水曜日, 3月 08, 2017

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <ウィキリー クス、こんどはCIA機密文書9000件を暴露

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)3月8日(水曜日)弐
       通算第5213号  
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 ウィキリークス、こんどはCIA機密文書9000件を暴露
  米国の情報(インテリジェンス)組織は存立理由を問われている
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 トランプ大統領はCIAに喧嘩を売って、さらにはオバマ政権下で行われたインテリジャンス活動ではトランプの会話も盗聴していたと攻撃した。
FBIは長官が留任し、CIAに対抗するためか、トランプ政権との距離を縮めようとしているともいう。

 もとより911テロ事件発生以後、CIAとFBIは国家安全局(NSA)のもとに協力関係にあるとされたが、CIAとFBIの仲は悪く、さらにCIAはNSAともささくれだった関係である。

 ここに新しい爆弾が炸裂した。
 ウィキリークスは2013年から2016年にかけて、CIAが秘密裏に収集したとされる海外情報、とくに米国の同盟国であるEU諸国の動きを分析したCIA文書およそ9000件を暴露した。これらはドイツのフランクフルトにある米国領事館が集約し、CIAの契約会社がまとめていたという。

 これらには諸外国のスマホ、電話、コンピュータ並びにテレビに装填された録画装置や録音装置などから密かに集めていた情報とされ、7818件(NYタイムズ)、6761件(ワシントンタイムズ)と数は異なるが、いずれも「CLASSIFIED」(機密)に分類された情報だという。

 ウィキリークスの、この時点でもCIA文書漏えいは、米欧関係に亀裂を生ませることであり、ウィキリークスはCIAを見くびっていると米マスコミも酷評している。

 ウィキリークスの首謀者=ジュリアン・アサンジは、英国のエクアドル大使館に保護されている。

 しかし嘗てオバマ前大統領は、CIAが独メルケル首相の電話を防諜した事実を暴露された時に謝罪した経緯もあった。
CIA職員だったスノーデンが、香港で英誌に機密をばらして以来、機密漏えいに揺さぶられ続けるCIA、あるいは米国のインテリジェンス世界そのものが、これでは機能不全に陥ってしまう恐れもある。

 携帯電話がスマホとなり、その技術的進歩は加速度的であり、情報社会はどこまで突き進むのか。その一方で、情報が防衛できず、敵生国家にいとも簡単にわたるなど、技術のアキレス腱が露呈した。

 文明の道具が情報社会を脅かすというアイロニーが露呈した。

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(読者の声1)貴誌によればISが中国に宣戦布告し、「中国を血の川」にすると豪快というか、残忍なプロパガンダを吐いている様子ですが、中国の反応はどうなっていますか? おりから全人代開催中でもありますし。
   (TY生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)とくに新彊ウィグル自治区は警戒態勢、密告を奨励し、懸賞金を上げ、さらに工作員を募集するとかで、月給5000元、住居、食事保障と謳って、とりわけ優秀なハッカー、コンピュータ技師などを急募し始めるなどの対策に追われているようです。
 中国の情報当局は、ISに加わってシリアにいるウィグル人をおよそ百名と見積もっているようです。
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