月曜日, 4月 10, 2017

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <米中首 脳会談はひとつの成果もなく、事実上は失敗

─…─↓ メルマ!PR ↓─…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─
ECCでまずは無料で体験英語レッスン♪
ビジネスマン向け、シニア向け。様々なコースで自分にあった学習が可能!

いまより少し、世界を広げてみませんか。
http://rd.melma.com/ad?d=60U0gRHpb0l0sQWq60VBmu9Tb1bdXqoq8ecb35c8
…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…─↑ メルマ!PR ↑─…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)4月9日(日曜日)
      通算第5260号   <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 米中首脳会談はひとつの成果もなく、事実上は失敗
  トランプ記者会見で、米中会談に一言も触れなかった
****************************************

 フロリダ州パームビーチのトランプ別荘は中世ヨーロッパの古城のような風格、空から見ると、まるで軍事要塞でもある。役者二人は、表面的にニコニコしながら、一応握手もしたが、習近平の緊張ぶりは画面にもでてきた。

 夕食会の冒頭、トランプは「個人的な関係は深まった。合意に到らない点もあったが、概ね良好な関係を築けたと思う」とだけ発言した。
中国側の出席者の顔は引きつった人が多い。

 夕食会の出席メンバーを一瞥すると、この首脳会談に両国とも相当な心づもりで臨んでいることが分かる。
とくに通商が第一議題とばかりに、米国はムニューチン財務、ロス商務が左脇を固めた。ふたりおいてバノン顧問。右脇にティラーソン国務、マティス国防は当然にしてもプリーバス、端っこがクシュナーと三人の大統領顧問全員が列席しており、トランプ政権の中枢は誰々が握っているかの権力状況が把握できる。

中国側も王洋副首相(米中戦略対話責任者)が習の左を固めた。右には王炬寧、栗戦書、劉?らの経済ブレーンばかり。そして軍からは房峰輝参謀部長、鐘山・商務大臣が隅っこに。外交関係では王洋のとなりに楊潔チ国務委員、ひとりおいて王毅外相という布陣だった。

 この陣容から判断できることは習近平の外交政策最高意思決定レベルが、奈辺にあるか。とりわけ団派の王洋が出席していること。軍からは国防大臣や中国軍事委員会副主任らをさしおいて、房峰輝が出席していることは留意しておくべきだろう。

 中国側はトランプの過去の発言からして貿易不均衡、為替操作などきつい要求が出ることを警戒し、万全の体制で臨んだと考えられるが、結果的に一つの成果もなく、会談後、中国の記者が嘆息したように、「トランプの記者会見はシリア問題だけ、米中首脳会談には一言の言及もなかった」のだ。

 北朝鮮問題でいかなる議論が交わされたのかは明らかではない。「北の核開発は脅威であり」「レッドラインを越える状況にある」という二点が共通の認識とされたが、あとはお互いの腹の探り合いだったようだ。また儀礼的に習近平の招待に応じ「年内の訪中」が合意されたが日程は未定とされた。
 習近平は会談後、さぞ肩を落として中国へ帰る飛行機に乗ったことだろう。
         
□○○み□◎◎や○◎○ざ○○□き□◇◇  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  

 ♪「仰げば尊し」の美談に隠れてきた台湾原住民の過酷な運命
    清軍と戦い、日本統治に反旗、のち協力。やがて国民党がやってきた

   ♪
菊池一隆『台湾北部タイヤル族から見た近現代史』(集広舎)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 それにしても、いまのような享楽的で刹那的な時代に、こういう地道で真摯な研究書を出版する良心的な書店があるというのは驚きである。
 版元の集広舎は、これまでにも一般読者とはあまり縁のなさそうな分野の、たとえば、文革や南モンゴルの近現代史の研究書を多く出されているが、本書は台湾の少数民族というより原住民の苦難の歴史を綴った珍しい本である。
 なんの偶然だろう、評者(宮崎)が、本書を手にする前夜、来日中の許世偕(元駐日大使)を天ぷらをつつき、酒を飲みつつ、様々な話題を語り合っていたのだが、本書に出てくる国民党の二二八事件以後の「白色テロ」の詳細についても話題が及んでいた。そして、その話が後半に出てくるのだ。
 読み進んでいくと、許世偕氏の名前もでてくる(75p)。氏は『土匪』の反乱を三つの期間にわけて研究されている。
 さて、日本人がおおいに台湾原住民を誤解したのは、下関条約で割譲を受けて以来の公民教育が「うまく行っていた」という神話の類いからだろう。たしかに日本人教師は懸命に台湾の子供達を教えて、貧乏な子には弁当もわけて、家族のように育てた。
 いまから二十年ほど前まで、そのときの台湾の教え子らが来日すると、恩師を呼んで半世紀ぶりの同窓会、謝恩会をほうぼうで執り行い、評者も何回か招かれたが、最後にでてくる歌は「仰げば尊し」と涙だった。
 日本の統治時代、台湾原住民を日本の当局は7種族に区分していた。
 タイヤル族、サイセット族、プヌン族、ツオウ族、パイアン族、ヤミ族、アミ族。これらを総称して「高砂族」と言っていた。

敗戦後、台湾が唐突に「中華民国」となると、パイアン族を三分化したので、9種族となった。近年の研究の結果、さらに細分化され、たとえば、タイヤル族は、タロコ族、セデック族に分化されたりしたため、台湾原住民は合計16種族となっている。
 著者が注目したのは、このタイヤル族である。
 タイヤル族が滅法戦争に強いことを、当時敵対した日本軍が発見した。
「男は狩猟者、農民であり、同時に「戦士」である。武器は銃(モーゼル銃、村田銃、レミントン銃ほか)、蕃刀、槍などが主であり、特に銃がないと恥とする。男は老人、病人、幼児を除いてすべて戦闘に参加する。女は武器を取って敵と戦うことはしないが、戦闘のための食料準備、負傷者の看護など後方支援にあたる。このように部落全体が一つの軍隊といえる」
 戦闘力は抜群であり、しかし死を軽んじたりはしない。
 日本の統治を悩ました原住民の反乱、襲撃事件は霧社事件が象徴する。そして原住民と融合的となり、統治の末期、日本は原住民から志願兵をつのりフィリピン、ニューギニアへ派遣することになった。
 これが「高砂義勇隊」と呼ばれ、勇猛果敢に戦い、その死亡率は部隊によっては八割にも達した。
 日本の敗戦後、こんどは蒋介石国民党がやってきた。かれらの一部が騙されて、中国大陸に送られ、内戦を戦い、また多くが死んだ。悲劇に満ちた原住民の歴史を淡々と本書はまとめ上げた。
 貴重な研究成果と言える。
            □◇◎▽◎
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
   ♪
(読者の声1)【第32回 家村中佐の兵法講座】~兵法書として読む『古事記』『日本書紀』
日本最古の史書とされる『古事記』『日本書紀』には、遠い昔から今に伝わる日本人の戦争観や武力行使のあり方、優れた戦略・戦術や軍隊の指揮・統率など、現代社会においても十分に役立つ「最高の兵法書」としての教えが数多あります。
今回の兵法講座では、仲哀天皇と神功皇后の御子であられた応神天皇の御代、ツクノスクネらによる新羅遠征や、皇位継承をめぐるオホヤマモリノミコトの反逆などについて、図や絵を用いながらビジュアルに、分かりやすく解説いたします。
記
日 時:4月15日(土)12:30開場、13:00開演(15:30終了予定)
場 所:靖国会館 2階 田安の間
講 師:家村和幸(日本兵法研究会会長、元陸上自衛隊戦術教官・予備2等陸佐)
演 題:第6話 応神天皇
参加費:1,000円(会員は500円、高校生以下無料)
お申込:MAIL info@heiho-ken.sakura.ne.jp
 FAX 03-3389-6278(件名「兵法講座」にてご連絡ください。なお事前申込みがなくても当日受付けます)
(日本兵法研究会)
        □◎◎○ ○◎○▽ ◎○◎○  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため4月13日―17日が休刊となります  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ♪♪
宮崎正弘 新刊ラインアップ
*************
『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず潰される』(徳間書店。1080円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4198643660/
『トランプノミクス』(海竜社、1080円)
『日本が全体主義に陥る日―旧ソ連邦・衛星国30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円)
『世界大乱で連鎖崩壊する中国、日米に迫る激変 』(徳間書店、1080円) 
『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) 
『中国大恐慌以後の世界と日本』(徳間書店、1080円)
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社、1512円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)

♪♪♪
<宮崎正弘の対談・鼎談シリーズ> 
@@@@@@@@@@@@@@
宮崎正弘 v 石平 『いよいよ、トランプが習近平を退治する!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 渡邉哲也『世界大地殻変動で、どうなる日本経済』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 福島香織『暴走する中国が世界を終わらせる』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、以上三つは1080円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』
(ワック。994円)
**************
宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
        □◇▽□○◎□◎○□□▽▽ 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため4月13日―17日が休刊となります
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2017 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

───────────────────────────────────
■今回の記事はいかがでしたか?
 下記ページより、あなたが記事の評価を行う事ができます!
  http://melma.com/score_v0F08QCqU0GBcujTK1gdIqeqa9253707/ 

□このメルマガのバックナンバーやメルマガ解除はこちら
  http://melma.com/backnumber_45206/ 
□その他のメルマガ解除や登録メルマガの検索はこちら
  http://melma.com/contents/taikai/ 
───────────────────────────────────

0 件のコメント: