民元に対する記事が引用されていましたが、前半はもっともです。
「人民元はすでに世界GDP第二位の経済力をほこり、その中国の実力からしても、優に世界第二位の通貨にふさわしい遇され方をされるべき」ですが、以下のように続けるべきです。
「なので、為替規制はやめ金融システムの透明化、公正化を勧めるべきである。」

日本と米国がAIIBに出資することには、すでに貴誌で指摘されていることに加え以下の二つの問題点があります。
(A)AIIBが発行する銀行債 (debenture) の格付があがる。
その結果、
(1)安心な投資だと見誤って購入するものが増える
(2)金利が下がる。
とくに(1)には日本人や日系企業が多くあるのではないのでしょうか。しかも出資金とは桁違いの金額です。
(B)他の債権の価格が下がる(金利が上がる)。その結果景気が悪くなる。
この危険性があるので、FRBは米国経済の鈍化にもかかわらず、利上げを急いでいます。
今のうちに金利を上げておけば、AIIBが起債する際の影響が少なくなるからです。
(ST生、千葉)



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(読者の声2)いよいよ反転攻勢はじまる! 「南京裁判」第一審勝利報告集会のご案内です。
「南京で判決、東京で取り立て」という前代未聞・理不尽極まりない訴えは、ついに「原告(夏淑琴)の請求を棄却する」という極めてまっとうな判決(東京地裁3月20日)が下され、被告側の全面勝訴となりました。

ただし原告側は予想通り控訴(3月31日付)して来ました。舞台は高裁に移りますが、我が国は今まさに支那・朝鮮との「歴史決戦」の渦中にあります。わけても「南京事件」はその核心に位置するといっても過言ではありません。
そこで勝訴のご報告とともに、我らの闘いの原点を再確認すべく下記要領にて決起集会を開催致します。万障お繰り合わせの上、ご参集下さい。
記
とき    5月10日(日) 午後2時開会(開場1時半)
      (昇殿参拝は12時半、靖國神社参集殿にお集まり下さい)
ところ   靖国会館2階「偕行の間」
発言者   荒木田修・稲田朋美・江崎道朗・尾崎幸廣・高池勝彦・武田正徳・西村眞悟
      花田紀凱・藤岡信勝・藤本隆之・宮崎正弘ほか(順不同・敬称略)
入場無料
主 催   「南京裁判」展転社を支援する会(会長・阿羅健一)



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(読者の声3)「主権回復記念日国民集会実行委員会」ならびに「日本文化チャンネル桜」「頑張れ日本!全国行動委員会」では、63年前、日本が約7年に及ぶGHQの占領から解放され主権を回復した4月28日を、国民の祝日に制定すべく、18回目の「主権回復記念日国民集会」を実施いたします。
一昨年は、私共の国民集会の前に、政府主催として「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」が執り行われ、この国民運動も大きく前進することとなりましたが、残念なことに昨年からは政府主催の式典は開催されておりません。
そこで戦後七十年にして漸く到来した、我が国の大転換点となるかもしれない本年に開催される私共の国民集会は、戦後体制からの脱却をさらに進める国民運動として、大変重要なものとなっております。
主権回復記念日国民集会実行委員会 代表世話人 井尻千男・小堀桂一郎・入江隆則
日本文化チャンネル桜 代表取締役社長 水島 総
       記
4.28 主権回復記念日国民集会
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とき   4月28日(火)18時30分~20時30分
場所   砂防会館別館「シェーンバッハサボー」
(東京都千代田区平河町2-7-5 TEL 03-3261-8386)
主催   主権回復記念日国民集会実行委員会
後援   日本文化チャンネル桜、頑張れ日本!全国行動委員会
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『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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