日曜日, 4月 30, 2017

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <北朝鮮のミサイル発 射は日韓は当然ながらロシア極東軍も警戒態勢を取っていた

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)4月30日(日曜日)
        通算第5273号   
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 北朝鮮のミサイル発射は「自爆」という結果だったが
  日韓は当然ながらロシア極東軍も警戒態勢を取っていた
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 北朝鮮は4月29日、早朝にミサイル発射実験を行った。
 平壌の北東、北倉から発射された中距離弾道ミサイルは「KN17」と米軍はみており、これは失敗したとはいえ、空母キラーという異名をとる。

おりしも米空母カールビンゾンが、対馬沖から日本海へ入った、そのタイミングを狙っており、そのうえ格別に留意すべきは、ミサイルは北東へむかって発射されたことである。米軍筋は、ミサイルは44キロ飛翔し、北朝鮮領内に落下したと分析した。

 四月にはいって、5日、16日、そして今回は三回目だが、いずれも失敗した。
 失敗は北朝鮮の技術的貧困、あるいはミサイルの欠陥からくるものか、あるいは意図的に失敗させてはいるが、ある目的のために一連の実験ではないのかとする見方もある。

 すでにオバマ政権の時代に、ミサイルを電波妨害で破壊する研究が開始されているが、その研究成果の報告はまだ出ておらず、北のミサイル失敗は米軍が妨害電波を出したからという観測もあるが、ミサイル内部の電子命令系統は、外側から隔絶された設計になっている。
したがって米軍の電波妨害が成功しているとは考えにくいのではないか。

 むしろ北東へ飛ばすと、その先は日本海ではなく、ロシアである。
 ロシアへ向かわせ、途中で自爆させているのだ。つまり技術力が格段に向上していることを北朝鮮は見せつけ、米国、韓国、中国ばかりか、ロシアに示威したとい解釈も成り立つ。

 おりからNYの国連では安保理事会が開催され、ティラーソン国務長官は「深刻な危機」と分析し、ロシアや中国との論戦の最中だった。
 中国の王毅外相は「問題解決の鍵は中国にはない」と盛んに逃げをうった。ティラーソンは「話し合いは意味がない。過去に何回も騙されている」という意味の発言をした。

この直後に、北のミサイル実験のニュースが飛びこんで、中国が主張していた「平和的解決」も国連安保理事会の緊急会合では虚しく聞こえた。

 ロシア代表はガジノフ外務次官で、「もし米軍が先制攻撃を行えば、破局を迎える」と横やりを入れていた。
 またロシアは中国とともに「六者協議」を再開して話し合いを続けるべきと主張したが、安倍首相は訪問先のロンドンの記者会見で「六者協議再開という環境にはない」と、楽観的観測を否定した。


 ▼日本では警戒、監視態勢つよまったが

 「この状況は戦後最悪の危機である」と有力政治家の発言が続く。
 日本ではミサイル発射ニュースの直後から、「安全確認」を目的に東京の地下鉄は十分間、停車した。
ほかに北陸新幹線も停車して、被害を避ける準備に入った。

すでに秋田県男鹿半島などでは避難訓練が行われており、日頃の平和ぼけから防御への頭に切り替えが行われつつある。
 地下鉄の場合は、地下シェルターとしての態勢がとれるか、どうか。いや地下鉄の構造に、そういう能力があるのか。鉄道にしても、ミサイル被害がもしでた場合、いかなる措置を必要とされるか、政府は具体的検討に入った。

 ミサイルは失敗しても、その自爆あるいは自壊場所によって、残骸が墜落する危険性を伴い、あるいは日本海であってもイカ漁船などが操業中の海域に落ちれば被害が出る。
陸続きの朝鮮半島から中国、ロシアの国境付近も、落下の危険性の潜在的ポイントとして加えておくべきだろう。

 じつは4月29日の北朝鮮ミサイルは失敗したが、落下を警戒してロシア極東では警戒態勢が取られていたのだ。

極東防空識別圏内で「アラート」が発せられ、東部軍区(ハバロフスク)ではS400対空ミサイルシステムが稼働した。
 「ミサイルの残骸が露西亜領内に落下する危険性に備えた」とビクター・オゼロフ(ロシア連邦上院軍事委員長)が発言した(アジアタイムズ、4月30日)。

 一連の北朝鮮擁護発言をくりかえしてきたロシアとて、政治的思惑と世界政治の攪乱、アメリカ主導への当てつけ、トランプ外交への妨害などが目的で、計算づくでなされた政治発言はロシアの地位回復を企図した政治的ジェスチャーである。

そして、矛盾するかのように極東ハバロフスク軍区の警戒態勢入りがなされている。

       □○▽ミ□◎◎ヤ○◎○ザ○○□キ□◇◎ 
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1563回】        
――「正邪の標準なくして、利害の打算あり」――(?富2)
   ?富猪一郎『七十八日遊記』(民友社 明治39年)

   ▽
 趙爾巽(1844年~1927年)は漢人八旗の出身。清末民初の政治家で、東三省総督時代に遭遇した辛亥革命に際しては満州において革命勢力を押さえ込み、革命の余波が満州に及ぶことを防いだ。清朝が崩壊し中華民国が成立するや、漢人官僚の代表で中華民国の実権を握った袁世凱や後継者となった段祺瑞の幕下に馳せ参じ、清朝の歴史を記した『清史稿』の編纂を主幹した。

 徳富を前に趙爾巽が「頻に日本の新聞か、自分を誤解し居る」と“不満”を口にしたということは、趙が自分を軽んずる日本に不満を持っていたということであり、日本は趙の政治家として実力を見限っていたということだろう。

 奉天にある清朝の王宮へ足を向けた。「宮殿の内部、寶物、及ひ四大書庫の一なる文溯閣を見物」している。「宮殿は朝鮮も、支那も、其の荒廢は同樣也。目下修繕中の由にて候得共、それも覺束なく存し候」。宝物は数あるが、やはり乾隆帝が勅命で編纂を命じ、清朝の総力を傾け、400人を超える学者を総動員して全土に残された書籍を網羅した四庫全書を納めた「文溯閣の戴籍」を目にしては、さすがに「快心洞目」せざるをえなかった。

 とはいえ文溯閣には長期にわたって人の出入りがなかったらしく、貴重な書籍には塵が堆く積もっていた。「塵埃の積る寸餘なるには閉口致し」ているが、ここで一転して、「支那にては、流石に四億餘の人口ある故にや、人間程廉價のものは、此れなく」と呟く。それというのも「斯る寶物庫や何やを見物するにも、役人やら油虫やら、ぞろぞろと左右前後より取り捲き、?々喋々の奇聲を發し、且つ名状す可らさる奇臭の包圍攻?には、閉口中の大閉口にて有之候」と。

  何にもまして繁文縟礼を旨とするだけに、清朝の役人が多くのお供を従えて案内したことだろう。態度物腰は慇懃のうえに慇懃ではあるが、ベチャクチャと喧しい限り。加えて彼らに入浴の習慣もなく、油の沁み込んだような厚手の衣裳を纏っている。「名状す可らさる奇臭の包圍攻?」には、神州高潔の民を任じていたはずの徳富ならずとも「閉口中の大閉口」と呟かざるをえなかったはず。
 
 次に向かったのが、清朝2代目皇帝ホンタイジ(漢字で皇太極)を祀る昭陵だった。
 
 奉天の城門を出る。「支那詩人の所謂る一坏土たる、土饅頭の墳墓と、且つ糞塊の堆をなす間を、用捨なく排進し、渺々たる廣原を過ぎ、鬱然たる森林中に入」ると、その先に昭陵が構えていた。「塲所と云ひ、結構と云ひ、奉天第一の見物」ではあるが、ここでも「支那の役人、若しくは小价等か、左右に附き纏ひ、大聲にて何やら分らぬ言を喋舌するには、聊か五月蠅からさるにあらす候」。案内する役人やらお供の下役の振る舞いが、よほど気に入らなかったに違いない。それにしても「糞塊の堆をなす間を、用捨なく排進」とは、想像するだけでもクサそうだ。

  18万の人口を称する「奉天は、流石に(中略)滿洲中の都會也」。「日本人の居住する者二千名、其の在留者は、概して六千名内外、軍人は其外に候由に候」。ということは、日本人滞在者は長期が2000人で、短期が6000人ということか。これに駐留軍人が加わっていたわけだから、やはり当時の奉天では日本人は一大勢力だったと考えられる。

  日露戦争が終わったとはいえ、「戰後の情態は、未た全く恢復したりとは、申し難かる可く候」。それは、「物價の格外なる不廉にて、明白に候」。物価の高止まりが「此儘にて永續するは、甚た面白からす候」。だから日清協同事業の声が挙がるのは判らないわけではないが、満州における日清両国民の信用と好意とが容易に得られない以上、「言ふ可きも、决して容易に行ふ可らさるかと察せられ候」ということになる。
次なる目的地は大連。
《QED》
    ◇○▽ヒ□◎◎イ○◎○ズ○○□ミ□◇◇  
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 ▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ■READERS‘ OPINIONS ●読者之声
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   ♪
(読者の声1)貴誌前々号で、米国はカーター元大統領を北朝鮮に特使として派遣するむねの打診がトランプ政権で行われているというニュースがありましたが、その後の動きはどうなっていますか?
 (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)英国のフィナンシャルタイムズがつたえたもので、その後、同紙に後追い記事がないようです。
政界の常識としては、政権の高官が情報操作の一環として、世論の反応を見るために打ち上げる観測気球かもしれません。そもそもカーター元大統領は癌を患っており、特使の任務を果たせる健康状態ではないようです。



  ♪
(読者の声2)4月28日の主権回復国民集会にでかけて、政治家、拉致家族会、ジャーナリストらの講話を伺いました。
とくに中山恭子さんの淡々と喋る姿勢、感動的でした。
 さて「主権」に関して憲法、国防、領土に言及があり、また赤池参議委員議員は「教育」の主権に関して触れた。
 その後に登壇された宮崎正弘先生は「主権は政治、軍事、文化に加えて『経済主権』のことを忘れていないか。経済にも主権があり、それは金利、通貨、政府紙幣、通貨供給量などを決める。英国は「通貨は主権である」としてユーロに加盟せず、経済主権をまもった云々と提言され、目に鱗でした。
 詳しく、このポイントを書かれた貴著はありませんか? あるいは、このメルマガのバックナンバーをご教示下さい。
   (HK子、川口)


(宮崎正弘のコメント)拙著のどこかに書いた記憶がありますが、ちょっと捜す時間がありません。しかしこれは持論なので、どこかに挿入していると思います。
 ともかく主権を四つのカテゴリーにわけ、政治は憲法、軍事は自主防衛と領土問題がからみ、文化は言語、教育とりわけ道徳教育が主権の現れ、歴史教科書もそうです。
 ややもすれば保守陣営の議論が、改憲とか防衛論議に流れ勝ちですが、文化にくわえて、「経済の主権」をいかに守り確立するかを論じる必要があります。
 毎年、4月28日に『春の憂国忌』として開催される『主権回復記念』の大会は、そうした意味でもたいへん意議深いイベント、ことし21回目でした。




   ♪
(読者の声3)日本文化チャンネル桜からのお知らせです。来る5月2日の「フロントジャパン」という番組で、キャスターの福島香織さんと、宮崎正弘さんの一時間のトーク番組があります。
 予定される議論は、北朝鮮を巡る中国、露西亜、そして韓国取材から帰国したばかりの宮崎さんが韓国の政治状況を語ります。
 ご期待下さい。
     (日本文化シャンネル桜)

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日曜日, 4月 23, 2017

学会発表を終えてー2

学会発表を終えて、元指導教官にも1報を入れておいた。元指導教官は先日逝去した渡部昇一教授とほぼ同年齢で天皇陛下と同一の癌治療を受けながら闘病中であり病院の数科に通うものの老化への対応でどれも完治せず、と言う有様らしくお気の毒と言うほかはない。

ところで、前回も少し書いたがアカマツ林の物質収支を通してアカマツ林の総生産量を求め林分の取り扱いの違いによる結果の原因を検討するには、まだ少し試料が足りない。それに調べた小生の15年生アカマツ林の調査報告も学会発表だけで普通には何を本当の目的にしたのかは、分かりづらい。

林分生長論資料 1. 立木密度のちがう 若いアカマツ林 65-99

I  まえがき
 木が ウッペイをたもった 林としてそだつばあい、そのソダチカタは, 木のあいだのオタガイの ハタラキカケによって, 孤立木とはちがったアリサマをしめすことは よく知られており, このアリサマをあきらかにすることは、林のトリアツカイをかんがえるうえに たいせつなことだ。ところが、このような問題の研究は、これまで、むしろ 数学的なトリアツカイにかたよっていて、生物学的な面はナオザリにされがちだったといえよう。BOYSEN JENSEN (4)(5)(6)は 植物の生長を生長を 炭酸同化によるモノの量と 呼吸によるその消費 の対立したものの統一とかんがえた。このばあい、 炭酸同化によってつくられたモノの量が 呼吸によってつかわれたモノの量よりも多くなければ、 いいかえれば、プラスの物質経済がなければ、 生長はありえないわけだ。 彼は このようなカンガエカタにもとづいて ヨーロッパのトネリコとブナの わかい林の物質生産の解析をおこなった(4)(6)。さらにMØLLER(27)(28)はこのカンガエカタにしたがっておおくの種類の木の いろいろな条件の林について、このような関係をしらべた。 林分の持つ葉の量 および 葉の量と幹の木材生産の関係については BURGER(7)~(11)  のながいあいだの研究があり, 林木の炭酸同化については POLSTER(36)の ひろい 研究がある。 BAKER(2)は おおくの研究報告にもとづいて  生物学的な生長論をすすめた。 しかし まだ この方面の研究は 決してゆたかではなく、 ことに わが国の樹種については ほとんど 手がつけられていない。そのうえ 門司(30)が指摘しているように これらの研究では, 環境条件の定量化、基本的な生産構造の解明、 あるいは物質再生産の知識に 不十分なものがある。 このようなイミで おおくの林について ハタラキテとしての葉の量と そのハタラキ、 クローネのなかでの葉の分布と光のヨウス、 ツカイテとしての非同化部分の量と その呼吸のアリサマ などについて, それが 樹種や 林のトリアツカイや トシなどによって どういうアリサマをしめすかをしらべるひつようがある。 そのテハジメとして、 千葉県演習林の アカマツ植栽密度試験地について これを ひとつのモデルと考えて いくらかの解析をこころみて予報(39)として報告したが,
さらに調査をくわえるとともに、 はじめの調査のデータについても、 さらにこまかな解析をくわえた。その結果 予報では少し早まった考察をしている点もあることがわかった。調査の方法、ことに試験地の配分と 標準木のトリカタには 多くの欠点を含み,
 ことに2度めの調査は はじめの調査であらしてアナをあけたのと、 密植区が行き詰まって 雪のために カタマリになってたおれていたので きわめて不十分である。 そのうえ 葉のハタラキや 幹や枝の呼吸についての 研究をおこなっていないので、統一的な考察を行うことはできなかったが, いくつかの傾向を見ることができたので、 資料として報告する。

このシゴトをするうえの カンガエカタについては 東大理学部の 門司正三教授に教えられたところがおおい。 ヤマでの調査のさいには 千葉県演習林職員のかたがたに いろいろとてつだっていただいた。 また2度めの調査には 当時の学生 杉浦慶四郎さんと 松野躁平さんに てつだってもらった。 これらのかたがたに, あつくお礼を申し上げる。

これは林分の密度試験を提唱した故中村賢太郎教授の方針に沿って昭和13年に当時の弟子たちが千葉県演習林に設定した山形県産のシラハタマツのたねから植付け間隔で 0.5m、
1m、1.5m、および 2.0m、の4段階の密度試験樹を設け1950年の予備的な調査の後、1953年に上述のように多くの欠点を認めながらも一応の傾向を報告したわが国最初の林分生長論資料の前書きである。

この頃わが指導教官はアカマツ、スギ、ヒノキ苗の光合成、呼吸を赤外線ガス分析計で調べその報告で学位を取り、その後この報告にあるように『葉のハタラキや 幹や枝の呼吸についての 研究をおこなっていないので、統一的な考察を行うことはできなかったが』苗から成木を対象に幹と枝のいわゆる非光合成器官の呼吸に移り小生が大学を卒業する頃までに切断資料での呼吸測定を終了し、入院したころには、立木での呼吸測定とかアカマツ大径立木の幹温度や摘葉処理による日中低下の回復などを調べた。この過程での大径立木の放射方向での温度変化の予測がブルガリアでの世界微分方程式会議での発表となった。(ベッセル関数の応用と幹の垂直方向の温度変化など)

また. 今回の発表でわかったことは主として参照した旧目黒林試でおこなった高密度アカマツ林の一次生産の解析 (林試研報 Bull.  For. Prod.  Res.  Inst.  No. 354. 1989 )
にある総生産量の推定・測定例は幹・枝ともに単独での測定値は田無と林試で差がないが、林分の推定値としては高密度の天然林での推定値となったため総生産量は立地条件が田無より低いため総生産量は少なめだが、仮発表の田無アカマツ人工林の総生産量は60トン近くになっている。宮山台国有林では36.8トンよ42.4トンどまりである。

また、まだ試算段階であるが、千葉の4密度の植栽林でが0.5m、1.0m、1.5m区では幹と枝の呼吸量の合計は大差ないが、2.0m区では枝の呼吸量が突出して大きく他の3樹ともに総生産量が51トンから53トン前後であるが最低密度区の2.0m区では65トンほどとなり増えた分は全て枝の呼吸増による結果となっている。こうした結果の追跡と確認が次期学会発表の核となるだろうと思っている。

密度による葉量は差がないとされているのに、枝の量が密度により大差があり、アカマツ林の特徴として枝の呼吸量が時には幹より大きいためである。

林試の研究でも、20年生各器官の呼吸消費量は両林分とも26-28トン/ha.yrで幹16、枝23−25、葉53−55、根6%で両者ともあまり差がないという結果になっていた。

材の呼吸は幹が34〜35%、枝51〜53%、根13%で枝の呼吸が高かった。

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金曜日, 4月 21, 2017

軍事ジャーナル【4月21日号】戦後平和主義の崩壊

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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
第277号(4月21日)
*戦後平和主義の崩壊

 夕刻、居酒屋でテレビ・ニュースを見ながら夕食を摂っていると、隣の卓がどうやら、マスコミの取材らしい。大学名誉教授を雑誌記者がインタビューした後の慰労会と言った所か。丁度ニュース番組で安倍総理が国会で北朝鮮問題について答弁している姿が映し出された。
 それを見た老教授はすかさず「安倍はありもしない脅威を煽っているだけだ。国論をまとめて支持率アップを狙っているんだ。」ところが次のニュースで北朝鮮の宋日昊(ソンイルホ)大使が「戦争になれば日本が最初に被害を被る」との発言にしばし沈黙。
 ややあって「どうもよく分からないな」と呟いて肩をガックリと落とした。私はこの一言に戦後平和主義の破綻を見た。日本国憲法の「日本が戦争を惹き起こさなければ世界は平和だ」とする世界観は物の見事に崩壊したのである。

 さて宋日昊の発言は平壌において日本記者との会見で出たものだが、その席で「残留日本人が住んでいるなら人道的な観点から対応する」と述べた。「拉致問題には関心がない」とも述べているが、どうみても拉致問題への対応を示唆していよう。
 本誌4月5日号の題名は「ファイナル・カウント・ダウン」だが、実はこの題名の記事を書いたのは、初めてではない。週刊エコノミスト(2002年4月2日号)で、同名の記事を書き、米軍による北朝鮮攻撃が間近に迫っている旨を警告した。
 そして同年10月、北朝鮮は拉致された日本人5人を帰した。それまで拉致そのものを認めていなかった北朝鮮の態度の変化に日本中が驚いたが、北朝鮮の意図は明白で、日朝交渉が本格化すれば米軍は対北攻撃を見送らざるを得ないという読みである。
 してみれば、今般の宋日昊の会見の趣旨も同様であり、拉致問題の進展を示唆しつつ日朝交渉を本格化させ、米軍の対北攻撃を見送らせる狙いであろう。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
動画配信中:「地政学入門」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1475838508
上記動画のテキスト本
「領土の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089

動画配信中:「地図で見る第二次世界大戦」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1441391428
上記動画のテキスト本
文庫「図解大づかみ第二次世界大戦」
http://www.kadokawa.co.jp/product/321502000376/

動画配信中:「現代戦闘機ファイル」全編無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1411697197
上記動画のテキスト本「イラスト図解 戦闘機」
http://www.tg-net.co.jp/item/4528019388.html

動画配信中「よくわかる!ミサイル白書」全編無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1383640409
上記動画のテキスト本「超図解でよくわかる!現代のミサイル」
http://www.tg-net.co.jp/item/486298102X.html?isAZ=true

その他の著書:
「国防の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み  <4月2 7日(新月)の北朝鮮攻撃は遠のいたのでは?

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)4月19日(水曜日)
        通算第5269号   
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(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため明日4月20日―27日が休刊となります!     
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 4月27日(新月)の北朝鮮攻撃は遠のいたのでは?
  米国の「レッドライン」は、いまだ具体策が意味不明
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 「北朝鮮がレッドラインを越えたら、米国は単独でも行動する」とトランプ大統領は習近平にも直接言った。中国が北の暴走を押さえ込めると推測したわけだが、中国の軍を掌握していない習に、そんな力はない。

 日本の新聞はさかんに習近平が権力態勢を磐石としていると分析しているが、北京情報筋からの分析はまるで逆である。
 軍の抗議集会が北京のど真ん中に展開されるという前代未聞の事態が出来している。

 米国の言う「レッドライン」とは具体的に何を意味するのか。

メディアは「北が核実験をしたとき」「北がICBMの発射事件をおこなえば」と報じているが、トランプ政権は「あらゆる選択肢が卓上にある」と曖昧に表現するだけで、この中味は巡航ミサイル数百発発射して核兵器施設、ミサイル発射基地、軍事施設の全てを攻撃するという壮大なシナリオから、金正恩の「斬首作戦」にとどめおき、北の新体制と核凍結の交渉をするアイディア、対シリアのように象徴的に打撃を与えるプランまでが飛び交っている。

 巷間囁かれてきたのは4月27日が「新月」となるため、この日に米軍の軍事作戦が行われるだろうという推測だった。
 新月は言うまでもなく太陽と月が一線となるため、夜中に月明かりがない日である。

タイミングから言えば4月25日に北が建軍記念日を迎えるため、祝賀ムードに湧く北朝鮮は核実験をおこなう可能性が高いからだ。
それがレッドラインを越えたと判断し、ミサイル攻撃、あるいは特殊部隊の上陸作戦があると言われた。
 アルカィーダの首魁だったオサマ・ビン・ラディンがパキスタンに潜伏中の隠れ家を襲ったのも、新月だった。

 トランプ大統領としては、振り上げた拳を降ろさなければならない。低迷気味の人気回復にはもってこいの作戦ともなる。

 急浮上している作戦アイディアは、金日成、正日親子の巨大な銅像を破壊するという象徴的襲撃作戦だ。
 これは複合的効果を産む。つまり独裁者二人の銅像を破壊すると、民衆は体制崩壊と誤認し、反政府暴動に発展する可能性がある。

また軍高層部、警察、秘密警察がいかなる反応をするか、つまり権力機構の通信、命令系統がどのようは反応をするかを見て取れるわけで、同時に通信設備や発電所の破壊も行われるだろう。
北朝鮮の軍や警察が相互の通信がとれなくなれば、有効な反応が出来ないばかりか、防衛体制が機能せず、無秩序状態に陥るだろう。


▼しかし、攻撃は遠のいたのではないか
 
 シンガポールを出航した米海軍カールビンソン空母攻撃群は、朝鮮半島近海にはほど遠く、まだインドネシア沖を航行中であることが分かった。
一つには追尾している中国とロシア艦船に対しての陽動。いま一つは南シナ海を北上していないので、東シナ海へやってくるにはまだ時間がかかる。

 だが、もう一つ顕著な理由がある。軍を動かすトランプ大統領に進言するべきマティス国防長官は、いまサウジアラビアにいる。
 ペンス副大統領は日本にあって、19日には空母ロナルドレーガン艦上で演説する。
 マクマスター安全保障担当大統領補佐官はインドにいる。

 最終決定をする三人がワシントンに不在とあって軍事行動を決定する態勢にはない。
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 ■■■■■■■■ 渡部昇一氏を悼む 宮崎正弘 ■■■■■■■■
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渡部昇一氏を悼む
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 渡部昇一氏が4月17日に亡くなった。振り返れば、氏との初対面は四半世紀以上前、竹村健一氏のラジオ番組の控え室だった。文化放送で「竹村健一『世相を斬る』ハロー」とかいう三十分番組があって、竹村さんは一ヶ月分まとめて収録するので、スタジオには30分ごとに四人のゲストが待機するシステム、いかにも超多忙、「電波怪獣」といわれた竹村さんらしい遣り方だった。
ある日、久しぶりに呼ばれて行くと、控え室で渡部氏と会った。何を喋ったか記憶はないが、英語の原書を読んでいた。
僅か十分とかの待機時間を、原書と向き合って過ごす人は、この人の他に村松剛氏しか知らない。学問への取り組みが違うのである。
そういえば、氏のメインは英語学で、『諸君!』誌上で英語教育論争を展開されていた頃だったか。
その後、いろいろな場所でお目にかかり、世間話をしたが、つねに鋭角的な問題意識を携え、話題の広がりは世界的であり、歴史的であり現代から中世に、あるいは古代に遡及する、
その話術はしかも山形弁訛りなので愛嬌を感じたものだった。

近年は桜チャンネルの渡部昇一コーナー「大道無門」という番組があって、数回ゲスト出演したが、これも一日で二回分を収録する。休憩時に、氏はネクタイを交換した。意外に、そういうことにも気を遣う人だった。
そして石平氏との結婚披露宴では、主賓挨拶、ゲストの祝辞の後、歌合戦に移るや、渡部さんは自ら登壇すると言いだし、ドイツ語の歌を(きっとお祝いの歌だったのだろう)を朗々と歌われた。
芸達者という側面を知った。情の深い人だった。
政治にも深い興味を抱かれて、稲田朋美さんを叱咤激励する「ともみ会」の会長を務められ、ここでも毎年一回お目にかかった。稲田代議士がまだ一年生議員のときからの会合で年々、参加人員が増えたことを喜んでいた。
最後にお目にかかったのは、ことしの山本七平授賞式のパーティだったが、氏は審査委員長で、無理をおして車椅子での出席だった。「おや、具体でも悪いのですか」と、愚かな質問を発してしまった。
訃報に接して、じつは最も印象的に思い出した氏との会話は、三島由紀夫に関してなのである。
三島事件のとき、渡部さんはドイツ滞在中だった。驚天動地の驚きとともに、三島さんがじつに偉大な日本人であったことを自覚した瞬間でもあった、と語り出したのだった。渡部さんが三島に関しての文章を書かれたのを見たことがなかったので、意外な感想に、ちょっと驚いた記憶がふっと蘇った。三島論に夢中となって、「憂国忌」への登壇を依頼することを忘れていた。
合掌。
      □○▽ミ□◎◎ヤ○◎○ザ○○□キ□◇◎  
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1558回】
―「湖南省を目して小日本・・・自ら稱して小日本人といふ」――(安井3)
    安井正太郎『湖南』(博文館 明治38年)

   ▽
 『湖南』の出版から6年を遡った明治32(1899)年、白岩は「湖南人はその性質に於て真摯質実、我古武士の風あり。其排外は攘夷の思想に他ならず。故に一朝自覚する所あれば豹変して熱心なる改革論者たらんことは、甲午役(日清戦争)後の情勢に徴し識者の早く已に認識する所なり。況んや近時人材の輩出、未だ湖南省の如きはあらず。必ずや流風余韻の子弟青年に依りて紹述せらるるものあらん。見来たれば湖南将来の希望、転た多大なるを覚ゆ」と記している。

 以上は、白岩の事績を研究した中村義が『白岩龍平日記 アジア主義実業家の生涯』(研文出版 1999年)に引用している。白岩が、いつ、どこに発表した記述なのかを注記されていないが、やはり『湖南』の主張と大差がないところに注目しておきたい。

  中村は、白岩の湖南論は「すぐれて予見的であった」と評価した後、次のような解説を加えた。興味深い指摘だと思うので引用しておく。

 「一九世紀末から二〇世紀三〇年代にかけての中国近代史を俯瞰すると、湖南省の歴史的軌跡が太く貫いていることに気付く。それは人脈と湖南気質である。人脈とは太平天国に対決した曽国藩と湘軍の登場、そして左宗棠、改革をめざした変法運動の先頭をきった譚嗣同や唐才常、つづいて辛亥革命期に中国同盟会の主力をになった黄興、宋教仁はじめとする俊傑、そして中国革命をリードした毛沢東、劉少奇等の共産党指導者らの故郷であった。近代中国を通じて、第一級のジャーナリスト梁啓超は『湖南は天下にあって人材の淵藪なり』とし、日本の幕末明治維新の薩摩、長州になぞらえている」

たしかに黄興と近かったのは宮崎滔天であり、宋教仁は北一輝にとっては血盟の友だった。不確かながら、北は黄興を西郷隆盛に擬えていたように記憶する。また大正6(1917)年2月から5月にかけて湖南省を訪れた宮崎滔天は、4月に湖南省立第一師範学校で学友会が主催したと伝えられる講演会に望んでいるが、宮崎を招請したのは毛沢東だった。こう見てくると、湖南人と日本人は俗にいうウマが合ったということだろうか。

 『湖南』は湖南人を「極端より極端に趨るも亦彼らの性情然るに由るか」と記すが、譚嗣同、宋教仁、毛沢東と並べてみれば、たしかに彼らの人生は「極端より極端に趨」っている。かりに1949年10月1日に天安門の楼上に立ったのが湖南人の毛沢東でなかったら、あるいは毛沢東を指導者に選ばなかったら、その後の歴史は変わっていただろうか。だが歴史は、「極端より極端に趨」は湖南人だけではなかったことを教えてくれる。

毛沢東が敷いた対外閉鎖路線を決然と擲って、1978年末に対外開放へと国の基本を180度転換させた?小平もまた「極端より極端に趨」った。考えてみれば、あれだけの、しかも身勝手で扱い難い人々の群である。マアマアとか、皆さんのゴ意見を伺ってなどと言っていたのでは何も出来はしないだろう。儒教道徳が讃える中庸なんぞを求めて居たら、喧々諤々で纏まるものも纏まらない。であればこそ、一気呵成にエイヤッと「極端より極端に趨」らないかぎり、なにもできないのではなかろうか。

 1949年の建国以来を振り返ってみても、50年代半ばの双百運動から始まり、反右派運動から大躍進、さらには社会主義教育運動を経て文化大革命へ。劉少奇が抹殺され、林彪が憤死し、四人組が粉砕され、毛沢東が後継と定めたと伝えられる華国鋒ですら権力の座から簡単に排除されてしまった。かくして登場した?小平は「毛沢東を掲げて毛沢東を否定し」、遮二無二に対外開放へ。外資が流れ込むと、昨日まで金科玉条と崇め奉っていた毛沢東をいとも簡単にボロ雑巾のように捨て去り、国を挙げての拝金思想の道をまっしぐら。

 「極端より極端に趨るも亦彼らの性情然るに由る」・・・豈湖南人のみならんや。
《QED》
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(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため4月20日―27日が休刊となります!     
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 ▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ■READERS‘ OPINIONS ●読者之声
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(読者の声1)新聞報道によれば中国の経済成長は6・7%と出ました。日頃から貴誌ならびに宮崎正弘先生の著作を読んでいるので、この数字はいかがわしいと思いますが、どうして成長しているのか不思議です。
  (LI子、横浜)



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(読者の声2)前号にもちょっと触れましたが、典型例が中国太平洋建設集団でしょう。地方政府のプロジェクトを請け負って、代金が不払い。地方政府は債務保証をしていないで、できた建物はゴーストタウン。
 つまり、事実上倒産している国有企業、地方政府。これらに無理矢理資金をぶち込んできたのが国有銀行。
 この構図が、資金の回転で回っているだけで、債務を膨らませている。中国の債務は3300兆円です。
 なぜ回転しているか。まだ海外からの直接投資が年間1200億ドル前後あり、つぎに輸出が存続しており、ドルが入ってくる。その分をすべて国内投資として人民元の発行を増やし、無茶苦茶は破滅的状況を誤魔化している。これって、東芝の粉飾会計を国家ぐるみでやっているようなものです。詳しくは拙著新刊の
『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず潰される』(徳間書店。1080円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4198643660/
 をご参照いただければ幸いです。



   ♪
(読者の声3)主権回復国民集会のお知らせです。ことしは二十一回目になります。ふるってご参加下さい。入場無料。
            記
とき    4月28日(金)18時00分~20時30分
ところ   星陵会館ホール(千代田区永田町2-16-2) TEL 03-3581-5650
 http://www.seiryokai.org/kaikan/map.html
代表発起人 故・井尻千男、入江隆則、小堀桂一郎
(登壇者。順不同。敬称略)
入江隆則(明治大学名誉教授)
小堀桂一郎(東京大学名誉教授)
山谷えり子(参議院議員)
中山恭子(参議院議員)
赤池誠章(参議院議員)
長尾たかし(衆議院議員)
西岡 力(「救う会」全国協議会会長・麗澤大学客員教授・モラロジー研究所室長)
飯塚繁雄(「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」代表)
増元照明(「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」元事務局長)
一色正春(元海上保安官)
 宮崎正弘(作家・評論家)
 我那覇真子(「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員)
 葛城奈海(予備3等陸曹・「やおよろずの森」代表・「防人と歩む会」会長)
 山本優美子(「なでしこアクション」代表)
 三浦小太郎(評論家)
 鍜冶俊樹(軍事ジャーナリスト・「頑張れ日本!全国行動委員会」幹事)
 永山英樹(「台湾研究フォーラム」会長・「頑張れ日本!全国行動委員会」幹事)
 三輪和雄(「日本世論の会」会長・「正論の会」代表)
 水島 総(「日本文化チャンネル桜」代表・「頑張れ日本!全国行動委員会」幹事長)
   ほか多数
主催 「主権回復記念日国民集会実行委員会」
 (事務局)日本文化チャンネル桜 TEL 03-6419-3900



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(読者の声4)五月の「正論を聞く集い」のお知らせです。この会はどなたでも、予約なく御参加いただけます
記録
日時   5月25日(木)18時 開場 18時30分 開会
会場   サンケイプラザ・3F
 最寄駅:大手町駅(*産経新聞本社のビルです)
講師   杉田水脈(前衆議院議員)
演題   「歴史戦に我が国はどう臨むか」
会費   1,500円(学生1,000円)
主催   正論の会(代表 三輪和雄)
 お問い合せ:03-3407-0637

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  宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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宮崎正弘 新刊ラインアップ
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『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず潰される』(徳間書店。1080円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4198643660/
『トランプノミクス』(海竜社、1080円)
『日本が全体主義に陥る日―旧ソ連邦・衛星国30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円)
『世界大乱で連鎖崩壊する中国、日米に迫る激変 』(徳間書店、1080円) 
『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) 
『中国大恐慌以後の世界と日本』(徳間書店、1080円)
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社、1512円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)

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<宮崎正弘の対談・鼎談シリーズ> 
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宮崎正弘 v 石平 『いよいよ、トランプが習近平を退治する!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 渡邉哲也『世界大地殻変動で、どうなる日本経済』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 福島香織『暴走する中国が世界を終わらせる』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、以上三つは1080円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
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宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 

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(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため4月20日―27日が休刊となります    
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2017 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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火曜日, 4月 18, 2017

学会発表がおわって

23年ぶりの学会発表だった。だから当然と言うか時代の流れを強く感じた。小生の後を継いだ講演者も4半世紀前から同じ方だったし、当時は講演が終わるとその人が座長代行となって、次の席順の紹介と司会をするというスタイルは廃されていて、数名あるいは10名程度のグループ毎に学会当局から指名された方が座長を勤める、というスタイルに変っていた。私のグループは北大のかたで、数名の発表がおわると席をたっていってしまった。

私の発表がおわったら名前は知らないが、小生の指導教官を存じている当時の方が小生とその指導教官の書いた文章を参考にしたというような思い出を語ってくれた。次の方が壇上から、私を覚えていますかと!?と聞かれて、覚えていますよと叫んだ。

そういえば、小生が最後の学会発表をした時は、ブルガリアのプロブディフ工科大でその時も偶然小生の発表が終わると同時に座長を努めることになり(これは事前に事務局からつたえられていたが)数学の専門家では決してない小生がそのあと数人の講演者の司会といういう難行苦行を行うことはかなり辛かった。おまけに飛び入りで目録にない、米国ミシガン州立大の数学科の方がなにやら発表するというので、緊張もした。

ただ、その頃はタイム誌を読んでいて一時話題になったユナボマーがFBIに逮捕された記事やポーランド系とされるその逮捕情報なども知っていたので意外と気はらくだった。ただ小生の時の座長は韓国人だった。どういうわけか、ミシガン大の男性のあとはトルコやイタリア、ユーゴスラヴィアやそれ以西のクロアチアあたりからの女子学生らがいたが、目を奪われた。

この記事は元指導教官からの返事待ちの間に書いたが、昨年春に今年の学会で懺悔発表をしなくてはと速報を送り、吟味の結果小生の早とちりと判明したので、また1日に三葉のハガキを書いて訂正を送った返事の返信が届いた全く同じ日付となった。(20060412v.s.20070412)

今年の発表で大いに参考にした論文の主要な著者が昨年暮の12月8日に90歳でお亡くなりになり、本日公表された渡部昇一教授とほぼ同年齢ぐらいの指導教官は、昨年の春に今後の対応は困難だから全て自力でと念押されていて、その後の様子は知らず(賀状はきたが)心配な側面もあり、一報しておいた。

結果は、心の中で予想していた通りの返信となり、来年も未完の続報を自力で発表することには変わりがない。しかし、過去に発表した仮発表は一応終わっているが論文に昇格させる過程で当時かなりの難題に突き当たりその処理ないし迂回回路に自信が持てないことからズルズル引き延ばしていた面がかなりあった。

今回の発表は当時から狙っていた面を恐る恐る公表したが、時の変化の影響はおそるべしで、皆自明の事のように受け止めている様子だった。

すると
以前示した
1)幼齢林分の現存量、とくに樹皮呼吸量推定のための非光合成器官の直径分布、年齢分布。

が重要になることがわかる。今回の発表も割り当てたブースも気がつけば23年ぶりであろうとなかろうと周りは間伐問題が多かったし、メンバーは新顔が多いことは当然としても森林の取り扱いによる生態の有様を扱う一部門に属している。

大学は林学科を出たが、院での専攻講座は当時の主流の森林生態学で、物質生産が主流とはいえ、遺伝関係、土壌関係、森林生態系と別れ、たまたま森林生態系が看板となっていた関係で、生理学をやりたいなどと言い出してとりあえずそれで学位を取るには設備が備わっていないから、と森林生態をやることになったが、学部でそれを体験していないから、取り掛かるまでに無駄な何年か何十年を要してしまった感がある。

今から思うと指導教官が先に提示した課題も結局生態畑での基礎教育課題であったように思う。

森林の成長の物資的基礎

少し内容が古いがそのまま記述する。
すでに述べたように、炭酸同化によって作られたものの全部が木材になるのではなく、粗生産としての炭酸同化量(光合成量)のうちから、葉や枝を作るとか幹や枝が生きてゆくための呼吸に使われるといった いわば 生産費的なものが必要だ。だから 粗生産だけをおさえて生長を論ずるわけにはいかない。このような関係をBOYSEN JENSENは次の式であらわした。

   生長+タネ=同化生産物ー[落葉・落枝 +(枯れる根)+ 呼吸による消費]

この式のすべての項は乾物量で表される。

この関係は 孤立した植物にも群落(林分)にも当てはまる。乾物生産量はこの式のすべての項の大きさによってきまるわけで、乾物生産量を求めるにはこの式のひとつひとつの項の値を求めねばならぬ。そうしてはじめて なぜ物質生産量がある条件のもとでは大きく、ある条件ぼもとではすくないかを 知ることができる。




火曜日, 4月 11, 2017

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <北朝鮮攻撃 の前にセカンダリー・サンクション(二次的制裁)


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)4月11日(火曜日)
      通算第5264号    
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 北朝鮮攻撃の前にセカンダリー・サンクション(二次的制裁)
  米国、中国などの関与した貿易会社、銀行に制裁準備。リストはあがっている
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 カール・ビンゾン空母攻撃群がシンガポールから、寄港予定だったオーストラリア訪問をキャンセルして南シナ海の北上を開始し、米国西海岸サンディエゴ海軍基地からは駆逐艦なども西太平洋方面へ出航した。
朝鮮半島近海に展開し、北朝鮮のミサイル、核基地攻撃準備態勢の示威である。空母には特殊部隊も乗り込んでいるとされるから、「斬首作戦」の同時展開もシナリオに入っているのだろう。

 その前に、米国はいくつかのセカンダリーサンクションの選択肢を撰ぼうとしている。
 第一は遼寧省丹東、瀋陽にある北朝鮮の銀行、ならびに北朝鮮にミサイル部品など国連制裁決議に違反して輸出していた中国系商社の制裁を強める。

 第二に在米中国の銀行に資産凍結、取引停止など強い処分をふくめての制裁準備である。これは中国への強いブローとなる。報復として中国が、米国系銀行の在中国支点の営業停止などの挙にでると、米中貿易は自動的に縮小し、双方の痛手となるため、どこまでの制裁レベルに留めるかが、これからの検討課題となる。

 マレーシアの妖しげな貿易会社も制裁対象になっているとされる。
 北朝鮮からの亡命者がロイターに語ったところに拠れば、ハンフンイル(音訳不明)は20年前にクアランプールへやってきて、張成沢と繋がるマレーシアの商売相手とコングロマリット「MKP」(マレーシア・朝鮮パートナー社)を設立した。
この商社は、労働者の斡旋、貿易、石炭の輸出、石油の輸入などを表看板に、アジア、アフリカ40ヶ国と取引していた。

 「なかには不正な武器輸出が含まれ、武器取引は、このマレーシアの北朝鮮系商社が行っていた」(ロイター、2017年4月10日)。

 年に一度、北朝鮮から高官が現れ、ドル、ユーロの現金を手渡していたことが目撃談として語られた。
 ことほど左様に金正男がクアラランプール空港で暗殺されるまで、北朝鮮とマレーシアは持ちつ持たれつの関係であったことが明るみに出た。

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(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため4月13日―17日が休刊となります   
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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――「彼等の體力は實に野生である、獸性である」――(高瀬14)
      高瀬敏?『北清見聞録』(金港堂書籍 明治37年)

    >>
 ロシア、イギリス、フランス、日本との戦いに敗れたことは「清國にとりては皆な、その自尊の頭を下げ傲慢の氣を屈して、大いに覺醒すべき動機」であるにもかかわらず、「彼等は容易にその頑夢より覺むること能わず」。とどのつまりは「日清戰役に於て大敗を取り、大打?を蒙るに至れり」と、高瀬は説いている。

 その後も列強の蚕食が続いたが、「彼等の頑鈍なる更に覺醒する所なく、徒に政權の爭奪に骨を折り、地位の維持に心を勞して、外壓の岩の如く迫り來るを知らず」。そこで義和団が排外運動を起こした結果、八カ国連合軍によって北京が制圧されたばかりか、「清國の故郷なる滿洲三省は、殆んど露國の所有の如く」になってしまった。こういった亡国的状況を前にしたなら、「憤慨する能はずんば、何を憤慨するといはんや」。にもかかわらず、「彼等の愛國的神經」は一向に見られない。

 たしかに近年になって近代化政策を進め、「一見清國の覺醒を意味するが如く」ではあるが、実際に現地を歩いてみると、「慷慨國事を談ずるもの」も「誠心誠意家國の憂を以てわが憂となすもの」も見当たらない。どうやら改革を掲げながら、結果として「數多の屬國民となり了らん」。やはり「彼等の頑夢は頑として醒めざるなり」としかいいようはない。

 いまや「世界に文明の大潮流あり」。「その物質的なると、精神的なるとを問はず、世界を?流し來り」。日本は「此の潮流に接觸するや、直ちに之を汲み、之を注いで國家を一洗し」、新しい国作りに成功し「世界の舞臺に突進しつつあり」。そこで隣国に目を転じる。

 「隣國の支那は如何」。「その知覺神經は、文明の大潮流を感知する程に鋭敏なら」ず。そのうえ「彼等は阿片煙の如く有毒なる文明固有の保守劑を飲んで、今に頑夢を樂みつゝあるなり」。「國の將に亡滅せんとするを知るや知らずや、よし、知りたりとて損得の外には多くの痛痒を感ぜず、高尚なる神靈の知覺を萎痿せしめたる支那人は、平々然として、遊惰逸樂に耽り徒に肉慾を貪りつゝあるなり」とした後、「誰か支那人を勤勉の人民なりといふ」と疑問を呈す。

  高瀬の経験によれば、彼らは「利を示す時勤勉なるが如く見ゆるなり」。「鞭撻その頭に加はる時忍耐力あるが如くに見ゆるなり」。国家存亡の緊急事態であるにもかかわらず「急がず、迫らず悠々安閑たる」様子は、たしかに「根氣強しとも」誉められないわけではないのだが、彼らは「國家の存亡を眼前に控えたる國民に非す」。これに「わが輩をして氣の毒の思ひに堪へざらしむる(中略)男女間の腐敗」が加わるのであるから、事態は一層深刻だ。「西人曾て支那人を評して不品行なる病人」と称したように、彼らは「(精神の)病に次ぐに不品行を以てす」るわけだから、「その治し難きや當然のことゝいふべきなり」。

  だが「支那啓發のことは全然望」みがなくなったわけではない。「支那人もまた人間」であり、「何れの處にか人間本來の眞を存」しているはずだ。だから「もし世界を同胞とする至大博愛の心を以て、忍耐努力之に?へ、之を導かば」、時間はかかるだろうが、「彼等を伴ふて、世界と共に文明の大道を歩むに至らしめ」ることができるだろう。

  だから、今こそ「支那人民を精神的に啓發して、世界文明の好伴侶たらしめる」絶好機であり、ゆえに「わが國民が支那に向つて大に活動すべきは、今の時を以て最も急なり」。「今にして支那に於ける我國の經營を怠り、利權を失墜するに至らば、必ず國家百年の憂を殘す」。たしかに財政的にも苦しいが、「上下一致心を此處に注ぎ、(中略)大いに國民の對外心を奮起せしめ」るべきだとした後、高瀬は「學校經營」「宗?傳道」「滿洲移民」「鐵道敷設」「鑛山開掘」「製造所設立」「航海運搬業の擴張」「日清銀行設立」などを挙げ、現状のように「手緩き」ままでは「露、獨、佛の三國」に遅れをとってしまうと警告する。
《QED》

        ◇◇○ヒ□◎◎イ○◎○ズ○○□ミ□◇◇  
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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  ♪
(読者の声1)発売中の『週刊現代』(4月22日号)は中国批判特集なので、衝動的に題名につられて、買ってみたのですが、なかに宮崎さんと河添恵子さんの対談がでていて、抱腹絶倒でした。
 「嘘」の中国の意味とか、「躾」って、中国語にないとか、中国庭園はごてごて奇岩園とか、こういう本質的な中国人論は珍しい。
しかし笑って済ませるだけでもいけないと思いました。
 もう一つ、まだ話し足りない話題がお二人には豊富に残っていると想像するのですが、この拡大をおやりになって、一冊の対談本にされると如何でしょう?
  (KY生、川崎)



  ♪
(読者の声2)貴誌前号の書評にあった、王友琴、小林一美、安藤正士、安藤久美子『中国文化大革命受難者伝と文革大年表』(集広舎)、拝読しました。
 それにしても、毛沢東、スターリン、ポルポト、金正恩と、共産独裁体制の非道さには、おぞましくなります。
 ところで手許にあるユン・チアン著『マオ』の英国版原書を見ると、2005年刊、翻訳書(講談社刊)も2005年11月発行となっています。
 まだ、刊行後12年程度ですね。この著作も、例えば、張作霖爆破事件についての記述など、信ぴょう性についての批判もあり、全体的にも、検証不十分とも評価される向きもあるようですが、衝撃的な内容でした。
 2005年刊の原書は800頁を超す大部なものですが、私は、なんとか全てを読破しました。中国語固有名詞の英語表記は読みづらく、その読破には努力を要しましたが、内容の迫力によって、なんとか読み切ったものです。
 とは言うものの、これはAudible.com( Amazon )のおかげであって、この助けなくしてはとても読み(聴き)通せる分量ではないでしょう。約30時間ですから、いっさい辞書をひかずに、一日3時間を当てても10日間はかかります。
 それにしても、Audible.comは素晴らしい。
 相当数の書物が全文朗読で収録され、価格もかなりリーズナブル。
 英語学習には最強のツールでしょうね。インターネットの素晴らしさを感じます。
 老書生にとって、残された時間、視力・聴力の衰えを考えれば、あと何冊征服できるかはおぼつかないものの、老化防止のため一日3時間のListening を目標にしています。小生と同世代である宮崎氏の衰えぬ(?)活躍ぶりには及びませんが・・・・
 最近、必要があり、ひさしぶりにEconomist デジタル版購読を再開しました。これもオーディオ版があり、全文の朗読を聴けることが素晴らしい。ただし英米での現地価格を見ると、プリント版などとても購読する気がおきなくなるほどの高価格。
デジタル版まで、不当なほどの高価であることには怒りを感じますね。日経も勝手なものです。
 (CAM)


(宮崎正弘のコメント)ユン・チアンの功績は張作霖爆殺が日本軍の仕業ではなく、ロシアの諜報機関だと示唆している点が一番。そして毛沢東の延安での血の粛清の真相、革命拠点だという井岡山の真実などでしょうね。
 近作の『西太后』の評判が悪いのは、共産党を批判するあまりに反動で西太后が教育制度を改革し、海外へ留学生を派遣したなど進歩的だったと、政治的意図がぷんぷんと臭うからではないかと思います。
 


   ♪
(読者の声3)三島由紀夫研究会からお知らせです。4月の恒例「公開講座」は井上隆史先生 です。
 メキシコでも「国際・三島シンポジウム」があり、その本の編集も進んでいるとのことです。
          記
日時   4月25日(火)午後6時半(午後6時開会)
場所   アルカディア市ヶ谷(私学会館)
http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/10766/rtmap.html

講師   井上隆史先生(国文学者、白百合女子大教授)
演題  「三島由紀夫『二つの国際シンポジウム』ーー東京とメキシコ」
(講師プロフィール:昭和38年生まれ。横浜市出身。東京大学文学部国文科卒。国文学者。専門は日本近代文学。白百合女子大教授。憂国忌発起人。著編書に『三島由紀夫幻の遺作を読む~もう一つの『豊饒の海』』(光文社新書)、『三島由紀夫の愛した美術』(共著、新潮社)、『混沌と抗戦~三島由紀夫と日本、そして世界』(共編、水声社)など多数。
会費   一般2千円(会員1千円)
特記  どなたでも予約なしで御参加いただけます



   ♪
(読者の声4)Bill 79「南京虐殺記念日」制定に対する反対意見書 シャロン・アイザック。
 カナダのオンタリオ州では、中国系の議員がBill 79「南京虐殺記念日」を制定する法案を提出し、審議が行われています。
 この法案審議に対してJCCC日系文化会館を中心に反対署名活動が行われております。
 日系カナダ人のシャロン・アイザックさんは2月15日に、歴史歪曲を全面的に批判する意見書を議長並びに州議会議員全員 に送りました。さらに4月3日には、トロントの高校生に洗脳に等しい教育を行ってよいのか、プロパガンダの対象にしてしまうことがこのカナダで許されることなのか、という痛烈な抗議の意見書を提出しました。
 4月3日の意見書には2月15日に意見書が、添付されていますので両方に意見書を読むことができますので、皆様にご案内します。
 英語原文:http://www.sdh-fact.com/CL/Hon-Shafiq-Qaadri57065710.pdf
日本語訳:http://hassin.org/01/wp-content/uploads/79.pdf
日本からも抗議の手紙・メールなども送れますので下記をご覧ください。
      http://nadesiko-action.org/?p=11084   
  (「史実を世界に発信する会」茂木弘道)
          □◎◎○ ○◎○▽ ◎○◎○  
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月曜日, 4月 10, 2017

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <米中首 脳会談はひとつの成果もなく、事実上は失敗

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◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)4月9日(日曜日)
      通算第5260号   <前日発行>
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 米中首脳会談はひとつの成果もなく、事実上は失敗
  トランプ記者会見で、米中会談に一言も触れなかった
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 フロリダ州パームビーチのトランプ別荘は中世ヨーロッパの古城のような風格、空から見ると、まるで軍事要塞でもある。役者二人は、表面的にニコニコしながら、一応握手もしたが、習近平の緊張ぶりは画面にもでてきた。

 夕食会の冒頭、トランプは「個人的な関係は深まった。合意に到らない点もあったが、概ね良好な関係を築けたと思う」とだけ発言した。
中国側の出席者の顔は引きつった人が多い。

 夕食会の出席メンバーを一瞥すると、この首脳会談に両国とも相当な心づもりで臨んでいることが分かる。
とくに通商が第一議題とばかりに、米国はムニューチン財務、ロス商務が左脇を固めた。ふたりおいてバノン顧問。右脇にティラーソン国務、マティス国防は当然にしてもプリーバス、端っこがクシュナーと三人の大統領顧問全員が列席しており、トランプ政権の中枢は誰々が握っているかの権力状況が把握できる。

中国側も王洋副首相(米中戦略対話責任者)が習の左を固めた。右には王炬寧、栗戦書、劉?らの経済ブレーンばかり。そして軍からは房峰輝参謀部長、鐘山・商務大臣が隅っこに。外交関係では王洋のとなりに楊潔チ国務委員、ひとりおいて王毅外相という布陣だった。

 この陣容から判断できることは習近平の外交政策最高意思決定レベルが、奈辺にあるか。とりわけ団派の王洋が出席していること。軍からは国防大臣や中国軍事委員会副主任らをさしおいて、房峰輝が出席していることは留意しておくべきだろう。

 中国側はトランプの過去の発言からして貿易不均衡、為替操作などきつい要求が出ることを警戒し、万全の体制で臨んだと考えられるが、結果的に一つの成果もなく、会談後、中国の記者が嘆息したように、「トランプの記者会見はシリア問題だけ、米中首脳会談には一言の言及もなかった」のだ。

 北朝鮮問題でいかなる議論が交わされたのかは明らかではない。「北の核開発は脅威であり」「レッドラインを越える状況にある」という二点が共通の認識とされたが、あとはお互いの腹の探り合いだったようだ。また儀礼的に習近平の招待に応じ「年内の訪中」が合意されたが日程は未定とされた。
 習近平は会談後、さぞ肩を落として中国へ帰る飛行機に乗ったことだろう。
         
□○○み□◎◎や○◎○ざ○○□き□◇◇  
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 ♪「仰げば尊し」の美談に隠れてきた台湾原住民の過酷な運命
    清軍と戦い、日本統治に反旗、のち協力。やがて国民党がやってきた

   ♪
菊池一隆『台湾北部タイヤル族から見た近現代史』(集広舎)
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 それにしても、いまのような享楽的で刹那的な時代に、こういう地道で真摯な研究書を出版する良心的な書店があるというのは驚きである。
 版元の集広舎は、これまでにも一般読者とはあまり縁のなさそうな分野の、たとえば、文革や南モンゴルの近現代史の研究書を多く出されているが、本書は台湾の少数民族というより原住民の苦難の歴史を綴った珍しい本である。
 なんの偶然だろう、評者(宮崎)が、本書を手にする前夜、来日中の許世偕(元駐日大使)を天ぷらをつつき、酒を飲みつつ、様々な話題を語り合っていたのだが、本書に出てくる国民党の二二八事件以後の「白色テロ」の詳細についても話題が及んでいた。そして、その話が後半に出てくるのだ。
 読み進んでいくと、許世偕氏の名前もでてくる(75p)。氏は『土匪』の反乱を三つの期間にわけて研究されている。
 さて、日本人がおおいに台湾原住民を誤解したのは、下関条約で割譲を受けて以来の公民教育が「うまく行っていた」という神話の類いからだろう。たしかに日本人教師は懸命に台湾の子供達を教えて、貧乏な子には弁当もわけて、家族のように育てた。
 いまから二十年ほど前まで、そのときの台湾の教え子らが来日すると、恩師を呼んで半世紀ぶりの同窓会、謝恩会をほうぼうで執り行い、評者も何回か招かれたが、最後にでてくる歌は「仰げば尊し」と涙だった。
 日本の統治時代、台湾原住民を日本の当局は7種族に区分していた。
 タイヤル族、サイセット族、プヌン族、ツオウ族、パイアン族、ヤミ族、アミ族。これらを総称して「高砂族」と言っていた。

敗戦後、台湾が唐突に「中華民国」となると、パイアン族を三分化したので、9種族となった。近年の研究の結果、さらに細分化され、たとえば、タイヤル族は、タロコ族、セデック族に分化されたりしたため、台湾原住民は合計16種族となっている。
 著者が注目したのは、このタイヤル族である。
 タイヤル族が滅法戦争に強いことを、当時敵対した日本軍が発見した。
「男は狩猟者、農民であり、同時に「戦士」である。武器は銃(モーゼル銃、村田銃、レミントン銃ほか)、蕃刀、槍などが主であり、特に銃がないと恥とする。男は老人、病人、幼児を除いてすべて戦闘に参加する。女は武器を取って敵と戦うことはしないが、戦闘のための食料準備、負傷者の看護など後方支援にあたる。このように部落全体が一つの軍隊といえる」
 戦闘力は抜群であり、しかし死を軽んじたりはしない。
 日本の統治を悩ました原住民の反乱、襲撃事件は霧社事件が象徴する。そして原住民と融合的となり、統治の末期、日本は原住民から志願兵をつのりフィリピン、ニューギニアへ派遣することになった。
 これが「高砂義勇隊」と呼ばれ、勇猛果敢に戦い、その死亡率は部隊によっては八割にも達した。
 日本の敗戦後、こんどは蒋介石国民党がやってきた。かれらの一部が騙されて、中国大陸に送られ、内戦を戦い、また多くが死んだ。悲劇に満ちた原住民の歴史を淡々と本書はまとめ上げた。
 貴重な研究成果と言える。
            □◇◎▽◎
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)【第32回 家村中佐の兵法講座】~兵法書として読む『古事記』『日本書紀』
日本最古の史書とされる『古事記』『日本書紀』には、遠い昔から今に伝わる日本人の戦争観や武力行使のあり方、優れた戦略・戦術や軍隊の指揮・統率など、現代社会においても十分に役立つ「最高の兵法書」としての教えが数多あります。
今回の兵法講座では、仲哀天皇と神功皇后の御子であられた応神天皇の御代、ツクノスクネらによる新羅遠征や、皇位継承をめぐるオホヤマモリノミコトの反逆などについて、図や絵を用いながらビジュアルに、分かりやすく解説いたします。
記
日 時:4月15日(土)12:30開場、13:00開演(15:30終了予定)
場 所:靖国会館 2階 田安の間
講 師:家村和幸(日本兵法研究会会長、元陸上自衛隊戦術教官・予備2等陸佐)
演 題:第6話 応神天皇
参加費:1,000円(会員は500円、高校生以下無料)
お申込:MAIL info@heiho-ken.sakura.ne.jp
 FAX 03-3389-6278(件名「兵法講座」にてご連絡ください。なお事前申込みがなくても当日受付けます)
(日本兵法研究会)
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金曜日, 4月 07, 2017

宮崎正弘の国際ニュース・早読み  <猛追す る安哲秀が、優位だった文在寅との支持率を逆転


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)4月7日(金曜日)弐
      通算第5258号  
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 韓国大統領選、流れが変わっている
  猛追する安哲秀が、優位だった文在寅との支持率を逆転
****************************************

  やはり「何がおこっても不思議でない」韓国のことだから、新聞報道通りに事態は進まないと考えて、これまで韓国大統領選挙の予測は控えてきた。
 風向きは変わりつつある。絶対優位と見られた文在寅の勢いに衰えが見えてきたのだ。

 2017年3月31日、朴権恵前大統領が逮捕され、拘置所送りとなった。狭い拘置所は僅か3・2坪の独房で、ここに収監され、一日の食事は145円とか。
 これは文在寅・野党候補におおいに有利な「追い風」となった。
同日のギャロップ調査では文在寅が所属する「共に民主党」の政党支持率が45%で、第二野党や、保守党を圧倒していた。大統領候補の支持率でも文在寅が31%と、ほかの候補を大きく引き離していたことが分かった。

 文在寅は学生時代から左翼活動家としてならし、逮捕歴がある。卒業後、人権派弁護士として活躍し、釜山に盧武鉉元大統領と一緒に共同法律事務所を開設した関係もあり、盧武鉉時代は、大統領秘書長を歴任した。64歳、カトリック信者。12年の大統領選挙では僅差で朴権恵に敗れた。

 盧武鉉の自殺後、政界に復帰し韓国を「公正な国家」に変質させるには財政改革、メディア改革、検察改革などを掲げ、とくに財閥の改革が韓国経済には必要であり、財閥は非民主的などと底辺の国民の不満を吸収する作戦にでた。
 財閥の横暴を恨む庶民には受けるスローガンである。
 北朝鮮には甘く、太陽政策の二番煎じのような言辞を吐き、「金正恩と、いつでも対話をなし、核問題を解決する」とした。

 一方で、日本への姿勢は病的なほど厳しく、戦後の反日教育に洗脳されたままである。すでに両国間では解決している従軍慰安婦、補償などをまた持ち出し、日本の謝罪と賠償金を求めるという。THAAD配備は見直し、日韓合意は再交渉するなどと時代錯誤的な暴言を吐くあたり、発言は国際法を無視しているから、本当にこの人、弁護士かという声もある。

 ともかく朴大統領が逮捕されたことで野党への政権交代待望論がくっきりと世論にでた。保守系は分裂し、支持率は僅か4-5%台に低迷、はっきりと次の政権は野党へ移行する傾向がでた。
頼りなくなった保守党は「セヌリ党」から分裂した「自由韓国党」と「正しい政党」があるが、有力候補が不在、選挙対策としては第二野党の安哲秀候補への合流が想定された。


 ▼保守も野党も分裂している混沌状況のなかで

 4月3日、勢いに乗る野党「共に民主党」は大統領選の公認候補に文在寅を正式に選出した。
 選出後、文候補は「不公正や腐敗など、国民を失望させた旧弊を精算する」として、明確に「アンチ朴」を掲げ、調査会社リアルメーターの世論調査は支持率43%とでた。二位につける第二野党「国民の党」の安哲秀は23%と二位に付けていた。
 対決構図としては、安哲秀が保守系の票を合従連衡でまとめあげるか、どうかにかかっていた。

 とはいうものの北朝鮮の度重なるミサイル、核実験に関して、韓国民の鈍感さは、いったいどこから来るのだろうか?
「同族だから攻めてくるはずがない。核兵器を同胞に使うはずがない」というのは根拠のない未来論を説く新興宗教の信仰に近い。
通常なら北の軍事的脅威は与党有利となって、これを「北風現象」と譬喩したのだが、殆どの韓国国民が反応せず、保守党はどん底の人気に低迷している。

 4月4日、風向きがすこし変わった。
第二野党「国民の党」が正式候補で安哲秀を決めると、「もし二人が決戦となれば」という世論調査が行われ、トップを走る文在寅が41・7%に対して、安哲秀は39・3%、その差が僅差の2・7%でしかないことが判明したのだ(東亜日報の調査)
米国の大統領選挙でも顕在化したように2・7%の差は誤差の範囲内であり、逆転の可能性も否定できない状況がうまれた。
 安哲秀は、とくにTHAAD配備に関して「合意を護るべきである」と現実路線が鮮明である。国連事務総長だった播基文支援グループも、この安支持に回った。
 つまり4月4日の時点で「文在寅・一強論」が潰れたのである。


 ▼逆転の可能性が高まった

 4月6日、流れが勢いよく変わった。
文在寅と安哲秀の支持率が「逆転」したのである。まるで昨年のトランプvsヒラリーの熾烈な選挙戦のようだ。
 
同日の世論調査では「二人の対決なら」という設問で、中央日報は安哲秀が50・7%、文在寅が42・7%、YTNテレビのそれでも安哲秀が47・0%、文在寅が40・8%.両方ともに逆転である。

しかし安哲秀も、国防問題、外交ではリアリストだが、対日認識では反日姿勢が濃厚である。
安哲秀は時事通信(4月4日)のインタビューで「慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意について、当事者たちが生存しており、当事者たちとの合意を基に直さなければならない」とし、「慰安婦を象徴する少女像が釜山の日本総領事館前に設置された問題」でも、「日本政府が撤去を要求し、移転を条件に大使の帰任を拒否してきたことは理解できない」などと妄言を吐いている。
これらは韓国のメディアが流していることの受け売りで、独自性がない。

安哲英は「日韓関係は歴史問題で国民感情が悪化している。歴史問題を解決しない状態で、安全保障問題などを分離し、アプローチするのは極めて難しいのが現実だ」とし、余白を残した発言に終始している。

 同時期、米韓合同演習は続き、また北朝鮮のミサイル発射が繰り返され、北朝鮮問題の解決は韓国を蚊帳の外において米中首脳会談で論議される。
 
ところが、韓国軍の内部ネットワークが北朝鮮にハッキングされ、米韓の軍事作戦の機密「5027」流出したらしいと韓国KBSテレビが伝えた。
しかもハッキングは2016年9月であり、発覚したのが同年12月、三ヶ月も機密漏洩が分からなかったのだ。

 この「5027」作戦は米韓軍が北朝鮮の進撃をとどめ、北上し、日本海と黄海には海兵隊を上陸させ、平壌を制圧するという軍事作戦の機密が多く含まれているとされ、国防部の必死の否定にも拘わらず、不安が拡がった。

 また済州島沖では、日米間の初めての対北朝鮮潜水艦訓練が実施された。
 日本の海上自衛隊からは護衛官「さわぎり」とP3C対戦哨戒機、ヘリが参加した。米軍はイージス駆逐艦、哨戒機が参加し、とりわけ北朝鮮の潜水艦発射ミサイルSLBMに対応する訓練だった。
 
そして4月6日、韓国軍も射程800キロのミサイル実験を胡なった。これで韓国南部から平壌を射程にいれることが出来るため、年内配備が急がれている。 

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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1552回】        
――「彼等の體力は實に野生である、獸性である」――(高瀬12)
   高瀬敏?『北清見聞録』(金港堂書籍 明治37年)

    ▽
 やはり「支那官吏の出資その多き」ゆえに、「支那商人」が「商界に覇と振へる」ことになる。かくして「以て支那官吏が、如何に貪慾に、如何に蓄財に熱心なるかを見るべきなり」。だが考えてみれば、権力をテコにした不正蓄財のカラクリはそのまま現在の中国にも当てはまりそうだ。

  結局、共産党幹部となって昇進すればするほどに「賄賂忽ち飛んで彼等の懷中に入り、官金濳かに來りてその袖に隱る」。その資金が“越後屋”に回る。権力と財力が合体し、富が富を呼んで資産が膨れ上がる。なかには越後屋を兼任する幹部がいたとしても何ら不思議ではない。これが権貴体制のカラクリというものだろう。

  ?小平が掲げた改革開放政策の実態は、共産党独裁堅持を唯一無二の目的に、政治改革を棚上げしたうえで、共産党独裁に抵触しない範囲で国内経済に関する規制を大幅に緩和する。その一方、海外の豊富な資金と先進技術を積極的に導入し、これにタダ同然の労働力を提供した。つまりは毛沢東が目指した「自力更生」の4文字で象徴される経済の自給自足体制を放棄し、毛沢東が“粒々辛苦の末”に築きあげた貧困の共同体からの脱却を狙ったものだ。

 タダ同然の労働力を求めて海外から押し寄せた企業は有利な条件を求め、あるいは同業他社を出し抜くため可能な限り、いや限界を超えてでも“即応”したことは想像に難くない。毛沢東の時代では考えられなかったような莫大な賄賂が「忽ち飛んで彼等の懷中に入り」、経済成長によって膨らんだ「官金濳かに來りてその袖に隱る」ことになった。「彼等」こそ、一党独裁のウマミを知り尽くした幹部だ。

 おそらく毛沢東の時代であっても幹部はオイシイ汁を啜っていただろう。だが、なにせ当時は人口過多の超巨大貧困社会である。であればこそ精々が人民公社の配下の綺麗な娘、あるいは別嬪の女房を手籠めにするとか、食糧切符をチョロマカスとか。その程度の、およそチンケなものだったに違いない。だが改革開放以後、彼らが手にした賄賂や官金の額は天文学的に膨れあがったのである。一党独裁体制の下での規制緩和であればこそ、極論

なら上は北京の中央政府から下は地方の郷鎮政府まで、規制のバルブの開閉は彼ら幹部のサジ加減一つ。ならば外国企業がもたらす「賄賂忽ち飛んで彼等の懷中に入」ったとしても、なんらの不思議もない。

  いわば?小平が毛沢東の幻想的革命路線をボロ雑巾のように棄て去り、経済最優先政策を遮二無二推し進めたことで、「如何に貪慾に、如何に蓄財に熱心なる」「支那官吏」がゾンビのように復活したのである。どうやらゾンビは、毛沢東時代がどんなに苛烈であろうが絶滅させることは不可能だったようだ。天上界で不老不死の丸薬を呑んだ孫悟空のように、煮ても焼いても死なない。いや殺しても死ぬわけがない。孫悟空にとっての丸薬こそが、彼らにとっては莫大な不正蓄財に当るだろう。

 林語堂によれば「収賄汚職は人民にとっては罪悪であるが、家族にとっては美徳である」(『中国=文化と思想』講談社学術文庫 1999年)ということだから、家族を解体し、家族主義を根絶しない限り、「収賄汚職」は永遠に不滅ということになる。

 さて高瀬は、さらに「利」について論じ、「利を好み、?金を愛することの極みは、遂に人の物を盗むに至る。泥棒根性の支那人に盛なるは、また何ぞ怪む足らんや」と言い切る。さすがに「泥棒根性の支那人に盛なる」とまで口を極めることは憚られるが、確かに我が新幹線技術を例にみるまでもなく、「遂に人の物を盗むに至る」との一言は、不思議と説得力を秘めている。
やはり山塞(パクリ)文化は永遠に不滅ということになるのか。
《QED》
         ▽△◎◎ヒ□◇▽イ□◎○ズ◎□○ミ○□◇
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)時差の関係だと思いますが、トランプvs習近平のフロリダ州会談、アメリカの新聞はまだ報じていません(日本時間4月7日午前六時現在ですが)、しかも全体的な印象ですが、アメリカ人の関心はシリアに向かっています。
 やはり、日米メディアの温度差がでているのでは?
    (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)シリアで化学兵器が使用され、100人以上が殺害された悲劇ですが、アサド政権がおこなったと米国は断定し、シリアへの軍隊増強を検討するなどとトランプ政権は騒ぎ出した。
 ロシアはアサド政権ではなく、過激派が使った可能性があるとしています。
 つぎにウクライナ問題をめぐり、ティラーソン国務長官が11日のモスクワを訪問すると発表されました。ペンス副大統領の来日は18日です。
 こうした状況の変化のなか、トランプ大統領がどこまで強気で中国を説得できるか、北朝鮮は主要議題から外れる可能性がでてきましたね。

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月曜日, 4月 03, 2017

宮崎正弘の国際ニュース・早読み< 「もし中国が同意しなければ、米国は 単独行動を取る」    トランプ大 統領、英紙フィナンシャルタイムズ--


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)4月3日(月曜日)
      通算第5252号   
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(速報)
 「もし中国が同意しなければ、米国は単独行動を取る」
   トランプ大統領、英紙フィナンシャルタイムズに語る
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 世界の多くのメディアが6日からの米中首脳会談に焦点を充てているが、多くは貿易戦争、通貨操作をトランプが攻撃し、引き替えに中国の大型投資を引き出すと、勝手な予想をしている。

 二人は同じ性格だからうまく合意できるという希望的な観測記事も華字紙では活発に報じられている。

 ところが英紙フィナンシャルタイムズの単独インタビューに応じたトランプ大統領は、「米中首脳会談で、もし中国の同意が得られなければ、米国は単独で(北朝鮮問題で)行動を取る」と答えた(FT紙、電子版。4月3日)。

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――「彼等の體力は實に野生である、獸性である」――(高瀬10)
  高瀬敏?『北清見聞録』(金港堂書籍 明治37年)

    ▽
 「行政機関八項工作承諾」の隣に掲げられていた「四項制度」なる規定が求めているのは、「政府自らの建設を推進し、政府工作の改革を効果的に促進し、行政機関の作風を好転させ、行政効率を高める」こと。これには、ゴ丁寧にも細目規定が付されている。

たとえば第一項目の「法治政府四項制度」は「重要国有資産処理監査制度/重要資源開発利用項目監査制度/重要投資項目監査・決算制度/重要財政追加予算・支出監査制度」。第二項目の「責任政府四項制度」は「行政問責制度/服務承諾制度/上司問責制度/期間内完結制度」。第三項目の「陽光政府四項制度」は「重要施策公聴制度/重要項目公示制度/重点工作通報制度/政務情報審査制度」。最終の第四項目は「功能政府四項制度」で、「行政成果点検制度/行政成本削減制度/行政行為監督制度/行政能力向上制度」となっている。

  漢字の字面を追っていけば内容は類推できるが、「陽光政府」の意味が判らない。だが「公聴制度」「公示制度」「通報制度」「審査制度」と記されているところからして、民意を汲み入れ、行政の透明性を高め、内外からの告発を真摯に受け止め、オンブズマン制度を確立した住民本意の政策を目指そうということではなかろうか。

 公僕の執務規定としては、先に挙げた「八項工作」と同じように申し分のないものだろうが、これが着実に日常業務に反映されていたなら、なにも態々持ち出すこともないだろう。ということは、現実はそうではないという証明となる。そこで、さらに関係者全員が拳々服膺すべき二種類の細則が付け加えられているというのだから、なんともご苦労なことだ。

先ず「行政問責事項」、つまりこんなことをすると罰せられますよ、という項目である。
「(一)命令事項を執行せず、禁止事項を行う。(二)独断専行し、施策を誤る。(三)職権を濫用し、違法な行政を進める。(四)ダラダラ仕事を引き延ばし、責任を転嫁する。(五)積極的でなく、日々を凡庸無為に送る。(六)上司を騙し部下にウソをつき、デタラメに振る舞う。(七)執務態度は冷酷で、仕事ぶりは粗暴である。(八)公費を浪費し、遊興に明け暮れる。(九)業務を秘密裏に処理して、監督逃れを図る。(十)監査に努めず、いい加減に処理する」の10項目。これを素直に読めば、役所に出勤しても仕事らしい仕事をせず、日がな一日、悪さばかりの幹部が少なくないということだろう。

これに加えるに「国家工作人員十条禁令」には、「一、本来の職務を遂行せず、職務を疎かにすることは厳禁。二、ウソで固め、上司を騙し部下を誑かし、業務を執行せず、引き伸ばすことは厳禁。三、物資購入の際に横流し、公共工事入札の際に手心を加えることは厳禁。四、職務権限をタテに相手業者に金銭、食事を強要することは厳禁。五、賭博に加わることは厳禁。六、公共の場での麻雀は厳禁。七、飲酒でイザコザを起こし、業務に支障をきたすことは厳禁。八、勤務時間中に本来業務を怠ることは厳禁。九、公金を高額遊興費に流用することを厳禁。十、如何なる理由があれ薬物の使用を厳禁」と10項目が。

こうまで「厳禁」の2文字が重ねられているということは、やはり彼らの真っ当な執務態度は期待できない。極論するなら単なるムダメシ喰らいならまだしも、地域住民にとって有害な幹部が少なくない、いや多いということの別の表現のようにも思える。

 高瀬は「賄賂の公行、官金の私消、因襲の久しき既に支那官吏社會の痼疾となりて、之を改むることは迚も爲し難からん」と。「嚴酷な刑罰」があろうが、それは「唯だ表面のことにして」、実際に適用されることはないばかりか、「今日否な今後とても、殆ど黙許の有様なり」と。かくして「黙許の有様」が延々と続いている。伝統×DNA=黙許。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)ヨーロッパ出張で、本日パリに着き、娘婿のフランス人と食事をしましたが、その際、ちょっと面白い話を聞きました。
先週、近所の中国人がうるさすぎるという事で、隣人が警察に通報、警察官がその家を訪ねたところ、主人が出てきて、肉切り包丁を振り回したか、切りかかってきたため、警官が発砲、主人は亡くなったそうです。
しかし、その家の人によると、主人は丁度調理中で、偶々包丁を持っていただけ、殺すのはひどいと訴え、パリでは中国人による抗議デモが発生、中国マフィアや、例によって中国政府がデモを後押し、ネットでもあおっているとの事で、かなりの騒ぎになっているようです。
日本では全く報じられていないようですが。来訪者を迎えるのに、肉きり包丁をもって出るという方が、非常識と思いますが、根底には、フランスでも評判の悪い中国人に対する厳しい対応が増えているという事でしょうか。
  (和魂洋才 田中拝)


(宮崎正弘のコメント)この事件はサウスチャイナモーニングや在米の「多維新」などにでていました。写真入りで大きくでたので、てっきり日本でも報じられたと思いこんで、小誌では採り上げませんでした。



   ♪
(読者の声2)東京では桜(ソメイヨシノ)が満開とのニュース、浅草から秋葉原まで散歩してきました。
隅田川沿いの桜は三分咲きから五分咲き程度、それでもレンタル着物の外国人観光客は嬉しそう。中国人が圧倒的ですがタイ人やマレーシア人も。団体旅行でおなじみの旗ですが、○○旅游といった中国系の旗もある。大手旅行会社HISの旗を持つのはタイ人男性。HISは今やタイ国内に十数店舗、タイから日本へのインバウンド需要も伸びているのでしょう。
桜にちなんだのか、みなピンクの着物。マレーシア女性は着物にピンクのスカーフ姿が面白い。
中国人カップルでは男性の着物姿も多い。さらに小さな子供に着物を着せて七五三のように記念写真を撮りまくる。昨年と比べても着物姿は急増している印象を受けます。
 産経新聞、3月23日付【石平のChina Watch】には中華民国時代を懐かしむ人がいかに多いかが、様々な例で紹介されています。
『例えば先月下旬、民国時代に刊行された小学生用の国文や修身の教科書が上海の出版社から復刻されたが、それが全国の書店で陳列された途端に一気に売り切れとなって、各界から絶賛の声が上がった。今から約90年前に編纂された民国時代の教科書が再び歓迎されたことは、現在における民国神話の根強さを示すと同時に、共産党政権下で編纂された今の教科書がいかに不人気であるか、ということを証明している。
同じ今年2月、山西省太原市の地元紙、発展導報の記事によると、太原市の育英中学校という有名な進学校が1億元(約17億円)以上を投じて新校舎を建設し、それが完全に懐古的な「民国風建築」として設計されているという。今の中国で「民国風」と言えば、それはすなわち典雅や上品のイメージである。
 
今月にはこんな出来事もあった。雲南民族大学の4年生が校内で民国時代の学生服や知識人の服装を身につけ卒業記念写真を撮った。彼らはわざと、現代のカラー写真ではなく、いかにも民国風情のモノクロ写真を撮ってそれをネットで流したが、直ちに全国で大反響を呼んだ。
 民国風に憧れているのは若者だけではない。
今月3日に広州の新快報が流したニュースによると、広東省東莞市で、数十人の高齢者が民国風の優雅な正服に身を包み、民国風の化粧も施して、「人生最後の記念写真」を撮らせたという。おそらくこれらのお年寄りにとって、民国の「古き良き時代」こそ、自分たちの人生の最後に帰依するところではないのか』
http://www.sankei.com/column/news/170323/clm1703230004-n1.html

 中国の中高生の制服といえばダサいジャージ姿。ところが「民国 制服」で検索すると中華風の上着にスカートといった「中洋折衷」のおしゃれな制服が出てきます。
http://www.enkyouhyakka.com/china/dento/jyosi.htm
 戦前の上海の女学生はそのスカートのサイドにスリットを入れて美脚を誇示したという。1940年代の東京で女性がモンペ姿の頃、北京では旗袍(チャイナドレス)で自転車を颯爽と乗り回す女性がいたことも日本人が記録しています。
中国人に着物がこれほど人気なのは、「文革」ですべてを破壊された中国人が古き良き中国の伝統を日本の着物に見出しているのかもしれません。
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)拙宅の裏が新江戸川公園でやはり桜の名所ですが、外国人がやけに多く、名物の提灯が並んで桜並木を飾っているのを珍しそうに写真に撮っていましたね。宴会風景も日本独特で、シャッターの対象でした。
  昨日、小生は所用あって上野から列車に乗ったのですが、朝の7時から、上野公園は外国人で一杯、それも中国人、韓国人、西洋人、亜細亜人。やっぱり、一番五月蠅いのは、「かの国」の団体ですが。。。。
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中国は景気後退、バブル破産が秒読み、暴動が各地で起こり治安が悪化した。
 しかしトランプ政権の政策が議会の反対で座礁しつつあり、両者矛盾を抱えたまま、東アジア外交に熱意を入れることができない。こうした状況で日本はどうなるのか?
 
  
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宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
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宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
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日曜日, 4月 02, 2017

23年ぶりの学会発表

昨年11月、もっとも仕事で忙しい時期であったが、自分で大学に提出したそれまでの研究のまとめとして、和文でいいからまとめて出せとの要請で書いたA4片面で約200ページに及ぶ(図表、引用文献を含む)一応論文のつもりでまとめた書類の控えを自己用に持っていて、それを時々開いては眺めていたがある一説が気にかかり、それだけで学会発表には相当すると思い、翌年の発表をいささか慌てて申し込んだ。

年齢・植栽密度の異なるアカマツ幼齢林分の呼吸消費量の推定について

Estimation of bark respiration loss of young Pinus densiflora stands differing their ages and density

書き上げたのは1995年9月の初め頃である。本来はその年の4月までにという要望だったが、書き始めると思ったほどはかどらず、おまけに5月に盲腸炎にかかり患部が大きな明太子ほどに腫れ上がり、全身麻酔の手術となり、右下腹部に長さ12cmほどの縦の縫合跡がのこっている。会社は2週間の休みが取れたが、どういうわけか出勤扱いとなり、給料が出たりしたので、早めの現場復帰となり、新座市で下水マンホールの蓋を開けた時などは傷口がピリッと破け1センチほど口を開けた。

たしかに努力はしたのだろうが全身麻酔による頭のボケもあり、日々の努力の有様は書いたものだけがのこっているだけで、どういう思いをしていたかの記憶はまるでない。

学部長は翌年の春には退官の予定だったので、半年でD論の審査は無理であり、申し送り事項とするから、このまとめの内容を最低3報以上の外国語(通常英文)として発表すれば教授にかかわらず学位審査請求が可能となる、とのお達しであった。

今覚えているのは、書き上げた論文を東京駅経由で大学に運ぶ途中そうとう高揚した気分であったということだけである。

その後、1996年8月にブルガリアのPlovdiv工科大学で毎年開催されている世界微分方程式会議に出席し、帰りはロンドンのキュー植物園を見学して、ヨーロッパアカマツや米大陸に分布する各種のマツ類なども見て帰った。

帰るとすぐに数学系の論文はLaTeXで書いて出すのが流儀となっていて半月から一ヶ月ぐらいでまとめて提出しておいた。この論文は英語での口頭発表約40分ほどの内容をまとめたもので、VSPという書籍に載せて頂いた。
RE-EXAMINATION ON VALIDITY OF ANALYTIC SOLUTION OF BESSEL'S EQUATION TO ESTIMATE THE MAGNITUDE OF FLUCTUATION OF STEM WOOD TEMPERATURE IN
STANDING Pinus densiflora TREES
PP147-154, 1967
Proceedings of the Seventh International Colloquium on Differential Equations
Plovdiv. Bulgaria. 18-23August. 1966
Editor:D. Bainov ///VSP/// UTORECHT, THE NETHERLANDS TOKYO JAPAN

この経験が自信となり、学会誌にもページオーバーの英文誌が載ったが、続けて書こうとしたが中味が結実していないので書けずに撤退。

科研として約1000万円ほど申請していたので、指導教官も中間報告を書き上げ、以下のようなタイトルの報告書を発表した。

樹皮呼吸の生態生理的研究 56480045
「昭和58年度科学研究費補助金(一般研究B)研究成果報告書」
昭和58年3月 研究者代表 *****
*大学農学部

 V. おわりに

 はじめにのべたように、樹皮呼吸は木化し、かなりの厚みをもち、しかも内部の通水組織に水が流れている、光合成器官の呼吸である。樹皮呼吸の生態生理的特性のなかで、かこまれた特徴のある『日中低下』は、上記の厚み、樹液流にくわえて、地中深くまで根系ををのばし、熱の伝わりにくい樹皮などの組織に幹や枝をもつ。樹木ならではの現象であろう。

 日中低下の原因の解明には、直接的な方法、たとえば呼吸により排出されたCO2の、幹内部での移動を追跡する方法がとれればつごうがよい。現実的には、こうした方法が困難なので、間接的な方法によって、原因を調べた。

 樹皮呼吸の日中低下を最初に報告したGEURTEN(1950)は同時に樹皮からの蒸散を扱ったこともあってか、原因として日中欠差を示唆している。そうした背景もあって、ここでは原因になりそうな要素の中から、まず水分欠差による呼吸自体の低下をとりあげた。結果としてはこうした生理的要因は比較的関係が少ないのでは、ということになったが、日中低下の原因をを生長の昼夜のリズムのような、ほかの生理的要因にもとめる考え方もある。(EDWARDS & McLAUGLIN 1978)。

 これらに対して、ここでは樹液流が関係する物理的要因が、日中低下の要因としてより有力との結論になった。樹液流による冷却や樹体温度の小さい日較差が、樹皮呼吸の日変化を特徴づけているとの報告はほかにもある(KUNSTLE & MITSCHERLICH 1976)。

 樹種によって樹皮呼吸速度の日中低下のおこり方に差があるかどうかは、はっきりできなかった。もし極端な樹種差があるということになれば、その理由をあきらかにすることによって、日中低下の原因をさらに検討できるかもしれない。

 樹皮呼吸量の推定に関連のある研究項目は、なお資料の整理中である。そのなかに樹皮呼吸の単位速度を求める場合の試料として、切断試料と傷つけない自然のままの立木の、いずれが適当かの問題がある。上記のように樹皮呼吸の日中低下が、呼吸自体の低下ではなく、主として物理的現象であるとするならば、この点に関するかぎり、一見不自然に見える切断試料のほうが、問題が少ないということになる。

   引用文献 略。


この資料のIV. まとめ
に移る前に以下のことわりが挿入されている。

 なお本研究の出発点のひとつである、樹皮呼吸による呼吸量の推定に関連して、主としてアカマツを対象にして、以下のような項目の検討が進行中である。いずれも最終結果をえるまでには、若干の時日を要する予定である。

1)幼齢林分の現存量、とくに樹皮呼吸量推定ののための非光合成器官の直径分布、年齢分布。
2)切断資料と立木でえた単位呼吸速度の比較。

3)呼吸速度の計算に使用する温度(気温、樹皮温度、木部温度、あるいは日平均気温、日平均温度など)が個体または林分の呼吸消費量推定値におよぼす影響。

4)樹皮呼吸速度の日中低下が、個体または林分の呼吸消費量推定におよぼす影響。