水曜日, 1月 09, 2008



1962~1963年当時、かっての国土地理院長であられた田島稔博士は、米国に研究出張し、オハイオ州立大のU.A.Utoila教授の特別講義を聴講し、古典的な最小二乗法講義のほかに現代的な行列表現による理論と測地学への応用をまなばれた、という。(『最小二乗法の理論とその応用』のまえがき。東洋書店、小牧和雄氏との共著、1986)

そこで、さらに未知のパラメーターの最確値の標準偏差(従来はきわめて複雑な計算で求めていた)が係数行列の逆行列対角要素の平方根を重量としm0*sqrt(各対角要素)と簡単に求められること、・・・などがさらりとふれられているが、当時はその理由がなぜなのか、あまり気にも止めなかった。(m0は単位重みの標準偏差!?らしい)。

今朝、『複雑さに挑む科学』ブルーバックスB297 柳井晴夫・岩坪秀一両氏(1976)をパラパラとめくって、しおりを挟んだところを開いたら、固有値・固有ベクトルの計算というタイトルのコーヒーブレイク的な囲み記事だった。RX=λXをみたすベクトルXを固有ベクトル、λを固有値という、というフレーズで、対角要素のルートという記事と関連がありそう、と思った。

マトリクスはシステムの状態を表すらしい、ことはおぼろげに掴んだような気がしているが、まだ、ピンと正確に把握しているわけではない。

データを縦に二つ並べたとき、平面座標のx、yとに対応させると、移動や回転、拡大・縮小などの変化を行列で表現できるらしいことは、おぼろげに掴んでいるのだが、どうもピンとこない。縦に36行ならべると36次元にもなってしまうらしいし、具体的な想像の域を超えてしまう。行列の抽象的な側面に力点をあてた記述の本があってもよさそう、という教官の言葉に低次元で共感する。あ、もう旧国立大であっても、教官とは国家公務員ではなくなったので、言わないのかもしれないが、・・・。

今はノーベル賞受賞者夫人となってしまった、かってのNHKの女性キャスター(C氏としておく)は、草野満代さんと同じく津田塾大数学科卒とかで、当時NHKの夜の7時ごろのニュースのオープニング画面で、いろいろな立体図形が、拡大されながら、回転しながら移動して流れて行くきれいな映像があったが、C氏がそれを担当されたというような記事をどこかで読んだ。各図形の頂点の座標に、いろいろなマトリクスをかけて、そうした変化を生み出すようなプログラミングをされていたのかもしれない、と素人考えをしている。


なかのひと

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