月曜日, 12月 03, 2007

ビル・ゲイツ氏はMacOSの次期仕様をWindows NTをベースにしてMac風にアレンジすればよいと、当然の如く考えていたそうです。アップルが次期OSのコアとして、BeOS、Windows NT、あるいは NextStepのどれにしようかと模索している時、アップルCEOのギル・アメリオに強くはたらきかけていたそうで、NextStepに決めたと連絡を受けて、烈火の如く怒りを露にしたそうです。ちなみに、BeOS側(ジャン-ルイ)も自分のところのOSで決まり、と踏んでいたらしく値下げ交渉では始終強気だったそうです。ビル・ゲイツはそれで、約束していたWindows NT 4.0でもPower PC上で動作できるようにするという仕様をとりやめました。


『ジャン−ルイと一連の交渉を行うかたわら、私(ギル・アメリオ)はビル・ゲイツとも頻繁に電話で話し合っていた。ビルはあいかわらず乗り気で、契約を結びたがり、技術的な壁を克服するために膨大な人材と資金をつぎ込むという約束を繰り返した。

うまく事を進めれば、「マッキントッシュのルック&フィールを備え、なおかつ、ウィンドウズの世界すべてと互換性があり、インテルのプロセッサ上で動くOS」が手に入るかも知れない。魅力的な長所だ。おもなアドバイザーも、ほとんど毎日のように、ビル・ゲイツとの提携を私に勧めた。しかし、技術的な問題が不安だった。ビルは大丈夫だと請け合ったが、やはり大変な難題に思えた。私はあれこれ言い訳をしながら、ビルとの交渉を引き延ばし、その一方で調査を始めた。』


Windows NTがMacの次期OSとしての目がなくなったときに、ビル・ゲイツ氏はジョブズはまったくのセールスマンで、エンジニアではない、とはき捨てるように言ったそうですが、彼の評価が正しいのなら、ジョブズこそ本当のセールスマンかもしれず、(最初に、アタリ社のゲームを開発した仲間をだまして300ドルしか渡さなかった、約束では500ドルということであった)、小生がセールスマンとするビル・ゲイツは先を越されたと思っているのでは、と思います。ビル・ゲイツは天才かもしれないが、すべてをマイクロソフト社で、というのでは無駄が多すぎる、と思います。事実、ジョブズは、Next のカーネルにMachをうまく取り入れているし、ビル・ゲイツ氏自身、MSDOSを作るとき、ある技術者が作ったものを、IBMが望んでいることはおくびにも出さず、安値で買い上げ修正してIBMに納品し、今日の繁栄の基礎を作りました。アップル社も、現行MacOSの基礎はゼロックス社のパロアルト研究所で原型ができあがったものにおよそ3年近い年月と当時の最良といわれるエンジニヤ達数百人を投入して初代Macへと至るのですから、マイクロソフトにいながら、再挑戦してもマイクロソフトを越える製品の再創出はかなり困難ではないか、と思います。だれが関わるかで、ほとんどすべて結果が決まってしまっているのです。

アップル薄氷の2000日だったと思うがそれを読んで、知人に紹介した1節。ビル・ゲイツ氏自身の愛機が
Macだとは昔から有名な話し。それで、何とかMacを吸収しようと手だてをあれこれ考えたのかもしれない。

しかし、技術的に不安だとアップル社のアメリオ社長は考えたというが、その原因にはあえて触れずに終わっている。それをいうと、Windowsの本質を言ってしまうことになるからなのかもしれない、と考えている。スカリー社長(スティーブ・ジョブスを追い出したアップルの社長)のときも、すでにインテル機、要するにIBM機で動くMacは出来ていて、いつマイクロソフトと合併してもおかしくはなかったそうだ。そうしたら、ウインドウズは、Macライクだったかもしれない。

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