金曜日, 3月 07, 2008



先日久しぶりに大型書店に立ち寄ったら、図鑑の中に、爬虫類のバシリスクのみの写真集があった。なかなかきれいな出来で、水面を蹴るようにして水澄ましのように移動する連続写真などが載っていた。買おうかどうか迷った末に、リナックス関連書籍を買ってしまったのだが、エミュレーターBasiliskIIにかなりお世話になっている関係で、想像上の動物名とされていたので、実在するとなると、また新たな興味が湧く。

Mac付属のOxford American Dictionaryで引くと、挿し絵付きで解説されている。little kingが語源だとされている。それなら、まさに私にとっては、Leopard上での旧OSを管理するlittle Kingといえなくもない、と思う。

ネットでしらべると、ブラウザによっても違うのだが、爬虫類、バシリスクの用語で引くといろいろ紹介されている。
http://contents.kids.yahoo/co.jp/zukan/reptiles/card/0159.html
にはカラー写真とともに、生物的特徴などが出ている。なかなか可愛くも有り、りりしい顔立ちにも見えて
好感がもてる。写真はコピーライトがあるらしく、撮影者をみてみてまた驚いた。(C) Showichi SENGOKU
とある。これが、あのテレビによく出る千石氏なら、かれは私の出た高校の生物クラブの仲間の一人ということになる。いつも押し入れで蛇を飼育している変わり者、と出身中が同じ友人から紹介された。Shouichiかと思ったら、Showichi。英語のshowに引っかけたローマ字表記かとも思う。


「ある大学人のぼやき」にもバシリスクのことが引用されている。NHKテレビでも放映されたという。そういえば、書店で見た図鑑にも、そのことが帯にも書かれていたなあ、と思い出す。しかし、小さなキングの意味でいいんじゃないか、とその姿を見、エミュレーターの使用感から考えて、思う。

日本語のBasiliskIIの紹介欄でも、同様な伝説上の動物説が書かれている。それで、私はなんでまたそんな動物名なんだろう?と不思議に思っていた。小さいくせに信じられない能力を示し、それでいてカワイイ存在と言う実在のイメージのほうが、エミュレーターとしてのBasiliskiiをうまく言い当てている、と言うのは言い過ぎか?

『Basilisk IIは、Christian Bauer氏によるオープンソースの68k Macintoshエミュレータです。
BeOS、Unix、AmigaOS上で動作します。』

で、当初は、Win上でも、Mac上でも動作しなかったわけだ。

BeOSは、一時Macの次期OSのひな形になるのでは、と一部では噂された時期があり、その頃マイクロソフトは、WindowsNT をひな形にすれば、と考えていたことは、以前触れた。アップル社は悩みぬいた。BeOSのライセンス料が、かなり高くそこがネックだったとも。NTは失礼ながらアメリオ元CEOも触れていないが、魅力的な選択肢にはならなかったのだろう。そこへ、スカリーCEOに追放された現CEOのジョブス氏が、ジーンズにズックで乗り込みNextStepを母体にして新MacOSへと生まれ変えさせる方向へ決着した。この頃は本当にどうなるか心配な時期だった。『アップル薄氷の2000日』とかいう本も出た。

ウィンドウズNT以降のOSが、アプリの一個がハングしてもシステム全体に及ばない、という特徴を持つOSとして先行したので、アップルもそうしたOSの基本設計を新規に構築する必要に迫られていて、現行のOSにそれを求める努力は、結局中止となった。 Rhapsodyというコードネームは何やら新しい、素晴らしいMacが生まれる予感を与える印象を持ったものだが、



http://www.nowden.co.jp/info/tips/infobox024.html
には、
『Appleは社内での次世代OS開発をあきらめ買収した他社製のマイクロカーネル及び周辺技術を利用してスパゲッティになってしまったMacOSを再生させようと言うわけ。Microsoft社の初期MS-DOSと同じようなもの。

Yellow Boxの載るコアOSは、「Power PC」は、もちろんIntel製チップにも対応する。「Windows95/NT」版も登場予定。 「Wintel」陣営も取り込むApple再生のカギを握る戦略技術といわれている。』

などとあり、『上記はギルバート・アメリオ前アップルCEOの描いたシナリオです。その後アメリオ氏の退任/マイクロソフトとの提携やスティーブ・ジョブス氏の発言力拡大によって「またもや」方向転換となった。

その内容は・・・

今後の戦略を開発中の次世代OS「Rhapsody」(開発コード)から現行のMac OS中心に移し、結果としてアップルは「Rhapsody を中心に新しいMac環境を作り独力で再建する」シナリオから一転、「Mac OSに回帰しマイクロソフトの支援を受けて再建を目指す」という予想もしなかった方向に向かうことになった。』

とある。とにかく、マイクロソフトとちがって、CPUも二度変わり、3度目にインテル製となったり、試行錯誤と言っていいかどうか、可能な選択肢をいろいろ試し、その中でMacらしさを追求したのだろうが、システムとしては、独自でありながら、あらゆるOSとの親和性を持つようになり、昔を知る者にとっては、それほど
驚きではないものの、一部の人たちにとっては抵抗があるのかも知れない。

インテルMacとなっても68Kのアプリが動いてくれるBasiliskIIには、本当に感謝している。ソフトの断絶が救われたし、さらに高速になって、旧々Macが鮮やかに蘇ったのだから。その点だけは予想を越えていた、というしかない。



なかのひと

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