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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成24(2012)年12月6日(木曜日)
通巻第3831号
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尖閣戦争勃発時に攻撃用か? 福建省水門に新空軍基地が出現
カナダ専門誌、殲10ジェット戦闘機がすでに配備されたと報道
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カナダの雑誌『漢和防務評論』(国防専門誌)は最新号で福建省水門に中国空軍の新しい基地が完成し、すでに滑走路と給油基地ばかりか、格納庫、弾薬庫、掩対、リフトなどが整備されて、はやくもミサイルを装備した「殲―10型」ジェット戦闘機が十機配備されていると報じた。
福建省水門は台湾海峡に面して、台湾まで246キロ、尖閣へ380キロ、東シナ海のガス田(春暁リグなど)へ200キロの距離。もし尖閣有事の際は、この空軍基地から戦闘機が飛び立てる。
同誌によれば最初に福建省水門基地に空軍基地の建設が始まったのは2009年で、その後の衛星写真を分析した結果、2011年に基礎工事が完成、2012年に殲10ジェット戦闘機が出現した。
これらは広東仙頭基地から部隊ごと移動してきた可能性があり、「台湾とは緊張緩和状態にあるため、これら短距離ジェット戦闘機の移動は、明らかに尖閣有事に備えるものではないか」としている(『中文導報』、2012年12月1日号)
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)『ニュースウィーク』日本語版の12月12日号の最後の頁に名物コラムがあって在日外国人の何人かが日本語で日本に関するエッセイを交代で綴っています。ご承知のことと思いますが、ここに在日中国人でラーメン屋を経営する自称「歌舞伎町案内人」の李小牧氏が「学歴詐称の加藤嘉一君」を批判しています。
中国で一番有名な日本人「だった」加藤氏は米国へ留学し、学歴詐称事件では多くの中国のメディアが問題視しました。ようするに「東大合格を蹴って、中国へ留学した」というのが嘘というわけでした。
かれが中国のテレビで引っ張りだこだったのは、日本人が中国の肩を持ち、日本を批判することへの快感でしょうが、李小牧氏は、それらの総括で、「結局、加藤君は(中国共産党に)『使い捨てされた』のです」と断言しています。
貴誌で過去に二回ほど、加藤氏のことを取り上げて批判的でしたが、やっぱり結末を見ると貴誌の指摘が正しかったことが判ります。
(JJセブン)
(宮崎正弘のコメント)加藤氏のことはともかく、「中国で一番有名な日本人」は、誰あろう、石原慎太郎氏です。二番目が安倍晋三、小泉純一郎と続きます。
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(読者の声2)ノーベル賞授賞式の季節です。中国人で2010年にノーベル平和賞に輝いた劉暁波氏は、いまも遼寧省錦州の獄中にあります。世界の指導者はこのことを憂慮していますが、日本政府も、劉氏の早期釈放を強く求めるべきではないでしょうか。これこそ、中国のアキレス腱をつける日本外交のカードであると思います。
(HU生、横浜)
(宮崎正弘のコメント)日本のメディアが殆ど報道しておりませんが、ノーベル賞受賞の学者ら134名が連署で「劉暁波氏の釈放」を求める署名活動を始めています。書名のなかにはダライラマ猊下も加わり、署名簿を近く習近平に届けるそうです(多維新聞網、12月5日)。
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(編集部より)最近小誌の「書き込み欄」に聞くに堪えない罵詈雑言、ひどい語彙を用いた攻撃非難の「書き込み」が集中して、「なんとかならないのか」とするご意見も寄せられております。小生のバックナンバー閲覧の後段は、メルマガ配信の登録をしないで随時閲覧する読者が利用するのが「書き込み」欄です。
小誌編集部としては、これは統御しておりませんし、そもそも管轄不能です。というより編集子も殆ど見たことがありませんが、最近とくに尖閣事件以後、毎日20件前後の書き込みがあるようですね。
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『現代中国 国盗り物語―――かくして反日は続く』(小学館101新書、定価756円)
(内容)
孫文から習近平まで紅い皇帝たちの権謀術数
中国共産党内で習近平が胡錦濤の後継者に決定した。ここに至るまで、共青派、上海派、太子党入り乱れての権力争いは熾烈を極め、盗聴、怪文書、メディアへのリーク、果ては殺人事件まで絡んだ。
薄熙来事件はその典型だった。
妻はファンドマネージャーだった英国人を殺害させ、習近平打倒のクーデタまで図っていた薄熙来が海外に不正送金していた額は何と1000億円以上!息子の留学先のロンドン、ボストンには豪華マンションとスーパーカーを買い与えていた。ちなみに薄の月給は12万円あまりだった。こうした巨大スキャンダルが現在の中国にはゴロゴロある。
孫文から毛沢東、トウ小平、江沢民、胡錦濤そして習近平まで、「紅い皇帝」たちは日本人の想像をはるかに超えた権謀術数で政権を奪取し、維持して人民に君臨してきた。そして、習近平の新体制でも「反日」は続く。中国分析の第一人者・宮崎正弘氏が豊富な情報と現地取材で、魑魅魍魎が跋扈する政権交代の内幕をつづる。
【編集担当からのおすすめ情報】 著者は年に何度も中国を訪れる。最もくま無く中国を見てきた日本人の一人である。そうした日本人は中国べったりになりがちだが、宮崎氏はあくまで日本人の立場から、中国の批判すべき点はきちんと批判してきた。表面的なきれい事の中国像ではないリアルな共産党政権の内幕が手に取るように理解出来ると思う。
(目次)
プロローグ 天下を取れば匪賊が貴族になる :「天下為私」「敬金愛党」/なぜ徳川家康が中国人にモテるのか/「社会主義史上経済」は強盗の理論
第1章習近平の「国盗り」=権力闘争の凶暴化:歴史とは権力者がでっちあげる物語/薄熙来事件(重慶の変)の本質/利権争奪戦から見る薄熙来事件/上海派と太子党の共闘/習近平は“最弱の国家主席”になる
第2章孫文を国父とまつる歴史改竄:混乱の辛亥革命前夜/日本が辛亥革命の策源地/袁世凱の処世術/袁世凱の腐敗と孫文の裏切り/裏切られた革命
第3章毛沢東は「偉大」だったか:毛沢東の国盗りは朱元璋の真似/日本軍なかりせば毛沢東政権はありえなかった/共産党が誇大宣伝した蒋介石の横領額/後継者・華国鋒は毛沢東の庶子
第四章トウ小平の王朝簒奪と国家改鋳:「社会主義市場経済」とは「共産党好都合市場化」/トウ小平時代に進んだ腐敗/平和を求めれば、中国では売国奴に/趙紫陽の欠陥は何だったのか/軍の掌握と政敵の排除
第五章 商売人・江沢民の国盗り;軍に破格の優遇政策/政敵・陳希同の運命/「反日」を政権掌握の武器に悪用/「反日」は国民を束ねるアヘン/領海法で他国の領海を強奪/物質文明に毒されていなかった時代/汚職には寛容/しぶとく暗躍する江沢民
第六章 負の遺産を受け継いだ胡錦濤:ひ弱な胡錦濤政憲、重要事項は合議制/薄熙来事件が物語る党の弱体化/「中華人民共和国」は漢族独裁国家/次の金融センター=深センの争奪戦/次はマカオの利権を押さえろ/GDPは30年で30倍に/内モンゴル自治区で頻発する暴動/山積する者会矛盾と暴動/若者の怒りと失業者が溢れる社会/団派が指導したデモが反政府デモへ
エピローグ 「習近平の中国」はどこへ行くか
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日本文化チャンネル桜(スカパー!217チャンネル)からお知らせ
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放送予定:12月8日(土曜日)20:00-23:00
日本文化チャンネル桜(スカパー!217チャンネル)
インターネット放送So-TV(http://www.so-tv.jp/)
「Youtube」「ニコニコチャンネル」オフィシャルサイト
番組名:闘論!倒論!討論!2012
テーマ:「中国新体制と尖閣問題」
パネリスト:50音順、敬称略:
一色正春(元海上保安官)、黄文雄(評論家)、相馬勝(国際ジャーナリスト)、福島香織(ジャーナリスト)、ペマ・ギャルポ(横浜桐蔭大学教授・チベット文化研究所名誉所長)、宮崎正弘(作家・評論家)
司会:水島総(日本文化チャンネル桜 代表)
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<宮崎正弘のロングセラーズ 新刊>
『2013年の中国を予測する』(石平との対談第三弾 ワック、980円)
『中国権力闘争 共産党三大派閥抗争のいま』(文芸社、1680円)
『中国が世界経済を破綻させる』(清流出版、1680円)
『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
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<宮崎正弘の対談シリーズ>
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談 第二弾 ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談シリーズ第壱弾。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2012 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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