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ドイツでは130万部も売れて、映画化されたとか。 (JK生、静岡) (宮崎正弘のコメント)原作を読んではおりませんが、映画は見ました。或る討論番組で関岡英之氏がさかんに薦めるものですから、耳にしてから弐ヶ月、ようやく時間がでてき封切館へ足を運びました。 映画「帰ってきたヒトラー」は或る意味で画期的な傑作でした。溢れる諧謔。現代ドイツ批判の皮肉をたっぷり染みこませた政治映画、一種のコメディでもある。 ヒトラーが自殺したことになっている地下壕跡地で70年余の眠りからさめたヒトラーは、町を歩く。少年達は「このおじさん誰」と誰も知らない。すれ違う人々はニヒルな笑い、薄気味悪い冷笑に囲まれながらスタバの画一的珈琲に文句を言わない庶民、臭うといわれた軍服を洗濯に出した先はベールを被ったイスラム女性。アーリア人の優秀さを説く者はひとりもいない。 そっくりさんがいると知ったテレビ局のプロヂューサは、番組作りを思い浮かべ、テレビ番組のロケでドイツ全土を駆けめぐり、そしてヒトラーは文明が発達したが文化的に荒廃したドイツの現状を知るのです。ドイツはなんという国に成り下がったのか、ヒトラーは各地で演説して歩くのだが、みなはコメディ番組の隠し撮りと誤解し、記念写真をとったり。「政治を掌握するのは活発なデブ女(メルケル)」、野党(民主社会党)はてんでだらしなく、保守をなのるいくつかのミニ政党を回って議論するが、まったくヒトラーの『我が党争』も読んでおらず(そもそもドイツでは禁書だから読めないのだが)、そこに政治の偽物を嗅ぎつける。「国土と環境を守れ」と言う「緑の党」にヒトラーはむしろ親しみを感じる。 このヒトラーを襲撃するのがネオナチの若者達というのも皮肉である。 テレビに出演し「そっくりさん」をやらされるのだが、内容は正論であり、そのスピーチは堂々としており、「民主政治のもとで、私は撰ばれた。私に責任があるというのなら、私を撰んだ人たちはどうなるのか。自分たちの責任はどうなるのか」と説くと、誰一人答えられず、口でぶつぶつと不満を吐き捨てるだけ。 「テレビは料理番組しかやっておらず、この国はいったいどうなったんだ」という主張には、多くのドイツ国民は反論できない。 なぜなら民族差別ととられる発言は出来ず、トルコ人の批判は封じ籠められ、移民の暴力に無力となった。どちらがおかしいのか。ユダヤ人問題は完全にタブーである。 番組で人気が沸騰し、ユーチューブは数百万が見た。誰もが不快感を抱かず、コメディアンの慧眼な批判を笑い飛ばすのだが、さてヒトラーは本物と見破ったのが、テレビ局の有能な秘書の祖母であった。 これを暗示する伏線が秘書のソファ脇の書棚にハヌカの置物が置かれていたことで、筆者はこの場面をみたときに、「あ、このユダヤ人家庭が土壇場で何かやるな」と推測して後半を見ていたが、やはりそうだった。 それにしても全体主義が民主主義の隣に横たわっているという欧州の政治、誰も北朝鮮や中国の、ベトナムやラオスの、そしてスーダンやジンバブエの毒性政治を嗤えないのではないのか、と思いました。 ♪ (読者の声3)米国務省の「信教の自由に関する年次報告書」が出ました。 米国務省は8月10日、信教の自由に関する報告書を発表しました。同報告書は、世界約200カ国の信教の自由について包括的に調査する年次報告書です。国ごとの報告や報告書全文は、以下のサイトからご覧になれます。 ブリンケン国務副長官の声明 http://www.state.gov/s/d/2016d/260953.htm 2015年信教に関する報告書 http://www.state.gov/j/drl/rls/irf/religiousfreedom/index.htm#wrapper ○◎◇◎○◎◇○◎◇□○◎ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ 宮崎正弘の最新刊 予告 (8月31日発売) 『世界大乱で連鎖崩壊する中国、日米に迫る激変 』(仮題、徳間書店、予価1080円) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ---EU分裂、テロ頻発、南シナ海緊迫。日本はどうなるのか! ♪♪ 宮崎正弘のロングセラー *********** 『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) 『中国大恐慌以後の世界と日本』(徳間書店、1080円) 『中国大失速、日本大激動』(文藝社、1620円) 『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』(徳間書店、1080円) 『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円) 『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社) 『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円) 『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円) 『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円) 『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円) 『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円) ♪♪ <宮崎正弘の対談、鼎談シリーズ> +++@@@++++@@@+++ 宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円) 宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円) 宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店) 宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円) 宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック) 宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円) 宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店) 宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円) 宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック) 宮崎正弘 v 西部 遭『日米安保五十年』(海竜社) 宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社) ◎□◇▽□○◎□○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (休刊のお知らせ)小誌は8月17日―19日が休刊となります ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (C)有限会社・宮崎正弘事務所 2016 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ─────────────────────────────────── ■今回の記事はいかがでしたか? 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金曜日, 8月 12, 2016
宮崎正弘の国際ニュース・早読み (エルドアンのトルコ、大転換を開始した)
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