水曜日, 10月 15, 2008

ネットブラウジングをしていて偶然見つけました。

杉原誠四郎氏の講演を聞いた、という感想ブログ。杉原誠四郎とは、ウィキペディアでは、概略
『外交史研究では、日中戦争・対米英戦争に関わる外務省及び外務官僚の無責任体質に問題があると主張し、外務省の戦争責任が隠蔽されたことによる戦後の日本の歪みを指摘している。
杉原の広範な研究活動を縦貫する大きな柱は、敗戦後の占領政策の下で日本政府、日本人がどのように対応し行動したかを明らかにする、という点にあるといえる。敗戦直前の外務省幹部による公文書の隠蔽、占領期における共同謀議的な口裏合わせや揉み消しにより、歴史の真相が巧妙に隠されたと考える杉原は、公開された限られた資料を深く読み込むことによって、隠蔽された事実をあぶり出すという独特の研究スタイルを確立した。』などとなっている。

講演とは、真珠湾攻撃に関するもので、ルーズベルトは事前に知っていたとするものだ、という。
http://yamakarashi.iza.ne.jp/blog/entry/750999/
私は、すでにブッシュ大統領が、9.11テロを事前に知っていたとする立場だし、であるなら真珠湾攻撃はなおさらそうであったはずだと固く信じている。東条英樹首相は、真珠湾攻撃を事前に知らなかった、と最近知った。海軍が独自に極秘に行ったもので、それなのに絞首刑。海軍軍人に、一人も刑死者がいないことに不思議に思っていた矢先、海軍内にアメリカの意向に沿ったそったスパイが何名かおって、ルーズベルトが望んでいた日本側からの『最初の一撃』を行ってしまった、というのだから、さらに驚いた。そのことは、二度にわたってここでも触れた。

今回の指摘で、私にとって目新しいのは、いわゆるハル・ノートはアメリカ国民には一切しらされていなかった、という点。アメリカ国民は参戦を望まないのが大勢であったから当然のことだ、としている。また、アメリカが日本の暗号を解読していたのみならず、日本でもアメリカの暗号を解読しており、そのことをある日本人が漏らした、という。これは決定的なミスである。
ルーズベルトはこれを利用して、アメリカの暗号を日本の通信に利用して、アメリカは更なる交渉を考えていない、これが最後通牒であると思わせた、という。

海軍が(山本長官たちが)真珠湾攻撃に際し、外務省の出先が宣戦布告の暗号電報の翻訳に手間取り、開戦後の1時間半ほど後にようやくアメリカ側に手渡し、これをもって日本側のだまし討ちによる先制攻撃ということになって、禍根を残した、ということになっていたが、私は、山本長官がスパイなら、この大使館員もスパイだった、とすぐに思った。渡部昇一上智大名誉教授は、この館員たちが戦後何のおとがめもなく、昇進し勲一等を得ていることを批判されていて、またNHKの反日姿勢批判として、NHKでマッカーサーが解任後、米上院軍事委員会で大東亜戦争の目的は9割方自存自衛のためのものであった、と証言したことを放送しないなら、NHKの視聴料は払いたくない、などとおっしゃっていたが、先生はまさか海軍までもがアメリカの手先とまではその時点ではご存知なかったはずだ。

伊藤四郎氏も、ラジオ番組の中で、アメリカが日本の真珠湾攻撃を事前に予知していて、攻撃させたなら、あの日米戦争の意味は全く異なった文脈になる、とこのルーズベルトが事前に知っていた説に、数年前に触れていた。

宣戦布告直後に、真珠湾攻撃があったというのと、宣戦布告前にあったというのでは天と地ほどの開きがある。ルーズベルトはアメリカは参戦しないという『公約』で大統領になったのだから、アメリカ自らは決して自発的に参戦できない。日本側と偶発的武力衝突の恐れがあっても、決して手出しをするなという厳命が下っていたという。

副島氏の先の著作によれば、米高官たちは、真珠湾攻撃の最中、夫人同伴でお茶会をしていて無線中継で模様を聞いていた、という。(外交文書でも一部出ているそうだ)。本当に日本軍が来るの!?という問いに、大丈夫、ジャップたちは必ず来ます、と言っていた。

この本は、ことしの8月に購入した本で、著者たちの大半が、私が好ましからずる研究家たちと目する何名かが中心になって書いているが、全く目を通さずというわけにはいかんだろうというわけで、買った本でまだ全部は読んでいない。副島氏が文芸春秋社というのは、アメリカの代弁をする社だからという指摘で、初めてこれまでの何かうさんくさい、と思っていた霧がはれた気がする。

読んで見ると、対談も各個人の物の見方が反映されていてわりによく出来た本といえるかもしれないが、いかんせん文春文庫ではアメリカの戦争誘導だどおくびにも出てこない。中西輝政氏だけは、連合国側の公文書がほとんど未公開な現状で、限界を述べるとともに、多数の工作活動を解明して後の昭和戦争史の座談会を心から希望する、としている。近年の「神風特攻」への若い世代の関心の大きな高まりは「鎮魂」としてより「覚醒」の営み
なのである、と書いている。・・・あまりにも健気な、あの庶民兵士の自己犠牲の精神は、戦争をどう意味付けたとしても文字通り日本民族史の精華として、千年たっても遺る「文明史的偉業」と言うしかないだろう、と結んでいる。

今日見たパンフレットにも、東大から学徒出陣した先生が書いていたが、沖縄戦で高専以上の学徒兵が(特攻を含んで)四百数十名戦死し、うち東大だけでも1割以上を占めていた、というようなことが書かれていた。

サンケイ新聞社では、かって英文で書かれたマッカーサー将軍の米上院外交委員会の写しを、有志に送り、それをテキストに変える作業を依頼していて、私もやったことがあった。それを
ネットで公開し、だれでもアクセスできるようにとの目論見であった。サンケイ新聞もMacを使っていることがわかり、うれしかった。メーラーが何で送っているかが、判別できるからである。日本の戦いは、大部分が侵略というより自衛のためだった、とマッカーサーも朝鮮戦争を体験して身にしみて分かったのだ、とは渡部教授の見解であるし、私もそう思う。マッカーサー親子は、観戦武官として日露戦争を見学していたからそのくらいわかりそうなものだと思うが、アメリカがしくんだ戦争であってみれば、そこまでいうのはよくよくのことであると思う。

日本海海戦も、イギリス武官たちが指揮をした海賊戦法であったという。世界三大海戦の一つとして戦史に殘る戦いも、そうであってみれば当然のことか!?

さて、『あの戦争になぜ負けたのか』には半藤氏が、他の著者たちと同様、一文を書いている。彼のタイトルは『むなしかった首脳会議』とある。私はこの人はアメリカの回し者ではないかと疑念をもっているのであるが、開戦直前の日米のやりとりについてこう書いている。

・・・米駐日大使ジョセフ・グルーも戦争がはじまり交換船で帰国したのち、「この会談(近衛・ルーズベルト和平会談)が実現し、合意に達していたならば日本の真珠湾攻撃はおそらく起こらなかったであろう」と米国務省のとったやりかたについての不満をルーズベルトに訴えている。・・・

・・・グルーはさっそくワシントンに報告し、進言する。近衛は日独伊三国同盟締結の誤りに気づき、離脱への勇気ある努力をしつつある。米政府はこれを認め、・・・首脳会談の提案を承知すべきである。・・・

しかし、マルス(戦いの神)は意地悪くできているらしい。日本が提案を行うのにこれ以上不運な時期はなかったのである。米海軍が日本の暗号解読に成功して以来、日本の国策方針や行動のことごとくが、コーデル・ハル国務長官以下外交筋の高官たちからは、単に南方への侵略政策をごまかすためのものとみれれていた、とある。

とくに提案直前の7月28日の日本軍の南部仏印進駐は致命的であり、最高に不信感をもったときに、首脳会談の提案がもたらされたのである、という。

・・・近衛の崖っぷちにたった絶対絶命のせっかくの熟慮と決意もはじめからアメリカに通じていなかったとみるべきか、と書いている。

とはいえ、チャーチルとあっていたルーズベルトは、アラスカのジュノーで近衛とあってもよい、という回答を野村大使にむけてだす。それ日本側は厳重な極秘のうちに会談の準備をすすめたが、いざというときになって、近衛書簡の内容の概ねがもれて(日本に日米のスパイがいないかぎりできないことだろうが、筆者注)アメリカの新聞に発表されてしまう。日本政府はアメリカに泣きをいれた!ということで、対米強硬・親ドイツ派の右翼や少壮軍人や軽躁な言論人たちが、この報に激高した、とある。

百年戦争というあたり、相手の外交文書が出てくるのも最低1世紀はかかるだろうから、まだしばらくはNHKの天下が続くことかもしれない。小室直樹氏はフルブライト留学生であるので、かなり大胆なことを書いたりしても、ある種のバイアスがアメリカについてはかかっている感じを、硫黄島の戦いの牛島大将の書で、読後半年ほどして感じ出している。要するに、いまだどれを読んでも疑問だらけ、すべてを疑いながら、読書を続けるしか手がない。

この時、日米和平が実現してはたまらない左翼日本人もアメリカから蒋介石へ首脳会談の噂を流す。蒋介石は、アメリカ宛に、日本軍の横暴ぶりをいっそう激しくアメリカに向けて打電し続けたという。週間新潮では、ルーズベルトが蒋介石に、アメリカが参戦しやすいように、アメリカのいいなりに、日本軍が行動しやすいように、日本軍を挑発することをもちかけれていて、最後は裏切られた、と言っている。南京事件なども、アメリカが言い出したことで、当時の蒋介石側記録には一切無く、最近そのことも判明している。

渡部教授は、日露戦争の講和後、南満州鉄道の共同経営を持ちかけられ、一人元勲たちとはちがって、その必要はないと反対して潰した小村寿太郎は正規の東大出ということで、みな不承不承従ったことが、日米開戦にいたる伏線であったと一時述べておられたが、ハーバード留学もしていたことは、今回初めて知った。副島氏によると、鉄道経営を申し込んだ鉄道王ハリマンはロスチャイルド系で、小村はロックフェラー系なのだそうである。それでは反対するはずだ、と合点した。コカコーラはロックフェラー系、ペプシはロスチャイルド系、ビールは・・・とみなそうなっているというのである。日銀人事もロックフェラー系とロスチャイルド系とが棲み分けていて、・・・・。なにしろ、ご維新いらいの外国勢力の両横綱がイギリスとアメリカ。ハーバード留学組の竹中教授と小泉首相は、戦前の金解禁当時の内閣の不思議とうり二つだという。

評論家の江藤淳氏(門人に福田和也、兵頭二十八がいる、という。福田氏も前出の本の筆者の一人で、私は買える方だと思ったら、そういう系譜の人だった、ということか。)
が、かって、関ヶ原の戦い以後、文芸は60年ほど途絶えてしまい、しかる後に新しい時代の作品として残るものが出だした、という意味のことを書いておられたというが、戦後60年を経過して、ようやくぽつりぽつりと新事実が顔を覗かせ、NHK的な戦後、戦中、戦前解釈(要するにGHQ史観)に穴があきだした、とでも言える時代に入ってきたのだろうか!?

まことに、技芸は永く、人生は短い。アメリカ、イギリスはそういうことまで操作して人を、歴史をねつ造して騙そうとするが、日本人は特に留意すべきである。根が性善説であまり疑わないから。

なかのひと

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