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世論調査をみても、彼女への不人気は沸騰しており、『嫌い』というのが『好き』より多い。 好感度アンケートで、これほどの開きが出るとは民主党主流派も「こんな筈ではない」と臍をかんでいるに違いない。 もちろん」「トランプが嫌い」という回答する比率もヒラリーと並ぶほどに大きいが、トランプに嫌悪感を抱くのは殆どが女性である。 日本の報道がいまもニューヨークタイムズとCNNの分析や予測に偏っているから、トランプは勝つことなど考慮の対象外だった。日本の外務省もそう分析してきたため、日本政府はトランプの情報を3月15日までまじめに集めてこなかった。 共和党がトランプでまとまるという近未来の想定をのぞけば、「勝負は闘う前に明らか」などと民主党陣営は豪語してきたが、最近は「ひょっとして、トランプに負けるのではないか」という本能的な疑問が囁かれ始めた。 昨師走まで、全米のマスコミでもトランプは『道化師』扱いで、まともに取り上げたメディアはすくなかった。年が明けて、トップに立つと泡沫候補とはいえ、「可能性はゼロだが、面白い」となり、三月にフロリダでルビオを撤退させると、『ゼロではないが、限りなくゼロ』という論調となった。 三月末から情勢が激変し、トランプを見るマスコミの目が変わった。正式候補として射程にヒラリーとの対決が明らかになると、「ひょっとして番狂わせもあり」という予測が増えた。 しかも、ここへきてのヒラリーのあまりに連敗ぶり、そのうえ、サンダースが党大会で指名獲得できなければ、党を割って、かつてのアンダーソンのように独立候補で出馬に到る可能性がないわけではない。 ▼トランプに投票しているのは従来、党の予備選に参加しなかった層である しかしもっと大事な側面的現象をみのがしていないか。 トランプもサンダースも党の集票マシーンに依存していない。とくにトランプは共和党の組織的支援がまったくないのだ。 「勝手連」のようなボランティアがつどっており、しかもこれまで党員登録しかせずに予備選には投票しなかった層が、どっと投票しているのだ。 民主党はさめた有権者が多く、党大会予備選を棄権している層が目立つ。だから、勢いが違うのである。 共和党の予備選は党主流、保守本流が組織を挙げて推したルビオがフロリダ州でまさかの敗北、そのご、オハイオでテキサスで、それぞれが地盤のケーシックとクルーズが勝ったが、インディアナ州でトランプに負け、両者は撤退した。 今後、トランプは選挙戦をヒラリー攻撃一本に的を絞るだろう。そしてメディアがトランプの一斉攻撃に移行するだろう。が、FBIのヒラリー聴聞がトランプに味方するだろう。 そして、もし米国でフランス、ベルギーのようなテロが起きると、流れは一気にトランプに傾斜するだろう。 どうやら米国の選挙戦の勢いが、予期せぬ方向へ迸り出したようだ。筆者は月末にひさしぶりにアメリカへ出かけて、予備選の後半戦を取材することにしている。 ◇△□◇◎○□▽◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 宮崎正弘の新刊『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』発売 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ▼ お待たせしました! 大好評発売開始!! ♪♪ 宮崎正弘の新刊『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ――「トランプ現象」は一時的な熱狂なのか、それともアメリカの地下水脈がかかえる地殻変動の予兆か。予期せぬ「トランプ政権」誕生で、アメリカは孤立主義へ向かって突っ走るのだろうか? 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土曜日, 5月 14, 2016
宮崎正弘の国際ニュース・早読み 5/13
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