日曜日, 4月 17, 2016

バッテリー交換後、半月ほどで再びエンジンがかからなくなる

バッテリー交換から半月以上、しっかり充電されているらしく、日ごとに発進トルクのアップを感じる。Wとハーレーと交互に乗り換える忙しい日が続く。一週間以上乗らない日がないようにローテーションを管理するのも意外と面倒である。
 しかし、倉庫にシャッターにも鍵が導入され各自にコピーキーが手配される予定で少し安心した。

先週土曜日に高速を使って岩槻まで行き、帰りは一般道を使って帰ってきた。そして下宿に帰り、日曜日は文献収集で1日乗らず、月曜日にまた会社に行こうとハーレーを引っ張り出し、エンジンをかける。アレッ?、セルを押しても無反応。

もう一度キルスイッチを確認して再度試みるも無音のままである。がーん。どうしよう!?。仕方なく、ヘルメットを持って、徒歩で会社へ向かう。連絡はLINEで入れておいた。今日に限って、私より少し遅く家の前を会社に向かう同僚も、50のカブで通勤なので、相乗りも頼めない。風が強く、吹き飛ばされるようになる。家から会社までの距離は8.8キロほどで、8:50頃今どこにいる!?と連絡が来て車で迎えに来てくれた。結局、一時間ほどの遅刻ですみ、秩父の皆野町まで出かけ、先週花見渋滞で終わらなかった本庄や深谷、熊谷の現場も終わらせ無事1日は終わった。

ただ、バイク屋さんが運悪く、月、火と連休なので、連絡が取れず、原因について話あったが理由が同僚も不明である。もちろん、その夜メールで状況を伝えておいた。

火曜日には返事が来て、今日は買い付けで越谷まで行き、帰りは8時過ぎそうなので、水曜日以降、取りに行き、イグニッションキーあたりからの漏電などのチェックもあるので、しばらく引き揚げさせてもらいたいと返事が来た。


その日も帰ってからキーを差し込み、オンにするとウィンカーなども動きなども異常はない様子。しかし、Nランプが幾分薄くしか光らないのが気になった。

翌日夕方取りに来てくれて、バイクをタウンエースに乗せて送り出した。その前に一応再びチェックしたが、明るさからバッテリーは大丈夫そうとの判断だった。

すると、木曜日の夕方には返事が来て、ニュートラルスイッチが接触不良を起こしていて、Nランプは付いているけど本体はギヤが入っていると判断していて、安全回路が働いて起動しないのだそうで、それを短絡させたら、一発で起動するという。

そのスイッチは4千円ほどの部品らしく、交換が必要だという。

ハーレー スポーツスター トラブルで検索すると色々な事例が出てくる。

http://www.centrum.jp/wordpress/?p=7971

http://www.centrum.jp/wordpress/?p=7995

上記二つでこれは883のニュートラルスイッチ交換の有り様が写真で紹介されている。

やはり磨耗だそうだ。ギヤオイルが最近減っている感じがしていたが、バイク屋さんは来年の車検時でいいんじゃないと言っていたけど、納得していない。

その部品はこんな感じだ。
https://www.google.co.jp/search?q=ハーレー%E3%80%80ニュートラルセンサー&biw=1669&bih=958&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwjG1abUu5XMAhUIv5QKHZAVDN8QsAQILw

部品は小さく大したことなさそうだが、交換となると専用工具のお出ましとなりかなり大変そうだ。

今度の日曜日くらいまでには完了予定の見込みとの連絡が昨夜届いた。

昨年夏に日光に出かけた時にいろは坂で大渋滞になり、頂上付近で動きがストップ。オーバーヒートとなり、Nランプがつかなくなった。壊れた!?と思っていたら金精峠を超えた茶店で昼食を済ませたら再び点灯するようになり、以来異常はなかったが。

先日Wのオイル交換でレッドバロんに行った時、またまたハーレーが増えていた。

上はスポーツスター1200の新車価格であるが、かなり良い状態。下は、現在の私のと同等の走行距離で、私の購入価格より10万は高かった。ハーレーはレッドバロンで3000台は保有中だそうだ。上のハーレーは買えるのだが、詐欺にあって、180万ほど減らしてしまい、断念中の品だ。

幸い、部品はアメリカ製ながら国内に在庫があったので23日には修理完了となり、11日には起動しなくなってから二週間あまり補充電なしで簡単に起動した。タクシー代がバイクを取りに来る費用の1.5倍ほどかかった。

バッテリー交換後は3速でも動き出すし、2速あたりがちょうどよい感じを実感した。
国産車ではまず起こりえないトラブルだそうだ。スイッチの値段は4590円、工賃は7000円に消費税。

金曜日, 4月 15, 2016

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」(トランプ、共和党保守派を取り込む妙案・・・)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)4月15日(金曜日)弐
          通算第4877号 
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 トランプ、共和党保守派を取り込む妙案
  ケーシックに「副大統領」チケットをオファーか?
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 ワシントンタイムズ(4月13日)が伝えた。
 ニューヨーク予備選は事前調査でトランプの圧勝が展望されている。トランプ50%、ついでケーシックが27%、第三位がクルーズで17%、もしトランプがNYを抑えると代議員は95票である。

 現時点で明らかANのは党大会(7月18日、クリーブランド)前にトランプの指名獲得はあり得ず、そして党大会にもつれ込んだ場合、特別代議員制度に阻まれ、トランプが指名を獲得できないシナリオがあって、それを共和党主流派のあいだで練られていることだ。
その場合、茶会の推すテッド・クルーズでは党内はまとまらず、落下傘候補としてライアン下院議長がベストだが、本人が固辞しており、のこる選択はケーシックとなる。

 ケーシックはウォール街が強く推す自由貿易推進者だ。『バロン』誌は諸手を挙げて彼がふさわしいという特集まで組んだ。そのうえ、彼は党大会のクリーブランドが地盤である。

 トランプ陣営はケーシック(オハイオ州知事)という保守本流ならびに共和党穏健派からウケの良い政治家を「副大統領」チケットとしてうまく取り込めば、党全体が安堵し、本戦に望めるという打算から、本気でアプローチを開始したという。

 NYの次に共和党予備選はペンシルバニア、メリーランドに移るが、いずれもトランプの勝利が展望されており、ケーシックとしては、「全てを失うか」、それとも「副大統領」か、という選択に迫られてきた。
ケーシックが大統領になるチャンスはいまやゼロに近く、ならば副大統領というポストが目の前に選択肢としてぶら下がったわけだ。

 トランプとケーシック? まるで水と油ではないか。
 しかし1980年のレーガンは、まったく体質の異なるブッシュを副大統領のチケットに撰んだように、あるいはブッシュ・シニアが88年にはダン・クエールというタカ派を副大統領に選ばざるを得なかったように、92年のクリントンーーゴアも、2000年のブッシュ・ジュニアとチェイニー、08年のオバマとバイデンのように、正副チケットは水と油の関係なのである。

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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)ユダヤ人論では、日本人は彼等が所属国家への帰属心とユダヤ民族主義の忠誠心の二つの精神的柱がある事を知るべきだろう。
前者はその国での保身と出世である。英国の首相ディスレーリーはユダヤ人である。第1次大戦ではドイツ系ユダヤ人の人口40万くらいなのに若者が1.4万人も戦死している。彼等はフランスのユダヤ人と戦っている訳だ。ソ連の共産革命でも、共産党幹部にはトロッキーなどユダヤ人が多かったが、反革命派にもユダヤ人が沢山いた。民族主義などない。
ユダヤ民族主義は19世紀後半に祖国再建運動(シオニズム)で始まった。
しかし各国のユダヤ人はパレスチナへ行った人もいるが、保身を優先したように見える。米国ではルーズベルト政権の幹部はユダヤ系が多かった。ハル長官は母親と夫人がユダヤ人、財務長官のモルゲンソー、労働長官もユダヤ人だった。
しかし彼等は、欧州からユダヤ難民がNYから到着するとルーズベルトの命令で追い払った。このため欧州に戻った難民はナチスに殺された。
彼等は保身を優先したのだ。それでもハルとモーゲンソーがユダヤ民族保護の問題で口論したという話はある。
現在の米国でも多くのユダヤ系米国人が国民の義務を果たしながら、イスラエルを応援している。二重性である。
だから世界のユダヤ問題は簡単ではない。今度の大統領候補者はユダヤ系米国人である。ユダヤ金融資本の世界支配論者が勢いづくかも知れない。しかしもし本当なら歴史上ヒトラーやスターリンなど登場していなかっただろう。
 (東海子)
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土曜日, 4月 09, 2016

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 (アメリカの政治思想の変遷(その1))

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)4月9日(土曜日)弐
           通算第4867号 
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アメリカの政治思想の変遷(その1)
  風はトランプに吹き、ヒラリー・クリントンには逆風が
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  ▼「ネオコン」って何だった?

 大統領選挙予備選、いよいよ中盤戦、風はトランプに吹いている。
 ところで、鳴りを静めているネオコンは何を考えているのだろう?
 ブッシュ・ジュニア政権では大統領の周囲をぐるりと囲んで、外交、安全保障政策を影で牽引したネオコンは、「強いアメリカ」の推進者でもあった。

 対テロ戦争の主導権も彼らがとった。
 ネオコンの思想的総帥格と言われたアービン・クリストフは元トロッキストからの転向で根っからの保守主義ではない。キリスト原理主義に基づくエバンジュリカルとは一線を画した。
彼は米国社会主義労働者党に1939年に入党した。しかし過激な社会主義ゆえにソ連の失敗と非人間性に反発し、保守主義に衣装替えした。左翼はこの一点を演繹し「ブッシュの周りを囲むネオ・トロッキストらが唱える『永久革命』は『永久征服』だ」などと皮肉った。
 
日本の知識人の間でも激越に議論されてきたのは「転向」の問題だろう。
 共産主義の誤謬を素直に認め、日本主義に転向した人々には様々なタイプが存在し、あっけらかんと転向した吉本隆明、清水幾太郎の例が示すのは本人の心構えである。じめじめとした転向はこころも晴れない。

 転向というより獄中にあって日本の美しさを発見して革命幻想から醒めたひとたち。「日本回帰」の表現が正しいタイプと思われるのはは林房雄、浅野晃といった浪漫派の系譜に多い。田中清玄、水野成夫、徳間康快ら。転向の「屈折」や「反省」が大きすぎる辻井喬(堤清二)や、大問題となった佐野学らの転向も話題を呼んだ。近年では60年安保以後の唐牛健太郎、西部遭に象徴される。米国のネオコンの転向もタイプは様々で、だから機関誌も幾つかの流派に分かれ、統一された組織も行動もないが、通底しているのは誰にも湿り気がなく、意気軒昂としていることだ。
 
 米国の左翼リベラルなメディアはブッシュ政権発足以来、一貫してこの「ネオコン」を目の敵として非難・攻撃してきた。

 嘗てブッシュ・ジュニア政権内にはチェイニー副大統領(ディック)、ラムズフェルド国防長官(ラミー)、ウォルフォウィッツ国防副長官(ウォルフィー)の「タカ派三羽烏」がネオコンを象徴したと言われた。しかし前者二人は強硬派に違いないが、保守本流の現実主義者であって、ネオコンではない。

前国防長官顧問(国防政策委員会委員長)のリチャード・パールやダン・クエール元副大統領など「政権」と「実業界」の中間にいる政治的人脈も同じカテゴリィに入れられたが、まったく異なる人脈である。 
「彼らは9・11テロ事件より遙か以前からイラク戦争を準備し、主唱し、組織化し、政権を突き動かした。次にシリア、イラン、北朝鮮征伐だと息巻いている。彼らとはディック、ラミー、そしてウォルフィーだ」(「サンフランシス・コクロニクル」、03年4月4日付け)という分析は大雑把すぎるうえに基本の定義が間違っている。 
 

 ▼ネオコンになぜユダヤ人が多いのか

ユダヤ人が多いのでネオコン=シオニストという同一視反応を読者に植え込もうと躍起だった。ネオコンには転向組が多く、ユダヤ人も多い。となれとどうしても一方的なプリズムがかかりやすい。日本のマスコミは短絡的なアメリカ思潮の亜流だから、同じ分析がやたら目に付いた。
つまりネオコンは正しく評価されていなかった。当時、筆者はネオコンの正体を詳細に論じたことがある(拙著『ネオコンの標的』、二見書房を参照)。 
 
 ともかくマスコミの分析は消化不良で、報道と実態とは天地の隔たりがある。いまの主要メディアのトランプ叩きも似たようなところがある。もっとも極右とかヒトラーとかのレッテル張りは政治につきもののプロパガンダ戦争の戦術ではあるが。。。。

 「ネオコンとブッシュはバカ」と短絡に扱う書籍は、日本ばかりか米国でもベストセラー入りした。
たとえば左翼の映画監督マイケル・ムーア「アホで間抜けなアメリカ白人」(柏書房)、極左の思想家チョムスキー「9・11ーーアメリカに報復する資格はない」(文藝春秋)、グレッグ・パラスト「金で買えるアメリカ民主主義」(角川書店)など。
しかしムーアとかチョムスキーとか、米国では「極左」の変人扱いで、保守層の知識人は誰も相手にしていない。

 滑稽だったのは「ネオコンはユダヤの陰謀に加担している」(ドビルバン仏外相)などと事実無根の批判を伴うのも特徴的である。またユダヤ人が割礼の風習を持つことを引っかけて「割礼の枢軸」とも。

 奇妙なことに、このリベラル派からの攻撃と超タカ派の領袖=パット・ブキャナン(元ニクソン大統領側近)が同じことを言う。
 基本的に両者は米国政治における水と油の化学式で描ける関係にあり、イラク戦争の世論形成のときのような一時的な「呉越同舟」はあっても、相互不信は抜きがたく、決して和合することはない。ネオコン攻撃は米国内のリベラル派が計画的に仕組んでの巧妙な世論工作だったのである。

 現在の構図にあてはめるとテッド・クルーズなどがネオコンにやや近いが、保守本流のルビオとは水と油の関係であったように。
 
 第二はネオコンの多くが80年代初頭に共産主義に失望したリベラルからの転向で占められたため、リベラル派には近親憎悪が潜在心理にあり、このため批判は憎しみと執拗さが特徴的となる。
この点は数こそ減少したが、草の根運動を指導する活動家に目立つ。日本でも市民運動、反原発、安保法制反対のシールズなど、偽装組である。

 第三はレーガン革命の主流だった「ニューライト」や「保守本流」から見れば、庇を貸して母屋をネオコンに乗っ取られた格好で、面白くない。それで保守本流からもネオコンへのどぎつい批判が起きた。正確なネオコンの定義、その動きに関しての情報分析と把握が、日米同盟を基軸とする日本の将来に重大な意味を持つ筈だったのに不勉強なメディアは徒にネオコンを批判しただけで終わった。
 いま、このネオコンは旧ソ連圏の東欧に進出し、各国で民主団体などと連携し、むしろ米国より欧州で影響力を行使している。
 (この項、つづく)
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◆ 書評 ◎ しょひょう ▼ BOOKREVIEW ▽
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 これほど誤解されてしまった松岡洋右
  かれは並外れた洞察力で世界情勢を予見していた

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福井雄三『よみがえる松岡洋右』(PHP研究所)
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 歴史小説を読むようなおもしろさと迫力。気迫のこもった筆力にまず脱帽する。福井さんは、ひょっとして小説家に向いているのかとも思った。
 松岡洋右は、戦後著しく誤解されてしまった。歴史教育とマスコミの責任もさりながら、責任を松岡ひとりに押しつけようとした近衛文麿という面妖な政治家の存在も大きい。
 かの悪名高い国連脱退にしても、松岡は「二階に上がっているうちに梯子を外された」というのが真相である。
松岡は最後まで国連脱退には反対していたのだ。

この松岡は長州の廻船問屋「今津屋」のせがれ、実家の破産により十三歳で渡米し、塗炭の苦しみを味わいながら九年間を送った。このときの世界体験がかれの資源となって、外交官生活の基礎を固める。
松岡洋右はドイツ嫌いであった。
「ドイツほど信用できない国はない」というのが松岡の持論で、「自国の利益のたまなら平気で他国を犠牲にして裏切り、迷惑を掛けることなど屁とも思っていない。その外交姿勢は徹頭徹尾利己的で打算的であり、ドイツと関わった国の外交は例外なく混乱を余儀なくされている」(まさに日本は三国同盟を結び、ヒトラーに心酔したが、ドイツは裏でやってきたことは蒋介石支援だったように)。

松岡は上海に三年、大連に一年。すっかり中国大陸に魅了され、また上海では山条(財界総理的大物、上海経済を左右する三井物産社長。山本条太郎が本名)の知遇を得た。
松岡に決定的な影響を与えたのは、この山条と、当時まだ健在だった山県有朋だった。明治維新の元勲にして吉田松陰の教え子、奇兵隊として活躍した山県有朋は、明治の政界の黒幕として椿山荘に陣取っていた。
まだ二十七歳の若さで、山県有朋と対面した松岡は、なんら臆することなく持論を展開し、山県を圧倒したという。
しかも、騎兵隊の軍資金を調達した上、木戸孝允の愛妾だった幾松を匿い、そして倒産した今津屋とは、山県が世話になった恩人。「きみはあの今津屋のせがれか」と知ることになった山県は、以後、松岡を気に入り、かれは椿山荘の出入り自由となる。
 松岡はつぎに赴任下はペテルブルグ、そこでロマノフ王朝の末路を予見するに到る。
 松岡がはったり屋、大言壮語の大風呂敷野郎と誤解する向きがあるが、かれは「錯綜する情報を冷静に分析して、正確な判断と結論を下すことのできる、冷徹なリアリスト」だったと福井教授は何回も強調している(73p)
 また松岡は清朝の崩壊も予見したが、それは
 「世界情勢が重大な局面にさしかかったときに、それがどのように進展していくか預言しているが、ほぼ的中している。情報収集能力もさることながら、おそらく彼には、ものごとの本質を直感的に把握する、天性の洞察力が備わっていた」(99p)
 松岡は戦後の歴史家の間に過小評価され、かわりに石原莞爾への過大評価がある。東京英樹が貶められ、岸信介がいまなお過小評価されているように。
 
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◆ 書評 ◎ しょひょう ▼ BOOKREVIEW ▽
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 拉致された国民同胞を「話し合いで解決する」という発想は平和ぼけ
  「刀伊の入寇」では拉致された人々を軍事力で奪還した事実がある

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浜口和久『日本の命運  歴史に学ぶ40の危機管理』(育鵬社)
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 白村江の戦いから地下鉄サリン事件まで、日本が経験した未曾有の危機を40の事例でケーススタディしつつ、日本の真の危機を解析、警鐘を乱打する。
 著者の浜口氏は防衛大学出身、陸上自衛隊を経て、危機管理の専門家だが、同時にお城の研究でも第一人者。日本の名城をめぐって解説を写真とともになした著作でも有名だ。
単にマニアックな歴史研究家、お城巡り愛好家とは異なって、氏は城の建設思想、その戦略的発想から、城の構え方を探求している。このため地政学的見地からのアプローチは大変参考になる。
実は評者(宮崎)も、城をめぐるのは好きな方で、日本の名城や、戦績跡地は相当回った積もりでいたが、氏の本を読むとまだまだ足りない。
 さて本書である。
 書き出しは「白村江の闘い」から始まる。
百済を支援した日本軍はなぜ大敗北を喫したのか。それは、支援に駆けつけた日本軍が烏合の集団だったうえ、敵側の大型船に対して小型船団では対処できなかったからだ。しかし、この敗北は日本の平和ぼけを吹き飛ばし、防衛を強固にするために北九州から日本海沿岸の各地に砦を築き、太宰府を守り抜き、しかも都を遷都するほどの防衛システムを築き挙げたことは、こんにちの教訓である。
 しかしせっかくの防人体制も、平和ぼけの平安時代になると廃された。
 この隙をついて、外敵は対馬、壱岐、九州各地の沿岸に出没し始め、強奪、拉致を繰り返した。
 つまり「防人制度が崩壊したことによって『力の空白』が生まれ、外国の海賊の跋扈を許す結果となった日本は、平安時代最大の対外的危機に直面」したのだ。
 それは「刀伊の入寇」と言われる。
 詳細はこういう経過を辿った。
 「寛仁3(1019)年3月27日、正体不明の約50隻の海賊船が対馬を襲撃、約3000人の海賊は、島民36人を殺害し、346人を連れ去った。続いて壱岐も襲撃を受ける。国司の藤原理忠は147人の平氏を率いて迎え撃つも、数に勝る海賊に追い込まれて死亡、兵士も全員が討ち死にする。壱岐嶋では島民365人が殺害され、拉致された者は1200人を超えた」。
 まるで北朝鮮による拉致事件続発を彷彿とさせる。
 しかしその後、九州の武士団はリーダーシップの下に団結を強めて防衛を強化し、海賊軍の襲来を撃退し、ついには「海賊に拉致されていた対馬や壱岐の人々の一部を脱出させることに成功している」のである。
 「海賊は当初は高麗の海賊」と考えられていたが、その後の調査で『ツングース系の女真族』だったことも分かっている。 
 いずれにせよ、現代日本への歴史の教訓とは、強盗、襲撃には容赦なく報復し、人質を取り返すには『話し合い』などではなく、即断する決断力と軍事的な実力行使が必要ということではないのか。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)「パナマ文書の可能性について」
 米国人名がリストに出ていない。これは米国大統領候補者戦と関係があるのではない
か。有力候補者が不自然な撤退をすれば、脅されたとみるべきだろう。
 プーチンが米国の陰謀だというのは納得できるが、それを内容の真偽問題とすり替えてはならないだろう。
 日本はどうか。政治家には痛撃だ。共産党幹部は何処の国でも金が好きだから可能性はある。
 中共では国民は幹部の腐敗を皆知っており、改めて確認したということだ。
当然、指導者の綱紀粛正のかけ声を聴いても国民はしらけてしまうだろう。それよりまず国民参政権の実現だろうと。
  (東海子)
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『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
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宮崎正弘 v 宮脇淳子 『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
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宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石 平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 大竹慎一 『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 西部遭 『日米安保五十年』(海竜社)  
宮崎正弘 v 黄文雄 『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
宮崎正弘 v 佐藤優 『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
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宮崎正弘の国際ニュース・早読み ( カソリック法王がトランプを攻撃しても、逆に支持率があがる不思議)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)3月14日(月曜日)
           通算第4847号 <前日発行>
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 カソリック法王がトランプを攻撃しても、逆に支持率があがる不思議
  米国のエスタブリシュメントはWASPではなくなっていた
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 オバマ大統領の誕生は、非白人ではじめてだったから米国は変わったと評価された。じつはそのはるか以前から米国はWASP(ホワイト、アングロサクソン、プロテスタント)の国ではなくなっていた。
 
 JFKは最初のカソリック、しかもアイリッシュ出身の大統領だった。
 ブッシュ・ジュニアはカソリックに改宗していた。いま、トランプ候補の宗派はと言えば、カソリックではない。長老派(プロテスタント、カルヴァン派)である。
 つまりWASPのカソリックへの挑戦なのである。

 2月28日、メキシコ訪問の帰路、サウス・カロライナ州に立ち寄ったフランシスコ・ローマ法王は、メキシコからの帰り道ということも手伝ってか、「移民の流入に壁を造れと叫ぶトランプは、キリスト教徒ではない」と辛辣に批判した。カソリックではない、とは言わなかったポイントに注目しなければならない。
 ローマ法王はイエズス会所属で、アルゼンチン生まれのイタリア系である。

 トランプはメキシコとの国境2500キロに壁を造り、メキシコの不法移民1100万人を追い返せと言っていた。主要メディアは一斉に批判したが、庶民の反応は逆で、トランプへの支持率は上がったのだ。

 過去二十年の米国の変化のなかで最も目に見えない変化が宗派だった。
日曜日の教会にきて敬虔な祈りを捧げるアメリカ人は年々歳々減少している。とくに都会では教会へ行っても信者はあまり集まっていない。

 しかしエスタブリシュメントの顔ぶれを見ると歴然とする事実がある。さきにアントニー・スカリア最高裁判事が死んで、新しい判事任命が長引いている。共和党は、オバマがリベラルな判事を選びそうなので、絶対反対の構えを見せている。このため最高裁判事の人事は、来年一月、新大統領の下で行われるだろう。

その最高裁判事のメンバーをみても圧倒的にカソリック(ユダヤ教がひとり)、ここでは保守 vs リベラルの図式が表面化しているが、裏面はカソリック圧勝という構造になっている。

 現在残っている大統領候補のうちで、クリントンはメソジスト(プロテスタント)、サンダースはユダヤ教徒、トランプは長老会派(プロテスタント)、クルーズは南バプチスト(プロテスタント)、ルビオだけがカソリックである。
 
 トランプの強さは、WASPの怒り、そしてプロテスタントのカソリックエスタブリシュメントへの怒りという側面がある。

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◆書評 ◎しょひょう ▼BOOKREVIEW ●書評 ▽
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 占領軍が押しつけた西欧の歴史観はすべてが間違い
  なぜまだ日本人はGHQの洗脳から脱却できないかはマスコミが悪いのだ

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武田邦彦『ナポレオンと東条英機』(KKベストセラーズ)
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 読後感は爽快、愉快。そして、本書の著者である武田邦彦氏の近現代史に対する考え方は日下公人、西尾幹二、高山正之各氏の歴史観と通底している。
 本書は戦後歴史教科書の弊害を別のアングルから木っ端微塵に粉砕した快著でもある。
戦後の西洋史観の誤謬を覆がえし、かの大東亜戦争は「平等」のため、人種差別をなくすために闘わざるを得なかった戦争だったとする正気に立ち戻る。
人類を差別や奴隷、悪癖から開放したのは仏蘭西革命ではなかった。人類に平等をもたらし、差別をなくす思想を導いたのは日本の大東亜戦争であるという、教科書には載っていない「真実」を、時系列に概括して本書ではダイナミックに展開されている。
 
ならば戦後久しく、西洋人が押しつけた間違いだらけの歴史が、今なお、日本には蔓延しているのは何故だろうか?
 「日本の知識人の学識と知的レベルが低く、戦前も戦後も大失敗を続けています。それはNHKや朝日新聞という世論をリードするマスコミが(米国の押しつけた歴史観を)追従するという図式です」
したがって、「日本の論壇、教科書の全て占領軍の都合のよいように書かれ、多くの日本人が戦後70年を経ても、日本人なのに歴史を裏切って『反日』になってしまった」(166p)。
理学博士が日本の近現代史の解釈に挑んだ快著となった。

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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1380回】     
――「支那は国家ではない。あれはたゞ人民の社会だ」(勝)
   勝海舟『氷川清話』(講談社学術文庫 2000年)/『海舟語録』(同 2004年)

   △
日本人が記した中国紀行から日本人の中国と中国人に対する考えを振り返ろうと、文久2年に千歳丸で上海に出掛けて行った高杉晋作からはじまって、日清戦争直前の安東不二雄まで、有名無名に関わらず多くの日本人の中国紀行を読んできた。
そんな折、たまたま勝海舟の考えを知るに及んで、まさに「びっくりポン」。これまでの論調と些か、いや非常に色合いを異にする。まさか、あの勝が、このような考えの持ち主だったとは、摩訶不思議。

そこで安東の次に予定していた原田藤一郎『亜細亜大陸旅行日誌?清韓露三國評論』(嵩山堂 明治二十七年)に進む前に、ちょっと寄り道。勝の代表的著作で知られる『氷川清話』と『海舟語録』から、2,3の興味深い発言を拾ってみた。

 ■明治28(1895)年3月6日の発言。この頃、日本の清国軍相手に連戦連勝だった。
  「支那人は、一国の帝王を、差配人同様に見てゐるヨ。地主にさへ損害がなければ、差配人はいくら代つても、少しも構はないのだ。それだから、開国以来、差配人を代ふること十数回、こんな国状だによつて、国の戦争をするには、極めて不便な国だ。しかし戦争に負けたのは、たゞ差配人ばかりで、地主は依然として少しも変わらない、といふことを忘れてはいけないヨ。二戦三戦の勝をもつて支那を軽蔑するは、支那を知る者にあらず」

どうやら勝は、どの民族出身者が皇帝に就こうが、地主が土地を仲立ちに圧倒的多数の農民を押さえている(地主が土地を貸し出すことで農民を支配している)かぎり中国社会の“超安定状態”は続く。中華帝国を継続的に支えていたのは地主だというカラクリを知っていようだ。
地主が中華帝国の真の権力者だなんて、まさか昌平黌じァ教えてくれねェやネ。

■明治28(1895)年6月5日の発言:因みに日清講和条約締結署名は同年4月17日。
 「支那人は、帝王が代らうが、敵国が来り国を取らうが、殆ど馬耳東風で、はあ帝王が代つたのか、はあ日本が来て、我が国を取つたのか、などいつて平気でゐる。風の吹いた程も感ぜぬ。感ぜぬも道理だ。一つ帝室が亡んで、他の帝室が代らうが、誰が来て国を取らうが、一体、社会は、依然として旧態を存して居るのだからノー。国家の一興一亡は、象の身体を蚊か虻が刺すくらゐにしか感じないのだ。

日本人もあまり戦争に勝つたなどと威張つて居ると、後で大変な目にあふヨ。剣や鉄砲の戦争には勝つても、経済上の戦争に負けると、国は仕方なくなるヨ。
そして、この経済上の戦争にかけては、日本人は、とても支那人には及ばないだらうと思ふと、おれはひそかに心配するヨ。」

■明治30年末から31年にかけて:
「支那は、独逸や露西亜に困しめられて、早晩滅亡するなどというものがあるけれど、そんな事は決してない。膠州湾や、三沙澳ぐらゐの所は、おれの庭の隅にある掃溜めほどにも思つて居ないだらう。全体、支那を日本と同じやうに見るのが大間違ひだ。日本は立派な国家だけれども、支那は国家ではない。あれはたゞ人民の社会だ。政府などはどうなつても構わない。自分さへ利益を得れば、それで支那人は満足するのだ。清朝の祖宗は井戸掘りをして居たのだが、そんな賤しいものの子孫を上に戴いて平気で居るのを見ても、支那人が治者の何者たるに頓着せぬことが分る。それだから独逸人が愛新覚羅氏に代つて政権を握らうが、露西亜人が来て政治を施さうが、支那の社会には少しも影響を及ぼさない。独逸が膠州湾を占領したり、英国が三沙澳に拠つたりすれば、支那人の方では堅固な門番を雇ひ入れたと思つて、かえつて喜んで居るかも知れないヨ。」

 頭の片隅に勝の考えを置き、大陸紀行追体験の旅をするテエのは、どうだエ。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)国防を語らずして、日本を語るなかれ! 第29回 軍事評論家・佐藤守の国防講座のお知らせ
 軍事評論家としてブログなどで活躍中の当会顧問・佐藤守が「国防」を熱く語る連続シリーズの第二十九回目です。
 本講座では、これまで二度にわたりUFO問題をテーマにお話いたしました。(第7回「UFOは確実に存在する!~自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO」平成24年7月、第21回「UFOから知的生命体へ~広がりつつある未知の世界」平成26年11月)
 今回は、その第三弾といたしまして、地球外知的生命体とのコンタクターである米国人青年との対話を通じて新たに知った事実や、物理学的に瞬間移動は可能だということなどについて、分かりやすく解説いたします。
 広大な宇宙のどこかに実在する「地球人以外の知的生命体」は、今、人類に何を問いかけているのでしょうか・・・。
 脱線転覆を交え、大人気の佐藤節が唸ります。どうぞご期待下さい。
          記
日 時:3月19日(土)13:00開演(15:30終了予定)
場 所:靖国会館 2階 偕行の間
講 師:佐藤 守(軍事評論家、日本兵法研究会顧問、元南西航空混成団司令・空将)
演 題:UFOと地球外知的生命体、その後の展開 
参加費:1,000円(会員は500円、高校生以下無料)
お申込:MAIL info@heiho-ken.sakura.ne.jp
 FAX 03-3389-6278(件名「国防講座」にてご連絡ください)。
   なお事前申込みがなくても当日受付けます。



   ♪
(読者の声2)すこし横に飛んだ話です。米韓軍事演習中です。アメリカから手を出すことはないでしょうが、怯えた金豚が引き金を引く。第一局面としては航空優勢の元ネイビーシールズはじめとする特殊部隊が、生死の別なく金豚を排除。
 中朝国境から瀋陽軍が突入。支那のどこかに隠していた金豚兄貴を立てて金王朝復活。瀋陽軍は北朝鮮利権のすべてを手にし、かつ、山海関から以北の長城線に軍を集中させ、新満州国として独立する。これを見たほかの軍管区も一斉に蜂起。
 蘭州軍区はじめとしてシナは4つの群雄によりその統一は喪失する。群雄割拠、春秋戦国時代の到来。またの名を軍閥の世。
シナでは当たり前のことが繰り返される。
 かわいそうな韓国は、150ミリ榴弾砲とカチュウーシャがソウルに雨嵐と降り壊滅。そのあと、腹を減らし血眼になった北朝鮮陸軍が、食い物を求めて殺到。そのあとに難民が続く。
政府中枢を失った韓国は食い物を求め血に飢えた北の同胞によりずたずた。済州島に政府は避難し、北朝鮮・新満州国と和解。かろうじて独立は保たれる。
 韓国は竹島を返し、見返りに国家再興の資金援助。
北朝鮮は全ての拉致被害者を開放。日本と国交樹立。国家立て直しに日本は金を出す。金兄貴は国賓として来日。デズニーランドホテルに泊まって日本を満喫する。
 本朝は日本海側の原発に突入せんと図る北のおんぼろ舟と工作員を海上にて殲滅。国内の北朝鮮潜伏者のテロも何とかかわして被害最小。
 米国は北朝鮮を無力化でき満足。かつ韓国を防波堤にできるので満足。北朝鮮で血を流したのだから、当然利権は確保。平和主義者市民運動の化けの皮がはがれ大阪維新が大革新し2大政党時代に日本は有事の不備を痛感し、憲法改正 国軍設立。
 経済は世界最高レベルの復興需要でグルグル廻る。世界特需で地球はハッピー!
 かくして「春の日の夢の如し」
 戯れ言でした。
   (SH生、大田区)



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(読者の声3)貴著新刊『中国大失速、日本大激動』(文藝社)を拝読しました。米国、中国ばかりか、この書ではロシア、EU、そして中東とまさに「地球儀を俯瞰する外交」の視点での情勢分析でした。
 現地に実際に立たれて民衆の声を聞きながら、日本の報道とのあまりの乖離。
 中国一ケ国ばかりか、宮崎さんはロシアも中東も東欧も歩かれて、その巨視的なパースペクティブで世界情勢を眺めやれば、世界の現在の果てしなき激闘の本質が把握でき、大いに勉強になりました。
   (TI生、神奈川)


  
  ♪
(読者の声4)最近、気になるのは保守論壇のなかでも、アベノミクスへの評価が低くなってきました。とくに黒田バズーカの「マイナス金利」はマイナスに作用して、一向に景気は上向きません。
 日本経済の低迷は中国ばかりが原因とは言えないのではありませんか?
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)もちろん、中国だけが日本経済混乱の原因ではありませんが、中国への依存度が大きく、産業構造的にビルトインされている。鉄鋼、自動車、化学プラントなど、簡単に中国から抜け出せない。
 近未来を展望しても、この鉄鋼、自動車がおおいに足かせとなって、悪影響は長引くと思われます。マインス金利は次に消費税問題に結びつくでしょうから、アベノミクスは増税見送りで集散同時選挙を戦う腹づもりと読んでいます。

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 宮崎正弘の新刊予告 宮崎正弘の新刊予告 宮崎正弘の新刊予告
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宮崎正弘の新刊予告 四月中旬発行予定です
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 『中国経済はどこまで死んだか』(仮題)
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 中国経済予測の三人組が揃って激論の鼎談です
 田村秀男
 宮崎正弘
 渡邊哲也

 『中国経済はどこまで死んだか』の概略
 ――嘘と粉飾と人民元を武器に延命する中国のゾンビ経済が丸見え
 ――バブル崩壊、人民元暴落の足音
 ――日本経済の発展を阻害するのは、このゾンビだ

 4月中旬発売予定  224ページ、予価1300円
 発行元 産経新聞出版
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 宮崎正弘の最新刊二冊  宮崎正弘の最新刊二冊 
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宮崎正弘 vs 馬渕睦夫
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「戦争」と「市場」、まさしくいまの世界は中国、シリア、ドイツ難民、トランプ、EU。。。。。「ユーロ」と通貨統合させて世界の市場を操ってきた面妖なグローバリズムとナショナリズムとの対決時代を迎えている。
これからの日本はどうするのか? 元ウクライナ大使の馬渕氏と宮崎との侃々諤々が展開されている
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(休刊のお知らせ)地方講演旅行等のため3月17日―19日が休刊となります。
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月曜日, 4月 04, 2016

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (残り火にあらず、サンダースが本命ヒラリーを追い詰めている)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)4月4日(月曜日)
           通算第4859号 
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 残り火にあらず、サンダースが本命ヒラリーを追い詰めている
  共和党は主流派、ネオコンがトランプ排除の連合を狙うが。。。。。。。。
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 中盤戦となって風向きが変わり、トランプは発言の中心軸をそっと移行させている。はじめて謝罪会見を開いたりした。
 それより、先月末からトランプは強調していることは「日米安保は不平等、日本と韓国に防衛費の負担を増大させよ」と声高に言い出したことで、批判の多かった「移民政策」を後方に下げた。

 トランプが不法移民を攻撃してきたのは、実際には矛盾した言論である。
彼の最初の妻だったイヴァナはチェコ(当時はチェコスロバキア)からの移民。三番目で現夫人のメラニアはスロベニアからの移民組である。メラニアはヌードモデルを務めたこともある
「移民を減らせ、ヴィザを厳格に」と主張するトランプの夫人達が移民組とは矛盾しているのではとマスコミが騒いだが、トランプはまともに取り上げず、この議論を逸らした。

 ドイツではすでに移民は1650万人、うち990万人に永住権が認められている。
米国同様に移民大国であり、シリア難民問題で急に国民の不満がたかまったかに見えるが、ドイツ国内のナショナルな「ペギーダ運動」も、「ドイツのための選択」も、その主張は国民の心底に潜伏してきた感情の爆発である。

 トランプが中盤戦での戦術変更の第一は「日本の核武装」を容認したことである。
これは日本の主流マスコミが冗談のように受け取っているが、日本の物言わぬ大衆、とりわけ保守陣営は歓迎だろう。
核武装をして初めて、日本は独立国家たりえるのだから。

 もし、日本が「主権国家」なら、そもそも外国の軍隊が日本にいること自体が間違いである。キルギスのような小国で、タクシーの運転手とロシア軍の駐屯について議論になったおり、「え、日本に外国軍がいるのか。それじゃ、日本は主権国家ではなかったのか」と指摘されたことがあった。

 日本の核武装容認発言はトランプにインタビューしたニューヨークタイムズの記事(3月26日)で、世界的にも報道された。
ところが、日本でこの発言を特筆したメディアは殆どなく、あいかわらず「トランプは共和党が産んだフランケンシュタイン」だとかの「解説」が並んでいた。「フランケンシュタイン」と比喩したのはネオコンのチャンピオン、ロバート・ケーガンである。


 ▼中欧の庶民もトランプに好感をもっている

 つい一昨日まで筆者はルーマニアのブカレストにいた。
日本人にとって、ルーマニアと言えば、コマネチとチャウシェスクを思い浮かべるのが精々、歴史通ならあるいはドラキュラを思いおこすかも知れない。

 ブカレストでの驚きは、かの独裁者=チャウシェスクの残影が殆どないことだ。贅を尽くしたチャウシェスク宮殿は「国民の館」として、いまや観光資源となっていた。

人々には宗教心と活気とが蘇り、経済活動は活発化しており、なによりソ連時代のラダもトラバントも街から消えてベンツ、トヨタ、BMWの新車の洪水ではないか。
チェウシェスク失脚から二十七年を経て、これほど豊かになっていようとは想像さえしていなかった。

 さて問題はトランプである。
筆者は以前にも、チェコで、ハンガリーでトランプの人気が高いことを紹介したが、ルーマニアで、(そして隣のブルガリアでも)ヒラリーより、トランプのほうが人気が高い。
しかも米国大統領選挙のことは、日本のマスコミ同様に詳細が伝わっている。言論の自由は回復されており、複数政党制は機能している。

 チェコのゼマン大統領が、あるいは旧東欧諸国の指導者が言ったように「移民は侵略だ。なぜ難民に若者が多く、かれらはISと闘わないのか」と非難したように、移民に厳しいトランプに原則で共鳴する部分が多いからだろう。

 脱線ついでに移民に寛大だったドイツで、メルケル首相の支持率が急落しているのも移民問題だ。
いまやドイツへの移民はトルコ、アフガニスタン、パキスタンも多く、総計で1650万、このうち990万人には永住権が与えられ、多くが生活保護で暮らし、ドイツ語を習得しなくとも良く、それがドイツ国民を苛立たせる。


▼トランプの過激な発言は巧妙なマーケッティング戦略が基本にある。

 「メキシコ移民に職を奪われた」「国境に壁を作り、かれらを追い出せ」。「中国と日本は為替操作国だ」と叫ぶトランプがなぜかくも絶大に人気を獲得しているのか。
トランプは、移民政策に不満を持つプアホワイトを大票田の「鉱脈」として改めて発見し、集中的に問題化するために、過激な発言を繰り返した。
 トランプ現象は、彼自らが編み出したマーケッティング手法の乗っ取っているのだ。

 世界を見渡せば、トランプが嫌いなのが欧米先進国と日本。とくに民主主義先進国家といわれるところであり、民主主義に憧れ、それを血と汗で達成した国々は、政治的関心の強さにもまして、トランプが好きな人が多いのはどうしたことだろう?

ロシアでも、中国のマスコミを信用しない庶民の間にも、歯に衣を着せぬ物言いが短絡的に受けるだけが、その人気の高さの直接的な理由とは思われない。

またトランプはユダヤ人への差別的発言は徹底して避けており、「イスラエルはユダヤ人の国家であり、永遠にユダヤ人国家として存在することを受け入れるつもりで交渉の席に着かなければならない」と指摘している。
在イスラエル米国大使館をエルサレムに移転するべきともとも在米ユダヤ系PACの集会で述べている。

それよりもっと留意すべきことは、日米安保条約ばかりか、トランプはCNNとのインタビューでは「米国は北大西洋条約機構(NATO)向けの支出を削減すべき」と日米安保条約、米韓条約と同様に「米国優先、他国への軍事予算削減」の原則を普遍的に適用していることである。

この点で共和党主流ばかりか、ペンタゴンに近いネオコンや保守原理主知とも対立的なのである。


 ▼トランプ降ろしも本格化してはいる。。。。。。。。


 米国では共和党内部にあってトランプ降ろしの動きは止まず、もし彼が正式候補となったら、ヒラリーかサンダースに入れると公言する共和党党員が増え続け、米国のマスコミはリベラリズムとグローバリズムに立脚するメディアが多いから、かれを「共和党が産んだフランケンシュタイン」だとか、ハリウッドの左翼スター等は「トランプはファシスト」などと決めつけている。

にも関わらす、トランプ人気はすこしかげりが見えてきたものの、相変わらず高い。
 3月23日、トランプはユタ州を落としたが、アリゾナでは勝った。ユタ州はロムニーの信奉するモルモン教の総本山が州都のソートレイクシティにあり、ここではロムニーの応援を得たクルーズが勝った。

 ところで日本政府が期待するヒラリーだが、日増しに人気にかげりが現れており、選挙運動の劣化が顕著になってきた。
アリゾナ州でヒラリーがかろうじて勝ったものの、ユタ州、アイダホ州でサンダースが大差で勝つという番狂わせが生まれた。
とくに3月26日のアラスカ、ハワイ、ワシントン州ではサンダースへの得票率は70%から81%と圧勝に近い。
これもまた予想外の現象で、サンダースが、五州で勝利したのだ。

 4月1日現在、両者の代議員獲得数は以下の通り
 トランプ 739票
 クルーズ 460 (過半は1237票)

 クリントン 1742票
 サンダース 1051 (過半は2383)

 党大会は七月下旬、いよいよ米国大統領選挙予備選は、過熱気味となって、オバマのレガシー作りの拙速外交が霞み始めている。
 オバマはキューバを訪問したが、その扱い方はゴミ記事並みとなり、ヒラリーvsサンダース、トランプvsクルーズの動向が、主要な紙面を飾るようになった。

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◆ 書評 ◎ しょひょう ▼ BOOKREVIEW ▽
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 あの戦争の大義を確認せよ
  それが将来の、永遠の未来への架け橋となる

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藤田裕行『国体の危機――日本亡国勢力との戦いに勝つ』(サンクチュアリ出版)
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                    評者 玉川博己
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ヘンリー・S・ストークス氏のよきパートナーであり、通訳として「憂国忌」とも馴染みの深い藤田裕行氏が、今般その憂国の思いと熱情をストレートに訴えたのが本書である。そして副題の「日本亡国勢力との戦いに勝つ」が、本書を出版された著者が抱かれている日本にとっての危機感を如実に示している。
 藤田氏は日本の国体を、国史を回想することによって読者に分かりやすく説明する。本メルマガの読者であれば皆よくご存知であるので詳しくは省略するが、神話の時代から古代、中世、近世と脈々とわが国史を貫いてきた、天壌無窮と万世一系の理想を戴くわが日本民族の国体意識が、欧米列強のアジア侵略という迫りくる危機において、見事に尊皇を大義とする明治維新革命を成就させたことは正に世界史の奇跡であった。
しかしその後不幸にして大東亜戦争に敗れた日本は、占領軍による日本弱体化政策と東京裁判史観、そしてそれに呼応、盲従する国内の亡国勢力によって、今正に国体の危機を迎えているというのが藤田氏の憂国の認識である。
藤田氏は、今こそ大東亜戦争の大義を再確認し、真の国体を恢弘させるために、国体に相応しい自主憲法を制定するべきであると主張する。藤田氏は最後に「神話の時代から、連綿と続く大和魂を、次世代に継承することほど、大切なことはない。もうギリギリのところまできているのではないだろうか。
天壌無窮の神勅を奉じるものが、神話の時代からつながる魂を、二十一世紀以降の永遠の未来へと、つなげてゆこうではないか。」という言葉で本書を結んでいる。
 本書に流れる藤田氏の国体観、歴史観は、三島由紀夫先生の「文化防衛論」、そして昨年私どもが再評価のシンポジウムを行った三浦重周の思想とも通底するものがある。
 国体とはただ守るものではなく、常にその危機に立ち向かって敵と戦い、勝ち抜いて真の姿を輝かせるべきものである。
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宮崎正弘、田村秀男、渡邊哲也の鼎談『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版)
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中国経済ぶった斬りの三人衆、見参。鼎談本の予告!
  『死んでいる』のに『死んでいない』不思議な中国経済の面妖さに大胆なメスをいれてみると。。。。。。。

宮崎正弘、田村秀男、渡邊哲也の鼎談
『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版)
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1389回】
――「佛具散亂蛛網充滿寺僧洋烟に沈醉して佛影なし」(原田7)
   原田藤一郎『亜細亜大陸旅行日誌?清韓露三國評論』(嵩山堂 明治二十七年)

  △
 「山東省の儒生王之臣」が口にした「不錯、不錯」に見られるような、コチラの琴線に触れる発言に日本人は実に弱い。その典型が?介石の「怨みに報いるに徳を以てす」であり、毛沢東の「日本軍国主義は日中両国人民の敵」だろう。これに死を前にして孫文が説いた大アジア主義や汪兆銘の「同生共死」を加えることは、行き過ぎだろうか。いずれにせよ中国の政治指導者が巧妙に発した“戦略的発言”が、ことに大東亜戦争敗北以降における日本の対中外交の手足に加え脳髄まで縛ってしまったことは否めない事実だろう。

  かくして安倍首相は対中外交に対し戦略的互恵関係という姿勢で臨んでいるわけだが、考えてみれば相手国から最大限の譲歩を引き出す一方、自らの国益毀損の歩留まりを最小限に食い止めることを外交の本質と考えるなら、日中関係に止まらず、すべからく外交とは「回帰不能点」を超える瞬間まで戦略的互恵関係をカンバンに掲げながらの綱引きとなるはずだ。国の大小に拘わらず、外交の根本は自国のため。なによりも自らの国の歴史と矜持、国民の生存・安全・財産を守るためには、周辺諸国との間で戦略的互恵関係を構築・維持することに腐心することは当たり前だろう。態々口にするまでもないことだ。

 であればこそ中国の政治指導者の戦略的発言には、注意の上にも細心の注意が、いや、さらに厳重注意が必要なのだ。?小平流の甘言に踊らされた過ちを繰り返してはならない。

さて滿洲に歩を進めた原田は、そこで見た山海関以南の中国本部との違いを記す。
 「北方に進むに從ひ」、最初に感じたのは「當地方の清潔なること是なり田舎には珍しく旅店飲食店等皆清潔を極むるなり是眞に異事とす」。次いで「東北に進むに從ひ馬鹿の大男とでも評す可き乎皆骨格大にして強壮の感あり」。とはいえ「清人の無智なる今更申すまでもなき事なれど(中略)一層の無智を知る」。そこで彼らに「充分体育?育智育の三育を兼ね?へなば西洋に劣らざるの人物を得べき」に違いないが、「惜い哉?育とて別に學校の設けあるにあらず」。それゆえに「馬鹿の大男」のままで終わってしまう。かくて原田は「清國當局者」は何を考えているのかと呆れ果て、苦言を呈す。

 人々が「予の身邊に就き纏ひ石を投じ罵詈を爲し其無禮云ん方なし」は中国本部と同じだが、「性質は南方の如く狡黠ならず至て質朴を極む」という。

 原田は満州で異様な光景を目にした。その1つは女子供の喫煙である。
 「喫煙の流行は何地も同じ事」だが、満州では「妙齡の女子長さ三尺もあらんと思ふ煙管を携えへ寸時も之を放」さない。道を歩くにも、仕事をするにも「肌身を放さ」ず。やはり「流行の度を過ご」している。それだけではない。「十二三の小兒にして尚ほ大煙管を持ち喫煙」する始末。時には、乳飲み子から13,4歳の4人が「銘々煙管を携へ居りて鼻をたらしながら喫烟を爲すは實に見苦し」い光景に出くわす。乳飲み子は自分用のキセルを持っていないようだが、「母の烟管を取てスッパスッパ喫烟する」の有様だ。

 2つ目は「白菜を生の儘ガジガジと?み又は味噌を付けてジワジワ?むあり茄子?爪豌豆大根胡葡葱蒜其他の青物多く生にて食す」こと。

 3つ目は日本を知らないこと。「満州の田舎に入りては日本てふ國は未だ聞きしことなしと云ふ者多く漸く地圖を開き是を見せしめて初めて日本國を知る有様なり」。かくて原田は、「日本は素より小なりと雖も一葦帶水の地方にだも未だ名を知られざるは實に日本人の恥辱と云ふ可き乎抑も又他の無智の罪なる乎」と慨歎する。これが当時の満州の姿だった。

 ところで、満州にやって来て初めて満州の地が満州人と漢人の雑居地であることを知った原田は、「此の地方は明人と滿人の雜居なるか男子にては殆ど區別しがたく唯婦人の頭足に據り明滿兩人種の雜居するを知る」と記した。「明人」は漢族を指すはずだ。
《QED》

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【知道中国 1390回】   
   ――「佛具散亂蛛網充滿寺僧洋烟に沈醉して佛道影なし」(原田8)
原田藤一郎『亜細亜大陸旅行日誌?清韓露三國評論』(嵩山堂 明治二十七年)

  △
 原田は「婦人の頭足に據り明滿兩人種の雜居するを知る」としているが、「婦人の頭足」とは満州民族婦人独特の髪型と「明人」、つまり漢族婦人の纏足を指している。

  続いて「此地方清人等の暴慢無禮」が過ぎ、「苟も日本魂を帶るものは片時も耐えへ忍び得べき塲合に非ら」ずと。たとえば「外國人として旅店に入るや多勢の奴原入り來り或は刀を取り中身を見或は鞄の中を見煙草を見矢立を見手當り次第一見の後必す其價を問ふ」。

 そこで原田は「若し日本人の三十年前ならしめば所謂手打ちの英斷をなす者あるべし無?育の人間とは云ひながらさても無禮の者どもかな」と腹を立てる。だが江戸の昔ならいざ知らず、しかも異国の地である。「無礼者下がり居れ、手打ちに致すぞ」などと一喝したところで、やはり多勢に無勢、カエルの面に小便というもの。「されば止むなく胸を擦り心を抑ゆるの外なきなり偖も悲しき旅なる哉」と引き下がるしかなかったようだ。

  ここで、原田が「明人」とも「清人」とも記す漢族と満州族の雑居について簡単に記しておきたい。
 17世紀半ば、満州族が北京に王朝(清朝)を打ち立てるや、満州族をはじめとする滿洲居住民族が北京に移住した結果、満州の広野は耕作の担い手を失った。そこで清朝は農奴あるいは小作人として漢族を満州に迎え入れたのである。ところが清朝の施策を逆手に取って、喰いはぐれた漢族が満州を新天地と見做し大量に農業植民をはじめたのである。

 農民に続いた漢族商人によって、やがて満州経済は中国本土経済に組み込まれることになる。清朝の故地である満州を漢族に乗っ取られかねない情況に立ち至り、18世紀40年代から清朝は封禁策を実施し、漢族の満州への移住を取り締まることとなった。だが豊かな満州を知ってしまった漢族が、封禁策の前に唯々諾々を従っているわけがない。

  やがて19世紀後半を迎えると山東省や北京周辺の困窮化、中国本土における人口急増、漢族の経済エネルギーの高まり、満州辺境部の治安改善などが重なり、満州に、満州西方に隣接した内モンゴルに、貧民を軸にした大量の漢族が雪崩れ込んでいったのである。これが「明滿兩人種の雜居」の実態であり、原田が足を踏み入れた当時の満州は漢化されていたのである。であればこその「此地方清人等の暴慢無禮」となるわけだ。

  かくて「弓矢で中華を制した満洲族は、逆に今度は漢族によって、鋤や鍬で満洲を乗っ取られる羽目になった」(小峰和夫『満洲 マンチュリアの起源・植民・覇権』講談社学術文庫 2011年)。

 さて原田の旅に戻る。
 日本を知らないから、当然のように日本人も知らない。かくて日本人として「初めて遊?する者は彼等の善き見世物」であることに甘んじなければならない。一方、彼らは日本人を見ることで「目の正月七十五日の長命を得」たような気分になるらしい。

 ある時、「心地よく一睡」している原田を起こす者がいた。目を開けると「幾多の見物人は尚ほ傍らにあり」、眼病を見てくれ、目薬をくれとのこと。
かくて原田は「實に是等土人の押の強き無禮なる沙汰の限りと云の外はあらじ」と呆れるのだが、やはり当時の彼らにとって初めて見る日本人は薬と結び付けて考えていたということだろう。そういえば原田のみならず他の旅行体験を読んでも、薬で相手の信用をえたとか、時に旅費に代えたとか記されている。だとするなら、ことに内陸部の旅行に薬は必携だったようだ。

 ある旅店では、老婆が「手鼻かみかみ炊飯の用意に掛る其の穢き事云ん方なし」。周囲をみると「一も清潔なるものなく殊に彼等の衣類は乞食の如く今現在是れを見ては何分食ふ心地せず」。だが食わなければ旅を続けるわけにはいかない。
進退は谷まったり。
《QED》 
     ○◎ひ□◇▽い□○ず◎□○み○△□  
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』(加瀬英明著・KKベストセラーズ社刊)の第五章「白人による人種差別からの解放」です。
 アメリカにおける日本人蔑視と差別はひどいものでした。
1924年にアメリカ上下院が排日移民法を立法しました。新渡戸稲造は、『武士道』の著者であり、クラーク博士に札幌農学校で学んだうえ、青年期にアメリカに留学して、1920年から国際連盟事務次長をつとめましたが、排日移民法に強い衝撃を受けて、「私は二度とアメリカの地を踏まない」と宣言したほどでした。
 東京裁判の判事の一人、オランダのレーリング博士は『東京裁判とその後』という著書で「人種差別が、太平洋戦争の主因の一つだった。連合国の国民は、日本人を人間以下とみなすように教育されていた。広島、長崎で数十万人を、一瞬のうちに殺傷したのも、人間ではないと感じたから、できたのだ。」と書いています。
さらに「日本は先の戦争を、アジアをアジア人の手に取り戻すために戦った」と述べ戦争に至った経緯を詳しく説明しています。
 明治大帝のご葬儀に弔問の使節を派遣したのは十数カ国、大正天皇の大喪の礼に弔問使を送ったのは三十数ヶ国でしたが、昭和天皇の大喪の礼には、百六四ヶ国の元首や、代表が全世界から弔問に訪れました。
百ヶ国以上にのぼる国々の大部分は日本が大東亜戦争を戦ったからだったのでした。
 日本文は、http://hassin.org/01/wp-content/uploads/Greater55.pdf
英文は、http://www.sdh-fact.com/CL/Greater5.pdf
英文は、Newsletter で海外に発信しました。
(「史実を世界に発信する会」茂木弘道)

 

   ♪
(読者の声2)とびっきりの講演会のお知らせです。
記
!)演題 「キューバの歴史」
!)講師 駐日キューバ大使 マルコス・F・ロドリゲス大使
!)日時 平成28年4月22日(金)PM6:00~
!)定員 先着90名(要予約)
!)場所 神奈川県民サポートセンター3F 304号会議室(JR横浜駅西口徒歩3分ヨドバシカメラ裏手)
!)問い合わせ先 045-263-0055



   ♪
(読者の声3)『正論』四月号に特集のあった憲法改正アンケート、識者50名の回答特集でしたが、とくに宮崎先生の御見解、胸のすくような爽快感で読みました。
国家国民の原理主義に照らせば、外国の軍隊が駐留している現状は異常であり、日本に主権があるのかと、根幹のあり方を説いた所見は、ほかの先生方にはあまり目立ちませんでしたが、先生の所論がとくに印象的と思いました。
 なるほど歴史的文脈に立てば九条改正など、枝葉の議論でしかないことがよく理解できました。
   (NK子、新宿区)



  ♪
(読者の声4)南シナ海をめぐる中国の動きを牽制するかのように自衛隊の潜水艦と護衛艦がフィリピンのスービック湾に寄港したニュース、NHKでは3分以上も報道しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160403/k10010466431000.html
 日本の潜水艦がフィリピンに寄港するのは15年ぶり、護衛艦2隻はこのあと潜水艦と分かれてベトナムに向かい、日本の護衛艦として初めてカムラン湾に寄港と詳しく報道、中国としては嫌でしょうね。
 さらに中谷防衛大臣が今月下旬にフィリピンを訪問するニュースでは海上自衛隊の練習機の映像も出てきます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160403/k10010466091000.html
 NHKが自衛隊関連でこれほど詳細に報道するとはビックリですが、NHK内部でなにか動きでもあったのでしょうか。
   (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)NHK内部にいる「良識派」が動き出したということなら、大歓迎ですが。。。。。 
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