日曜日, 8月 12, 2007



雑誌WILL9月号には、「慰安婦決議」には「原爆決議」を、という記事がある。わたしも、基本的に外交が武器なき戦いならばそのカードを使わないまでも、温存して切る姿勢を鮮明にする必要がある、と思っている。

ただ、主要マスコミが何も報じず、久間発言だけを馬鹿の一つ覚えのように垂れ流すようでは、国民的合意など期待するにはほど遠い。久間元大臣もマスコミに意図的かどうかはともかくとして、誤ってつたえられている、というのであれば、それを辞める前にはっきりさせておくべきだった、と思う。この方の頭の中で、アメリカによる原爆投下が、どのような構図でおさまっていて、どういう経路で、しょうがないとなったのか、国民には何も伝わらない。マスコミも、これでは、アメリカの反日勢力の制御下にあるといわれても、反論できない。報道の自由なんて、不自由を自由と間違えていやしないか。

今回、鳥井民氏がふたたび「原爆投下」の背景と、それについて言及した日本側の三名の発言を取り上げ、終戦や原爆投下の3誤解というタイトルで投稿したのは、8月15日を控えて意義深い。ルーズベルトが愛人宅で急死しなければ、20年6月の早期降伏はありえた、というのである。

取り上げられた3名の方の認識は、バイアスがある、ということだ。誤解なのであって、そういう誤解でなりたった戦後の認識は改めて行かなければ、とても外交カードなどに使えるものではないし、マスコミも、報道の不自由を取り払う努力をしてもらいたいのであるが、記者達の幼稚な質問を政治家に向かって連発する様を聞いていると、学級民主主義化と、揶揄された(慰安婦決議には原爆決議を)国政レベルでの退廃現象こそが問題だという気がする。


いぜん、数学者の岡潔博士は、日本人の頭の中は、雑多な知識が細かな引出しの中に別個に詰まっていて、
相互に有機的な連絡を持たない構造になっているらしいと、喝破された。西洋人に馬鹿にされる、いまではその辺の中国や、その周りあたりにも馬鹿にされてもお手上げなのは、そういう頭の構造にあるらしい。

日本では、教科書の知識を丸暗記さえしていれば優等だが、西洋では落第である。私の経験でも、自分の意見を答案に書くと、不可を付けられた。悔しくても、教科書どうりに書くと優を追試験でもらったが、あのくやしさは、今も胸の底に残る。もっともこの教授、衆人監視の中で、学生にネクタイを掴まれ、顔を張られていた、と後から聞き、さもありなんと思った。そういう時代だったといえば、それまでであろうが、日本では、どの意見が一番優秀か!?という視点がないようである。それをやると小田原評定になるかもしれないが、それすらないというのでは民主化以前の問題である。技術ではあれほど能力を発揮するのに、言葉を磨くことでは、まるで無能。

デカルトは『方法序説』の中で「明確な思想は明確な言葉のなかにある。」と説いたが、同じくコンディヤックも「正しい論証は正しい言葉使いに帰着する。」といった。彼は主著『論理学』(1780)のなかで「怪しい言葉が過ちのもと」ともいった。...記号としての言語は観念の分析に不可欠であるが、さらに進んで科学の体系化を考える場合には、よく整備された明解な言葉は科学の本質ですらある。

化学原論を書いて、それまでの錬金術的化学から決別したラボアジェは、こう書いている。

『自分はいままでコンディヤック神父の著書『論理学』に提起されている諸原理を十分に実現してこなかったと思う。神父によれば、我々は、言葉によって思索している。言葉こそ、分析の真の道具である。神父によれば、最も単純、正確、かつあらゆる表現目的に最もよく適合している代数学こそが一つの言葉であると同時に解析の手段なのである。結局神父によれば、論証の術はよく整備された言葉に帰着する。(l'art de raisonner se réduit une langue bien faite.)』

フランスには「言葉の王子」ドゴールがいたが、日本にはそういう首相はいないのでは。後をついだポンピドー大統領は高校の先生だった。しかし、あちらでは、大学教授級の実力があるのが、高校教師だという。御存知でしたか!?ルベーグ積分を創始したルベーグさんも、ナンシー高校の教師時代に行った業績だという。

安倍首相は、訪米時にもおじいさんの写真を携えて行かれた、というし、「美しい国」にも、祖父の思い出が書いてある。一部には、あの本は数名のゴーストライターがいて、その一人は、京大の中西輝政教授だという説もあるが、基本構想は御本人と思える。しかし、もし、おじいさんを理想化していれば、正しい政治でも、時の世論に受け入れられずらい政治家だった、ともいえる側面もあったので、御注意が必要かと老婆心ながら思う。

後世の評価はまちがいなく高いレベルだと思うひとりであるが、・・・。

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3 件のコメント:

sho さんのコメント...

こんにちは~♪

長瀞に行かれたんですね~。私も数年前に家族連れで行ったことがあります。船にも乗りましたね。

かき氷屋さんは、全然気がつきませんでしたが、この季節には寄ってみたくなりますね。しかし1時間以上待ちとは、少し躊躇しそうですが・・・(^^;

それにしても、一人でかき氷2杯も食べたんですか~??すごいですね!!
実は私も甘党なので、甘いかき氷なんか大好きなんですが、2杯ですか!

nature さんのコメント...

こんばんわ、コメントありがとうございます。

夏目漱石のぼっちゃんではないですが、天ぷらそばを何杯食おうと、氷を2杯堪能しようと、いいじゃないですか?^^;)。

朝から何も食べないで、空きっ腹で嶋屋さんで手打ちどんをいただき、帰り際に三時近くまで
炎天下で汗のかき通しだったし、一人で4人すわれるテーブルを独占したりするし、そう回数多くもこれないし、これからも多分二杯ぐらいはいけそう。白桃は実によかったです、はい。

sho さんのコメント...

いやいや、確かに炎天下では水分の吸収が大事ですからね!

そういえば、先日、もてぎに行ったときにもかなり炎天下のなか歩き回ってのですが、水分はこれでもか!というぐらい摂取しましたね~。
それなのに、汗でどんどん水分が出ていくので、「ほとんどトイレに行かなくて済むね~」と息子と大笑いしました♪

それから、ゆでたジャガイモに食塩をふりかけて食べるのが美味しいこと美味しいこと。汗で塩分が逃げるので、塩も体が欲している証拠なんでしょうね。

人間の体ってよくできてるよね~と息子と話したのを思い出してしまいました♪