金曜日, 2月 15, 2008
ひと月ほど前、LeopardでもBasiliskII上でマセマティカのクラシック環境用のバージョンが完全動作できることを確認してほっとした頃、ウルフラム社からメールが届いた。マセマティカのノートブックをエミュレーターでは、最近のプリンターしかないので、印刷はできないし、BasiliskIIなしの環境では閲覧もできないので、無料のMath Playerを、Win版、Mac版とダウンロードしていたので、市場調査の意味で来たのだとおもっていた。
"A while ago you downloaded Mathematica Player. We are writing to a few people who downloaded Player to ask you to share your feedback, if you have a moment.
How are you using Player, and will you continue to use it?
Have you had a chance to use Mathematica 6 yet? Did you realize that you can run and create interactive notebooks, like Demonstrations, with Mathematica 6?
Thanks for sharing your views with us.
Sincerely,
The Mathematica Player Team
Wolfram Research, Inc."
Math Playerは、大変便利なソフトで、いちいちエミュレーターを起動しなくても中味を確認できるし、機種依存性もないので、マセマティカの使い方ガイド文書を見たり、印刷して保存もできるので、助かっている。
アドオンで供給されている(オプション)のパッケージがたくさんあり、それらの使い方は実例集を見ないと
十分に使いこなせないので、本一冊分は優にある内容を概観はもちろん、精読したりするのには不可欠だ。
そんなこんなで、ありがたく使用中にまた、私のライセンス番号の登録変更の有無を問い合わせる邦文メールが届いた。英語版も届いてたらしいのだが、うっかり削除していたらしい。なんでも、近々に、Math Playerのプロ版(有料)を低価格で発売する、という案内でそれを使うと、マセマティカで作成したファイルを、いろいろ加工できるらしい。
無料の通常版で今のところ十分な気もするが、これを購入すると、マセマティカ6.0へバージョンアップもできるようになるというのが、気になるポイント。
4.0のときのバージョンアップを見送っていて、5.0になったとき、アップしようとしたら、過去2年半にアップしていないユーザーは対象外で、新規にライセンスを取得しないとだめです、と断られた。新規に買うと
当初のころの倍以上の30数万円もするので、また遠のいた。
6.0がでて、私のようなユーザーにも、20%引でどうですか?と誘いがきたが、それでも24万円ほどもするので、ぐらついたりしたものの見送った。
3.0とか4.0の頃、大学の先生方には行き渡り、販路拡張のため、高校の先生なら3万円台で売りますと言うようなアカデミック・ディスカウントを行い、販売店から知り合いの先生の名前でも買えるというような話しも
なくはなかったが、そこまでするほどの必要は感じなかった。
当初の売れ行きが鈍化し、中味もさらに洗練されたらしく、お値段も高値の花となり、教員でない身にはおいそれと手がでない商品であったが、ウルフラム社も考えたものだ。
無料版でもダウンロードにかなり時間がかかるが、それはマセマティカの大半の機能が含まれるためだという。多くの人にマセマティカのすばらしさを知ってもらい、6.0の売れ行きを伸ばすための手段だと、はっきり謳っている。いまさら値引きもしづらいので、実質値引きの手段としての迂回策の側面もあるのだろう。
値段にもよるが、思案中。バージョンアップは2.2から3.0のとき10万近くしたのだった。今なら、新規にパソコンが買える値段。
先日、MacPeople誌をひらいたら、MacLeopardに正規対応したオフィス2008が、パワーポイントもはいって
バージョンアップでたしか2万円台後半、なのに、3ライセンスを新規に買うと2.3万ほどだから御奨めと言う
案内があった。東大のMacにもすべて来期からこれが入り、ウィンドウズ用2007は入れないと言う。Vistaはいれるようだが。
3.0が出たとき、積分公式集の本で200箇所近い誤りがあることがマセマティカ3.0での検証で判明した、と宣伝していた。今は、動画機能の充実ですか?。バグの固定や、新関数などの追加もあるのだろうけど、・・・。表計算ソフトで、パレート則ではないが、大半の計算は可能だし、・・・。
http://www2.odn.ne.jp/excel/function.html
には、エクセルのワークシート関数が網羅されているようである。昔は、分厚い関数編の解説書などを買いあさったものだったが。
火曜日, 2月 12, 2008
観測方程式による水準網平均(Adjustment with derived observations)
前回引用した、田島・小牧共著「最小二乗法の理論とその応用」の後半部分にある「第11章 測量の分野における最小二乗法」から、観測方程式のみによる網平均の計算例を取り上げる。数式を見やすくするために、数式処理ソフトTheoristを使用し、処理の流れを見ることにする。
行列計算を式の通りに行い理論的理解に主眼をおいたので、最も効率的なプログラムというわけではない、と断り書きがしてある。
標高のわかっている既設点P0から出発し、新設点P1、P2・・・の標高を決定する。観測8路線、未知点5、条件数3(交点をもとめ差をもとめる)、路線距離、観測の比高(出発点と到達点の高低差)、近似標高から
測量した通りの「観測方程式」を作り、最小二乗法で解く1例。
見やすくするために、Mr.Boo氏の作成されたエクセルによる処理画面から、必要な情報を読み取れるように借用した。
aは計画行列の転置で、かけ算の順番の最初に来るので転置して入力した。その元の要素は観測方程式の各式を偏微分してえた結果で、該当する部分のみ、1か-1となり、他はすべて0となる。(テーラー展開の一次項で線形近似、AXからくる。両者はマトリクス。テーラー展開は素性のわからぬ関数を多項式で近似して、その輪郭を探るもの、という。「独習 微分積分学」 梶原譲二 現代数学社 1982)未知の補正量であるが、近似がよければ微小量ということで、より簡単なかたちに割り切る。
pは重み行列で、各路線の精度が路線距離に反比例するとされているので、各路線の観測の精度を統一するためになくてはならない。対角的に入れたのは、相互に無相関という前提で。計画行列と重みがきまれば後は公式どおりに行列計算だけで解が求められる。
tは本来の計画行列で、これは各最小二乗法での定法。左から順々に計算していく。Theoristでは、式をクリックして選択し、メニューから計算を選べば積が出力される。エクセルで手動で行っても可能だし、そのほうが、入力データの変更などはたやすいかもしれないが、要は好みと慣れでしょう。工夫一つでエクセルで大抵の統計処理は可能のようですが、・・・。エクセルも、Mac向けに当初開発されて、・・・一度、すべてのMacに採用するなどという話しもあったらしいが、アップルがこの約束を果たさなかった、という。
l は観測方程式の常数項を10,000倍して0.1ミリ単位であらわしたもの。
近似標高は、古い測量で求められていた成果値だという。今回新しく計り直して、経年変化を補正する。新設の水準点標高を求める場合は近似標高を0としても十分の精度で結果が得られる、という。(線形モデルのため)
nはいわゆる正規方程式。観測方程式から、最小二乗法の過程の偏微分を経て導出されるので、以後機械的に
というか公式そのもの。そして、nの逆行列を求め、観測方程式の常数項ベクトルに重みづけしたベクトルとかけ算をして、求めたかった推定値を得る。近似標高に、その推定値を加え、それぞれ
P1 17.148614
P2 2.858234
P3 5.577315
P4 1.948829
P5 3.302896
という結果になる。精度の算出は別の機会に。
Theoristでは、逆行列もa^(-1)として入力しておけば、代入によりaの逆行列が表示されるので、後はメニューから計算を選べば、結果が得られる。梶原教授によれば、最もMac的なソフトで、式の代入も、将棋を指すかの様な、代入すべき式をマウスで押えたまま代入すべき場所に移し、マウスを離す、ドラッグ操作で済む、つまりWYSIWYG(What you see is what you get.)で、見ての通りの結果が得られる、呪文のタイプの必要は全くない、と紹介されていた。
月曜日, 2月 11, 2008
もし、数学者ガウスの時代に、数式処理ソフトがあったなら、ガウス氏は狂喜したに違いないと、数式処理ソフトに接してから思い込んでいた。それから、十数年後あらためて考えると、違うように思い始めた。
当時は、Mac版のマセマティカでは桁数が19桁であり、ようやくでたウィンドウズ版は、NECのPC98などの倍精度と同じく16桁だったことなども気にいった点であったが、今ではそんなことは問題にはしていない。同じPCで、クラシック環境だと16桁、エミュレーターではコプロ付きで19桁であるのは面白いが、クラシック環境の適当さを感じる。エミュレーターの方が実直なようである。
『ガウスは循環小数の計算を、来る日も来る日も続けそこから整数論の重要な問題を発見した。問題が「最初からそこにあった」わけではない。割る数を順に大きくして行き、そこに現れる「循環節の動き」に身を任せているうちに、漸く問題は彼の頭の中で熟成され具体化したのである。彼は「詰まらない計算は弟子に任せて、先に進めば好いではないか」とのまわりの忠告を、決して聞き入れようとはしなかった。彼が生前公表しなかったノートの中には、様々な自家製の数表や公式が書いてあった。帰納されるべき要素を自らの手で日々造り上げ、”その時”に備えていたのである。』(「虚数の情緒」吉田武、2000、東海大学出版会)
そのあとで、例えば小学校における通分を教えても、実際の問題を大量にこなさなければ身に沁みて来ないことは大人以上である、と指摘されている。大量とは10題20題のことではない、100題1000題の話しである、と。
私は、Basicでプログラムを入力して、同じデータに適用し、200回ぐらい試したが、計算はPCがやってくれるので、計算誤差程度しか最初は気づかなかったが、表計算ソフトに移ってからはいろいろな統計量も出力されるので、だんだんと背後の誤差にも自ずと気になりだした。マセマティカでも乱数を発生させ、データに加えて、回帰分析の結果がどう変わりえるかを、かなりシュミレートしたこともある。
"If among these errors are some which appear too large to be admissible. then these observations which produced these errors will be rejected, as coming from too faulty experiments, and the unknowns will be determined by means of the other observations, which will then give much smaller errors." ---Legendre in 1805,in the first pblication on least squares
"This idea, however,from its nature, involves something vague,... and clearly innumerable different principles can be proposed.... But of all these principles ours is the most simple; by the others we shall be led into the most complicated calculation.---Gauss in 1809, on the least squares criterion
これらは、Peter J.Rousseeuw氏とAnnick M.Leroy氏の共著、”Robustregression and outlier detection"の扉に書かれている最小二乗法の基礎を築いたふたりの数学者の言葉の引用だ。(1987、John Willy & Sons)
この本には、ディスクはついていなかったが、解析プログラムをお願いして分けてもらった。それで、当時はMacしかもっておらず、Virtual PC上で使っていた。昔のDOSの世界に戻ったような使い心地であった。
一般の多変量解析や単なる回帰分析の場合でも、ガウスーマルコフ過程がほぼ満足されるというような理想的な場合は滅多に無く、通常outlier(外れ値)があったり、誤差分布が相互に独立でなく系列相関があったりと、いろいろと「悪条件下」での最小二乗法の適用が大半なのが普通であろう。それで、経済分野(典型的な数学の応用分野と言われる)などでもいまだにこうした論文がでたりするのであろう。
べつにSASやSPSSなどの専用統計解析ソフトが無くても、エクセルなどで工夫すればかなりのデータ解析がこなせる、という指摘もあり、データの外れ値などを落として回帰分析などを試すような場合は、エクセルに頼りっきりになったこともあった。
エクセルは、隠れた数値演算機能も持ち、文字式の行列演算などはしないが、数値データならマトリクス関連の数値処理は問題ないようである。それで、最近、まともに買えばかなり高い測量関連ソフト群のうち厳密平均網処理(データ数に制約があるが)などもこなしてくれるようなエクセルマクロがフリーで公開されていて、驚いた。
http://www.cadcamcube.jp/rakraksokumain.html
ためしに実行したら、以前紹介した『最小二乗法の理論とその応用』(田島稔・小牧和雄、東洋書店)の例題をサンプルデータに貼り付けてあったので、それらを消去して入れ直そうとしたら、何だ同じデータだと気付いたが、必要なデータだけ入力しおわると、バックグラウンドで計算は終わっていて正解が表示されていた。
独力で5年ほどかかって、測量士になられたというMr.Boo氏の尽力に敬意を評する次第。いろいろな注釈も
眼から鱗の指摘も入っていたり、計算理論をマスターするには、プログラムサイズも比較的小さく場所もとらず、エクセル2000が動けば問題なく、私はMacのエクセルでそのまま開いて実行したが、Win版となんら異なる結果は得られなかった。
さらに、測量で通常固定点としてその座標を変えない与点の座標も経年変化などで動いている可能性もあったりするので、自由に変えて、残渣の平方和を最小になるようにするフリー・ネットワークとよばれる方法も試すことができる。この自由網平均において一般逆行列を計算する場合、などというのが加わるが、それにも対応しているらしい。マセマティカでは、PseudoInverse[x]で答え一発で表示されるのだが、・・・。
またMathLinkというのがあって、表示はエクセル、計算機能はマセマティカでという手もあったりしたりする
。
日曜日, 2月 10, 2008
TIME誌のCD-ROM版というのがあった。最近は見かけないが、止めてしまったのかもしれない。時代は、Windows95が出たか、出る直前。今もっているのは94年までの数年間と95年までの数年間をまとめたもので、全冊出そろってから発売したと思うから、やはり'95年頃か。しかも、Mac版とWindows版と両方出ていて、Mac版は在庫が当然ながら少なかった。こんなにTime誌のCD-ROM版が出たからって、そううまく売れる物かと思った。Time誌に限らないが、薄いといっても週刊の雑誌は1年も経つと馬鹿にならない場所とり物となる。日頃Time誌を読んでいる人の、そのまた一部の人しか買わないはずだと思ったが、店側はとにかくWindows 95もCD-ROMが標準装備(でないとインストールできない)で、音楽CDとならんで、30本ぐらいそろえていたように思う。案のじょう、一本も売れなかったか、売れたとしても1,2本、棚の背ラベルの幅にほとんど変化は見られなかった。
これに付随するQuickTimeは2.xぐらいで、System 7対応であったが、9.2環境でも当然ながら動く。
上智大名誉教授の渡部昇一氏は、タイム誌の50年分位はすべてお持ちだとのこと。文系の学者さんの書庫の充実振りは、氏の著書「知的生活の方法」を読むまでもなく、子供の頃から、湯川博士と同窓の学者さんの家の床が本の重みで抜けた、とか聞いていた。当時、予約してなくて本屋で買うと720円で、いつもあるとは限らず、都内で見つけて買ったりしていたが、永六輔氏がラジオで、米国のフィギュア選手の評価を、だれだれはこう言われている、などというのを聞いて、氏もタイム誌読者の一人かと思った。悪いほうで有名になってしまったトーニャ・ハーディングの名前は覚えているが、〜ヤマグチとか他一名の名前は忘れてしまった。
最近では、叶姉妹の紹介記事もあったが、今は読んでいない。
そんなわけで、将来にわたって、英語の文例や用法を参照するのには、索引機能がついていて便利なので、インテルMacでも使えるように、BasiliskII上のOS8.01にインストール、といっても単にコピーするだけだがしてみた。8.1とちがい、8.0ではHDの最小区画が大きいので、コピーしたら、たしか1GBを越えてしまったが、このHDは~.imgファイルなのでべつにいくらでも追加できる。ついでにハイパーカードも入れてみた。
ただ、ハイパーカードは、パワーPC上でイメージファイルにコピー、それをインテルMacでBasiliskII上で、マウントするHDとして指定し、OS8.0上で、コピーしないと、アイコンが活性化されないので、要注意。レパード上8.0の本来の起動ディスクにコピーしても白色化したアイコンで開けない。
知りたい単語の用法も、1単語入力しただけでも検索してくれて、その単語を使った記事が表示されるので、
英語で文書を書かなくてはならないときなどは、英英辞典かそれ以上に参考になることは請け合いだ。渡部教授も、秘かに御愛用では!?などとついつい思ってしまう。^^);
ハイパーカードは無くてもそれほど私の場合は困らないが、当時の雰囲気を思い出すだけでも参考になる。遊び心が感じられて使っていて気持ちがよい。昨日、久しぶりに2チャンネルの投稿を見たら、Linuxの創始者、Linus Torvalds氏も、Macにはまっているんだぞ〜というような書き込みも見られた。一度、パワーPCにも移植を考えて勉強されておられるということだったが、今ではインテルMacになってしまい、仕事をあきらめてMacで癒されているのかなとさえ、思ってしまう。
日曜日, 2月 03, 2008
8.1.1 Gauss-Markov の定理の証明. 説明変数が k − 1 個,サンプルの大きさ. 14. が t のモデルを考えてみましょう.さしあたっ ..... 変数を用意することが必要になります(order condition).もちろん,説明変数のなかに ...
http://www.google.co.jp/search?q=Gauss%E3%80%80Markov%E3%80%80condition&hl=ja&lr=lang_ja&start=30&sa=N
『ネコでもわかる入門』とあるが、PDFファイルを開くとネコでもわかるStata入門とあり、著者は東京大学大学院経済学研究科博士課程 の別所俊一郎 氏とある。
以前に(このブログの1月9日)『・・・そこで、さらに未知のパラメーターの最確値の標準偏差(従来はきわめて複雑な計算で求めていた)が係数行列の逆行列対角要素の平方根を重量としm0*sqrt(各対角要素)と簡単に求められること、・・・などがさらりとふれられている。』
と書いたが、無理解で来てしまい、すっきりしなかったので、手許のRegression AnalysisーTheory, Methods, and Applications (Springer, by Ashish Sen and Muni Srivastava, 1997)
を開くと、ガウス・マルコフ条件が満たされる場合には、最小二乗法による推定値は良い結果を与えると最初に(11ページ)に出てくる。
一度、ある投稿にガウス・マルコフ条件なる言葉を使ったら、不用意に使うべきタームではないから、と校閲者に削除を要求された経緯もあり、再度挑戦の気持ちもあるが、やはりてっとり早く概要を知りたい。
そこで、まず Gauss Markov conditionsでGoogleを使って検索したら出会った。自分でTEXで数式を書いて説明するのは億劫だなあと思っていたら、かなり良質と思われる説明に思えるので、そのまま引用させていただいている。出力は疑いもなくTEXによるものだ。
私が始めて統計の勉強に使用した教科書は、スネデカー・コクランの統計学教科書だったが、大変に分厚く当時は電卓が普及しだしたばかりであり、あまりなじめなかったが、パソコンを買ってから、参考書としたのは『統計入門』(中村隆英、新家健精、美添泰人、豊田 敬 共著、東京大学出版会、1984)で、今でも手許に保存している。例題に第二次大戦中のアメリカ海軍によるドイツ潜水艦撃沈数のデータがあり、実際の数と報告数のベクトルデータが与えられていたのが印象的。・・・日本も、大部分はアメリカの潜水艦にやられたというのが実情のようだ。もっとも、アメリカの潜水艦の被害も相当なもので、損耗率はたしか50%を越えたようだ。米海軍の報告書には、彼らは今もなお暗い海中をパトロールしているのであろうという、追悼文言があったように記憶している。
その後、今度は「人文・社会科学の統計学」、「自然科学の統計学」も同出版会から刊行されているが、最初の教科書のほうがインパクトが強かったような、個人的な感想である。
最近の理工系の書物も大抵は、これくらいの数式は載せるようになっているが、パソコンやTEXの普及も手伝っているものと思われる。しかし、いままで、直接ここまで丁寧に解説された文章にであったことはない。
もしかしたら、出会っていたのかもしれないが、ネコでもわかるようには書いていなかったのであろう。
ただ、いくらこうした数式や概念が見近になったとしても、実際のデータを問題意識をもって分析してみなければ、なかなか見にはつかないだろう。エクセルにベクトル(マトリクス状態)データを入力しさえすれば、OLS(ordinary least square、最小二乗法)は実行できるのであるが、それだけでは十分ではないような気がする。
行列の計算過程を視覚化する数式処理ソフトを愛好する理由の一つは、そういう理由で、最初はBASICで、重回帰分析のできるプログラムを何日もかかって打ち込み、一週間もかかってバグ取りをして、と散々な苦労を経験したので、中味の理解まではなかなか手が回らなかった。それが今は、データがありさえすれば、後は行列計算で結果だけはとにかく出る、というのがあたり前になってきたので、改めてその中味、理論や前提条件に関心が移ってくるのだろう。
お茶の水大教授の藤原先生は、偉大な数学者が出ない国は、断じて大国ではない、という信念のようなことを吐露されており、その意味では中国は、まさに中国、インド・ロシアは大国ということらしい。三浦朱門氏も、奥さんの曾野綾子氏と一緒に、別の理由で、やはり中国(中くらいのランクの国)だな、と笑いあったという投書を載せられておられたが、その理由は失念してしまった。
英語版ウィキペディアには、http://en.wikipedia.org/wiki/Andrey_Markov
Markov氏の業績の略歴が紹介されている。Gauss-Markov theoremと
Gauss–Markov processとは別々に紹介もされている。
一覧には多くの業績が光る。
Markov chain
Markov chain Monte Carlo
Gauss-Markov theorem
Gauss–Markov process
Hidden Markov model
Markov number
Markov property
Markov's inequality
Markov brothers' inequality
Markov process
Markov blanket
Markov network
Markov decision process
Chebyshev-Markov-Stieltjes inequalities
Markov algorithm
引用文献は次のふたつだが、息子さんや兄弟にも数学者がおられたので、ガウス・マルコフ理論がいつ完成したかには、もっと資料を増やさないとわからない。岩波数学辞典には出ていようが、・・・。
А. А. Марков. "Распространение закона больших чисел на величины, зависящие друг от друга". "Известия Физико-математического общества при Казанском университете", 2-я серия, том 15, ст. 135-156, 1906.
A.A. Markov. "Extension of the limit theorems of probability theory to a sum of variables connected in a chain". reprinted in Appendix B of: R. Howard. Dynamic Probabilistic Systems, volume 1: Markov Chains. John Wiley and Sons, 1971.
土曜日, 2月 02, 2008
Macにおいては、起動ディスクを自由に外付けHDに移したり、容量が十分ならiPodに移し、それを起動ディスクとしても活用できたりと、柔軟さがある。しかも、昔キャノン販売さんだったと思うが、System switcherというデスクトップアクセサリがあって、同一ボリューム上に複数の起動用システムファイルを置くことができて、スイッチャーを起動しては、自由にシステムの起動を切り替えられた。
かの梶原教授の解説書でも、メモリ食いのマセマティカを走らせるときは、痩せた英語システムに切り替え、RAMの余力をアプリにまわすというようにすれば、例の爆弾マークが出る、システム再起動から幾分か逃れられることができるようなことが書いてあり、一時は私も、英語版システムではないが、OSのバージョンの違うものを三つほどおいたりしていたことがある。
OSXになってもその点には変わりがなく、内部HDにゆとりがない場合が多いので、外付け大容量HDをメインの起動システムとして設定し、大量のファイル群を置いている。バックアップも兼ねられるし、いろいろと便利だ。
ウィンドウズでも外付けHDに、システムをだまして起動ボリュームと誤認させ、そこから起動させるソフトが発売されたが、動かない場合の返金保証がついていたので、とうとう買わなかった。内蔵HD容量が十分な場合、XPとVistaあるいはVistaの異なる版をパーティションを切ることなく同居させることができる、と同じことなのだが、残念ながらウィンドウズではそういう風にはできていないようだ。一時、ウィンドウズでもその点がクリアされたら、メイン機にしてもいいかな、と思ったりしたこともあったのだが、・・・。ビル・ゲイツ氏さえメイン機がマックと聞いて、今更ふらつきはしないが。勝手に事務室に取材カメラを入れてしまって、メイン機がばれてしまったゲイツ氏は、かなり激怒された、という。
ウィンドウズ95が出たとき、それまではウィンドウズ3.Xだったので驚いた。Macはすでに7.5以降だったと思うが、その順序からいけば4.0ぐらいのはずだ。ただ、アップルも95をみて、Macの6.xぐらいのできだと安心したようだ。逆にマイクロソフトとしては、アップルが7.xですぐ8.0が出るというときに4.0では、明らかに遅れているという感は、否めないと思ったらしく、8の上をいく95という発売年に合わせたネーミングで大ヒットした。
以後それに味を占めたらしく、98、2000と続き、その後どうなるかと思いきや、XPとなった。
また、蛇足ながらMeはウィンドウズの最悪バージョンだといううわさがありますよ、と納入業者にささやいたら、うなずいておられた。
どうもOSXのXを意識したかの感があったが、大部分のウィンドウズユーザーには気づきようもないだろう。この頃、ラジオのやる気まんまんの中で吉田氏が、ウィンドウズカケルpって、何!?と発言し、アシスタントの小俣嬢が、それってXPというのとちがうんですか?などと言うのを聞いてクスリと笑ってしまった、ことがある。
ウィンドウズ98のコントロールパネルを開いてシステムを開くと、システムバージョンはたしか4.2xだったと思うから、95が4.0x、USBが使えるようになった98が4.2だということは、私の推測がそれほど間違いではあるまいと思う根拠だ。
ただ、複数のシステムがあると便利な反面、いろいろと混乱をきたす場合もなくはない。今のG4は最後のデュアルブートマシンで、旧OS9.xが単独で起動できるが、OSX上でも再起動なしに、同一のシステムファイルがクラシック環境として起動する。
このクラシック環境で実行したマセマティカの挙動の一部に一貫性がなく、今回本来のOS9を正式に起動させて実行したが、その結果はBasiliskIIでの結果と同じだった。ちがうことを期待したのだが、・・・。
するとクラシック環境上で、マセマティカの3.0が2.03と同じ動きをしたり、そうでなかったりするというのが、いかにも不思議だ。間違った答えを出すわけではないからいいようなものの、気にはなる。反面、BasiliskIIの安定性(ウィン上、インテルMac上、パワーPC上)を再確認することができた。
上のショットは旧OS9.2、下のショットはウィンドウズ上での8.1環境。
インテルマック上では、クラシック環境は用意されないので、BasiliskIIかOS9環境が欲しければSheepshaverを使うほかは現在のところ無いようだ。両者は使用できるMacROMのバージョンが違うので、各人にあったものを使わざるをえない。
首都大学東京の準教授の社会学者、宮台先生はマック雑誌でも二、三回も登場された、自他ともに許すマック使い。旧システムで、ファイル検索犬ポチが動かないと、原稿が書けないなどとおっしゃっておられたが、新品を数台確保してかなりの年月、一定の環境を保持できるよう投資されている由。ふつうはそこまではなかなか行けないもので、クラシック環境が撤廃される新時代になった今、エミュレーターは大変助かる。
宮台先生は、社会学者なので、社会学系に強いとされた統計解析ソフトSPSSなどをSE/30にインストールされていた、とのことであるが、私は、その変わりに統計解析もできるマセマティカをSE/30に入れて、使ったがすぐに使用できなくなるほど、ハードの進歩、変遷は特にマック系
は著しかった。インテル系では、まあ、速度変化がメインだと思うが、本当に選択に苦しんだ時期もあったものだ。これで、当分は、過去の変遷からは開放されるかな?、と思い始めている次第。
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