水曜日, 9月 19, 2012


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(反日デモの一部で変質)
2012919 7:03




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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成24(2012)年9月19日(水曜日)
        通巻第3760号  
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 中国「反日デモ」は静かに変質した
  18日のデモに夥しき毛沢東の写真は何を意味するか?
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 「不忘国恥」というのは満州事変への切っ掛けとなった柳条湖事件から81周年の記念行事の標語だ。中国では、あの事件は日本軍がしかけたと教えている。
各地の規模壮大なデモは、あらかじめ動員計画が練られた行進だった。各地ではバスがチャーターされ、Tシャツが配給され、横断幕は統一された標語だった。

 ネットやツィッターで自然発生的におきたのではない。はじめから動員された「やらせ」であり、想定外のことは若者の失業者等が、途中からデモに加わり暴徒化したことだった。

 予想外の狼藉は瀋陽でおきた。
瀋陽の日本領事館への入り口を封鎖していたはずの警備陣が、横道にデモ隊を入れた。およそ千人。この「反日ロボット」らは領事館に石とペットボトルと卵を投げ、領事館を破損した。

 成都でも一万人の参加があったが、イトーヨーカ堂への襲撃はなく、平穏に終わった。成都は四川省地震以来の流民の流入で、治安が悪化し、いつも反政府暴動がおきている地域である。
 しかも当日は王立軍裁判が成都で開廷されていた。当局のすり替えがデモへの大動員となったことも考えられる。

 異変は動員された参加者いがいのプラカードで、さすがに警察の眼があるためか「自由民主人権」は消えたが、毛沢東の写真、そして手製の横断幕。「毛沢東は人民を思った」「毛沢東時代は平等だった」などと掲げられていた。

これは明らかに反日デモの変質を意味している。つまり「反日」に名を借りての政府批判であり極左勢力が全国で一斉に巻き返しを謀ろうとしたようである。毛沢東の写真を掲げること自体が現政権への暗喩的な批判なのである。

 こうした政局に日本の対応はオロオロとするばかりで、昔の武士のような毅然とした姿勢が窺えない状況が、中国側がつけいる余地を残す結果となっている。
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 805回】         
   ――台湾人の眼に映った「大陸人」の不思議さ
          『大陸 不思議!』(宮鈴 商訊文化2012年) 
 

 △
 安徽省生まれの父親から「一緒に大陸の故郷に里帰りするぞ」と誘われても、中学生当時の彼女は「共産党が統治している限り、私は行かない」とキッパリと断ったが、テレビ局に勤めるや、俄然「胸を張って決然と大陸取材班に参加した」という。

 この本には2004年6月に北京での特派員生活をはじめて以来の中国における記者生活を通じて「大陸」で学び、感じた「不思議」が満載されている。

著者は台湾では次のステップに進むための反省会程度を意味する「検討」だが、大陸では政治的糾弾、あるいは自己批判要求集会を指すという違いを挙げ、中台両岸と一括りにされるが、もはや大陸と台湾は違ってしまったとする。
かくして「私の大陸での長期的観察に基づけば、すでに両岸は価値観において次の6つの違い」を生んでいるとし、「大陸人」の特徴を挙げる。

!)唯物主義=「大陸人は幼い頃から非常に多くの思想教育を受け、それらは全て政治と結びついている」。こういった思想教育の最大の特徴は「唯物主義」だ。かくて彼らはモノを買う基準は、いいか悪いか。好きか嫌いかではなく、ズバリ「値段が高いか安いか」となる⇒【物事の判断基準は金額の多寡だけ】
!)大雑把な感受性=途方もなく大きな生活空間に生きていることから、鈍感で大雑把な振る舞いをみせる⇒【他人の心など忖度していては生きてはいけない】
!)敵か味方か=「大陸人は敵と見方の境界線が極めて明確だ」⇒【味方でなければ敵】 
!)相対的・全体的で柔軟な思考ができない=共産党政権の情報の一元的統制で個々の情報を結んで全体情況を把握することができない⇒【肥大化する噂を妄信】
!)無意味な民族感情=「周知のことだが、大陸人は民族感情に極めて敏感であり、アメリカと日本に対する復仇の念は殊に強烈だ。それは、「中国人は西側世界の圧迫を受けているという共産党政府の宣伝」に起因する⇒【愛国無罪は絶対の真理】
!)1つの価値基準=「長期に亘る共産党の一党独裁という環境に置かれればこそ、1つの価値基準、1つの社会標準もまた奇怪なことではない。たとえば学校教育においては試験成績が良いのが好ましい学生であり、模範的学生は愛党愛国である。これが絶対不変の『硬指標』であり、この基準に抵触する一切は無効となる」⇒【夜郎自大】
以上に言動の隅々までを左右されている大陸人だが、彼らが最終的に忠誠を尽くべき対象は飽くまでも党であり、個人でも集団でも民族でも国家でもない。

確かに中国の発展速度は凄まじい。「ハード面の発展は急速に進んでいるが、そこに身を置いている人々の心はハード面の発展速度に到底追い付けるものではない。だから彼らの頭の中は農業時代」から抜けだせない。首都の北京でも道を尋ねると東西南北で応えるから、北京の住民以外には皆目判らない。
日常会話には異常なまでに形容詞が多い。

かくて「現在、大陸における価値観の中心は空っぽになってしまった。経済第一を国是として空っぽを埋めようとしているから、大陸人はゼニ儲け第一でしか生きられなくなってしまった。物質的追求に日々を送るしかない彼らの精神面は虚しい」
と結論づける。

著者の指摘に基づけば、最近の反日運動の異常さは共産党教育の“成果”ということになろうが、そもそも、それを受け入れ易い体質が中国人にあると思うのだが・・・。
《QED》


(宮崎正弘のコメント)この本、存在は知っておりましたが未読でした。時代感覚的にも鋭い分析、参考になります。
          ◎◎◎
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 読者の声 どくしゃのこえ READER‘S OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)「柳条湖事件」について概要をおしえていただけますでしょうか? 検索すると「日本がトラップをかけて満州事変を起こすきっかけとした」というような意味の文言が出ていますが、常識的には信用できません。
(NS生 千葉)


(宮崎正弘のコメント)張作霖爆殺の真犯人がソ連と張学良であったように、廬講橋事件が劉少奇ら共産党の謀略であったように、柳条湖事件も張学良あたりでしょう。
 ウィキペディアは左翼が殆どを改竄したりしていますので、信用に値しません。



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(読者の声2)昨日のテレビで宮崎さんは柳条湖事件の真犯人は、張学良ではないか、と発言されていましたが、それはどういう意味でしょうか?
  (NN子、横浜)


(宮崎正弘のコメント)おそらく桜チャンネルの三輪和雄さんと佐波優子さんとの番組でしょうけれど、最後の一分くらいのところでしたので経過を省きました。かと言って、ここで説明するにもコトは大事ですので、はて。
 どうしたものか、と考えあぐねていましたら、たまたまブログに次の情報が流れていると教えてくれた読者があります。
 以下、引用させていただきます。
 「『リットン報告書』第四章に【1931年9月18日とその後満州で発生した事件の概要】があり、「結論」は、「九月十八日の午後十時から十時半の間に、鉄道線路上ないしその付近で爆発があったことは疑いないが、鉄道に対する損傷は、もしあったとしても長春からの南下列車の定刻到着を妨げなかったのだから、それだけでは日本軍の軍事行動を正当とするわけにはいかない。したがって同夜における日本軍の軍事行動は正当な自衛手段と認めることが出来ない。もっともこれによって調査団は、現地の日本軍将校たちが自衛の為の行動だと信じていたという仮説を否定しようと云うのではない。』(『全文 リットン報告書』渡部昇一 解説・編 ビジネス社 p.186)
さて、もう一つが『パル判決書』の同部分です。
「『九月十八日午後十時より十時三十分の間に鉄道線路上もしくはその付近に於いて爆発あり氏は疑いなきも、鉄道に対する損傷はもしありたるとするも、事実長春よりの南行列車の定刻到着を妨げざりしものにして、それのみにては軍事行動を正当とするに十分成らず、同夜における叙上日本軍の軍事行動は合法なる自衛の措置と認むる事を得ず。もっともかく言いたりとて、本委員会は現地にありたる将校が自衛の為、行動しつつありと思惟したるなるべしとの想定はこれを排除するものに非ず』(『パル判決書』上 講談社学術文庫 p.720)
注意点(1)リットン報告書は鉄道爆破の犯人を特定していない。(2)日本軍の軍事行動が自衛の為であった可能性を否定していない。奉天事件(柳条湖鉄道爆破事件)に対するパル判事の意見『(鉄道線路の)損害が僅少であったと云う事は、むしろ日本の陰謀説に矛盾するものであってそれは第三国による裁定(例えば国際連盟の裁定)を求める準備をしていた方の当事国(張学良)によって計画されたかもしれないと云う説と一致する点が多い。もし日本がこの事件を企てるつもりであったとしたならば、それは世界に対し、日本のその後の行動を正当化する理由を造るためにのみ企てられたはずである。日本の陰謀者たちは、その点に関する世界の世論は、主として生じた損害の大きさいかんにかかることを認識するぐらいの見識は持っていたと認めて良い事は確かである。
彼ら自身が陰謀者であり、かついずれの方面からも突然妨害される可能性はない(満州鉄道は日本軍が警備していた)のであるから、彼らはその破壊をもう少し上手にしたであろうと期待して差し支えないであろう。P.723 <略> 仮に日本が満洲に発展しようとする強い希望を抱いていたとしても、中国もまたこれに劣らず満州から日本人を全部締め出し、 満州にあった日本の権益の痕跡をすべて払拭しようとする希望を持っていたと言える。仮に日本が自己の軍事力に確信があり、したがってその希望を武力によって実現しようと計画したのであるとしても、中国もまた有利に国際的干渉を確信する理由を持ち、従ってかような干渉を通じ、自国の希望実現を企図したのであるかも知れない。P.725 <略>その後、自国に有利な国際的決定を得た中国の成功(国際連盟の日本非難)は、同様に遡及的意義を持つかもしれないのである。(結果的に利益を得た者が犯人ではないのか)p.725 <略>
(パル判事)本官が今この事を述べているのは、どちらの側が正しく、またどちらの側が誤っているかを言う為ではない。本官は、奉天事件(柳条溝事件)は中国側によって画策されたものであると主張する日本の仮説を支持し、たとい中国側に軍事的準備が欠けていたとしても、この仮説は全然排除されないと云う事を指摘しているにすぎない。P.726(『パル判決書』上 講談社学術文庫)
かくして「リットン報告書」は、鉄道爆破事件の犯人を特定していない。パル判事も犯人の特定はしていないが、東京裁判における証拠から判断して中国側犯人仮説を支持している。
(以上、あるブログより援用)。



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(読者の声3)「五里夢中の山中」で”道標”を見出したような想いで、宮崎先生のコメントを拝見しています。先生のコメントは「簡潔に核心を衝く」ので、時折、喉の通りがつかえます。
かって民主党政権が誕生したとき先生のコメントは「・・・外国人政権です。」と一刀両断。あまりに鮮やかで”極論”の印象をもちましたが、今日に至り、まさに至言であると、印象深く想起しています。
本日の読者欄での先生のコメント「もし石破だとすれば、これは野田より悪い。」には喉にざらつく感じがしています。(安倍-石破の関連が巷間言われていて・・・)
ご多忙のところ大変恐縮ですが、この内容をもう少し解説してくださいませんか。
この点は比較的大勢の向きが愚生と似たような印象を受けるのでは と思いますので、紙上で公開して頂ければ幸甚です。
(愚老人)


(宮崎正弘のコメント)自民党総裁選は12日頃まで、石破vs石原の争いと言われていました。或る会合で懇意の自民党議員(複数)に会うと、そういう分析でした。
ところが状況が激変したのです。
原因は中国の「反日暴動」です。世論は「強い指導者」を望んでいます。18日現在の状況判断では安部晋三が断トツにリードしておりますね。自民党総裁選は。まさに「中国よ、反日有り難う」では?



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(読者の声4)中国反日デモの余波はだいぶ広がっているようで、北京三里屯のユニクロではビル外壁の看板から「UNIQLO」の文字を急遽消去。

かと思えば、中国では高級車の代名詞「アウディ」の店舗前で「日本人を殺せ、魚釣島は中国の領土だ」との趣旨の旗を掲げた写真が、中国版ツイッターのウェイボ上にアップされ議論を呼んでいるという。
当該写真を見る限り、女性はパンツスーツの制服、白のジャケット女性は受付嬢か。男性も黒のスーツ、グレーのポロシャツ3人はメカニックでしょうか。
もともとドイツ車の人気の高い中国、この機会に乗じて日本車のシェアを奪おうという算段か。日独防共協定成立の翌年の1937年、ドイツ軍事顧問団の指導で第二次上海事変が起きました。同盟国といえども潜在的には敵ですね。自動車ディーラーなどほとんど地元資本ですからアウディ本社の預かり知らぬところかもしれません。それでもドイツと中国が手を結んだとなるとこんな写真が出てきます。
ギリシャ危機の時にもメルケル首相をヒトラーになぞらえた写真が出てきました。アウディ本社がこんなことを許していたらアウディは「レイシスト」と不買運動を起こされてもおかしくないですね。
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)三里屯は日本大使館にも近く、周辺は大使館が多いので外国人相手のレストラン、バア、スナック、パブが多いですが、国際色が豊かな街です。そこで看板を下ろすというのは、自らのビジネスに自信がないのでしょうかね。



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(読者の声5)「中国から撤退の時期が来た‥‥」は、いよいよ心中ひそかに支那に三行半を叩きつけて、静かに撤退する時期が来たのでしょうか。新しい歴史が始まる予感がいたします。
政府の尖閣国有化で、反日デモ、日系企業の破壊、尖閣略奪劇等を見せられ、貪欲な支那の本質を、多くの日本人が映像で確認できたことは良かったと思います。日本固有の領土「尖閣」に関しては、支那を相手に何時かは通る道であり、この時機、国内的には、脱原発による危機の確認、集団的自衛権、オスプレイ等、国家の安全保障施策実現の好機でもあるかと思います。
今回の一連の出来事に福沢諭吉の「脱亜論」を思い起こし、魯迅の「阿Q正伝・狂人日記」に支那人の実態を再確認できたのは有難く、日本人として久しく背筋がスクッと伸びる思いを致しました。
日系企業の破壊ついでに、是まで日本のODAによって建設された施設名を一覧にして、デモ隊に知らしめたら如何なものでしょうか。
また、「修学旅行の目的地が軒並み韓国中国から台湾へ?」とのことに私も大賛成であります。修学旅行には県から補助等ありますが、実態として、台湾旅行の場合、教育委員会等との絡みで、公立高校に対する認可は難しく、支那朝鮮への旅行を奨励しています。これを機に、台湾旅行の認可が容易になり、台湾に生きた日本の偉人を探訪することは、南京虐殺記念館、慰安婦記念館を見せつけられるより、将来の日本人として極めて大切な修学であると思います。
また、今後の支那との関わり方として、日本在住の支那人は、騒乱分子となるが、支那在住の日本人は捕虜となる認識と覚悟が必要でありましょう。とりあえずは、宮崎先生が言われるように支那からの引け時の鐘が鳴ったようです。
残念ながら近々の気象情報から尖閣に神風は吹きそうにありません。
(肥後モッコ)


(宮崎正弘のコメント)シナが強盗集団、匪賊による政権だったことを多くの日本人が認識することになりました。89年天安門事件は、それまでの日本人の甘い思いこみを吹き飛ばした画期的な事件でしたが、2012年「反日暴動」は、爾来23年ぶりに、日本人の中国認識を画期すると思います。
 今後、何がおこるか?
 中国への進出企業は激減します
 既存の日本企業は撤退を始めます
 日中友好団体は猜疑心で見られるようになり文化交流は停滞時期にはいるでしょう
 留学生の一部も帰国するでしょう
 高校生の修学旅行先は中国、韓国から台湾へのシフトがおこるでしょう
 団体ツアーが半年ほど激減、中止となるでしょう
 しかし、にもかかわらず在日中国人は帰国しないでしょうし、帰化申請が増え続ける可能性があります
 これらは事実上の「文化交流停止」と「経済制裁」にあたります。公言はしない。しかし実務で、同等の措置をしてゆくところに今後の日本の政治の英知が試されるのでは?
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