土曜日, 2月 06, 2016

宮崎正弘の国際ニュース・早読み  (hongkon bookseller)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)2月6日(土曜日)
         通算第4802号 
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 あの銅鑼湾書店の行方不明五名はいま?
  習近平スキャンダル本出版寸前だったが、深センにも支店開設準備をしていた
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 国際問題に発展している。
五名が行方しれずとなった、あの香港「銅鑼湾書店」事件。社主と店長が外国籍(スエーデンと英国)であるため国際問題となった。
英国外相は王毅に対して「調査してほしい」と要請したところ「これは内政問題、口を出すな」と傲然と言い放ったとか。

銅鑼湾書店の社主はタイのリゾートで行方不明となったが、監視カメラに連れ去られる情景が映っていた。中国共産党の指令を受けたマフィアの仕業ではないかと香港情報はいう。

銅鑼湾書店は以前からチャイナウォッチャーの間では有名な存在で中国関連書籍、とりわけ共産党高層部の批判、スキャンダル本を集めている。
福島香織さんも、香港へ行くと必ず立ち寄り、店主と会話しながら、その推薦に従って書籍を買い集めた。もちろん、筆者も香港へ行ったときに立ち寄ったが、店はシャッターを閉ざし、閉鎖していた。ドアの落書きには『頑張れ』と「潰れろ」の両極端の書き込みがあった。銅鑼湾書店の前の歩道には同じような屋台の店があり、批判本をずらり揃えて販売していた。

同書店は習近平のスキャンダル本出版寸前だった。
相馬勝氏によれば、中国が睨んだのは習近平の初恋物語で、相手の女性は振られた後に「自殺」したというから穏やかではないが、原本は在米の博訊出版社から刊行される予定だった。

その本を銅鑼湾書店が扱おうとしており、また「当局の発表では深センにも支店開設準備をしていた」(サウスチャイナ・モーニングポスト、2月5日)という。

 習近平政権になってから人権派弁護士、活動家の拘束が続いており、すでに200名前後が拘束されたまま消息がない。

同様な言論弾圧はほかにもあり、『ゴッドファザー習近平』の中国語版を用意していた蠅文田社長が深センで密輸容疑をでっちあげられて逮捕され、なんと懲役十年。『新維』を発行する王健民社長も同じく深センで不当に拘束され、近く裁判が始まるという。

これらの事件が物語るのは香港の主権が侵害されているのに、『一国両制度』を楯に香港の行政当局が適切な措置を講じていないことも挙げられる。
あの雨傘革命から一年、香港の学生等はつぎの抗議行動を準備している。

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◆書評 ◎しょひょう ▼BOOKREVIEW ●書評 ▽
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 アメリカ人宣教師は朝鮮半島に何を見て、どう考えたのか
  ロシアと日本の闘いをアメリカという一段高い視点から総括

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アーサー・J.ブラウン『朝鮮はなぜ独立出来なかったのか』(花の木出版)
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 「朝鮮の宮廷は絶望的に腐敗し、迫り来るロシアの脅威に朝鮮文明は歴史から消えようとしていた」
 こう書いた著者は朝鮮人を愛して止まなかった。ブラウンはアメリカ人宣教師で、日本のほか、朝鮮、フィリピン、シリアなどに布教活動。本書を含めて十冊の著作を著し、いずれもがかなり客観的に世界情勢を分析している。
日本と朝鮮に関して熱烈に、しかも客観的な態度を心がけながら情況を叙述した証言的な記録で、1919年にアメリカで出版されていた。イザベラ・バードの『朝鮮紀行』よりはるかに情報が多く、描写も詳細を極めている。
しかし、やはり「宣教師」の目である。「キリスト教がのぞむ全世界の平安」という語彙がさりげなく挿入され、しかし日本は日露戦争中もロシア正教会の布教を寛容に容認しており、また売春婦や麻薬に関しても宣教師の立場から日本に批判的である。アヘン戦争を仕掛けたのは英国、それで大いに稼いだのはアメリカじゃなかったっけ?
しかしブラウンはこう書いている。
 「(日露戦争での)日本の勝利は、日本だけではなく、朝鮮、中国、そしておそらく世界に新しい時代をもたらし、極東政治の形勢を一変した。日本は第一級の大国の一員として認められ、あらゆる場所で、ロシアの威光は弱まった。それは日本の指導下で、朝鮮が再建されることを意味した。そして人類の三分の一以上を占める極東の大勢の人々が、ロシアの有害な絶対主義の影響に飲み込まれてしまうかも知れないという恐怖を消し去った」
 本書は800ページを超える浩瀚。近代史に興味の薄い人にとっては大冊すぎて気が重くもなるが、当時の朝鮮人の生活実態、進出して生きた日本人の生き様、制度、官憲の態度など、やはりアメリカ人の視点から見た書き方ではある。

 この本は「欧米人がみた朝鮮シリーズ」三部作の一環で、さきにも当該書肆からはジョージ・トランブル・ラッドの『1907』、アレン・アランウッドの『The NEW KOREA』が翻訳出版されている。いずれも本邦初訳である。

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 読者の声 どくしゃのこえ ERADERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)『正論』今月号、宮崎先生の台湾ルポを拝読しました。台湾総選挙ならびに総統選挙報告はたくさんでましたが、門田隆将さんの記事と先生の現場報告は迫真の気魄が籠もっていて、感心しながら読みました。
 そして先生が二年前に出された『台湾烈烈』(ビジネス社)をこれから読み返して、台湾問題の本義を考えてみたいと思います
   (BJ生、埼玉蕨市)


(宮崎正弘のコメント)台湾はすっかり先進国入りして物価が高くなり、吉野屋もスタバも日本より高いですね。物価高への国民の不満は日々高まっており、これから蔡英文政権の諸政策、まずは経済対策でしょう。



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(読者の声2)今月3日水曜日だったか4日木曜日だったか記憶が定かではありませんが、民主党の前原議員が国会討議で、政府のGDP600兆円への計画で、達成時には10年物国債の金利が4.5%になるとしているが、そんなことに成れば、現在債権を持っているものは持っている債権の価格が暴落して大変なことになると指摘しました。
流石鋭い指摘だと思いましたが、返答は曖昧模糊とした全く意味不明のものでした。確かに10年物国債の金利が4.5%になれば、現在既に発行されている債権の価格は暴落し、時価会計基準で決算書を作ると債権をたくさん持っている金融機関の資産が毀損し金融恐慌となります。
その前に海外投資家が円建債権を売り浴びせて極度の円安かつインフレとなります。
また、住宅ローンの金利は、6%くらいになって、高度成長時代のように5年で給与が倍にでもならない限り住宅ローンを組めません。つまり、建築業、不動産業は大不況となります。
 他の業界もこんなに高い金利では長期投資が細ります。
つまり、こんなことは余程の高インフレにでもならない限りあり得ません。またGDP600兆円が達成できるほど経済が成長すれば税収が増えるので、長期国債の発行量は大幅に減少し、その結果金利が下がるので、年率4.5%はありえません。
政府の計画とはいってもどうせ財務省が作成したのでしょう。
慣例で使っている公式に数字を入れて自動計算したのか、よほどの馬鹿か、その両方か、いずれにしてもそんなレベルの低い仕事をしても給料がもらえるとは、財務官僚は暢気な商売ですね。
 (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)国債暴落をいう人はユダヤの謀略を言いふらすレベルのことで、扇動が目的なのかも知れませんね。日本の国債は海外投資家の比率が極端に少なく、対外債務のない日本は対外純債権国です。
 したがって国債暴落はありえず、これからの日本経済にとって最大の懸念は過度の円高でしょう。

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 人民元と中国株の暴落で迫る習近平のXディ
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『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
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『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々  世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円) 
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宮崎正弘 v 石平 『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 大竹慎一 『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
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宮崎正弘 v 黄文雄 『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
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