金曜日, 6月 02, 2017

学会発表を終わって---枝のαの決定

5月24日までに全試料の枝のαを、それぞれ各試料木(1号木から7号木までの8本
と、元指導教官が自身で立木法で呼吸測定した試料木のうち3個体分の枝の試料)をここでのA法で測った試料データを分けていただき合計11本について個体ごとの枝の表面積と枝の材積の合計を求め、αの推定の元とした。

その前に森林の生態学の方の展開を見てみよう。
続いて
図98とはこれである。
小生の方の展開は以下である。

前回の最初にあるように各枝のKの値は最初は不明である。しかし各個体の枝合計の材積はすでに既知だから、最大直径から最小直径まで釣り竿の繋ぎ竿のような仮想の枝を想定し、一本の長い竿ならぬ枝を考えると竿の長さやその表面積も出ているのでまずその固有のαから計算されるKを求める。この時、αの値は1.0から2.9ぐらいまでの値を想定し、0.1刻みで求めておく。その各Kを元にして枝の表面積を計算し、実測の表面積と一番食い違いの少ない面積となるαを見比べる。するとαの値はただ一つに(0.1間隔ではあるが)選定されるというものである。この手続きはエクセルで実行した。各αに即した積分形式はWorfram Alphaを利用した。

これはあるクロマツの一例である。

C列の2.6とあるのはそのマツの枝の最大直径、D列の0.35とあるのは最小直径、E列は各αの時のKの推定値でありF列はそのKを用いて計算させた枝の表面積である。この表ではαは2.0となっている。G列が実測表面積を推定(計算)表面積で除算した値でありこのクロマツのαは計算誤差があるものの2前後ということになる。


順序が逆になったがA列が散布図のグラフから読み取った出現頻度から求めた各円柱の材積である。そしてB列は各円柱の合計表面積である。各αから推定した実測表面積に最も近い表面積は18359cm2に対して18087cm2ということになり、差は16.49cm2程度の差でありこれはハガキ二枚分程度の差である。

前回表示したKを求める式で材積を使うとこの場合重さを使うのが最も手取り早いのであるが材積の密度の項(ρ)はなくなり
K=4ΣV*(3ーα)/π/(xmax^(3-α)- xmin^(3-α))となる。

α=2.1とするとKは上式より4*A6*0.9/pi()/(C6^0.9 - D6^0.9)となる。上のエクセルではE6のセルの内容である、表面積を求める積分式はαが2.1だと1-2.1=-1.1となるのでπとKをかけ、積分式をかける。



その結果がもう一つ上のエクセルのF列の計算を示す緑枠で囲った式の内容である。
E6*PI()*(-10/(C6)^0.1+10/(D6)^0.1)で枝の推定表面積18087.117・・・が求められる。


最初この計算は昔Mathematica Ver.2.1あたりで各積分式を暗算をすると絶対間違うからと律儀に計算させた記憶がうっすらあるが、今年になってこの式を発見した時は何をやったかすっかり忘れ、深刻に悩んだ。今の現行Mathematicaでは算法などが変わり使いやすかった時のように出力されないので、もしやと思いWolframAlphaを使ったら、昔の柔軟さが感じられたので即利用した。当時は最大直径を示す3号木と最小な地際から二叉の個体しか計算がされていなかった。

今は最初はすっかり忘れていたし、まるっきり理解できないことが10日ほど続き、自己の無能さにかなり落ち込んだが数式処理ソフトと梶原教授の遺産のおかげで絶望はなかった。わからないながらもコピペで残りの8個体全部実行すると途中からどんどん理解が出てきて格段に進み、楽しく検討が終わった。それで、まずアカマツの枝の表面積推定の論文で学会発表を待たずに発表しようと思って、ちょっと儀礼的な手紙を試料をつけて送ったが、20歳前後の年齢差のある元教官からの回答は我慢して来年の学会を待ってとか、いちいち返事はできかねるというものだった。ガン闘病中であるし、そろばんと計算尺くらい、今はエクセルはお使いになられるかもしれないが、内容の理解ができないと正直におっしゃられるので深追いはやめよう。

来年の学会は、今日通知が来たが、なんと高知大学だという。懇親会で高知大学長が何やら挨拶して、高知は鹿児島より宿泊施設が乏しいので、早めに来て欲しいというところは聞き取れたがそれがすぐ来年だとは23年ぶりの今浦島だけにすぐに理解できなかった。とにかくカツオがうまいらしいが、歓声でよく聞き取れなかった。もちろん行きますよ。今年の学会発表にかなり刺激を受けましたし。今まで白鷺城までしか足を伸ばさなかったので、薩摩次は土佐とは粋な計らいではありませんか。今回も次回も若手の高校生への発表場所も考慮中で活力はあるとみた。

結局パイプモデルは西洋にある程度の衝撃を与えたが、西洋の技芸の伝統に負け、大学院に入って数年したら樹木について詳しい西洋の学者たちにパイプモデルと同じことを西洋では500年は早く気づいていたという意味のことが広がった。昨年お亡くなりになった名古屋大学の教授に手紙を出したら、そのことは全然知らずにおられたそうで、皆正直だ。(共同執筆者)

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