木曜日, 1月 24, 2008



『MathematicaとTheoristでの大学院入試への挑戦』(マッキントッシュなどによる数学入門)という本がある。今でも発行されていて、数学関連書のコーナーなどに置いてある。1994年8月が初版発行となっている。Mathematicaは関連書籍が多く、特に使用法で困るというようなことはそれほどなかったが、それでも一般解説書は、少々物足りなく、数学者が書いた活用事例が豊富なので、趣味として購入。また、Theoristは、使用法のマニュアルが2冊ついていたが、翻訳も拙く、分厚いので、あまり近寄らず、この本でほとんど学んだといっても過言ではない。著者の九州大学教授、梶原先生には、フロッピーディスク経由での両ソフトの計算結果のコピーサービスが縁で、いろいろとお世話になり、また、岡潔博士のお弟子筋(専門領域での)ということもあって、一層身近に感じて折にふれて
勉強させていただいた。

この本を開くと、数学の素養をせめて学部レベルぐらいにはもっていきたい、と思って勉強した数年間が懐かしく思い出される。

マセマティカの2.2が動くことがわかり、梶原先生が当時マセマティカの2.0で解説された問題の幾つかを、追試してみようと思った。使用法にのっている例題くらいでは、少し物足りないのも事実。

今回は第136回の四次対称行列の対角化を選んで行った。

最初、コロンを入力してもセミコロンになってしまい、正常に動作しなかった。やはりエミュレーターでは高度な処理は不向かと思い出しはじめたが、この本は、Macの使い方も丁寧に解説されていて、分かっているつもりでも参考になる。それで、マセマティカは、ノートブックで使うフォントがクーリエだということを思い出して、リンゴのマークをクリックするとプルダウンメニューに現れるアイコン群から、キーボードを呼び出し、フォントをクーリエに設定して、キー配列を見ると、コロンはshiftkey+セミコロンとなっている。以後その手順で入力すると順調に、この本通りに出力して行った。また、()も1文字づれて)0と打ってやらねば()とならない。10年近く使用しなかったので、細かいところは忘れてしまっていた。



aという行列は4行4列すべて1で、これを対角化する直交行列を求めよ、という問題。平成4年のお茶の水大数学専攻の院入試問題だと言う。おそらくは、藤原正彦先生の出題なのかもしれないが、単なる私の妄想でしかない。先生の当時のMacでは、5.3秒かかった出力が0.08秒などとかなり速いことがわかる。最後の出力では、14874.6秒もかかった。それが、220秒程度。G3の500Mhzで、38秒だったが、これはパワーPC用の3.0で行った時の値。タイプが違うので単純にクロック数に比例しないが、6倍前後の開きが。40MHzの040は内部クロックは80MHzとモトローラは主張していたので、6倍前後の差は理にかなう程度の差であろう。

教授室のMacIIfxが、先生の3.8倍くらいでワークスステイションはさらのその7倍くらい速いという記述がこの本にあるが、エミュレーターでありながら、それよりも速い。時代の動きはもっと速いというべきか!?


なかのひと

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