月曜日, 6月 25, 2007



『昭和史からの警告』(戦争への道を阻め) 船井幸雄・副島隆彦著、ビジネス社、2006年、6月23日発行

ベストセラー「日本壊死」のコンビが放つ警告の書!とあるが、迂闊にもほぼ丸1年間、存じ上げなかった。

本当は、以前から「次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた」という徳間書店から出ている副島隆彦氏の本を読みたいと以前から思っていたのだったが、なかなかそこらへんの本屋さんには置いてあっても下巻だけだったり、他にもいろいろと目を引く本に目移りしたりして、買うチャンスに恵まれなかった。

それで、とりあえず、この本からでも読むかと手にしたのだった。

小室直樹氏は、昭和史関連で、日中問題は、日米問題だった、と過去に何度も繰り返された。西尾幹二氏は、どこで書いたか忘れたが、日米戦争こそがアメリカの最大の間違いだったと言っていた。その時はそうおもったのだが、ここに書かれている事実を見ると、いままでの歴史の見方からさらに数歩すすんだという感じがする。

「私も折にふれて副島さんの話を聞き、今回のテーマとなる「副島史観」にはほぼ全面的に賛成しています。日本が明治、大正から昭和20年までに歩いた大日本帝国の歴史が、大方は仕組まれたものだったということ。そして、世界にはそれを仕組んだ人たちと、その日本国内の手先を務めた者たちがいて、彼らが「内側から鍵を開けたんだと言うこと。まずはこの2点です。」(船井)



船井氏の弁にあるように、明治維新さえも仕組まれたものだった、ということ。週刊誌で以前取り上げられた記事は、そうか、この本の内容についての特集だったのか、と思い至った。司馬史観も批判されているが、司馬史観も、知っていてあえてアメリカの裏政府に迎合したのか、知らずに独断と偏見で、売れる本として仕立てあげたのかは定かではないが、私は司馬史観はどういうものか知らないし、司馬氏の著作は、数ページ読んだだけで、以後手にしていない。私の好みが遠ざけたといえば聞こえはいいかもしれないが、ロマンを感じなかった、といえば嘘ではないと思う。大学書林から出た島岡茂氏のロマンス語文法などという場合のロマンだが。怪奇性がないと、興味がわかない、という点はたしかにある。

9.11のアメリカのテロが自作自演のやらせらしい、ということは今や多くの著作が指摘していることで、アメリカで911は日本の119の電話番号で、こうした数字あそびはアメリカがよくやる手なので、テロリストたちはそこまでアメリカ化していたのかと、当時は思った。アメリカでは、犠牲者たちの400家族がブッシュ大統領を相手どって告訴したらしいが、日本でいう最高裁で裁判自体が却下されたという。




小泉元首相を戦前の首相、田中義一と似ていると指摘しています。いっぽう、スターリンの謀略説もありますが、合わせ鏡で見ると車の両輪で、共産主義を「製造して」対立王朝を滅ぼしたのも一部の米英の奥の院
ですから、なかなか一つ所だけを研究してみても分かりにくいようです。まだ、副島氏などは、張作霖事件も、KGBが日本軍が実行したと見せかけた、という最近の説を引用していませんが、KGBはモスクワ直属であるとしても、共産主義そのものが、アメリカの奥にそれを利用し、国民を欺くものとして、巧妙に超遠隔操作する道具立てとしてあるようなのです。

渡部氏などは、コミンテルンの数十年先を見通した計画にのせられて、と書いていますが本当はアメリカかもしれないし、また、積極的にコミットした日本の一部かもしれないし、事実は小説よりも奇なり、です。

真珠湾攻撃時、米政府高官は夫人同伴で「お茶会」をしていたという。公文書として開示され出したための判明らしいが、無線中継で、連合艦隊が近づき、真珠湾を攻撃するさまを実況で聞きながらのお茶会だったそうだ。

小室直樹氏も、最近そこまでは言っていないが、真珠湾の攻撃も、ミッドウェーの戦いも、山本長官が指導したのだが、どちらも行う必要のない作戦だった、と栗林大将本で指摘している。なにしろ、海軍首脳は大反対、それをやらせてくれなきゃ、辞めるとまでごねて、そこまでいうのならとやらせたらしい。東条英機首相などは、結果発表まで、知らされていなかった。

この前のNHKの番組でも、真珠湾攻撃の後、敵空母がいないので、探して戦いましょうと言う派遣軍の進言を
中止したのが、国内にいた山本長官だという報道があった。

外務省の情報畑一筋で、最後にミャンマー大使となられた岡崎久彦氏も、数ヶ月前、運命の片道切符を切ったふたり、として、日本を引き返せない戦いへと導いた者を強いてあげれば、日英同盟を進んで廃棄した幣原喜重郎、真珠湾攻撃を指揮した山本五十六と、はっきり指摘した。

終戦時、切腹した阿南大将は、死の直前、米内を切れ!と側近に漏らした、という。気付くのが遅かった、
ということか。近衛首相の対中戦線拡大時に、共産主義者としては尾崎などが、軍関係としては、どういうわけか、海軍の米内海相が積極的に関与している、という。

児島壌氏の「東京裁判」を読むと、戦後の教科書裁判での家永教授などは、昭和20年の夏にはすでに米軍のリストに協力者として載せられていた、という。戦前は皇国史観で有名な東大の先生がだ。

「これに対して、1920年代に入ると多くの軍人および政治家が対日戦が発生する可能性が極めて高いと判断していた。この為オレンジ計画は重視され、幾度かの検討を繰り返した後に、真珠湾攻撃時にはレインボー計画と呼ばれる戦争計画に発展していた。」とネットにあるように、オレンジ計画は、日露戦争後二年後には将来を予想して、策定されている。まさに平和のときこそ、戦争をシュミレートして備えなくてはならないわけだが、隷属状態の現状では、一般に思いもよらない。コミンテルン計画も、ほぼ同時期にスタートして、日本をして対米戦争へと遠隔操作する機能を果たしたかの解説が保守系にはある。


いぜんNHKでも、大正時代にすでにアメリカは日本各地の都市模型をつくり、空爆の時間帯などの検討をビジュアルにしていたと報道していた。まあ、戦前は一般雑誌でも、日米戦のシュミレーション記事が山ほど載ったようだが。

いずれ、日中は戦争に誘導されるという予想も。安倍政権は、その実現を速めそうだという予想も。
日高氏は、ヒラリー政権になれば、アーミテージ氏が復活すると信じている安倍側近をきらって、安倍首相の訪米では、国賓待遇を外したというような可能性も指摘、最大の問題は、日本の政治家が国際政治、国際外交(だましの現場)を欧米圏の常識で捉えられないことを指摘しているのだが。

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