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それはともかくとして、著者の「余命三年三代目」氏は、かの合意は安倍首相の「深謀遠慮」だったわけで、韓国は逃げ道を塞がれた。つまり日本と韓国の攻守が逆転したのだ、と述べる。駐韓大使と釜山総領事を「召喚」したが、日本国民の八割が、この大使召還を支持した。 経済界、財界そして政界にはびこる「韓国は大事な国、友好を第一に」とする考え方は根本的にあやまりとする本書では、大胆にも「ビジネスでも韓国は不要だ」と言ってのけるのである。 韓国は約束を守らないで、それでいて次の要求をしてくる。曰く「通貨スワップ交渉の再開」「日本人はもっと多く韓国へ観光に来て欲しい」 いかにお人好しの日本でも、こうした図々しさにはあきれ果てて反論する気力も失う。それでいて韓国へ行くと、あの「反日」は嘘のように、本当に心底で韓国人は日本に憧れているのだから始末に負えないというわけである。 議論はさらにオクターブが上がり、地政学的要衝という韓国の位置づけは古い国際政治感覚であり、「反共の砦」としての韓国の重要性は消えており、マッキンダー時代の「地政学的価値」はないと断言する。理由は「当時はまだソ連が崩壊する前の東西冷戦の時代であり、日本は韓国について「共産主義」に対する防波堤であり緩衝地帯という認識だった」からである。 こうした冷戦時代の甘やかしが、「日本に対しては何をしても許される」という誤解を与え、韓国前大統領は竹島へ上陸、慰安婦像設置などをやってのけた。 明治以来、日本は「(朝鮮を)近代化させようと様々な援助を行ったが、朝鮮人は独立心に目覚めることなく、これまで事大していた清の代わりに、こんどはロシアに事大する」 すなわち「朝鮮人とはいうのは有史以来の筋金入りの属国民であり、常に大国に事大していないと落ち着かないのである」 つまり、韓国とは断交してしかるべきであり、経済制裁を加えることから始めよう、むしろ日本が今後構えなければいけないのは核武装する朝鮮半島が目の前に出現するという恐怖のシナリオではないのか、としている。 日本の世論、静かなところで、大きく変わっている。 ○◎○▽ □◎◎○ ○◎○▽ ◎○◎○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ 樋泉克夫のコラム @@@@@@@@ 【知道中国 1542回】 ――「彼等の體力は實に野生である、獸性である」――(高瀬2) 高瀬敏?『北清見聞録』(金港堂書籍 明治37年) ▽ 「今や世界は清國を公開して、世界の大市場となさんとしてゐる」。イギリスはいうにおよばず、ロシアはダルニー(大連)、ドイツは膠洲湾、フランスは広州湾を押さえ、「支那の富を吐呑して其の利を占めんが爲」に必死だ。当時、日本の対清国貿易はイギリスに次いで第2位だが、「獨逸の雜貨は今日に於て既に續々輸入せられて、殆ど日本品を驅逐せん勢いである」。だから、「兎にも角にも支那市場に於ける世界の競爭は、将來?々激甚を加へて、其の勝敗は國家の消長に大影響を及ぼすに相違ない」と、高瀬の“雄叫び”は続く。 高瀬の主張に基づくなら、20世紀初頭の「支那市場に於ける世界の競爭は」、清国=中国の存在感・影響力の増大という点を除けば、1世紀余が過ぎた現在と大差がない。 19世紀中頃からの「支那市場の於ける世界の競爭」において、清国はプレーヤーたりえず、自国の市場であるにもかかわらず列強による富の争奪戦を傍観せざるをえなかった。弱国弱兵なればこそ、である。極論するなら、屈辱の時代とはいいながら、自らが招いたわけだから、いわば自業自得というもの。 それから1世紀前後を経た21世紀初頭の現在、中国は中国市場における主要プレーヤーへと大変貌を遂げたのである。これが1世紀の時の流れがもたらした最大の変化といえるだろう。これからの世界を見据えた時、この変化を深刻に考えるべきだ。日々の株式市況、不動産価格の上下に一喜一憂したところで左程の意味があるとは思えない。それは、「上ったものは必ず落ちる」というニュートン力学の法則が教えているところだから。 世界第二位の経済大国の前途には必ずや紆余曲折がある。だが、最上の進路を歩むにせよ、最悪の結末になったにせよ、世界は14億という人間の圧力を受け止めなければならないことを覚悟しておくべきだ。いわば昔も今も、「兎にも角にも支那市場に於ける世界の競爭は、将來?々激甚を加へて、其の勝敗は」、個々の「國家の消長」のみならず、世界の「消長に大影響を及ぼすに相違ない」のである。 ここまではいいのだが、これから高瀬は些か異なことを口走る。 「支那に四億の人民あり」。彼ら「四億の人民」は西欧列強に蚕食されるがままに眠り呆けている。だが、彼らは「人道の大義を以てすれば、共にわが同胞」であるだけでなく、歴史を遡れば「特にわが日本國民に取つては」「舊文明の父であり母である」。だから「わが日本は、清國人民の爲に、新文明の父母」とならねばならない――これが高瀬の考えだろう。だが「人道の大義を以て」したところで「共に同胞」とは、とても思えない。「特にわが日本國民に取つては」「舊文明の父であり母である」という考えを、そのまま素直に受け入れるわけにはいかない。さらには「わが日本は、清國人民の爲に、新文明の父母」となる必要があろうとも思えない。だから、高瀬の主張には諸手を挙げて賛成するわけにはいかない。 「舊文明の父であり母である」清国に対し、日本が「新文明の父母」となって救いの手を差し伸べる。なにやらアジア主義の原型のような気がしないでもないところだが、この考えの是非についてはいずれ詳細な検討を加えることとして、いまは高瀬の旅を急ぎたい。 世界が清国の「國家問題、實業問題、宗?問題、?育問題、社會問題」の解決に手を差し伸べるのが20世紀という時代の役割であるなら、日本こそが「最も直接の關係を有する」わけであり、「われもし能ふべくんば、此の事業の爲めに萬分の一を盡」したいと考え、高瀬は「支那に入らんと、微志を定めた」ということだ。 かくて高瀬は「男兒の意氣常に豪壮なるものあらん」と、「即ち足おのづから北京に向かったのである」。明治35(1902)年8月28日、高瀬の乗る相模丸は神戸港を発った。 《QED》 ▽△◎◎ヒ□◇▽イ□◎○ズ◎□○ミ○□◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (休刊のお知らせ)小誌、地方講演旅行のため3月19日―22日が休刊です ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ■ 宮崎正弘の新刊予告 ■ 宮崎正弘の新刊予告 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ 宮崎正弘新刊 緊急書き下ろし 『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず潰される』(徳間書店) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 予価1000円(+税)。 3月18日発売 まもなく予約募集を開始します ! ○◎○▽◎◎○○◎○▽◎○◎○ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 読者の声 どくしゃのこえ READERS!OPINIONS 読者之声 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ (読者の声1)朴大統領罷免、失職。刑事訴訟で、逮捕。起訴となりますが、つぎは反日、親北の極左が大統領となり、韓国はハチャメチャになります。このタイミングで在韓大使と釜山総領事を帰国させろ、と騒いでいるガクシャやジャーナリストが多いのですが、帰任させなくて良いのでは? (HI生、千葉) (宮崎正弘のコメント)新聞各紙のコメントを読み比べましたが、帰任させろ一色。どこかで世論操作の匂いがしますね。 もちろん、少女像撤去を約束したのですから、韓国が約束を実行するまで帰任させないのが「普通の国」の常識だと思います。通貨スワップ協議の再開にも応じる必要はないと思います。 ◎◎◎◎◎ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ★宮崎正弘の新刊予告(その2) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♪ 宮崎正弘新刊 宮崎正弘 vs 石平 対談第八弾 ♪♪ 『いよいよトランプが習近平を退治する!』(ワック) @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 予価920円+税 3月25日全国一斉発売! 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日曜日, 3月 12, 2017
宮崎正弘の国際ニュース・早読み <リベラル 派のニューヨークタイムズさえ、文在寅を危険視
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