月曜日, 5月 03, 2010
化学同人が発行した『生き物たちは3/4が好き』なる本の一部を前回しみずともこさんが引用して追加解説をされていることを踏まえて、ここでもとりあげた。
特に、「『1980年代半ばになって、依田のチームとそれに追従していた人々の、植物のサイズと個体群密度を対比させる方法にいくつかの誤りがあったことが明らかになった。そうした誤りのせいで、ふたつの特性の関係が実際より強いように見えていたのだ。データを再分析した結果、サイズと個体群密度を結びつけるはっきりしたパターンは認められなかった。1990年代半ばまでに、ほとんどの生態学者は自己間引きの研究に見切りをつけてしまった。』としており、」と書いて、その原因についての言及を避け、巻末にごく粗く関連文献をのせるだけであったので、それらしい文献を探して、1980年代は、依田(ら)の理論に多くの疑問が提出された時代の背景について少し見てみたいと思った。
しかし、もともと著者のホイットフィールド博士は、昆虫学で学位をケンブリッジで取られた方で、サイエンスライターではあるがこの方面のオーソリティではないためか、少し一面的に過ぎはしないか、と思うようなデータも最近出て来ている。
この本の日本語版は2009年だが、原著の発行は2006年であり、ということは、2003〜2004年頃までのデータや知見で書かれたことを予想させる。
グーグルで、自己間引きを検索すると、
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&source=hp&q=self+thinning&lr=&aq=f&aqi=&aql=&oq=&gs_rfai=
のように、1990年代以降、多くの研究例があり、『ほとんどの生態学者は自己間引きの研究に見切りをつけてしまった。』というような状況ではないようにも感じる。
会社の仕事が思いのほかはかどり、二日間の連休がとれたので、依田理論に楔を打ち込んだとされるWeller博士のD論のモノグラフを読み出して、あれこれ検索しているうちに、グーグル検索でトップにヒットした文献をとうとう、高いなと思いつつ、指先一本で購入してしまった。
機械的で下手な翻訳であるが、異を唱えたWellerたちの疑問にも言及しているようであり、この分野が活発な議論がすすめられ、解析方法の洗練もあり、時代の進歩を感じさせる。この筆者たちも、かなりの数式モデルを駆使しており(基本となる数式は26)、最終的に
Because biomass accumulation for most tall plants is three-dimensional, the influence domain D is roughly proportional to M ^(1/3).
Eq. (24) thus becomes: Eq. (25)
Eq. 25 is the traditional −3/2 self-thinning rule.と結論付け、さらに
"Other power-law relationships can easily be established based on different biomass and influence domain functions in the framework of fractal geometry. ”
として、最終的に式26で終わっている。
そして、”Therefore, we have accomplished the derivation of a generalized self-thinning rule for the different thinning exponents found in the ecological literature (the upper and lower limit bounds are − 1 and −3/2, respectively) (Yoda et al., 1963; Harper, 1977; Hutchings, 1983; Sprugel, 1984; Westoby, 1984; Zeide, 1987; Weller, 1987a,b; Lonsdale, 1990; Burrows, 1991; Adler, 1996; Enquist et al., 1998; Franco and Kelly, 1998). In previous theories, the thinning coefficient z was not given ecological meaning. In our approach, z is a function of average interaction intensity in a population, and serves as a system-level constraint that generates the self-thinning phenomenon”としている。
結論の一部では、
”Our result generates a new testable explanation for the underlying processes for this spatial pattern. It emerges from ecological interactions among individuals (or local spatial field effects). This explains the different empirically derived thinning exponents that have puzzled ecologists and challenged the generality of the rule.”とも述べており、より現実に適したモデル構築により、森林の時間的変化の様子が把握できそうである。
この文献は2000年の発行であるから、20世紀中の文献しか引用されていないが、ちょっと調べれば、2009年までのいろいろな文献をもGoogle検索で知る事ができる。少なくとも、自己間引きに生態学者が見切りをつけた、と結論できる状況ではないようだ。1970年生まれのホイットフィールド博士が、依田らの理論への大きな疑問の研究を若き20代に触れたために、それ以後の研究動向の変化に鈍感だったのでは、とも思える結果ではないだろうか。
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