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♪ 武藤正敏『日韓対立の真相』(悟空出版) @@@@@@@@@@@@@@@@@@ 朴正煕大統領のころ、駐韓国大使は金山正英さんだった。大の韓国好きで娘さんと韓国人に嫁がせ、退官後も日韓親善に尽くした。後任は後宮さんだった。あの頃の韓国は、閣僚のほとんどが日本語を喋った。 個人的な体験を通してみても、大変な親日家ぞろいだった。 したがって当時の保守陣営の空気は、韓国が「反共」の最前線の砦あり、東西冷戦の最中であり、ソウル防衛が日米韓間の安全保障の同盟関係をより強い絆で結んでいた。保守系学者も殆どが親韓派だった。いまおもえば信じられない時代だった。評者(宮崎)も、このころ、取材で韓国に何度か行って、38度線の緊張も体験できたし、首相、閣僚らのインタビューも行った。宴会での会話も、じつは日本語だったのである。 安重根記念館にも行った。梨花女子大学の教授等とも話し込んだが、日本への期待が強くにじんでいた。 評者の両親は韓国生まれ、韓国育ちだから、たとえ日本租界にいたにせよ、ずいぶんと子どもの頃に韓国のことを聞かされもした。 爾来、四十余年。韓国は経済発展を遂げ、海外に積極的に進出し、鉄鋼、自動車など、日本の援助と技術指導でスタートした産業が、いまや日本の競合者にまで『成長』した。今後も日韓に提携はうまく行くはずだった。 ところが全斗煥、盧泰愚政権あたりから日韓関係が軋みはじめ、金泳三から金大中で悪化が明白となり、盧武鉉、李明博政権から以後はまっしぐらに悪化の一途。朴権惠政権の告げ口外交にあっては、もはや日本人はさじを投げた。 両国関係の挫折、悪化、激しい歴史論争が惹起され、いまは収拾がつかない。関係改善のシナリオも見えず、日本人の韓国嫌いはピークに達して、最近の意見は「韓国なぞ見捨てろ」である。 慰安婦問題で韓国は、安倍首相の米議会演説を阻止しようとロビィ活動を繰り広げ、北米ばかりか豪にも「慰安婦像」なるものを設置して悪罵の限りを並べ、日本を貶める。日本の嫌韓感情はますます強まるが、韓国は反省の色なし。 だが、これは「一部の人がやっていること」であり、概して韓国人は日本に好感を抱いている』と逆の現実を武藤大使は言う。『大使館まえで騒いでいるのはいつも同じメンバーだ』と率直な側面を指摘する。 現場にいた大使の発言は機知にも飛んでいて、日本では殆ど報じられない韓国人の側面を伝えている。なにしろ日本が嫌いなはずの中国も韓国も、どうして大挙して日本にくるのか、ひょっとして韓国人も本音は日本が好きなのでは? 結局、武藤大使はジョイント・プロジェクトの円滑化などを通じて日本と韓国は仲良くできるという、一種理想形のシナリオを提示している。 傾聴に値するが、しかしこの提言をまともに受け取る日本人のほうが韓国人より少ないだろうと思われる。 (なお、配信の齟齬により下記の書評が届いていない読者があり、関連として福島香織さんの本の書評を下記に再録しておきます) ○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 中国人の三島由紀夫認識が劇的に変わっている 中国の作家の殆どが三島作品を読んで「影響をうけた」と告白 ♪ 福島香織『本当は日本が大好きな中国人』(朝日新書) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 中国人ツアーが大挙して日本に押しかけ爆発的に紙おむつ、粉ミルク、ウォッシュレット、漫画本などを買っていく。大ブームの裏側にあるのは、じつは中国人は日本が大好きであるという心理だ。 評者(宮崎)も、じつは中国全土33省をくまなく歩き、香港、台湾、マカオを含めて中国語圏に200回ほど渡航しているが、反日をがなりたてるカルトのような人物に出くわした経験がない。一度、貴陽だったか、あるいは江西省の地方都市でタクシーに乗って「日本人か」と問われ、そうだと言うと、「小日本」と言われたことがある。それだけである。 ドラえもんの海賊版が溢れ、高倉健は男の神様として尊敬され、尖閣問題より「蒼井そら」、村上春樹に癒され、土産には南部鐵鍋。日本食レストランは健康食という神話が浸透して満員の店が多い。 中国の現場レポートに定評がある福島さん、そのフットワークの良さを活かして、雑多な人々、多彩な知識人にインタビューを繰り返しながら中国人の深層心理を抉った。 さて中国人の三島由紀夫認識である。 福島さんは多くの中国人作家にインタビューし、共通するのが川端康成、村上春樹を読んでいること、渡辺惇一には独特の評価とあこがれが潜むこと。これについても評者は、渡辺さんが死んだ直後の『WILL』に中国に於ける渡辺評についてかなり長い評論を書いたことがある。 嘗て「軍国主義の代表」と悪罵された三島が、文学的に見直され、多くの中国人作家が三島由紀夫の文学を称賛しているという。『驚き心揺さぶられた記憶は相当深い』と或る有名作家は言った。 「三島由紀夫を読んでいないという人はいないし、嫌いという人も知らない(中略)。大江健三郎より面白いという」 ノーベル賞作家の莫言も「三島は徹頭徹尾、文人であり、文学のために生き、文学のために死んだ」と言っているそうな。莫言はガルシア・マルケスや大江健三郎を尊敬する左翼作家だとばかり思っていたから、これも意外な発言である。 本書の最後にもう一つ、面白いことが書かれている。 中国の反日カルトの活動家たちも、じつは日本が好きで、とくに日本人の左翼と交流があること。日本から中国は学ぶべきは多いと発言していること。 反対に反政府の知識人は、日本の右翼が大好きなこと。また人権、民主、天安門などで反共の人権活動家が支援集会を呼びかけても、カンパをもってかけ散じるのは日本の右翼陣営であり、左翼は金のかかる集会にはこないという特徴があると喝破している。左翼の偽善を直截に論断はしていないが、まことに爽快な本である。 ◇◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Adevertisement ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ 都内主要書店は19日発売! 宮?正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済! こうして突破できる日本経済』 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ アベノミクスで円安、株高、そして地方創成によって景気回復 出版社: ワック 定価994円 http://www.amazon.co.jp/dp/4898317197/ △ ♪ 宮崎正弘『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ http://www.amazon.co.jp/dp/4828418113/ 斯界に衝撃をあたえた提言の数々、永田町でも読まれ始めています! ○◎○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 読者の声 どくしゃのこえ READERS! OPINIONS 読者之声 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ (読者の声1) 大阪の住民投票は事前の世論調査が覆るかのような接戦となり、しかし僅差で松下構想は潰えましたね。かねて「小さな小さなファシスト」と松下大阪市長を批判されてきた先生は、この結果をいかにご覧になりましたか。 (GH生、岐阜) (宮崎正弘のコメント)小生は、大阪市の解体、行政の一元化という行政上の改革に関しては賛成です。評決の結果を見ても反対しているのは民主党(つまり公務員と労組)、共産党、公明党であり、賛成は維新のほかに自民の四割強。この内容をみても、改革への意欲は変わらないと思います。 小生が批判してきたのは「大阪都」という無造作なネイミングだけなのです。仮にも「都」を名乗るからには天皇陛下がお住まいになるところであり、遷都するならともかく、この問題に触れない論争は、歴史認識がどうかしているとおもいます。 ◎○○○◎ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △ 宮崎正弘の緊急出版案内 ▽ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪♪ 宮崎正弘の新刊予告 緊急出版! 『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、予価999円) 5月25日発売決定 ↓ 予約募集中です http://www.amazon.co.jp/dp/4569825893/ ◇◇◇ ◎ ◇◇◇ ♪♪ 大好評発売中です ! 宮崎正弘『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ (定価1512円) http://www.amazon.co.jp/dp/4828418113/ ――オバマ外交の失敗により、アジア支配が現実となりつつある中国。中露が接近する一方、米軍基地の撤退により「日中戦争」も避けられない事態に! 戦後70年がたち日米安保の根底が揺らぎ始めた今、日本が備え、取るべき戦略シナリオを提示した、安倍政権への建白書 ! △ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪♪ 宮崎正弘のロングセラー *********** 『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円) 『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円) 『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円) 『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円) 『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円) 『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円) 『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円) 『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円) 『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円) 『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円) 『中国の反日で日本は良くなる』(徳間文庫、680円) 『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、1026円) ♪ <宮崎正弘の対談シリーズ> ************ 宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店) 宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店) 宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック) 宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実―中国は習近平に潰される』(ワック) 宮崎正弘 v 西部遇『日米安保五十年』(海竜社) 宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社) ○○○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━ ■今回の記事はいかがでしたか? ┃下記ページより、あなたが記事の評価を行う事ができます! ┗ http://melma.com/score_g0q0MQsqP0cwS3Beq1KdIqoq0207b740/ ───────────────────────────────── □このメルマガのバックナンバーやメルマガ解除はこちら ┗ http://melma.com/backnumber_45206/ □その他のメルマガ解除や登録メルマガの検索はこちら ┗ http://melma.com/contents/taikai/ ━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━
月曜日, 5月 18, 2015
宮崎正弘の国際ニュース・早読み (中東の激変に注目が必要だ)
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