木曜日, 9月 27, 2012


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(台湾漁船領海侵犯の背後にいる人物は親日企業家だった)
2012926 9:39



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成24(2012)年9月27日(木曜日)
        通巻第3769号   
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 シャープ買収は白紙に戻るか? 鴻海精密は「それどころじゃなくなった」
  富士康の山西省太源工場の暴動は軍隊式経営への不満が原因だった
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 毎日、従業員の出入りがあって正確な人数を誰も掴んでいない。毎月二万人が辞め、二万人が新しくリクルートされる。まるで富士康(台湾「鴻海精密工業」の中国子会社)の人事部や大都市のハローワーク風。
 苛酷な労働を強いられ、一日10時間から11時間働かされるが、約束された「残業」労賃も、なんだかんだと理由をつけて削られるという。

 ほぼ全員が会社の寮に入る。消灯時間を守らなければ地下室に呼ばれて査問されたり、夜のトランプ博打も御法度、まるで軍隊のスパルタ訓練だと若い従業員は不満を鬱積させてきた。

 大乱闘事件がおきた富士康の太源工場はアイフォンの部品を作っているが、悪名高い軍隊方式の経営だった。この工場だけで79000人もの従業員がいる。
乱闘は酔っぱらった従業員を警備員が殴ったことから始まったようで、たちまち二千人が乱闘に加わり、40名が負傷した。

あまりのことに郭台銘社長は「閉鎖、撤退」と口にした。これは従業員への脅しだった。
 結局、乱闘がおさまるまでに警察官5000人が動員された。アイフォンの部品供給に不安感が拡がった。同社はほかにヒューレットパッカードのパソコン部品や、デルのコンピュータ部品製造で有名である。

 富士康は中国全土に54万人がいるとされ、太原の79000人規模は「それほど大きくない」。深セン工場は12万人が勤務しているという。ましてマネジャークラスは深センと鄭州からやってきた。
 
 10時間を越える労働、入社時の給与体系と異なり、まして何時ほかの勤務地へ移動になるかも分からない。
 安定性が保証されていない。

とくに軍隊方式の管理に若い世代が耐えられない。世の中が変わっているので、警備員との悶着は四六時おきる。なにしろ二年前に深セン工場では連続的に13人が飛び降り自殺を図り、12名が死亡、工場はすべてに金網が張られて、まるで奴隷収容所となった。

世界に悪名をとどろかせた、この富士康、親会社が台湾の鴻海精密工業。そして、鴻海の勢いに、落ち目のシャープが株式購入を打診してきた。
シャープは、鴻海の傘下に入るかと言われたが、株価急落で鴻海が条件を変え、その話は白紙に戻った状況である。
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読者の声 どくしゃのこえ READER‘S OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)今日9月27日は日中国交回復四十周年、一昨日ニューオータニで行われた中国大使館主催のパーティは、これほど日本が侮辱されている政治環境のなかで、1200名もの日本人が参加したとニュースで知って驚き且つ呆れました。
 なぜ、この宴会をボイコットしなかったのか。経団連会長やら某某大手企業の社長連中はまるで中共の脅威と脅迫を前にして、揉み手をしてご機嫌をとっているみたいで不愉快千万、そう思った日本人は意外に多いのではと思います。
   (HI生、板橋区)


(宮崎正弘のコメント)しかし、鳩山さんが北京へ招待されても、さすが、かれほどのバカでも行きませんでしたね。劉暁波がノーベル平和賞を貰ったとき、中国は突如、「孔子賞」をつくり、第一回受賞者に台湾国民党名誉主席の連戦を選んだ。さすがの連戦も、こうまでバカにされては、授賞式を欠席したことがありましっけ。



  ♪
(読者の声2)貴誌前号に詳報の「尖閣行き漁船のスポンサーになった旺旺グループの蔡オーナー」の件です。
「蔡衍明と中国共産党の間に、どういう黙契もしくは密約があるのかは分からない。しかし、その後のかれは何をしたか。民進党系列のテレビ、ラジオを買収して傘下におさめた。野党のマスコミをつぶしたのだ。つぎに2008年、「台湾の二大新聞」と言われた『中国時報』を傘下におさめ、「旺旺中時集団」とした」
とありますが、やや正確さを欠きます。
民進党系列のテレビは民視・三立ですが、三立が少しぐらついているものの、今も民進党系であり、蔡の持ち物ではありません。蔡の持っているテレビ局は中国テレビと中天テレビで、いずれも当時中国時報グループの一部だったので、中国時報グループの買収の際に手に入れたものです。
民進党支持者の名誉のために申し上げますが、蔡のような親中派の企業家に株を売るほど落ちぶれてはいません。
 (KY生、渋谷)


(宮崎正弘のコメント)ご指摘有り難うございます。



  ♪
(読者の声3)さっそく、紀伊国屋書店に行って、貴著新刊『中国権力闘争』(文芸社)を購入し、電車の中で読み始めたのですが、面白くて、つい駅を乗り過ごしてしまいました。
この本で書かれた江沢民、胡錦涛は日本の読者に幾分おなじみにせよ、習近平とか李克強とかは、まだなじみが薄く、ましてや軍人の名前となると、その解説個所は、どうしても斜めに読んでしまいがちですが、それよりも、本質的な構造的対立関係が鮮明にまとまっていて、大いに参考になります。
 小生は宮崎さんが六年か七年前に書かれた『日本企業は中国から撤退せよ』(阪急コミュニケーションズ)を最初に読んだとき、随分と日本のマスコミの主要な論議から、かけ離れた、大胆なことを言う人だなぁと印象を強くしたのですが、日中関係がことここに至り、やっぱり宮崎さんが言ってきたことが正論であり、予想もつぎつぎと的中していることを改めて認識した次第です。
 『中国権力闘争』、まもなく読了します。電車を乗り過ごさないようにしながら。ますますのご健筆を祈りたいとおもいます。
  (NN生、世田谷区)


(宮崎正弘のコメント)ついでと言ってはなんですが、同時に小生と石平さんとの対談シリーズ最新版(『2013年の中国を予測する』、ワック)も併せてお読み下さい。



  ♪
(読者の声4)産経新聞の『WILL』の広告をみて、すぐ『WILL』を買い求めました。大きな広告の右から三番目に宮崎先生の論文が紹介されていましたから。『WILL』はときどき買う程度だったのですが、それでも南京特集号とか、問題がおきると一番参考になりますね。あと『正論』もときどき買っています。
 さて宮崎さんの電光石火のように早業の議論ですが、反日暴動の背景に北京の権力者達の主導権争いが深刻に絡んでいる実態が浮き彫りとなり、よく分かりました。
 宮崎先生と石平さんの新刊『2013年の中国を予測する』(ワック)も一緒に買いましたので、これから読みます。
ともかく宮崎さんのような憂国の論理が、これからの日本に必要であり、これまで論壇であまり目立たなかった(失礼)ゆえに、今後の世論の変化のなかで、注目されてゆくのではと考えております。
  (GH生、船橋)


(宮崎正弘のコメント)次号の『正論』(10月1日発売、11月号)でも、今回の反日デモの背後にある権力闘争の分析を『WILL』とは、やや異なった角度から展開しております。ご参考までに。



  ♪
(読者の声5)9月26日午後2時15分。自民党の新総裁に安倍晋三が選出されました。小生の期待通りの結果となり満足しています。
 次は政権奪回のため一刻も早く民主党を総選挙に追い込むべきだ。
  政権奪回の暁には元政権当時にやり残した「戦後レジームからの脱却」。具体的には「憲法改訂」「教育基本法改訂」「自衛隊の国軍化」などを実現し、当に現在の喫緊の課題である近隣諸国からの謂われなき圧力を撥ね退けることのできる強い日本と日本人とを再現することを望む。
(ちゅん)。


(宮崎正弘のコメント)安部さん勝利は順当な「逆転」であり、石破さんは宇宙人的、石原はまだ腹が据わっていないので軽すぎますからね。



  ♪
(読者の声6)二宮報徳会講演会は「人類史上稀に見る国、日本」と題して、講師に村田春樹さんをお迎えします。
稀に見る愚かな国なのか?素晴らしい国なのか?  日本はいつからこうなったのか。
 日本はどうなっていくのか。皇室は? 憲法は?
ユニークな切り口と分かりやすい語り口で聴衆の眠気も吹っ飛ぶ面白さ。満席が予想されますのでお早めにご来場下さい。
日時 9月30日(日)1時30分~4時30分(受付開始1時)
会場 靖國会館 2階 
参加費 1000円
 どうぞ、ふるってご参加下さい。
   (HM生)



  ♪
(読者の声7)安部さんは自民党総裁選挙に勝利しましたが、本番はこれからでしょう。民主党は次の選挙で負けますから、解散をしないで可能な限り長く政局を引っ張る腹づもりでしょうが、その思惑が露骨に出ていて不愉快です。
ただし解散がのびたことによって『維新の会』が無能であるという本性を現して、支持率が急減という効果もあり、なんとしても、次の政権は愛国的保守が日本をリードできる雰囲気になりそうではありませんか。まさにまさに宮崎さんが言われるように「中国よ、『反日』ありがとう」ですよ。
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)そうなりますように。



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(読者の声8)台湾の親日企業ですら尖閣侵入漁船団を云々の記事(貴誌前号)。吾人は台湾の親日企業なればこその挙と観ております。
 空母進水の脅威を最も蒙るは台湾、これを避けるには国際社会に復帰するのみですが、尖閣で舞台を得ると共に、日本を巻き込み、我が国の軍事力を恃むことで間接的にも直接的にも支那との均衡を図ろうとする策ではないでしょうか?
 これに呼応して安部次期総理殿が靖国神社へ参拝、聖上の御親拝を仰ぎつつ、台湾並びにチベットの独立支持を表明すれば、支那の去就や如何に。
  (熊本護国生)


(宮崎正弘のコメント)安部さんに過剰な期待は禁物ではないでしょうか? まして安部さんは野党の総裁であっても、つぎの政権確保、組閣という難事業が、その前に克服しなければいけませんし。
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大反響! 反日暴動の背景にある中国権力中枢の野望と抗争
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『国際金融危機 彼らは「次」をどう読んでいるか』(双葉社新書、840円)
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<宮崎正弘の対談シリーズ>
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『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社宮崎正弘事務所 2012 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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