日曜日, 9月 28, 2008

前々回とりあげたアメリカ生まれの添加剤、モータロイをふたたび取り上げ、実走行した結果の感想を書いてみよう。

http://www.fan.hi-ho.ne.jp/t-mura/seibi1.htm#nenpi


では再発売を望むというが、今はオークションで買うしか現物にはたどりつかないようである。希少品となってしまって、お値段もマイクロロン並となっている。誰でも手が出る、というわけにはいかない。

そこで、昔を思い出して、市販のハンダを流用してみた。いちおう、PAT.製品なので、スズ合金の細かい成分内容は不明だが、結論的には、シリンダー壁にスズメッキに近い効果を与え、バルブやピストンリングを鉛酸化物で保護し、燃費向上につなげる目的で開発された、と記憶している。

4サイクル、ジーゼル、2サイクルの各エンジンどれにでも適合と書いてあった。排気量に応じてタンクに投入する個数や大きさが少し違うだけである。それで、スズをメインとして、鉛も入っている市販製品は、まずハンダが考えられる。

スズの含量が多い糸ハンダを購入した。理由は、板ハンダは安くそのまま、ぶつ切りにしてタンクに入れても良かったが、スズ、鉛の含量がそれぞれ50%の製品しか店頭で見つからなかったので、スズ含量が2/3に近い、リールに巻かれた糸ハンダを選択した。



こうした製品はヤニ入りなので、一度溶解してヤニを飛ばし、適当な大きさに固めてタンクにいれれば、即席のモータロイもどきができるはずである。

この製品は一リール100g巻きで1000円足らずである。いちおう過剰と思えるが2個購入して、
最初に一個分すべてを3回にわけて溶解し、固めた。

金属製の小型の缶のフタを利用して、ガスコンロに置き、換気扇を回して火力を調整して、巻き取って適当なブロックとして糸ハンダを置くと、すぐさま溶解を始め、少し炎がでるが、まもなく消える。

水銀のように銀色の水滴のようになったものを慎重に、予め用意したねじキャップ式の清涼飲料水の缶の王冠に、プライヤなどで熱い缶ブタをつまんで、溶けたハンダを流し込む。

王冠は、あらかじめ4方向ぐらいは切り込みをいれて、王冠内部のクッション材料は取り除いておく。自然放置なり、水を適当にかけるなどして冷やし、王冠を切り込みかからプライヤやニッパなどで、引きはがすようにすれば、以外と簡単に、スズ合金と分離できる。

溶かしたときにできたヤニの燃えかすとか、金属アクのようなものも付いているが、ヤスリなどで適当に除去して、タンクにいれる。量は、モータロインの包装紙を以前示したが、1000cc用で、一円玉ぐらいの直径のボタン状のもの2個が適合となっているが、倍量くらいは入れたほうがよいようだ。

最初、大きめの2個(ほぼ80グラムくらいか?)をいれたが重すぎて、タンク内で振動していない感じだったので、今度は別の製品の7〜8割程度を巻き取って、4分割にして再度投入し直した。多すぎての弊害については無いとされている。

面倒なので、最初大きめの一個を作り、鏨で真ん中から4分割した。分割面は手で折れるほどバリがついているので、そういう部分はヤスリなどで切り取り、きれいにしないと、燃料ホースををるまらせたり、キャブ不調の遠因になりうる。

糸を巻き取るとき、素手で行うと、手が黒くなるほど柔らかい。適当な防護をつけて実行した方が安全と思われる。また、溶けたスズの取り扱いは慎重に行わないと、事故のもととなるので、気の散らない条件下で、自己責任で行うようにしないと、台無しに終わる。

さて、最初大型の2個を入れて走ると、なにやらすぐ効果がかすかに出たような気がしたが、いちおう、これはプラセボ効果ということにしておく。二日目には、4分割したものを再度投入した。こうしたほうがタンクの振動に合わせて、モータロイもどきが踊る効果がはっきり感じられた。ローギヤで3000回転近くまで静かに回すと、タンクの底から軽い震動音が感じられた。二日目にもまた直ぐに昨日よりも効果が出たような気がした。固めたスズを4分割したり、ヤスリをかけたり、いろいろしたので、表面にかなり微小の粉に近い成分が付いていたためかもしれない。

それで、投入前の通勤100キロぐらいの燃費と、投入100キロ後の燃費を比較すると、同じようにかなり回していたつもりだが、0.4キロ伸びた結果となったが、本格的に、モータロイもどきが効いている感じではない。

その後、ホットスタートでいつもの定地燃費コースへ。このところリッターあたり16キロ後半台がつづいているが、果たして即席のモータロイもどきに即席の燃費改善効果はあるのだろうか!!??。

前日から、時折、これが昔モータロイを使っていた時の感覚だよね〜、と思わされる気持ちの良い独特の加速をうすうす感じてはいた。しかし、モータロイだったら、燃費改善効果は走行2000キロ以上あたりから徐々に出てくる、ということをはっきり書いてあった。

テフロン処理したスムーズさとは明らかに違う滑らかさ。使用した人だけが知るこの感覚。スムーズさでは、テフロン処理よりは上と思う。特にホンダ車には、テフロン処理効果はない、といわれるだけになおさらだ。

しかも、満タン直後は、それまでのタンク内に貯まり出した擦れたスズ、鉛成分が急に薄まるため、効果は出にくいことは昔から体験ずみ。それで、ただただ普段と同じように淡々と走っていく。全行程の半分ほど過ぎてから、エンジンが急に軽く回り出した。細かいコーナーの連続を過ぎたあたりからだと、今になって思う。それまでは、交差点以外はほぼ直線に近い道ばかり。

スタート後の低めのギアで、シフトアップすべき回転(だいたい2500ぐらいか)にきても加速が一定で頭打ちがないような感じになり、アクセル一定でも、音も大きくならず回転の伸びが気持ちいいのである。あまり回すと、燃費を損ねると思っても、普段と違う軽い吹け上がりでついつい回しすぎてしまう。あきらかに昔体験したモータロイ効果そっくりだ。ヤマハのGX750でもトライしたが、あまり効果を感じなかったのは、量が少なめだったのだろうか?

2サイクル車では、排気管後端部は、燃え残ったオイルで黒くネバネバになるものだったが、モータロイが効き出すと、黒いオイルの上に、温泉の湯の花のような、薄黄色の浮遊物が浮いてオイル自体もそれほど黒くなっておらず、まだ一部透明感を残していたりする。音もまろやかになり、こういう状態での加速は、一クラス以上も上の4サイクル車を驚かしたものだった。そうした体験に比べ、CB350,GX750の4サイクルでは、あまりそうした効果は感じなかった。4サイクルは、2サイクルに比べオイルが最初から多量にあって、その存在がオートルーブやCCIのように、クランク室、シリンダー内部だけを、ギヤオイルと別個に独立して潤滑するタイプとはちがうのだと思った。

ただし、ヤマハのセローでは、9万キロ近く走ったが、エンジンは手付かずでびくともしなかった。大目に入れておいたのが、効を奏したのかもしれない。

それで、まもなく終了という国道2車線の空いている道路で、比較的ゆっくりスタートして、広い交差点を過ぎる頃、後ろから二人乗りの250スクーターが猛然と追い抜いていって、どんどん車速をあげて小さくなって行った。

最初は追撃する気はなかったが、どのギヤでもスムーズに吹けるようになったので、ふと気がかわり、アクセルをあまり開けずに回転の上昇を楽しんだら、さほど音もそれほど変わらずに
スーと追いついた。顔を見るとまだ少年で、つばのついた軽いヘルメットをかぶり、気付いたものの、前方注視で精いっぱいといったところ。それで、音が低いので、危ないぞ〜と一声かけて追い抜いてしまった。

後をバックミラーでみたら、聞こえたのかどうかわからないが、猛ダッシュはやめて、80キロ位で走っているようだった。

その後、意外に軽くスピードがあがるので、サードあたりから回し出してスピードを楽しんでしまった。あまり早くない2輪と思った4輪が後ろから抜きにかかる。そういう際に4速にいれず、アクセルもおさえたまま、ギヤチェンジを控えていると抜かれそうになった後は並走し、回転が上がると、4輪は後ろに下がってくれたように感じる。

気持ちがいいので、数回実行したが、スピードが出過ぎて、信号で止まるとき、ブレーキが完全にスピードと車重に負けてしまっていて、限界を感じた。問題はどのくらい燃費が伸びるかではなく、どの程度の悪化ですむかに変わってしまった。まもなく157円のセルフで測定したら、16.2となって、やはり悪化していたが、16キロ台で済んだことにびっくりした。以前なら間違いなく14キロ台かそれ以下ではないか。もっとも短時間なので単なる妄想かもしれない。

悪影響があったら、タンクを取り外し中から抜き取る覚悟で始めた自己責任テストだが、今のところ目に見えた悪影響はないようで、ほっとしている。近く(あと10日位)車検をとって、2000キロほど走行したら、またテストしてみる予定。

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なかのひと

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