日曜日, 7月 31, 2016

宮崎正弘の国際ニュース・早読み  (アメリカ大統領選挙は大激戦、ヒラリーは意外な苦戦に戸惑っている...)

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)7月31日(日曜日)
          通算第4974号  <臨時増刊>
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 アメリカ大統領選挙は大激戦、ヒラリーは意外な苦戦に戸惑っている
  民主党大会で10ポイントの差を開く予定が、逆にトランプと並んだ
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 民主党大会はベラルーシのミンスクのホテルでテレビを見ていた。
 サンダース支持者がしらけきって、ヒラリーが登場すると「嘘つき」とブーイング。異様な事態となった。
 サンダースのヒラリー支持演説は、会場がざわついていた。

 通常、党大会の後の世論調査は、その党の候補者がリードする。ところが、民主党大会直後の世論調査は大激戦をつたえ、トランプとヒラリーが並んでいるではないか。
 ヒラリーはここで10ポイントほど差を開く計算だったから、「何故だ?」と思ったことだろう。

 ちなみにベラルーシの人々はトランプファンが多い。ロシアと共通して、ヒラリーは嫌いな人が多かった。

 ともかくアメリカで「トランプ熱狂」は醒めていない。
反ワシントン、反エスタブリシュメント、反ウォール街感情がこれほど強いとは、想定していなかった。
激戦のフロリダ州では、僅かながらトランプがリードしている。
この勢いでペンシルバニア、オハイオを抑えるとトランプの奇跡の勝利が射程に入ってくる。

 さてモスクワ経由で帰国したが、アエロフロート機はロシア人で満員だった。日本観光は、かれらにも人気があるのだ。

 相模原の殺人事件は、BBCが一行だけつたえたので、知っていたが、詳細は帰国して新聞を読んではじめて知った。
BBCは、世界のテロ事件の一環のように「KNIFF ATTACKER KILLED 19 AT CARECENTER IN SAGAMIHARA」だけだったから老人養護施設が襲われたのかと想像していた。

(帰国後、すぐに地方講演旅行に出かけますので、8月3日まで休刊します)。
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう BOOKREVIEW 
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 文明開化、西欧化という福沢諭吉像を根底から逆転
  福沢は武士の魂魄を最も重んじ西郷を敬愛し勝海舟と榎本武楊を侮蔑していた

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渡邉利夫『士魂 福沢諭吉の真実』(海竜社)
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 日本人の福沢諭吉像は、とくに戦後、左翼思想の蔓延によって、歴史観がたっぷりとおかされたため、福沢は歪んで評価されてきた。
 論考の一部分を突出させ、重箱の隅をつつくような論評が多く、福沢を「西欧かぶれ」、「商業主義者」と断じたわけだが、せいぜいが『学問のすすめ』と『文明論之概略』くらいしか読んでいないからだろう。
『脱亜論』と『痩我慢の記』はあまり重要視されていない。そればかりかこの二つの作品に対しては悪評が多く、ときに福沢にはウルトラ右翼のレッテル貼りもなされた。
 福沢はときの政府を筆法鋭く批判するメディアを創刊し、死の直前まで健筆をふるったが、一方で朝鮮独立分子を支援し、留学生を自宅で扶養し、あげくには独立運動の闘士だった金玉鈞を匿った。つまり「武士の魂魄」を至高の価値として重視した稀な愛国者であった。
 福沢の思想の基本は「武士は二君に仕えず」であり、そして一番重要なことはマーター(殉死、殉教)であると言っている(福沢は「マルチムドム」と書いた)。
 したがって西郷への哀惜は尋常ではなく、その反面で、武士道の風下にもおけないのが勝海舟と榎本武楊であると筆誅を加える。激しい筆法、武士の憤怒の声が聞こえるほどの文章である。
 そうか、福沢は三島由紀夫の思想的源流ではないか。
 三島は二君に仕える石原慎太郎を批判し「公開諌言状」を新聞に書いたし、マーター(殉死)という文脈で「神風連の乱」を高く評価した。三島の檄文は福沢の脱亜論に通底するものがあり、この思想のあまりの近似を考えつつ読了した。
 
 評者(宮崎)は慶應義塾のライバル校に入学したため、福沢の名前は知っていたが、青二才の頃は戦後教育通りの解釈で、福沢を重視したことはなかった。
 ところが、学生新聞の編集に携わり、林房雄氏邸に頻繁に出入りするようになると、林は福沢の中津藩のとなり竹田藩武士の末裔でもあった所為か、福沢を公平にみていた。林はライフワークとなった大河小説『西郷隆盛』全二十二巻に挑んだが、大久保利通も公平に扱っている。
 そこで評者はあるとき思い立って大分県の中津へ出かけ、福沢諭吉記念館を見学した。近くには黒田官兵衛が築城した中津城もあるが、福沢記念館の展示のほうが面白かった。数年後、ある出版社から福沢を書けといわれ、特急で福沢論を仕上げたこともあるのだが、それは三十年以上も前、その後にまた中津へ立ち寄る機会があった。福沢記念館に出かけて、新しい展示などに見入った。
 こうした私的体験からも、福沢は間違って解釈されていると考えてきた一人である。
 渡邉氏の著作は、このような誤解を爽快に吹き飛ばし、資料と著作を正確に咀嚼された結果、従来とはまったく別の、真実の福沢諭吉、その本当の業績が浮かび上がってきた。
 本書は伝記、評伝というより、福沢の思想遍歴を論じた、斬新な「福沢論」である。


 ▼天は人の上に人を作らず。。。。

 福沢が尊き価値とした一つは自立自尊、すなわち「独立」だった。
 このため外国との不平等条約の撤廃もしくは改定なくして独立などあるか、という原則がでてくる。
 これは今日に日本の状況とまるで同じで、日米安保条約という不平等条約、核拡散防止条約そのほか、こうした不条理を受け入れてテンと恥じない日本ははたして独立国家と言えるのか。
 福沢は書いた。
 「今利害を別にして、人情を異にし、言語風俗、面色骨格に至るまでも相同じからざる、この万里外の外国人に対して権力の不均衡を想わざるものはそもそも亦何の由縁なるや。突突怪事というべし」
 渡邉氏はこう捉えて補足する。
 「国権そのものが外国によって暴力的に抑圧されかねない状況に、目下の日本は直線していていないか」として、次の福沢の箴言を続ける。
 「裡話に、さざえが殻中に収縮して愉快安堵なりと思い、その安心の最中にたちまち殻外の喧嘩異常なるを聞き、窃かに頭を伸ばして四方を窺えば、あに図らんや身はすでにその殻と共に魚市の俎上にありということであり、国は人民の殻なり。その維持保護を忘却して可ならんや」
嗚呼、まさに今日の日本の危機はまさに同じではないか。アメリカの核の傘と在日米軍の存在に安心して国家安全保障を他人に依拠し安堵している間に、南シナ海、尖閣は中国軍が侵略の牙を研ぎ、アメリカは撤去をはじめようとしている。
この預言的な福沢の洞察は、おそろしいほどに正鵠を得ている。

 福沢は「忠君愛国」についてこう述べている。
 「忠君愛国の文字は哲学流に解すれば純乎たる私情なれども、今日までの世界の事情においてはこれを称して美徳と言わざるを得ず、すなわち哲学の私情は立国の公道にして、この公道公徳の公認せらるるは、ただに一国のおいて然るのみならず、その国中に幾多の小区域あるときは、毎区かならず特色の利害に制せられ、外に対するの私を以て内の為にするのを公道と認めざるはなし」
 この最後の箇所を渡邉氏は「一国が衰退の危機に陥るような時期においては、死んでも国を護る気概をもつことが公道そのものなのだ」ということである。

 これが福沢の次の文章に繋がる。
 「自国の衰退に際して、敵に対して固より勝算なき場合にても、千辛万苦、力のあらん限りを尽くし、いよいよ勝敗の極に至りて始めて和を講ずるか若しくは死を決するは立国の公道」
 まさに大東亜戦争の特攻隊、硫黄島、三島由紀夫の諌死。すべては、この発想に繋がる。
 近づく終戦記念日、靖国に詣でる前に姿勢を正して読むべし。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう BOOKREVIEW 
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 英国の金融の輪はシテイから属領、海外領土の強い絆だった
   BREXITによって、英国の金融帝国が脅かされるだろう

藤井厳喜『国家の逆襲』(祥伝社新書)
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 副題に「グローバリズム終焉に向かう世界」とあるように、本書のエッセンスが、この語彙に象徴的に抽出されている。
 つまりナショナリズムの時代がやってくる、と予想する本である。
世界に拡がる「トランプ現象」がなによりも雄弁に、アンチ・グローバリズム、そして反エリート、反移民という世界的政治現象を捉え直している。
この趨勢はどこへ向かうのか、著者の藤井氏は独自の視点から追求する。
 国境なき世界、国境なきマーケットという「幻想」の終焉が始まり、世界はナショナリズムの時代へ突入したとするのが藤井氏の世界観である。
 移民、トランプ、南シナ海、そして「パナマ文書」は一見ばらばらにみえて、実は通底している大きな水脈がある。ナショナリズムの台頭がそれであると俯瞰する世界観は、藤井さん独自の解釈と思いきや、じつは多くの識者もそうみている。
 英国で伝統的な二大政党制が、突如あらわれた第三党「UKip」に掻き荒らされ、いや政局を席巻され、BREXITに至った。
 フランスも第三党が大躍進、そしてアメリカでは共和党がアウトサイダーに「乗っ取られた」。
 金融政策のなかで、節税と脱税監視は、アメリカでFATCAが成立し、最初にスイス銀行が手を挙げたが、じつは、この流れはタックスヘイブンへの急襲となって、ついにはパナマ文書となるわけだが、金融界における「スノーデン事件」のごとき嵐となった。
 すなわちシティからケーマン島などの「クラウン・ディペンデンシー」(王室属領)。そしてその「外側」に英国の「海外領土」(バージン諸島など)といった、英国の世界戦略である「金融環」が崩れ始めるのである。
 これは「テロリストの資金ルート」を壊滅されるという欧米の合意の基底に、アメリカが発動したFATCAがあったからだ(FATCAは本書を参照)。

 次にBREXITだ。
 メイ新政権は年内に離脱通知をしないと言明しているが、「離脱交渉で、ドイツが懲罰的な悪意を持ち、これを長引かせたり、あるいはルール至上主義、紀律至上主義を振り回して、イギリスを追い込んだりすれば、単にヨーロッパ金融危機が長びくだけではなくイタリアなど他の離脱派の影響力の強い国にも悪影響を及ぼす」
 そして津波はチャイナに及んだ。
 「資金不足から、これまで外貨準備の一環として購入してきたアメリカ国債を」チャイナは静かに売却し始めており、15年に2920億ドル、政府機関債30億ドル、ほかに米国以外の債券1700億ドルを売却した。ほかにアメリカ企業の「社債」をチャイアは4000億ドル保有しているが、これも「売却対象にのぼる見通し」にあると藤井氏は予測している。
 本書は国際金融情勢の舞台裏を独自の視点から説き起こしている。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1445回】    
――「頑迷固陋倨傲自尊・・・耻ナキモノハ利ヲ嗜ミテ・・・」(西島7)
   西島良爾『實?清國一斑』(博文館 明治三十二年)
 
   △
 日清戦争勝利直後の明治28(1895)年6月5日の某紙に、勝海舟の、こんな談話を見ることができる。

 「世界では百戦百勝などと喜んで居れど、支那では何とも感じなはしないのだ。(中略)一つの帝室が亡んで、他の帝室が代らうが、誰が来て国を取らうが、一体の社会は、依然として旧態を存しているわけだからノー。国家の一興一亡は、象の身体を蚊か虻が刺すくらゐにしか感じないのだ。/ともあれ、日本人もあまり戦争に勝つたなどと威張って居ると、後で大変な目にあふヨ。剣や鉄砲の戦争には勝つても、経済上の戦争に負けると、国は仕方なくなるヨ。そして、この経済上の戦争にかけては、日本人は、とても支那人には及ばないだらうと思ふと、おれはひそかに心配するよ」(『氷川清話』講談社学術文庫 2003年)

  「この経済上の戦争にかけては、日本人は、とても支那人には及ばないだらうと思ふ」と、勝は「ひそかに心配」しているが、西島の記すところに従うなら、「ひそかに心配」した勝の先を見通す眼力に改めて脱帽だ。

  西島は続けて「本邦商勢ノ微弱」という現実を前にしても、我が国の「領事ハ其意見ヲ揮フコト能ハズ商賈ハ其利權ヲ擴張スルコト能ハズ徒ニ彼等ノ高樓巍峩タルヲ見衣食車馬ノ壮觀ナルヲ見テ空シク羨望スルノミ」。つまりは「本邦人ノ愛國ノ元氣ヲ皷舞作興スルノ道ヲ講ゼズシテ徒ニ目前ノ小利ニ汲々シテ共同ノ利?ヲ計リ外人ニ拮抗スルノ策ヲナサズ講サズ悠々自棄シテ敢テ進マザルモノ果シテ何ノ心ゾヤ」と。「領事ハ其意見ヲ揮フコト能ハズ」を今風にいいかえるなら、「外務省や在外公館は無為無策で無能だ。国民の血税で賄われる給料、しかもバカ高い給料を貰っていながら、全くの役立たず。なかには反日的言動を得意気に弄している犯罪者まがいもいる。外務省ではなく、害務省だ」という批判・不満につながろうか。
だとするなら日本の外交当局は西島の時代も、それから120年以上が過ぎた現在も、役立たずという点では大同小異ということ。確かに、そうだとは思う。

 だが、よくよく考えてみると、日本人は外務省(=官)に多くを期待し、完全を求め過ぎるのではなかろうか。そうではなく、官なんて一種のお飾りのようなものと軽く考えておけばいい。民が官に頼らず、独立自尊・独立不羈の気概を持てばいいだけだ。

  有体にいうなら、「領事ハ其意見ヲ揮フコト能ハズ」ではなく、制度・機構・能力からしても「領事ハ其意見ヲ揮フコト」などありえない。外務省が何とかしてくれる。「領事ハ其意見ヲ揮」ってくれるなどという甘い考えはトットと捨てるべきだろうに。

 なぜ日本人は歴史的にも地理的にも恵まれながら、上海のみならず中国全土で欧米商人の後塵を拝してしまうのか。

  「予輩ノ聞ク所」では、上海在住邦人の3分の2は女性で、しかも「彼等ハ皆身ヲ外人又ハ清人ニ托スルモノナリ彼等ハ敢テ之ヲ醜業視セザルノミナラズ却テ揚々トシテ他ニ誇示スルナリ」。「此種ノ婦人」は元来が山家育ちで教育もなく「廉耻ノ何物タルヲ解セザルノ愚物」だ。「西人社會ニ於テ決シテ醜業」がないわけではなく、むしろ繁華街で堂々と営業し、「彼等西人ノ心魂ヲ蕩盡セシメ」てはいる。「彼等ノ醜体ハ寧ロ我ヨリ甚シ」い場合もあるほど。だが「彼等ノ醜体」が「外ニ暴露」しないのは、「他ノ強盛ナル働力ノタメ」である。つまり勢いがいいから、醜態が醜態として外に現れない。それに対して日本人社会全体が情けない状態だから、「此種ノ婦人」の醜態が露わになってしまうのだ、と。

  ここで「此種ノ婦人」に対する勝の呟き――「一体醜業婦々々と言つて軽蔑するが、それを善用すればたいしたものだよ」(前掲『氷川清話』)――が思い出される。
《QED》


【知道中国 1446回】    
――「頑迷固陋倨傲自尊・・・耻ナキモノハ利ヲ嗜ミテ・・・」(西島8)
     西島良爾『實?清國一斑』(博文館 明治三十二年)
  
   △
「一体醜業婦々々と言つて軽蔑するが、それを善用すればたいしたものだよ」との勝の呟きは、『氷川清話』の「海外発展」の一項に収められている。以前にも引用したように思うが、興味深い内容なので再録しておきたい。

  「海外発展という事は、貧乏で小ポケナ島国の日本にとつては最も肝要な事サ。しかしその行く順序がまるで?倒して居るよ。/まづ一番槍が例の女だよ。次がソレを顧客とする小商人やナラズ者サ。それからその地方が有望とふ事でもつて中商人が行き領事館ができるといふ始末さ。ソコで外国では日本人といふ奴はヒドイ奴ばかりだとなつて到るところ評判が悪く、万事警戒してかゝる。これもミンナ若い男共が意気地なく睾丸がない奴ばかりだからだ。/ソコになると外国の奴らは実に見上げたもので、まづ海外不毛の地には教法師が行つて伝道もすれば、医薬慈善の事をやる一方、地方の物産や事情を本国に報告して何々の商売が有利だなどと報告する。今度は資力余りある富豪が出掛ける、小商人も行く、女も行く、領事館が行くという風である。ソレであるから外国人はみなその地方では評判もよく、たとへゴロつきでも紳士となり、淫売でも貴婦人として待遇されるわけサ。/一体醜業婦々々と言つて軽蔑するが、それを善用すればたいしたものだよ。日本のケチナ外交官などでは利用方法も知るまいよ。ツマリ女などはホツておいて構はぬに限るサ。万一事の起つた時は、ソンナ奴は日本人では御座らぬと突き放していゝ事サ。日本の役人共は馬鹿正直で公私の区別を明かにせぬから困る。個人としては日本には悪徒も大分居るやうだが、国家としてはまるで馬鹿正直サ。」(前掲『氷川清話』)

  勝は「貧乏で小ポケナ島国の日本にとつては最も肝要」と認めながら、「海外発展」の順序が間違っている。順序が違うから、日本は「評判が悪く、万事警戒」されると指摘する。

  日本の場合は「一番槍が例の女」で、次が「ソレを顧客とする小商人やナラズ者」。やがて「中商人が行き領事館」になるが、その順番が結果として「日本人といふ奴はヒドイ奴ばかりだとな」り、「評判が悪く、万事警戒」されてしまう。それというのも「ミンナ若い男共が意気地なく睾丸がない奴ばかりだからだ」。どうやら、当時すでに「若い男共が意気地なく睾丸がない奴ばかり」だったことになる。勝からすれば、歯がゆかっただろう。

 一方、「外国の奴ら」による「実に見上げた」ところの海外発展は、「まづ海外不毛の地」に宣教師を送り込み布教という名の洗脳・宣撫、時に医薬をエサにしての人心収攬工作、次いで現地事情の徹底調査、商売の可能性が判明すると大中小商人(海外の富に群がるハイエナたち)が大挙して進出、かくして「女も行く、領事館が行く」。驚くほどに順序だっているわけだ。だからこそ勝は「外国人はみなその地方では評判もよく、たとへゴロつきでも紳士となり、淫売でも貴婦人として待遇されるわけサ」と、その手際よさを誉める。

 やはり海外発展の順序が、日本と「外国の奴ら」では反対らしい。海外発展において、「此種ノ婦人」が先陣を切るのか。それとも殿軍を務めるのか。それはともかくとして、勝の時代にも、「馬鹿正直で公私の区別を明かに」分けることが出来ない「日本のケチナ外交官」が、海外進出を目指す国家と国民の足を引っ張っていたことになる。かくして日本は「国家としてはまるで馬鹿正直」であるかどうかという問題に行き着くが、今もなおマッカーサー憲法を押し戴いているわけだから、日本は確かに「国家としてはまるで馬鹿正直」なのだろう。だから周辺の性悪な国々に、いつまでも言い掛かりをつけられるのだ。

 だが、「ツマリ女などはホツておいて構はぬに限るサ。万一事の起つた時は、ソンナ奴は日本人では御座らぬと突き放していゝ事サ」などと、「国家としてはまるで馬鹿正直」な日本やら「日本のケチナ外交官」が柳に風と受け流すことは・・・どだい無理な相談だ。
《QED》
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌7月22日付けに中国によるギリシアのピレウス港買収に絡んで言及された名古屋、新潟などでの土地の買い漁りについては、私もブログ『尖閣購入』
http://sns.orahonet.jp/blog/blog.php?key=11706
に書きました。御参考までに。
 (唯臥独村)



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(読者の声2)7月中旬、中国河北省での洪水で花園口 (Huayuankou) の戦いを思い出しました。
 昭和13年に黄河に沿った花園口というところに日本軍と国民党軍が対峙していました。
そこで、国民党軍が立てた作戦は、黄河の堤防を破壊して、日本軍を水攻めにするというものでした。
 もし水が日本軍の駐留地の方ではなく民家の方に流れたときは、日本軍がやったとデマ宣伝をする計画でした。これが、「Plan B」です。
水は民間の方に流れ、約百万人が溺れました。
国民党軍は、その場から逃げ、「Plan B」を実行しようとしたところ、日本軍が追いかけてきません。日本軍は破壊された堤防を修理し、民間人が住んでいるところから、水をポンプで川に戻し、おぼれていた百万人の内約十万人を救助しました。
 それを観て、国民党軍は、「Plan B」を実施することをあきらめました。その前年に起きた南京城陥落の場合は、「Plan B」を実行しました。
以前南京攻略に参加した日本兵二人から聞きましたが、南京郊外の村々で村民たちが国民党軍にあまりにひどく略奪されていたのを見てかわいそうになったそうです。トーチカの中で国民党軍に拉致された農民が銃に鎖でしばりつけられて逃げないようにしてあったのには、あまりにかわいそうでショックを受けたそうです。
ただし、この戦いでは、国民党軍は、「Plan B」を実施いたしました。
   (ST生、千葉)



  ♪
(読者の声3)フィリピン・ミンダナオ・ダバオ市在住です。水力発電調査・設計・施工管理コンサルタント会社経営をしています。
 ダバオ市では、ドゥテルテ大統領がマラカニアン宮殿・マニラ、に転居せず、ダバオで執務しています。
ダバオ市はたった150万人しか居ない、インフラ規模で、通信施設の規模・空港規模・道路交通許容量、水道・電気の許容量が小さく、特に水道・電気は3年ぐらい前から計画的に止められています。

 ドゥテルテ大統領tが就任してから、世界中の電話がダバオに集中し、特に南シナ海国際仲裁判定が出たあとは、ダバオでは国際電話のみならず国内携帯電話も繋がり難くなっています。私も先週は日本の銀行とのクレジットカード確認電話が、一週間繋がりませんでした。
きのう、やっと銀行につながり、日本からの目薬の発送代金が承認されました。
 航空券も、世界中から、マニラに居る外国大使も、皆さんがダバオに飛んで来るために、2週間以内は予約困難になっています。
 水道も頻繁に断水が増加しました。
恐らくは、大統領に面会するためダバオに来る政治家・経済人、及び観光客の増加に対し、ホテル優先にしていると勝手に解釈しています。留守宅の妻によれば、日本ではダバオ観光ツァーが出来たとのことです。
 計画停電は増加しておらず、今までどうりに、1時間停電週2です。
   (TF生)

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火曜日, 7月 26, 2016

Appleも薦めないOSXのダウングレード

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10145758035
にMacのバージョン10.8.5から10.9.xへ移行するには?という質問に対するベストアンサーを見たらこれだった。

 さらに
などとなっていた。Mathematicaが2台のコンピュータ上で動かせないことは知っているが、いまは時代がすすみ、CDFPlayerなどがMathematicaでも出ているが、8.5では動作しない。どうしても9.5あたりから上が欲しくなる。

0120 277 555へ電話してAppleに聞いてみたが、過去に例えば9.5などをダウンロードした経験があれば、そのApple IDで再ダウンロードする以外に方法は」なく、一般論としてアップグレードはできないそうだ。ただし、10.11ダウングレードならという話は出たが、それについては念頭になく聞き漏らした。

他のサイトでも上の代替策のれいのようにMaberiksへの接続サイトはあるのだから、そこに接続すればそういう人はアップグレードできるようなことが書いてあったので、それをねらった。

そして、Sheep Shaverがうごかなくなる境界をネットで探すと、なんと10.9.5の先の10.10.5のYosemiteまでは動くと開発者自身が答えていることから、それでもいいということはわかった。ただし、Yosemiteでは32ビットモードでないと動作しないという。

いろいろやってみてダメだったので、あちらが言うダウングレード方法って!?と思い、再度電話してお聞きした。今度は女性の方で、Appleとしてはあまりお勧めはしていないのですが、どうしてもと仰るならと電話で応じてくれた。

メモを用意し緊張していると、何のことはない、Timemachineを使って、11にする直前の状態に戻すだけ!!とわかった。そーだよね、なんのためにわざわざTimemachineをつけているかといえば、こういう時のためにも使えるなら使ったらいいじゃないかと思った。

再起動する際にoptionキーとRキーを同時に押してしばらく待つ。プログレスバーが表示され出したら手を離してもよいそうだ。

するとタイムマシンから復元するか、最新バージョンから新気にインストールするか聞いてくるので、タイムマシンを選ぶ。

11.5にしてしまってSheep Shaverが動かなく最初のiMacはたしか11月の半ばごろだったので、日付をたよりに探すと、ありました。その直前のバージョンを選び指定してあとは自動運転に切り替え。
随分時間がかかると思ったが、実際は大体毎回1時間ちょっとで、再起動となり今回はダウングレードが出来上がっていた。
早速、Sheep Shaverを起動させてみるとなんの操作もいらず、起動した。Windowsでは右クリックで32ビットモードを選択してから起動らしいが。たしかにYosemite版になっている。もう忘れていたが、Mabericksのあとにもう一回アップデートしてしまったらしい。ただしこの頃全然Sheep Shaverは使った記憶がなく、年末になってそろそろ勉強しないという時になって、初めて頼りにしていたMacOSが動かないことに気づいた。

それからこのままでは発売MacがすべてでMacOSが動かななくなると破滅だと思い込み、近くのPC販売店へ走った。

そこで店員さんに置いてあるMacのOSXのバージョンを聞いたら、ちょっとわからないといい、売約済みでないMacの電源をいれて、10.9なんだ!なんていっていたので、今から予約しますと言い購入意思を伝えた。納入までは一週間位時間を見てくださいといわれた。

しかし来たのは10.8.5であったがMacOSが動くだけで満足だった。10.8.5は起動時間が信じられないくらい早くて倍くらい違う感じがした。それで、Sheep Shaverとして動かすためにAppleのROMや仮想的HDイメージファイルなどと設定情報などを親機から移しなんとかMacOSが動くようになった。

あれから8ヶ月近くなった現在、軽くていいのだが、Mathematicaを使う頻度が最近高くなり、関連ファイルを見たり情報を収集する過程で、10.9以上のバージョンが要求されるようになり、もう一段のバージョンアップが欲しいという機会が増えてきた。

最初にご紹介したサイトなどは春から何回みたことか。そして、Appleへ電話することに。

そこで初めて、WindowsではないがOSXのバージョンダウンの話をきいたのだ。会社のボスのPCも6月末にかってにWindows7から10環境へのアップグレードが始まってしまいひと月近く使用したが、電子決済の伝票が先方が対応しておらず、送れなくなり旧XPを起動して送ったりしていたが、たまたま訪れた業者がまだ戻せますよということで、現在は7に戻して貰っている。

OSの変更は単なるアップデートではなく、デスクトップ周りやメールなども皆飛んでしまい、R環境やMacOSなども初期状態に戻ってしまい、使い慣れた環境を新たに構築しなければならず大変である。

今回は入力したデータを含むMathematicaの3.0を少々いじった結果を報告する。



これは10.8.5環境のときの3.0での結果であったが、やはりデータから新規に入力しないといけないので朝から入力した。最初はあっさり結果が出たのであるがどこかおかしい。

そこで、入力データを印刷し、メガネをかけてひとつひとつ検討した。じつは10.8.5では以前完全動作していたと思われる3.0用の例題が十分に動かず少しおかしいと思っていた。

それで、やはりダウングレードした親機でためしたら、そんなことはなく完動するようなので、いままでの3.0での回帰計算も怪しいと睨んでいた。
一回結果が出たので確認のためにもう一度実行するとbeep音(なんといたらよいか不明なので)何度もして、動いたけれどおかしいよ!?といっているらしい。
これである。しばらく放置していたら、勝手にこんな画面になった。これは何かがおかしいと悟り、入力データのハードコピーを取り丁寧にチェック.。MatrixFormまでちゃんとでているのにと思いつつ半日近くかけてデータを点検していくとやはりあった〜!!。
これは実画面で確認したのだがプリントアウトでは正確には1.06であるべきが1.6となっているので実際に入力画面をみると(Mathematicaのカーソルの前後)1,06となっていて項目が4つはいってしまっている。data文では苦情をいわなかったので大丈夫と感ちがいしていた。

これで出力結果をみるとかなりまともそうな結果となっているようだ。以前の値は入力データ自体に一部誤入力もあり、動いても、データが一個でも違えば結果がことなってしまう、という当たり前の事に気がついた。

しかし終わった後、フリーズして固まってしまった。さらにこんな画面も。

カーッソルが反応しなくなり、強制終了を余儀なくされた。インテルマックで昔のパワーPCモードで起動しているからなのかどうかわからないが、CPUを何度も変えた経歴がMac陣営にはあるからこれは負の遺産かもしれない。

たしかに同じCPUでUSBHDから違うバージョンのOSを起動できるなどの利点は初期から備えていて、梶原教授の本などには、キャノン販売が開発したしステムスイッチャーなどの記述があったが、初期には小生も愛用したことがある。一台のクラシック系マックで英語システムと日本語システムと切り変えて使えて便利だったがシステム7以降、消えてしまった。

春からの半年間のデスクトップ環境にあったものは皆消えた。しかたなくRも新規にダウンロードした。10.10.5では最新バージョンの3.3.1(2016-06-21)が入った。RやOctave関連のマニュアル類なども全部消え、数式処理システムもやエクセルMacで使うアドインの製品版も消えてしまった。これらの回復がかのうなのかどうか
などは全部自己負担でトライしなくてはならない。

新規のマックに古いデータやシステムを移すなどの場合にはいいかのしれないが、今回のように半年間の蓄積がすべて飛んでしまい、というのには少々どころかかなり戸惑う。

バックアップはあるのだが、望みのファイルだけ移すなどの処理が移行アシスタント機能を使えばできるが、失敗したらアウトである。

https://ideacloud.co.jp/dev/ikou_assistant.html


には移行アシスタントの機能などが書かれているが、WiFi機能だけではマズイ事もあるらしい。
実はこの記事をよく読まないで移行に失敗して、いつまでたっても作業が終わらず、強制再起動したら、ゲストモードでしか起動せず、画面はアップル画面ではあるが、見た事もない背景で、結局、もう一度OSXをTime Machineからインストールした過去から、かなり慎重になってしまっている。
タイムマシンを使えということなのかもしれないが、マイクロソフト同様、つい最近のOS
へのアップグレード用サイトを閉じているのはいただけない。



土曜日, 7月 23, 2016

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (中国国富ファンド、初の赤字を公表。ゾンビ経済が失速の始まり)

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★小誌愛読者23600名 
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◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)7月23日(土曜日)弐
          通算第4973号  
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(休刊予告)小誌は明日7月24日から8月3日まで休刊となります。 
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 中国国富ファンド、初の赤字を公表。ゾンビ経済が失速の始まり
 中央銀行は「利下げより減税のほうが効果的だ」と責任回避
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 米国では共和党大会が終幕し、ドナルド・トランプが正式に党候補に撰ばれた。
 オハイオ州クリーブランドで開催されていた共和党大会に主流派の有力者が欠席したため、「挙党態勢くめず、トランプ苦戦」と大手メディアが書いた。
 左翼ジャーナリストらはトランプが嫌いなのである。

 ところが会場では「アメリカをふたたび偉大な国に」と呼びかける横断幕、「USA」の大きな掛け声で、トランプ演説に参加者は熱狂した。保守本流の欠席など問題ではないという雰囲気だった。指名受諾演説はとうとう75分にもおよび、なんども拍手と歓声で中断。「長すぎる」と一部からは批判されたが、重要な内容を含んでいる。

 トランプは「アメリカン・ファースト」を強調し、グローバリズムを否定し、これに恩恵を受けている富裕層、大企業、大手マスコミがクリントンを後景から操っているのだとした。
 「クリントンは彼らの操り人形でしかない」と。

彼の指名受託演説はTPP反対、同盟国への防衛負担金要求。メキシコ国境の壁を築け、イスラム教徒の入国の厳格化、そして大幅減税、オバマケアの否定と、予想された通りの内容が並んだが、暴言は控えられ、幾分穏やかな表現となった。
TPP反対は、日本に不安感をあたえるため、日本のメディアの社説も批判的だった。

トランプ演説では、とりわけ政敵ヒラリー・クリントン女史への攻撃が凄まじく、彼女の国務長官時代から「死、破壊、テロリズム、衰弱」が始まったのだと総括し、ニクソンのような「法と秩序」の恢復を力説した。
 
日本のメディアがあまり書いていないが、もう二点、トランプは重要なことを言っている。
ひとつは中国である。知的財産権の侵害、模造品、為替操作など、名指しで中国を批判している。

もうひとつは金融政策で、「グラス・スティーガル法」の復活を主張していることだ。
メキシコの国境の壁ばかりか、銀行と証券にも「壁」を作る。これぞ「壁の街」(ウォール街)にふさわしい。
しかし、これで真っ向からトランプはウォール街を敵にまわしたのである。戦術としては中間層、貧困層、そして民主党支持者から、サンダース票をごっそりといただこうとするしたたかな選挙戦術である。だからLGBTを批判しなかった。現にクリントンとの差を10%から2・9%にまで縮めている。


 ▼中国でなにが起きたか

 さてトランプ報道に隠れてしまったが、中国では同日に、いくつもの重大ニュースがあった。

 第一に中国で開催されたIMF、世銀、WTOなど「六国際機関」トップとの会談におけるラガルド発言である。
このIMF専務理事は先週ワシントンで記者会見し、中国のGDP成長は「6・5%から6・6%に0・1%上昇するだろう」と述べたばかりだった。
そのうえでラガルドは訪中し、四川省での会議に臨み、李克強首相等と面談したあと、「中国経済は上向き出した。改革は軌道に乗っていることが確認できた」と記者会見した。

「えっ?」。いったい彼女は中国に蜃気楼でも見たのか?
 もっともラガルド自身、フランスで数々の疑惑の裁判が開始され、気もそぞろ、最後のリップサービスというわけだろうか。

 第二は中国が鳴り物入りで発足させた国富ファンドCICが、始めて赤字になったと報告されたことである。
 CICは当時豊富にあった外貨準備高から資本金3000億ドルを得て設立され、おもに海外企業の株式などに投資して配当を得てきた。2016年現在、CICは8138億ドルのファンドにまで成長した。

CICは、2015年決算で、海外投資からの利息、配当収入がネガティブに転落した。主因は原油、鉱物資源の下落と為替差益だと報告された。
他方、北米、欧州に多額の不動産投資を展開しており、今後の不動産不況でさらに損失がでると予測される。


 ▼ゾンビが死ぬことはあり得ないのか

第三は中央銀行「中国人民銀行」が路線転換を窺わせるような発言を繰り出したことだ。
すなわち「利下げより、減税のほうが景気浮揚に効果的だ」。

この発言は同行の統計部主任、シェンソンチェン(音訳不明)で、「設備投資など企業の投資マインドが減速しており、これ以上の通貨供給をつづけるより、減税による景気刺激のほうが効果的である」としたもの。周小川総裁が公言できない政策提言だが、人民銀行高層部の意見を代弁している。

中国経済はいうまでもなく、とうにゾンビ状態で過剰在庫はダンピング輸出、有り余る労働者は「一帯一路」(海と陸のシルクロード)プロジェクトで海外へ押しだそうとしており、国内的には株式と不動産相場を安定させるために「ヘリコプター・マネー」を撒き散らしてきた。
2016年上半期だけで7兆元(105兆円)、このペースだと年内に200兆円を突破する。

経済の原理からいえば人民元暴落が発生するが、ゾンビゆえに、それもない。
ということは、米国と欧州ならびに英国が、中国経済を破滅させないために舞台裏で手を組んでいるとして考えられないのである。

 しかしゾンビを延命させればさせるほどに、バブル破裂となると、未曾有の災禍が国際的にふりかかることになるだろう。おそらく2008年のリーマンショックを超える、空前の市場崩落となる。
 日本に備えはあるのか?  
      ○○○み○▽○や○□▽ざ○○○き○□▽ 
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう BOOKREVIEW 
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 金正恩は馬鹿でも狂信者でもない。宿命の派閥闘争に打ち勝ち、
  党大会を36年ぶりに開催にこぎ着け「勝利者の大会」と位置づけた

  ♪
菅沼光弘、(構成 但馬オサム)『北朝鮮発 世界核戦争の危機』(ビジネス社)
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 日本人の安全保障感覚は、ひとことでいうと鈍感そのもの。目の前の核兵器に深刻な脅威を感じないうえ、平和とはヘイワヘイワヘイワと念仏を唱えていさえすれば達成できると信じ込んでいるのが大多数。さきの参院選挙でも驚ろくべきことに国防議論を提議したのは西村真悟氏いがい、ほとんどいなかった。しかも西村氏は落選した。

 北朝鮮は死にものぐるいで核兵器を開発し、それを搭載するミサイルを何回か発射実権を繰り返し成功させた。
 とくに「ムスタン」の標的は日本とグアムだ。これこそが金正恩が世界を愚弄し、生き残りを賭けた決死の戦術であると菅沼氏は言う。
 日本の対北朝鮮観といえば貧しい国、おかしな指導者がいて、人民は飢えているが、核開発に血眼。そして日本人の感覚では拉致問題が、核問題の前にある。この構造が北朝鮮の戦略を誤解する。

基本的に北の奧の御殿で何がおきているのか。正確な情報がなにもない国のことを斜めから読んだり、北の新聞だけをたよりに雑音のような解説記事がめにつく。
 これでは何も分からない。

 フルシチョフのスターリン批判は極秘のなかで進行したが、ドイツの諜報機関がいちはやく嗅ぎつけた。重要な路線転換だった。
 中ソ対立は長く西側に伏せられていたが、最初にふたつの共産主義国家の友誼関係が破綻していることを西側の諜報機関が見抜いた。キッシンジャーはポーランドで北京の代理人との秘密交渉をはじめ、パキスタンを活用してひそかに北京へ渡った。
 金正恩の戦略戦術は、日本の「専門家」らの分析では頼りない上、見当外れが多い。 
ならば、いかにして把握するべきか。

韓国の情報機関は頼りなく、米国は偵察衛星で核兵器実験の事前予測はできるが、平壌の奧で密かに立案されている金正恩の思考、秘密文書はわからない。
機密の一部を中国が把握していると考えられるが、それを中国はアメリカに提供することはない。
したがって諜報機関も情報組織もない日本は、国際的諜報線の蚊帳の外、そもそも隣国が核兵器を開発し、日本に照準をあわせているというのに、鈍感な国民は「安保法制は戦争に繋がる」などと、北朝鮮や中国が聞いたら小躍りするようなプロパガンダを信仰しているのだから、「○○につけるクスリはない」のである。

 菅沼氏は36年ぶりに開催された党大会の意味を考える。
 本当に何が決められ、いかなる人脈が失脚し、どういう派閥が権力を固めたのか、また長老が生き残ったものの、じつは中央委員の54%が若返っている新事態に注目し、金正恩は瞠目に値する指導者ではないのか、と言う。 
 キイワードは「勝利者」である。
党大会ならびにその前後の報告書、発言にでてくる語彙のなかに、見逃せない言葉を菅沼氏のするどい眼光は見つけだした。

 つまり、スターリンが激烈なトロッキスト追い落としの後の党大会で「勝利者の大会」と言ったように、独裁体制が固まった事実を示唆するキイワードはここにある。
 このたびの第七回党大会は、前回との比較や中国共産党の比較を論じる人が多いが、そうではなく、第四回大会との比較が必要だと言う。
 理由は「ソ連から帰国したまだ若い金正日は、いかにソ連の後ろ盾があったとはいえ、自分よりも革命の経歴も段違いな『国内派』の有力者たちと戦わなければならなかった。また、国内派を倒した後も『ソ連派』との権力闘争は続き、それに勝利し、『満州派』と『甲山派』による権力の獲得に成功した暁に開催されたのが第四回労働党大会だった」からである。
 すなわち金正恩は「先軍政治」を主導した長老達、ついで中国派との党内権力闘争に勝利した。多くの側近らの失脚は、こうした文脈でよみとくと謎だった奧の闇が浮かび上がっている。
 独自な視点からの北朝鮮論である。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)トルコの軍事クーデターの失敗ですが、アメリカがクーデター側の背後にいたとは考えられませんか?
  (GH生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)あのクーデターの失敗によって、逆に最大の受益者はエルドアン大統領だった。
反対派をほぼ根こそぎ、失脚へ追い込み、数千人を拘束したわけですから。しかしエルドアンは危機を予知していた。その情報は誰がもたらしたか謎です。反対派というのは、不思議なことに親米派でもあり、イスラム世俗化路線ですから、エルドアンの急進的なイスラム化路線にはアメリカは反対の立場でしょう。
トルコのイスラム路線は、従来のケマル・アタチュルク以来の近代化路線否定につながりかねず欧米が警戒します。
とくにNATOのメンバーであるトルコの地政学的重要性から言っても、このままずるずるとトルコが欧米から遠ざかることは歓迎できないでしょう。
とは言っても、クーデター側の背後でアメリカが画策したというのは、いまのオバマ政権の軟弱で優柔不断の性格からして、考えにくいのでは。CIAは弱体化してますし。
 そのような陰謀説はイスラエルのメディアにもまだでていません。ロシアのメディアの一部に陰謀説を示唆する報道はありますが。。。。

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(休刊予告)海外と地方講演旅行のため明日7月24日から8月3日まで休刊です。
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 宮崎正弘の新刊案内  http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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  ♪♪♪
宮崎正弘のロングセラー 
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『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) 
『中国大恐慌以後の世界と日本』(徳間書店、1080円)
『中国大失速、日本大激動』(文藝社、1620円)
『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』(徳間書店、1080円) 
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々  世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)

 ♪♪
<宮崎正弘の対談シリーズ> 
++++++++++++
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 石 平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 西部 遭『日米安保五十年』(海竜社)  
宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
      ◎□◇▽□○◎□○ 
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2016 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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金曜日, 7月 22, 2016

やっと昔のMathematicaの時代の感覚が復元中

data文で、データ入力が可能な筈だったと思っていたがわずかなミスに気づかず、動かない!?おかしい??という思いが先行して、8.0や9.0の時代から例題やファイル内の時系列データの処理などでは使用していたが、肝心の自分のデータ解析では今年になってから取り組み始めた。亘香通商さまのヘルプ担当諸氏のサジェストにより、ようやく正常動作が確認できてたいへん嬉しいのだが、二十年近い空白は心理的に大きなギャップが出来ていた。



 これは小林教授の例題をVer.2.xのとき追試したファイルの名残だ。おなじVer.だから問題なく動いた。これは8.0でうごかしたバイクの燃費データの時系列分析だ。およそ5年前。
8.0にバージョンアップしたときに、TimeSeriesもバージョンアップしたが、今度は最初になかったカルマンフィルタもついたのでいろいろ追試してみた。
この時はそれらしく動くことを確認しただけでそれ以上の利用はまだ荷が重すぎた。カルマンフィルタを使った我々の分野の論文は一編だけ連名で掲載された事がある。

いろいろ梅雨らしく適当に雨が降るので、毎週3日以上は休みになりようやく自分のデータを見直す余裕ができたので、エクセルやMathematicaの各ファイルのデータの数値をチェックし直した。やはりけっこう時間がかかった。

それが済んでからそれぞれ演算を実行して出力結果を見比べた。

Mathematicaの演算結果から。

この重回帰モデルでは幹の場合と違い、定数項の値が小さく、林全体の枝の呼吸量推定では枝の本数が莫大でいちいち定数項を加算するのは出来なくはないが試験地の小プロットだけで(5メートル4方)でおよそ一万本近く(15年生、立木本数3600本ぐらい、ヘクタール換算)で定数項を0とするとその後の取り扱いが、ここだけではなく、他人様のデー他と比較したりする際に何かと便利である。そこで定数項をゼロと仮定したモデル式の値もはしいが、式のモデルが{1,x,y}としても{x,y}としても自動的に定数項付きの回帰式が出てしまう。

そこでネットで調べたら、Rrgressの項目で, IncludeConstant->Falseと指定すれば良いらしいが、RegressはVer.6.xまでで、7.0以降はFitやLinearModelFitを使えとなっているが、定数項0の指定方法が出ていない。

試しにVer.3.0で実行してみたが、内部演算方式の改良その他で、思わしい結果は得られない。
そこで、さらに検索して
に行き当たり、さらに
IncludeConstant->Falseとすると10.4でも赤字で表示され意味不明と出る。
勿論動作しない。そこで、もう少し一般的な説明を検索してで検索し、初めて定数項=0の指定方法を見つけた。(Upする過程で誤変換が生じ、あくまでMathematicaの表示例がただしいです。ご了承ください。
図の最下段に表示されている。これを実行したら、スッと結果が出た。

これも昔はIncludeConstant-0としていた昔の感覚を何となく思い出したからだ。必ず似たおまじないがあるはずだと思いいろいろ探した。

本日最後にやっと望んだ結果がえられた。これをエクセルのアドインで、定数=0として出力した結果と早速比較した。
結果はMathematicaの出力、
resp,=0.358486x+0.305327yに対してエクセルのアドインでは
resp.=0.358538x+0.305319yとなり、どちらの偏回帰係数も上位3桁は皆一致している。

今、Mathematicaで求めるとこの出力の["SdjustedRSquared"]は0.984974を示し、”AIC"は42.8989と定数項もでるよりちいさくなった。ダービンワトソン比は3.0437。
["SdjustedRSquared"]は、定数項モデルの0.978192よりも僅差だが大きめに出ている。
ただし、エクセルの結果とはこの点で異なる。


このデータは指導教官が学位取得後、私が学生だった頃、宿泊設備のある都内近郊の大学付属実験林で週に数回の寝泊まりをして赤外線ガス分析計(ロックフェラー財団からの補助で購入)で1968年の5月から6月にかけて得たのもので、他に幹でほぼ通年にわたって呼吸測定を実施した。幹データは1967年分もあるが、枝データはこの時期にしかなく、幹、枝ともに英文誌として出版されている。

個々の試料データから得られた情報をその試験林分の1ヘクタールのあたりの値に変換して推定するには、幹や枝の直径階分布や成長量分布などの試料から積み上げて行く方法が基本であり推定者の各人各様の推定方式が採用されている。

スギ、ヒノキや他の広葉樹とことなり、若いアカマツは枝や幹で年齢の識別が容易であるのでその特徴を生かした推定法として、年齢区分を指導教官は提唱した。

しかし、この細かい区分分けによる方法はまだ、林分あたりの推定法として確立しておらず、他樹種との比較に置いても年輪幅などの比較等を含めて共通部分を抽出する必要がある。
これは初めてマルチ回帰中の重回帰分析をした結果の出力であるが(既報)、今回あらためて入力データをチェック後再計算したら、微妙に違う結果が出力された。
これである。

赤池の情報量基準値が前回の44.043から44.061へ微妙に変化している。そして分散精度は赤池情報量基準のみだが、分散分析表内の不偏分散が、138.589から138.588へ変わり編回帰係数や定数項なども変化している。これはなぜだろう!?。MathematicaはMacだからWindowsのように、途中で修正コードの自動ダウンロードが起きて再起動したなんて事はない。しかし、エクセルではその後計算させたら、結果が微妙に違う。その後何回か再計算させたが、以後みなこの後者の結果である。
組み込み関数が持っている豊富なオプションの一部を上げたが、その都度呼びださないと出てこない。

水曜日, 7月 13, 2016

Mathematica10.4以降に組み込まれている回帰モデルProperties AICc


亘香通商様より頂いた回答の中にデフォルトの回帰分析の特性表示が示されていたが、どういうわけかそこだけ真似ても結果が表示されなかった。昨日の暑さとは打って変わって今日は休み日和。昨日から期待していて、期待通りに休みがとれた。そこで、あれこれ試して見て探している回帰分析の特性表示が示されるようにするにはどうしたらよいか朝からあれこれ考えたが、一番良いのはあちらの回答をそっくり真似てみるのが、一番良さそうだと気がついた。そうなると、同時に動く9.0.1と10.4.1とがあって、動作に差がない事はわかっているので、消してしまったメールをなんとか復元して9.0,1で追試した。

どうせ真似るなら、データを開くときに、自分のデータを開き、そのプロパティも見たかったので、並べて比較した。左が自分のデータしかはいっていないファイルに、右の回答データのコマンドなどを真似て行った。
以前お見せした回答は、小林夫妻共著の値そのものだったので、こんどは例題として表示されている20データでの回答も確認の意味で配列順所を最後にyが来るように並び変えた。

すると、教科書どおりの回答例が得られた。(p26、左下、Out-[31]={7.51166}, 7.16476, 5.8021} しかもそのプロパティもちゃんと得られた。

彼方から送られたデータが何時のバージョンかは不明だが、10.4.1で同じ事をしてもグラフ表示はされなかった。これの不思議のひとつ。また、小林夫妻の本にはyが最初に置かれていて最後までその調子だった。だから、偏回帰係数にマイナスがついたりしていて、この順序で分析するとエクセルでもあたらからの回答と同じ値となった。
ネットで探したプロパティはこう
であった。今きづいたが、先方から送られたファイルには(* CreatedBy='Mathematica 10.3' *)というただし書きがついていた。.1ちがうだけで、グラッフィックも表示されたりされなかったり、かなり神経質でもある。
これが、10.4のプロパティである。
10.3以前のプロパティと比べると、一個だけ多い。それは何か!?。印刷した結果を見比べると、AICcという項目が追加されて全体で64個となっている。AICは20年以上前から知っていたが、AICcは初耳(目)だ。
http://www.singularpoint.org/blog/r/aic-aicc-aiccmodavg/
には 『小標本の場合は、AIC じゃなくて AICc を使うといいよとのことなので、今回は、前回同様の方法で AIC と AICc を比較してみた。』という記事が見つかった。
上記の方にお礼申し上げます。

解説文を一読して頂けば賢明なる諸子にはおわかりと思うが、R」を使ってのシュミレーションらしい。Rの人気の秘密が少しだけ垣間見えた感じだ。

10.3の発表が今年の3月。10.4は4月である。1ヶ月の間に、AICcが新たに追加されたわけで、Wolfram社もそうとうRを意識している姿勢かもしれない。SAS社でさえも殿様商法ばかりではなく、若い学生向けに無料で市販製品と同様のパッケージをおよそ1年の期限付きで貸し出しているのだから。


マルチ回帰にも、AICは44.043などと出ており、10.4では


全体としてよく似たFit結果が示されている。

10.4では44.73〜となっている。オーダーは一致している。
気がつくとマルチ統計は、毎日のようにネットなどでも目につく。私は社長の著書を購入したので、4万近い値段のソフトを無料でお借りして使わせてもらっている。解説書の最後の章(11章)にあるマルチ回帰分析を使ってみたいと思っている。



日曜日, 7月 10, 2016

Mathematica 3.0のアドオンパッケージで統計機能を使ってみた

Mathematicaの組み込み関数のLinearModelFit[ ]がバージョン7以降標準機能となっているとわかり、昨日最新OSX El Capitan (10.11.5)の9.0.1のMathematicaでも全く同様に動いた事から、SheepShaver上で動く3.0ではどうなんだろう!?と思った。過去の動き方は動いたり動かなかったりはっきりしていなかった。

昔はもっと古い2.2(?)もきれいに動いていたが、2回目の引っ越し後、3.0しかうごかない。その点Theoristは細かく検討していないがほぼ完全動作らしく、これはこれで場合によっては役立つ。

3.0には500頁以上にもなるStandard Add -On Pakckgesというチュートリアルが手元にあり、ちゃんと動作するなら参照に使えると思う。

改めてバージョンを確認したら3.0.1.1xとあった。当時からずいぶん細かい区分分けはあったという証である。

これは並べ方をかえて、目的変数が配列の最後の位置にくるよう並び替えた結果であるが、エミュレーションで動くといっても入力がどこかおかしい、と苦情を申し立てている。コピーして印刷すると、違いがわかる。

上から4行目のデータで、後ろにまわしたデータが消し忘れて残っている。最初の行で.34とあるのは1.34の間違いである。

それだけかとぽのったら、やはり昨日の例の様にデータは配列ではない、などと言っている。そこでMatrixForm[data]としたら、やはり一カ所だけ配列が足りていないところが出てきた。連続して.と,とがあったりして、そこだけ変な計算をして変な値に移し替えられて、画面で見ただけでは絶対わからないエラーも見つけた。この手は覚える事にしようと心に誓った。表計算と違い外部データの読み込みなどできないので、全部馬鹿のように忠実にインプットするしかないのである。

そこで、データの見た目はともかく、全部自分のデータになったので、昨日9.0や10.4などで動いた改良プログラムを試したが
、3.0では動かなかった。


しかたなくあきらめる。
これは現代数学社の小林教授の本の最初のあたりを試しにトライしたときの画像で標準で簡単な解析結果がでている。

データ入力が正しければ、アドオンパッケージは動く筈、という前提で行っている。

今度はデータ文をよみこませても苦情は言わなかった。そこで、修正したプログラムを実行したが動かなかったことは既に述べた。

そこでアドオンパッケージを読み込みに行かせ、回帰分析を行わせるコマンドを打ち込むとあっという間に結果が得られた。ただし、同一データの筈がアドオン機能でも昨日の
LinearModelFit[ data ]の結果とは違い、異なる値を返したregression改のプログラム結果にちかいような値である。

そこで今度は枝のデータ解析では、定数項はほとんどゼロに近く無視できる程度なので、定数項を落としたコマンドを実行したが、同じ結果だった。

統計学の教科書にはたとえ0と変わらなくても定数項を持たせる方がよいのであるなどと書かれているがもう少し便利に使えるという誤解があった。エクセルのアドインでは定数項をゼロにするなどはいとも簡単であるが、その癖が身に付いてしまったのかもしれない。

しかもしばらくすると警告音が立て続けに何報か響き収まった後、メッセージを見るとすぐにはわからないメッセージの一覧がそろっていた。

これである。そして、昨日ご紹介した10.4以降の結果を思い出した。
これは亘香通商さんのテクニカル担当ではない(多分?)からの返信にあった中身の一部だが、lmというのは、Rにもあって、回帰分析をおこなう線形モデルとして登場してくるので、Mathematicaのバージョン7以降というと2009年1月以降である。Rのほうは、1993年以降、オークランド大でRobert GentlemanとRoss Ihakaの二人がベル研究所のJohn Chambersが発明したS言語を改良し、発明したとされている。そして2000年代後半以降に人気が急上昇したと書かれている。どちらが先かは知らないがMathematicaもバージョンが細かいので、日夜改良の努力がおこなわれているのだろう。値段の高さには今は納得している。

分散分析に話を戻すと、自前のデータの分析がしたいが、まだ出せていない。この回答にもあるように[tmpdata,{x,y}, {x,y}]と指定しても定数項付きの分析結果が出てしまうようであり、統計専門ソフトではないのだからそこはご愛嬌ということか?。

ここで同一データに対する出力の違いを比較してみよう。
Mathematica Ver.10.4.1.0

0.0642594 + 0.299925x + 0.309511y

マルチ回帰
0.0520 +0.2997x + 0.3102 y

Mathematica  Ver.3.0.1.1x

-0.136656   + 0.519704x + 0.287987y

regression改 (10.4.1と9.0.1共に)

0.748217 +()0.00848892 + 0.279045y

エクセル回帰分析(2010)

0.062758 + 0.30113x + 0.309408

同定数項0モデル

------------ 0.356921x +  0.30553y

これがRのlmではどう出るか!?これからのお楽しみである。


土曜日, 7月 09, 2016

宮崎正弘の国際ニュース・早読み (中国主導の「ニカラグア運河」も前途は絶望的になった)

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◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)7月10日(日曜日)
          通算第4958号  <前日発行>
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 中国主導の「ニカラグア運河」も前途は絶望的になった
  怪しげな香港の会社が倒産の危機に直面、はやくも資金不足
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 中国がパナマ運河に対抗してニカラグアに運河を建設する大プロジェクトは、日本円にして6兆円規模だ。
 全長278キロ、パナマ運河の三倍。気が遠くなる稀有壮大な夢の実現と騒がれた。

ニカラグアのサンディニスタ左翼政権は派手に米国に敵対してきたが、複数政党制になっていまは連立政権である。政権が変わると、スリランカが、あるいはミャンマーがそうであるように、中国主導のプロジェクトはときに中止されたりする。

しかもニカラグアは、なぜか中国とは国交がない。台湾と外交関係がある不思議な左翼的国家、というより反米的な国家である。
隣のコスタリカは白人国家。しかもコスタリカのほうが、中国が出資してくれるので、あっさりと台湾との外交関係を断った。

 米国から見れば、パナマ運河のすぐ北に競争相手もいうべき大運河が建設されると聞けば、安全保障上からも、脅威であり、裏で妨害工作をするだろうと予測してきたが、妨害もなく、地元の環境保全の運動にも、表立った支援をなしている様相はない。
 不思議だなといぶかしんできたのだが、最近の事情が伝わって、ようやく得心が出来た。つまり米国は、この計画は最初から無理で、途中で放り投げてしますだろうと楽観視してきたからだ。

プロジェクトは一年遅れてスタートしたが、着工するやすぐに環境保護団体の抗議活動、土地が沈む農民らの反対運動の激化に見舞われた。

しかし、それらがニカラグア運河のプロジェクトを絶望的にしているのではない。
絶望の原因は工事請負の中国企業の怪しさにある。
総工費を香港のHKND(香港ニカラグア運河開発投資公司)が担うと豪語し、その主体企業は北京に本社のある「信威通信産業集団」の王靖会長、大富豪という触れ込みだから、むろん共産党との繋がりが強い。

 2013年に計画がまとまり、14年に着工され、19年完成という当初の大風呂敷は、風にはためく大旗のようにへんぽんと翻るだけ、じつは2015年の上海株大暴落、人民元急落の直撃を受けて、王靖の懐具合が急激に悪化し、資金枯渇状態に陥った。

 背後にある中国共産党も、国有企業のいくつかに指令して資金を供出させたものの、あくまで「民間企業の事業」と装っているため、それ以上の支援はできない。
というより、世界中で、中国はプロジェクトを打ち上げたまま、出資の段階で、『送金の許可が下りない』などと妙な理由をつけて送金をしていない。
 ドイツの民間空港も、中国の出資が決まったのに、突然、出資取りやめ、ドイツが激怒している。

 対照的にパナマ運河は拡張工事が完成した。
 6月26日、パナマでは完成祝賀式典が開催され、盛大に運送力増加を祝った。背後でほくそ笑んでいるのは米国である。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう BOOKREVIEW 
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 理不尽極まりない中国のやり方にいつまで黙っているのか
  詐欺の常習、えげつない中国に怒りをぶつけよう

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広瀬勝『日本を愛する企業戦士たちへ』(文芸社文庫)
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 中国経済の沈没によって、日本企業はどれほどの被害を受けるか、いや日本そのものが大変な疫病神をかかえてしまう結果とならないだろうか。
 評者(宮崎)は日本の被害額を最低23兆円と想定しているが(詳しくは拙著、石平、福島香織共著『中国バブル崩壊の全内幕』、宝島社刊を参照)、問題は金銭的被害にはとどまらないことである。
たとえば無理難題を押し付け、出国停止にされるケースが頻出した。こうなると精神的トラウマに悩まされる。そうした人的被害、精神的被害を勘案すれば、東日本大震災に匹敵するほどの荒廃をもたらす危険性がある。

 本書は実際に詐欺に引っかかって莫大な金額を騙された実体験をもとに、日本の企業戦士に訴えるかたちをとっているが、その驚くべき中国人の手口、詐取、そして日本人を人間扱いしていない傲慢、残虐、たかりの本質を活写している。
 中国と留学なり、あるいはビジネスなりで多少でもかかわりのある人は心して読むべき本である。
 著者はこう訴える。
 「二度にわたる反日デモで建物に放火されても、機械を破壊されても、商品を略奪され、焼却されても、さらには出国の自由を奪われても日本人は何もしないと中国共産党はたかをくくる。そして昼夜を問わず憎悪感情をむき出しにした反日教育を流し続け、子供たちには反日思想を植え付ける。これは即ち、日本人の生命、日本企業の財産に対する侵略行為におよぶプロセスで確実に中国人の心理に反対動機の形成可能性を減殺させていることを意味する」。
 だから『話せばわかる』相手ではない。

 なにしろ尖閣諸島が侵略される寸前というのに、魚釣島には立派なヘリポートが完成しているというのに、自衛隊を常駐させないほど、日本政府は腰が引けている。
うっかり、「中間線」で譲歩したら、中国は東シナ海に海洋リグを十数基も建て、ストロー方式でわが領海からも資源を盗んでいるのに、抗議もしない。だからなめられ続ける。そればかりか援助をし続ける。
 しかし、その日本からの「援助実績などほとんどの中国人は知らない。恣意的に誇大化した南京事件の犠牲者数の流布に余念がない」
だから始末に負えない。
 実際に現場で被害に遭うのは社命で派遣された企業戦士とその家族である。
 いまこそ企業戦士よ、立ちあがれと著者は激をとばす。実際に甚大は被害を体験した著者でなければ書けない生の声である。
 評者は、著者の広瀬氏とはセミナーやテレビ討論番組で何回かご一緒したことがあるが、熱情的な人で、話し方にも使命感がこもっている。
 本書が中国と取引のある企業人ばかりか、マスコミ関係者、若い諸兄にも広く読まれることを望みたい。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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  ♪
(読者の声1)米国のマスコミは宮崎さんが指摘されたようにワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズの主要3紙がいずれもリベラル(左翼)で、わずかにウォール・ストリートが保守というのが実情。ワシントン・タイムズはほとんど影響力がありません。
 テレビはFOX以外は全てリベラルです。
私も所属していた20数年前のホワイトハウス記者のリベラル率は、宮崎さんご指摘の7割を少し上回っていたような実感があります。少なくともホワイトハウスで共和党支持だという記者にお目にかかったことがありません。
 ちなみに日本のマスコミも大同小異。首相官邸クラブ所属記者の9割は多分左翼であり、辛うじて自民党記者クラブで7~8割といった感じでしょうか?
従って各紙が「アベ攻撃」に終始するというのは当然の成り行きです。 
(加藤清隆)


(宮崎正弘のコメント)テレビの政治評論家にしても、加藤さんら少数を除いて、みんな左翼ですからね。亡くなった三宅さんが懐かしくなります。



  ♪
(読者の声2)アメリカ政府は一昨日に北朝鮮の金正恩委員長を名指しで人権侵害者とし、金融制裁の対象者と公表しました。
この動きは、アメリカがいよいよ北朝鮮の体制を崩壊段階に入ったとみていると理解すべきだと思うのですが、日本のジャーナリズムにはこの視点からの緊迫感を持った報道が為されていません。
宮崎先生のご見解をお聞かせください。
(SSA生)

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    加瀬英明のメールマガジン   加瀬英明のメールマガジン 
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アメリカにおける知的エリートの暴走
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アメリカがトランプの話題で、沸騰している。
 不動産王のドナルド・トランプは、大統領選挙へ向けた予備選挙が2月に 始まった当初は、アメリカの知的なエリートが支配するマスコミから、お 笑い芸人(ボードビリアン)もどきの奇矯な泡沫候補だと、見られていた。
 私もすっかり、そう思い込んでいた。私は年2回、ワシントンに通ってい るが、アメリカの知的な社会としか、交わってこなかった。
 いま、アメリカでどこへ行っても、トランプと並んで大きな話題となって いるのが、日本でほとんど報道されていないが、トイレ(便所)である。
 5月に、オバマ大統領が大統領令を発して、男性であっても、女性であっ ても、自分がそう認識している性別に従って、男女どちらのトイレを使っ てもよい、ということにした。
 出生時に届け出た性別によって、トイレの使用を強いるのは、ゲイ、レズ ビアン、性同一障害者に対する差別だというのだ。
 この大統領令をめぐって、アメリカは大混乱だ。全米が賛否に沸きかえっ ている。自治体によっては、大統領令に従うことを拒んでいる。チェーン ストアが顧客に従来通りに、出生時の性別によってしか、トイレを使うこ とを認めないときめたところ、ボイコット運動の標的となっている。
 来日したアメリカの親しい友人が、「いま、アメリカで流行っている ジョークがある」といって、「ケネディ(大統領)のレガシーは男(マン) を月面に送った。オバマは男(マン)を女性トイレに送った」と、教えてく れた。
 昨年月には、『ニューヨーク・タイムズ』紙が、大きな記事を載せて、 「ミスター」「ミセス」「ミス」と呼ぶのは、差別であるからといって、 そのかわりに全員を「Mx」と呼ぶべきだと、促した。私はいったいどうMx を発音したらよいのか、分からなかったので、アメリカ大使館員に確かめ たところ、「ミックス」というそうである。
 これは、氷山の一角にしかすぎない。差別反対主義者たちが、旧来の社 会常識を大きく変えてきた。日本でも、セクハラ、パワハラからヘイトス ピーチまで、模倣されるようになっている。

 トランプが知的エリートたちの予想を大きく裏切って、大統領レースの 先頭に躍り出たのは、所得格差がひろがるなかで、金持ちと庶民のあいだ の溝が、深まったのに対する不満が爆発したことによると、説明されている。
 ハイテク化に加えて、経済の構造改革が叫ばれてきた。その追風を受け て、経済効率が向上して、金(かね)が金を生むわきで、人手が省かれて、 庶民の労働価値が低下してきた。
 トランプ現象は、社会が高学歴の知的エリートによって、支配されてき たことに対する反乱である。素朴な庶民にとっては、祖祖父、祖祖母から 使ってきた言葉を使ってはならないとか、ミスターとか、ミセスは差別に なるとか、男が女性トイレに入ってもよいとか、バカバカしいにもほどが ある。
 庶民にとっては、もう、いい加減にしてほしい。男女の区別があって、 何が悪い。このところ、アメリカでは「チェアマン」(議長、会長)と いってはならない。「マン」が男を意味するからだ。「チェアパーソン (人)」といわねばならない。数百年も使い慣れてきた言葉のどこが、悪 いのか。
 もっとも、日本でも「痴呆症」が差別になるから、「認知症」というよ うになった。それだったら、「不妊症」は「妊娠症」というべきだ。警察 庁が「婦人警察官」の「婦」が女が帚(ほうき)を持っているから差別だと いって、「女性警察官」と呼び替えるようになった。
 私は帚で掃除するほうが、心が籠っていると思う。
 歴史を振り返ると、男女の区別や、言葉が乱れると、文明が滅びること を教えている。もう、アメリカの真似はやめたい。
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 宮崎正弘の新刊案内  http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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       ♪♪♪
宮崎正弘のロングセラー 
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『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) 
 http://www.amazon.co.jp/dp/4759314938/
『中国大恐慌以後の世界と日本』(徳間書店、1080円)
『中国大失速、日本大激動』(文藝社、1620円)
『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』(徳間書店、1080円) 
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々  世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)

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<宮崎正弘の対談シリーズ> 
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宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 宮脇淳子 『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 石 平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 西部 遭『日米安保五十年』(海竜社)  
宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
       ◎み□◇▽や□○ざ◎□○き○ 
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(休刊予告)海外と地方講演旅行のため7月24日から8月3日まで休刊します。
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2016 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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宮崎正弘の国際ニュース・早読み (中国『海のシルクロード』、バングラデシュで頓挫    チッタゴンの南,深海の港湾新設をハシナ政権はキャンセル )

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)7月9日(土曜日)
          通算第4957号 
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 中国『海のシルクロード』、バングラデシュで頓挫
   チッタゴンの南,深海の港湾新設をハシナ政権はキャンセル
***************************************

 またまた中国提案の巨大プロジェクトが頓挫した。
 メキシコ新幹線、米国(ロスーベガス)新幹線、インドネシア新幹線と陸のプロジェクトの挫折ばかりではない。

 『海のシルクロード』は言うまでもないが、中国の軍事戦略の一環であり、南シナ海に伸びた魔手はマラッカ海峡からインド洋へ伸びており、スリランカのハンバントタ港にはすでに中国海軍潜水艦が寄港し、インドばかりか米国が警戒、その先のモルディブにはチャイナタウンが出来ている。
コロンボの沖合には人工島プロジェクトが再開されようとしており、パキスタンのグアイダール深海港湾整備は進んでいる。

 この海のシルクロードは、ジブチへおよび、そしてギリシアのピレウス港の買収に成功(チプラス左翼政権はデフォルト回避のため、港湾を中国に売却するという愚挙演じた)。つまりインド洋を囲みこみ、インドを封じ込める中国の戦略が背景にある。

 こうして中国の「一帯一路」の海洋版は着々と進捗するかにみえた。
 バングラデシュのチッタゴンは地政学的に要衝とされ、この港湾からの輸送路はバングラ国内ばかりか、ブータン、ネパールを含むインド経済圏の貨物輸送のハブでもある。

 バングラはその野党政権時代に、中国がチッタゴンの南に位置するソナディア港が深海であることから、ここに巨大港湾施設プロジェクトを持ち掛け、度重なる協議を経て、2012年に政府が許可に前向きとなった。ほかにUAE、オランダも提案を行っていたが、融資条件などが折り合わなかったとされる。 

 過去三十年、中国はバングラデシュに対して橋梁、道路、港湾整備など多くのプロジェクトを手掛けてきた。
げんに「中国・バングラ友好橋」は、八本が建設中である。
ダッカにはチャイナタウン五万人構想もあり、また繊維産業では中国企業が100万人のミシン女工を雇用している。

くわえて中国の武器がバングラ軍と警察の武装の82%、ほかに民間企業の進出も目立ち、重層的な進出がみられるのである。

 2014年、ハシナ首相は北京を訪問した。
 しかし数家月後の15年1月、ソナディア港開発構想は最終的に折り合いがつかず「白紙に戻す」ことが決まった。2016年2月に、この事実がインドのメディアで報道された。

 代わりにバングラデシュに深海の港湾プロジェクトを仕切るのは誰あろう、わが日本である。
チッタゴンの南に位置するマタルバリ(ソナディアからさらに南へ25キロ)に深海に面した港湾ばかりか、付近に四基の火力発電所とLNG基地が含まれ、総額46億ドル、この80%を日本がアンタイドローンでカバーする。

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   樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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知道中国 1437回】   
――「此際、南洋道とか何とか立派なる・・・美名に變ずることを」(中橋1)
   中橋徳五郎「台灣視察談」(安達朔壽 明治三十二年)

   △
 生まれは文久元(1861)年というから、高杉晋作らが徳川幕府の千歳丸で上海に赴いた前年である。亡くなった昭和9(1934)年は満州事変と盧溝橋事件のど真ん中――幕末・明治・大正・昭和初年と激動の時代を生きた中橋は、東京帝大大学院で商法を学んだ後、農商務省、衆議院、逓信省などに勤務する。

 「台灣視察談」は明治32(1899)年5月8日に「大阪某會」で行った談話だが、この当時の中橋の経歴を探ると、前年には官界を去り、岳父である田中市兵衛の後を承けて大阪商船社長に就いている。その後、彼は社長として台湾航路での営業拡大に辣腕を振るい、同社の業績挽回に尽くした。ついでにいうなら、日本窒素、宇田川電機などの経営にも参画。日本窒素の熊本県水俣工場(後の水俣病原因工場とされる)の建設を指揮。

 

 明治34(1901)年の大阪市会議員就任を機に政界進出。衆議院議員(当選7回)となり、原敬内閣では文部大臣として高等学校10校、工業・商業・農林・外語・薬学系専門学校29校の新設、医学専門学校5校の設置、東京高等商業学校の大学昇格など長年の懸案であった高等教育機関の充実に尽力。内務、商工大臣を務め、大蔵大臣就任に強い意欲を示したとも。

 この経歴から判断するなら、「台灣視察談」は、社運の傾きかけた家業・大阪商船の挽回を台湾航路拡充に求めた頃に行われたように思われる。ならば「大阪某會」というのは大阪の海運業者、あるいは商工業者の集まりか。長谷川の木材業界にせよ、中橋の海運業界にせよ、当時の日本経済界が台湾を新たな飛躍の地として注目するようになったということか。であればこそ、「剣や鉄砲の戦争には勝つても、経済上の戦争に負けると、国は仕方なくなるヨ」との勝海舟の呟き、「陸海軍人櫛風沐雨の功勞を以て得たる國威も商業塲裡の失敗を以て空しく實力を毀損し唯?史上の名譽を留むるに過きす」との長谷川の危惧の念が、より真実味を帯びてくる。

 海運会社の新米社長としての中橋の「台湾視察談」から、当時の日本経済界による台湾経営の将来像が浮かんでうるような気もするのだが。

  談話の冒頭で「昨年十二月臺灣に渡航し」、さらに「本年は去る二月再び同地に渡航し先月下旬歸阪しました」と語っているところから、社長就任直後、さほどの間を置かずに2度の台湾視察を行ったことが判る。台湾航路に社運を賭けた中橋の意気込みを感じる。また「本會の幹事」から強い要請を受けて「臺灣の事情」を話すことになったということだから、「本會」の関係者は、よほど強い関心を台湾に示していたのだろう。

  ついで本題に移り、事前に聞いた台湾帰りの話では台湾の統治は「甚だ困難」で、交通は「餘程困難」で、港湾は「極めて儉惡」で、気候は「餘程惡き」とのことだったが、現地に行ってみて、「私は多く反對の意見を持つ」ようになった。たとえば「臺灣統治問題の如きも、恐らくは統治者自らが之を困難ならしめている」ように思える。それというのも台湾に対するに「我が内地の如く同一の言語、同一の習慣、同一の歴史も以て統治」しようとするからだ。「苟も言語を異にし、習慣を異にし、?史を異にするところの一國一地方を治めんとするには、極めて其の方法を簡易にして統治者の力を或る種類の事項に集注し、勉めて其勢力の散逸を防がねばならぬ」ところである。

 「私が考ふるところ」では、台湾統治の要諦は、一方で警察力を充実させ「土人に對して十分に其生命財産の安固を與へ」、一方で「交通の利便を開き其利用厚生の道を達せしむれば乃ち足れりと確信するのである」。それというのも「新領土の人民は只さへ恐懼の念慮を抱く」。だから「施政の第一は其土民をして其堵に安んぜしむに在る」からだ。
《QED》
   ◇○◎ ▽□◎ ◎○◇
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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  ♪
(読者の声1)貴誌連載中の樋伊豆木克夫氏の【知道中国】シリーズ。はいま台湾について紹介されています。
せっかくですから、伊能嘉矩の夥しい報告書のなかからひとつ紹介していただけませんか。日本の領台と同時に台湾に入り、台湾総督府嘱託として平地から山地までくまなく歩いた偉大な先人です。
今で言うなら契約社員ですね。マラリアに冒されながらも床にあって報告書を書き続ける。その情熱はどこからきたのか?
明日の雇用も保証されないのに。伊能の著書は台湾でいくつか中国語に翻訳されていたかもしれません。確か伊能についてのテレビドラマもあったような気がします。見ておりませんので、わかりませんが。
  (浪子)



  ♪
(読者の声2)新刊の「中国、バブル崩壊の全内幕」拝読しましたが、「逃げ遅れる日本企業」、と早くから警鐘を鳴らしておられたのに、未だに支那へ進出しようとしている企業も在るようです。
 可笑しな人たちもいるものですね。
 三菱UFJ銀行は800億も融資して、挑発ばかり仕掛けてくる中共から回収の見込みはあるのでしょうか。金持ちである筈の中共が、何故、融資を願い出るのですかね。不思議ですね。
 膨張主義に狂っている政権など1日げも早く崩壊してもらいたいものです。
    (北九州素浪人)



  ♪
(読者の声3)アメリカの左翼マスコミの影響力について教えてください。
 以前、ビル・クリントンが、文章には書けないような卑猥なことをホワイトハウスでしておきながら失脚しなかったのですが、
 あれはどこの国でも資質を問われて仕方がないレベルでした。相手に暴露されたことからして、人望も政治力もないこともわかります。
 あのころから気になっていたのですが、それでも民主党だから助けたいと思うのがアメリカ左翼マスコミで、その影響力が大きい、ということなのでしょうか?
   (NS生 千葉)


(宮崎正弘のコメント)米国に限らず、左翼がメディアの主流で、フランスでもルモンド、独の南ドイツ新聞はリベラル、ともに反日です。英国もガーディアンなど左翼的ですね。
 米国はニューヨークタイムズ、ボストングローブ、ワシントンポスト、ロスアンジェルスタイムズなど、極左、リベラル。かろうじてワシントンタイムズが保守。ウォールストリートジャーナルは体制保守、したがってトランプには批判的ですね。
 テレビはCNNが90%、トランプ批判、ABC、NBCも左寄りで、唯一FOXテレビが保守です。
ジャーナリストの70%は、はっきりに民主党支持という旗幟を鮮明にしています。



  ♪
(読者の声4)国連が世界に広めた「慰安婦=性奴隷」の嘘。ジュネーブ国連派遣団報告(自由社)。藤岡信勝編著
 第4回:第二章 世界に広がった「慰安婦=性奴隷」の嘘
 1、2007年米議会慰安婦決議から全米に波及
 アメリカにおける慰安婦問題は2007年の米議会下院決議から大きく取り上げられるようになりました。それ以前から実は、対日訴訟問題の一つとして取り上げられていました。マイク・ホンダもカルフォルニア下院議員の時に関係した「ヘイデン法」とよばれる「戦時強制労働補償時効延長法」によって膨大な補償訴訟が出されました。
慰安婦もその中に含まれていました。しかし、これらに対し米国務省・司法省は一貫して「サンフランシスコ講和条約での国家間の合意で解決済み」との日本政府の主張を支持しました。合衆国最高裁判所は、慰安婦たちの集団訴訟却下の最終判断を下しました。アメリカのマスコミもこれを支持する論調がほとんどでした。
 ところが今度は、「女性の人権問題」にすり替えた日本叩きが始まり、マイク・ホンダらは2007年に下院の決議を勝ち取ることになったのでした。この決議は、拘束力無しですが、「検証なし」で決議できるところに「目をつけた」作戦かもしれません。
 しかし、この決議以降「慰安婦非難」は大手を振ってアメリカで主張できるようになり、グレンデールの慰安婦像建立などが続出してきました。自治体がいかに一部の勢力によって動かされているのか、その実態をこの論文は詳しく報告してくれています。
 日本語原文:http://hassin.org/01/wp-content/uploads/TheUNsGloba4.pdf
英訳文:URL  http://www.sdh-fact.com/book-article/744/
 PDF:  http://www.sdh-fact.com/CL/Fujioka-2016-CHAPTER-2.1.pdf
海外には、下記の通り英文で発信しました。
   (「史実を世界に発信する会」会長代行 茂木弘道)



  ♪
(読者の声5)「生蕃ノ支那人ヲ見ルコト仇讐モ啻ナラス」は明治の遠い時代のことではありません。▼30年近くまえ台湾東部、宜蘭の山地部落を歩いていたときのことです。山地と言っても昔の部落のあったような何千メートル級のところではありません。ここの原住民たちは日本時代そして光復後を通して高山から平地に移住させられた人々です。▼早めに移住した人たちは政府から水田を与えられました。しかし水田をもたない人びとは深山に入ってシイタケを栽培していました。深山はかれらの祖先の地です。一度山に入ると、3ヶ月くらいは部落に帰ってきません。ここで木を切り、シイタケの菌を植え付け、出来たシイタケを乾燥させて持ち帰るのです。▼でもこの山は国有林です。山を下りる途中に、林務局のお役人に見つかることもあります。そうすると苦労して育てたシイタケもすべて没収されてしまいます。お役人たちは没収したシイタケを自分たちで頂いてしまうとか。そんなわけで、この地方の原住民たちがいちばん嫌っているのが林務局のお役人(漢族=シナ人)でした。政変とかクーデターとか大きな混乱が起きたら、「まっさきにコイツラの首を刎ねてやる」と、おじさんは言っていました。▼かれらの祖先たちが獣を追って自由に走り回っていたところ。それが台湾山地です。国有林? 
何、それ、おいしいの?
やっぱりシイタケのほうがうまいでしょ?…でしょうか。
(浪子)
      △◎□◎ ◇○○○ ○△□◎ □◎◇○ 
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 アンディ・チャンのアメリカ通信
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アメリカにはこんな人物しかいないのか。まさに「アメリカ死ね」である。
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[AC通信:No.599 Andy Chang (2016/07/07)
[AC論説] No.599 ヒラリー不起訴アメリカ死ね

7月5日朝、FBI長官コーメィ(James Comey)はヒラリーのメール調査報告で、ヒラリーの数々の違法行為を列挙し、「きわめて不注意(Extremely careless)だった」と糾弾しながら最後の結論において「ヒラリーが法を知りながら故意に罪を犯した証拠は挙がらなかった。
よってどの検察官も彼女を立件できない」と述べたあと、記者の質問に答えず退場した。15分後に誰かがインタネットで「アメリカ死ね」とツイートした。
 発表後からすぐにこの不起訴決定に不信、不満足、抗議が押し寄せ、メディアはこのことで持ち切り、しかも決定に不満が100%である。
 6日午後、リンチ(Loretta Lynch)司法長官は「FBI長官の結論でヒラリーの調査は打ち切る」と発表した。
そして本日7日、国会はコーメィ長官を喚問した。国会も国民もFBIの報告に失望しているのでヒラリーの不起訴討論は11月の選挙まで続くだろう。

 FBI長官の発表の数日前にリンチ司法部長とビル・クリントンが「偶然の出会い」の密室会見をした事件があり、ヒラリー不起訴はすべてオバマ政権の作ったシナリオ通りと言われている。

●FBI長官報告の概略

 コーメィ長官の列挙したヒラリーの違法行為は簡単に説明すると以下のようである:

1 ヒラリーは国務省の許可を得ず複数の私有スマホを使用し、国外でも機密保持のない私有スマホで通信していた(ヒラリーは個人スマホを一つしか使っていないと公言、誓言した)。

2 ヒラリーは国務省の許可を得ず、複数のクリントン家専用のサーバーにすべての通信データを残し、このうちの55000通の通信を提出したが、国務省の許可なく勝手に32000通のデータを消去した。データの消去は弁護士が全てをチェックしたとウソをついた。
だが弁護士は「機密マークのあるなし」を調べただけだったと言う。ヒラリーはメールの送受信に機密メールの記号はついていなかったと強調した。しかし機密マークの付いたメールが3通発見された。弁護士は機密扱い許可を持っていない。

3 FBIの調査したメールの結果とは2014年に国務省が提供したヒラリーの3万通のメールを調査した結果である。ところがFBIの調査したメールのなかに110通のトップシークレット(Top Secret)メールが発見され、その他にも複数の敏感(Confidential)メールも見つかった。
更に2000通のメールは機密データを程度の低い敏感に変更したものがあった。許可なしで変更したのか。

4 調査したメールのうち、ヒラリーが勝手に消去したメールを国務省以外の機関から取得したのもある。ヒラリーが提出しなかったメールでほかの機関から取得できなかったメールもまだあるはず。

5 メールに機密記号が付いていたかどうかではなく、他の機関から送られてきたメールは、ヒラリーの地位(国務長官)からみてトップシークレットかどうか判別できるはずだ。ヒラリーは送受信したメールに機密記号はついていなかったと弁明したが事実として機密
記号の付いたメールもあった。
たとえメールに記号がなくてもヒラリーは機密かどうか判別できるはずだった。

6 この調査で分かったことは国務省が機密メールの取り扱いに極めて杜撰であることだった。

7 ヒラリーのサーバーは機密扱い許可がないためハッカーに侵入された可能性がある。しかもヒラリーは国外に居た時の送受信にも機密性のないスマホを使っていた。ハッカーが機密データを取得した証拠は発見されなかった。

8 これらの事実が分かったにも拘らず、ヒラリーが「明らかに意図して、違法と知って法を無視した」、「意図して法を犯した」、または「国家に危害を与える行動をとった」ことは証明できなかった。

9 ヒラリーの行いは「きわめて不注意(Extremely careless)]であったが、違法を知って故意に行った証拠はなかった。そういうわけで、いかなる検察官も彼女を立件、起訴は出来ないと判断したのである。以上が結論である。

●リンチ司法部長とビル・クリントンの秘密会見

 コーメィ長官の発表に先立つ6月28日、ビル・クリントン元大統領はアリゾナ州フェニックスの空港で「偶然の出会い」と称する秘密会見をした。
 クリントンの飛行機がフェニックス空港に着陸しクリントンが地上におりたあと、まもなくリンチ司法部長の飛行機が到着して、二人は「偶然の出会い」で握手し、二人はリンチの飛行機に乗り込んで39分の会話をした。
機内に入る前にリンチ部長は護衛に対し、「機内に入るな、写真を撮るな」と命令した。会見の後彼女は新聞記者の質問に答えて「ただの日常会話、孫の話やゴルフの話」と説明したが、二人で39分も日常会話をしたなんて誰も信用しない。
 
メディアの批判が激しかったのでリンチ部長は、ヒラリーの調査結果はFBIの調査結果を見てから決めると述べた。そのようなことがあって、5日にFBI長官がヒラリー不起訴としたから、リンチ部長は6日の午後、「ヒラリーの調査は終了した」と発表した。
 だからこの一連の事実を繋ぎ合わせてあるシナリオがあったと言う人もいる。つまり、リンチ司法部長とクリントンの秘密会見→FBI長官のヒラリー不起訴処分発表→司法部長のヒラリーの調査終結、この繋がりに疑問を感じない人はいないだろう。但しFBI長官は、「誰からも何処からも圧力を受けなかった」と国会喚問で誓った。

●国会でFBI長官コーメィを喚問

 7日の朝、国会はコーメィ長官を国会喚問した。コーメィ長官は5日の発表の通り、誰からも圧力を受けていないと宣誓し、ヒラリー不起訴は調査の結果からヒラリーが法を知りながら違法行為を犯した証拠は立件できないと強調した。
しかし国会議員は信じなかった。

 ガウディ議員は記者に次のように述べた。個人スマホの使用、複数のスマホ、複数のサーバー、データの改竄と消去、機密メールの存在など、すべてヒラリーの決定である。そして彼女はウソの弁明を繰り返した。明らかに違法と知って法を犯した証拠である。
 ギングリッチ元国会議長も記者の質問に対し次のように述べた。
 ヒラリーは8年の大統領夫人、4年の上院議員と4年の国務長官の経歴を持つ法を知り尽くした人である。ヒラリーが機密とは何か、違法とは何かも知らなかった、だから「極めて不注意だった」と言うFBI長官の結論は不当だ。このような経歴の持ち主が本当に法を知らなかったならこんな人物が大統領になれるはずもない。
 ライアン国会議長は7日、ヒラリーの機密扱い許可を廃止すべしと言う申請書を提出した。機密扱い許可がなければ大統領になれない。ライアンは「最低限度、今から11月の選挙までヒラリーの機密扱い許可を廃止すべきだ」と述べた。
 ヒラリーの選挙本部は不起訴処分で立候補は確実と喜んだが、民意調査ではヒラリー不利となった。トランプの人気が下落したのでこの二週間ほどヒラリーがリードしていたのに、FBIの発表のあとヒラリーの人気は落ちてトランプと同じ40%以下になった。
 つまり二人とも大統領に不適任である。
ヒラリーとトランプ、二人とも「大統領になる資格」が26%。アメリカにはこんな人物しかいないのか。まさに「アメリカ死ね」である。
   
              (アンディ・チャン氏は在米評論家)
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宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
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宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 西部 遭『日米安保五十年』(海竜社)  
宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
       ◎み□◇▽や□○ざ◎□○き○ 
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(休刊予告)海外と地方講演旅行のため7月24日から8月3日まで休刊します。
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2016 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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Mathematicaプログラムコードの手直し

Mathematicaが動いた!!!
なんという事か!? Unbelievableとはまさにこのことだ。
さすがだ!。こういう事も10.4.1.0ならあり得るかもしれないと最後の賭けのつもりでバージョンアップをしたのだったが。

やはり、もう駄目と思い込んだ矢先に、朗報が届いた。一度にいろいろな事が起きたので、書かないでいたが亘香通商さんの薦めでバージョンアップしたのだが、期待に反して動かず米本社に手紙を書いたが、それ対して回答をもらうためには通常のユーザではなくプレミアムユーザにならなければならず、米国以外のユーザは本国の代理店にプログラム持参で相談するような指示が届いた。

その結果、

平素は弊社代理店商品「Mathematica」をご愛顧賜り厚く御礼申し上げます。

お客様のノートブックファイルを拝見させていただきました。
2.3当時の文献をもとにされているためか,Regress関数が使用されておりますが,7.0以降の線形回帰はWolfram 言語に組み込まれております。
今回お客様がご使用になられたLinearModelFit関数が,まさにそれにあたります。
判り易くするためにお客様の入力されたデータを表にしてみました。
観測値
z
No.1
9.4
5.3
8
No.2
13.5
8.4
11
No.3
8.2
6.2
7
No.4
18.6
11.8
16
No.5
10.9
9.2
10
No.6
7.8
4.3
6
No.7
12.6
7.1
11
No.8
15.6
11.5
9

統計ソフトの場合,上記のような表を用意するだけで,お客様がお求めになられようとしていた数値がいとも簡単に得られます:

などと最初の返信が届いていた。最初は一般的な話だったが、参照したプログラムを見た方が、プログラムが少々おかしいと気づかれ、問題点を指摘してくれた。
最初はありきたりの指摘だったが、一々返信していたら、一般的な部門ではなく専門部門から吟味したメールが届き、あやまりの内容が分かってきた。

統計ソフトの場合,上記のような表を用意するだけで,お客様がお求めになられようとしていた数値がいとも簡単に得られます:
 
係数
切片
0.508216
X 1
0.775925
X 2
0.55167

しかしMathematicaは万能な数式処理ソフトではあるものの,統計解析に特化したプログラムではなく,さらにはWolfram言語という独自の言語を使用しているため,それらの充分な理解が必要となります

端的に言えば次の数値は,間違いではありません:
{1,00797,0.946487,-0.336903}
それから先の作業があるのです。
添付のファイルを参照ください。

通常,エンドユーザーのテクニカルサポートは米国のサポート窓口で受付けておりますが,今回代理店への連絡を要求するケースは稀なため,おそらくプログラムに異常が発生したものと解釈したのではないかと考えます。

とりいそぎ以上お伝えいたします。

亘香(せんこう)通商株式会社 (SENKO Corporation)
ヘルプデスク
220-0004 神奈川県横浜市西区北幸2-9-30 横浜西口加藤ビル2F

この時は「それから先があるのです」の意味がわからなかった。

さらに

平素は弊社代理店商品「Mathematica」をご愛顧賜り厚く御礼申し上げます。

お返事ありがとうございます。
新しいバージョンではWolfram言語を使った関数に置き換わっていますが,古い関数が機能しないわけではございません。
そこでお客様のノートブックファイルをWolfram 社の東京オフィスのテクニカル担当者がチェックしたところ,
以下のような問題点が見つかったとのことです:(青字の部分:原文のまま)
頂いたオリジナルのコードは、バグがあって、正常に動作しません。
# コーディングのバグと、論理的なバグ、また、仕様上の不適合があります。

つまり,「コードを修正すれば、LinearModelFit[ ] の結果を再現できます。」とのことでこれを同担当者が修正したものを本メールに添付しておりますので,ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。

なお「2.1で行った結果のメモ」はどのようなフォーマットで保存されているかにもよりますが,Excel の形式(xlsx)であれば, Import[ ] で簡単に読み込めます。

亘香通商株式会社
ヘルプデスク

このメールはDELL NOTEで会社で受信したのだが、会社ではMathematicaがないので、中身がわからない。それでノートごと持ち帰り、家で帰ってから、もう一度ノートのメールを見ながら中身を検討した。MacのThunderbirdではどれも青い色の部分が通常どおりに表示されどこが青い色の部分かわからなかった。



これによると,
現代数学社のMathematicaによる多変量解析の本には、コーディングのバグと、論理的なバグ、また仕様上の不適合があります、と指摘されていた。

これで、ようやく買ったばかりの新製品のバグではないらしいと気持ちが変わりはじめる。 



そこでまず、最初の実行ファイルを見る事にする。

本の通り入力した筈であるが、最初に指摘されたのがnの定義とmyの定義の間にセパレータがないので誤動作する。正しくはn=Length[data];とセミコロンを挿入する。そこで、原文を参照したら、ちゃんとセミコロンがついているではないか!?全然気づかなかった。

しかし、以降の話は著書の側の話で、小生の責任ではない。それでも指摘の通りにプログラムを直すと、指摘の通りに動いた。新しいプログラムはこれである。


これだと、教科書どおりの答えが出ている。そしてLinearModelFitの実行結果は昨日示したウインドウズ版エクセルに追加した小生のデータ解析結果

の数値と似ている!。どちらも同じデータであり、定数項を持たせる点でも同じであるが、計算誤差の蓄積がソフトでそれぞれ異なるために微妙な差が出てくるようである。

再三にわたり小生の初歩的ミスや疑問に手を抜かずおつきあいいただいた亘香通商のご担当の方々に心から感謝し、お礼申し上げる。

それにしても、Mathematicaの奥行きの深さは想像すらつかない。今回の指摘でも、説明変数の並べ方は、最初にx1、x2、そしてyというふうにデータをならべるのが暗黙の作法だそうだ。(2変数の重回帰の場合)。手紙の中にその先があるのです、という下りはそのことと関連して、偏回帰係数にマイナスが出る結果は、計算自体はあっているという。ただ、教科書のプログラムでは何をyとしているかの断りがないので、同じ並べ方をしてしまったが、エクセルで確認しても-の値がでる。

わざわざデータの並べ替えをしていただいて、regressionというプログラムと
デフォルトで装備されている線形分析機能を使った結果が、示されている。

つまり、データとその配列の順序が同一ならば、同一の結果が返される、と解釈して問題なかろう。

これで万事めでたし、となれば言う事はないのだが、また課題が出てしまった。

実はこういう問題である。このプログラム上には二つの実行可能なプログラムがあり、入力ー訂正したregressionとバージョン7以降、呼び出さなくてもすぐ答えのでるLinearModelFitというものが記述されている。訂正プログラムで、小生のデータ結果が(7)となっているように、プログラムが動く事を確認したのは、data1という8組のデータで正しいとされた結果が出たので、そのままに。その後では自分のデータは36データを読み込ませてみると、エラー的結果になった。
それで、原因がわからず、ヘルプデスク宛返信に書いてしまった。すると、実行環境のOSのバージョンを確認され、問題なしとわかり、送られたデータの数字の上から4行目の左側の{1.06, 0.35, .242}、となるべきなのに、0.35242となっていることに直に気づき、推測で配列をかきなおすと、指摘されるようなエラー的メッセージはでませんが、と答えてくれた。

送ったデータをチェックすると、配列になっておらず、動く訳なカンーベであった。最初に置かれた呼吸データを配列の最後に置くという暗黙の了解にしたがった措置で、急いでいたためチェックがおろそかになった結果である。

それでこれで決まりとばかりやってみたが、やはり動かない。それで、眼鏡をかけてもう一度でデータを眺めて行くと、多分お気づきにならない、もう一箇所の不適合が見つかり、それをなおしたら、すんなり結果が出た。Ver.7以降ついているなら前からある9.0でも動くかも、と思い、こちらのデータはチェックしてあったので、実行したら、やはり問題なく動いた。


In(2)とあるので、data文を読み込ませ、regressionプログラムを実行した値はどういう訳か-の値を含み、他の値も遠くはないがちがっている。備え付け機能の方はマルチ回帰で出した値とほぼ一致している。どういう事!??。さっぱりわからへん。
これはもう1台のiMac El Capitan (10.11.5)で動かしたバージョン9.0での動作結果である。

デバッグと毎回表示され不愉快だが、結果はその前のMaverick (OSX10.9.5)での演算と一致している。regressionプログラムの結果も一致している。

これから考えられることは、regressionプログラムの機能が偏差平方和を求める式で、その前の逆行列から求める式(動作しなかった、Theoristでは妥当な数値が得られた)よりは手計算式的なところがあって、組しやすいとおもって、最初の挑戦に選んでしまった。

しかし、テクニカルサポ−トからの回答にも、バグではないが改善したほうがよい点としてDet[ ]やInverse[ ]などの行列関数を使ったほうが拡張性が高まる、とご指摘いただき、さらにSum[list[indes],{index,1,Length{list]}]よりも、Total[list]を使う方が自然、などと指摘された。

Wolframのテクニカルサポートは,別途プレミアサービスの加入が前提となるので,実質有料サポートということになります。スタッフは全員が博士号の取得者で知識も豊富で実に頼りになると思われますが,それなりにMathematicaや言語に関する知識も要求されるかもしれません。プレミアサービスの普及に努める当社では自らテクニカルサポートは行っておりませんし•••などと親切なアドヴァイスをいただいている。
ありがとうございます。


組み込み式はおそらく、計算の打ち切りや桁落ちなどに対処してある結果だろうと、まだきまったわけではないが、それだけの長い経験の結果なのかもしれない。

この分散分析表なども出力させてみたい。20年間の空白は限りなく大きいかも、とだんだん分かってきた。!!