土曜日, 10月 24, 2009


Deriveの性能を見てみたくて、積分に取り組んだ。それで、MapleとMathematicaで結果の違う、昔のスタイルの積分を実行させてみたが、すぐにこの積分は、少なくともDerive4.0には荷が重いと一発でわかった。それで、急速に期待感は萎んでしまった。
この積分については、すでに2年前の
http://yhsvtex.blogspot.com/2007/05/mathematica-maple9.html
に示してあり、MathematicaとTheoristの結果は一致したが、Mapleでは幾分違う結果がえられた。そこで、今回は、前回途中でやめてしまった実験式の数値積分を実行させて、Maple、MathematicaとそれにTheoristの3者で、数値積分の結果を比較してみた。

まずTheoristでおこなった数値積分結果は、以下のようになった。

前回は、まず文字式の不定積分を求め、その文字式のaとbに0.0042と0.00042を代入、xに0.2と3を代入し、計算した結果の差として求める数値を出している。今回は、一発で数値をだせることも分かった。

次にMathematicaでの結果。Mathematica2.2では、Basiliskii上でしか動かないが、Mathematica3.0はBasiliskii上でも、SheepShaver上でも動く。



こちらは、モトローラ社のCPU、MC68030(インテル80386に相当)をエミュレートしているので、動かすことが出来るのである。また、Mathematica3.0のディスクには、PowerPC用のものと、MC68030用のものとか、それもコプロの有無とかで、何種類もの対応バージョンが入っており、Basiliskii上でも3.0は動く。
今回は、MacOSの8.1上での結果である。システムが軽い仕様になっていることがわかる。
 次に、今回インテル機専用になった、PowerPCエミュレーターロゼッタ上で動くMathematica Ver.3.0での結果である。

こちらは、MacOS9.04モードで動かしている。スピードは速い。以前は、一部の機能で、Mathematicaの2.2と3とでは、3のほうが、おかしいと思うようなことがあったように記憶しているが、今回のSnow Leopardになってから、問題は無くなったようである。

今のところ、どちらで行っても差はないように感じている。全部検証するなんてことはできるものではない。Sqrt[x]と√xの表示がちがうだけで、結果は一致している。数値積分のほうも
同一である。

次は、結果の違うMaple9.5に同一の計算をさせてみた。すると、文字式の積分は違うが、数値ぐらいは一致するかと期待したのだが、・・・・。

数値計算さえ結果は出ていない。今のMapleではどうなんだろう!?か。Mathematica側から見ると、当時のMapleの宣伝はすごく、Mathematicaで解けない例題などを示して、そっちでは解けますか!?などと挑戦的な宣伝をしていたので、試してみたが、宣伝通り解けなかったが、行列の文字をちょっと置換した文字列に置き換えたら、あっさり解けたりもした経験があり、どちらが優秀か、これではわからない、とずっと思っていた。

ただ、Deriveを売っていただいた元ディーラーさんの話では、Mathematicaは、4年でもういちど新製品を買わせる販売方針で、追いていけなくて、販売をやめたというようなことを話された。わたしも、丸2年以上アップグレードしていなかったら、もうアップグレードできないと言われ、新規に30〜40万円も出さねば入手不可能と成っており、諦めている。大学や高校の教師の身分となれば、アカデミックディスカウントが効くのであるが、・・・。

積分の内容の具体的な計算プロセスは、先に触れたようにその一部を
http://yhsvtex.blogspot.com/2007/05/mathematica-maple9.html
に示してある。一発で答えが出てしまうMathematicaよりTheoristのほうが、大学教員レベルまで含めて教育的で良いとの梶原先生のプロとしてのご判断は的確であったと改めて感じた。

当時は、追いて行くのでやっとであったが、九州大学の名誉教授、梶原壤二先生の選択された両ソフト、いまでも健在であり、感謝している。先生の選択は、九大に留学されていた米国教授の推薦で選択され、当時は
アップル製品しかMathematicaが動かず、それで、大蔵大臣に相談され、本体だけで、百数十万以上したマックを買われ、壊れるまで使われた。あまりもマックに入れ込んでしまい宣伝塔としての役割が大きかったせいか、卒業生やお弟子さんたちから、Windowsを贈られ以後マック宣伝を控えるようになられた。少々寂しいが、時代が変わっても、いまだに健在なのはありがたいことである。先生は今でも、Windows版のMathematica2.2で計算結果を引用されることが、時たまある。Basilliskiiを使えば、Windowsでも、Theoristがちゃんと動きますよ、とお伝えしたいが、控えている。

偶然の一致だと思うが、本日その梶原先生から訃報が届いた。本年4月に奥様を亡くされたので、年頭の挨拶を遠慮申し上げる、との内容であるが「死を師に替えるべく、九州大学解剖学教室で永眠しております 成就して返還される 平成25年3月に (奥様)の希望で、信州に埋葬されます」などとあった。
「解剖学教室より風となり、訪れ憩う九大病院内の慰霊塔に、人は詣でてくださいます」と結ばれており、衝撃を受けました。

最近の「理系への数学」記事にも、白菊会関連の内容が色濃く反映されていたが、ようやく近況がつまびらかになりました。奥様は、大友氏の末裔につらなる家系だとの記述も最近読んだばかり。学恩を感謝するとともに、慎んで、奥様のご冥福をお祈り申し上げます。合掌
なかのひと

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

mathematicaで漂着しました。

この頃は大枚を払わずとも;

http://www.wolframalpha.com/input/?i=Integrate%5BSqrt%5Bx%5D%2F%28a*x%5E2+%2B+b%29%2C+x%5D