土曜日, 8月 25, 2007
1999年3月発行。興味をもったきっかけは、テレビでケーシーの予言に関する番組をみて、信じられない程の的中率をほこったということ。そんな馬鹿な、まさかというような記録のオンパレードで事実としたら放っておけない現実だと考えたこと。
作家の故遠藤周作氏はキリスト教徒のはずですが、晩年幼い子の中には、生前の記憶を一部保持している例があるらしい、として新聞にいくつか集めた事例が載ってたことがある。それから、テレビでエドガー・ケーシーについて放映した時には、UFO番組の亜流のようにも思った。しかし、さらに詳しく知りたいと何年か思っているうちに「エドガー・ケイシーのすべて」(エヴァ・ブックス、生き方発見シリーズ、サンマーク出版)が出ているのを知り、我が意をえた思いで購入。数学者の岡潔博士は戦後念仏を唱えていたら、数学の難問が解決していた、という逸話もある学者だが、この例のように宗教にかなり関心をよせておられた。大正か昭和のころに光明主義という仏教の一派の笹本上人というえらい坊さんが、分厚い本をトランプを切るように、手でピーと一気にめくると、あとはどのページを聞かれても、読んでいない本の内容がすっかりわかっている、という話しも岡潔著作集にある。そのときは、頭から信じられなかったが。なおこの笹本上人という方は、「無性法認」という高い位の悟りをえると、自然数の1とは何かがわかる、と語ったと岡先生は述べておられる。数学は頭の中で行って、結果が自然で確認される面があり、物理学とは根本的に違うと言っておられた。
アメリカ人のケーシーも少年の頃、学業不振で父にしかられ、教科書の勉強に疲れ、本を枕に居眠りをしているところを再び父に見つかり怒鳴り声に目をさましたが、今度はどこのページを聞かれてもすらすら答えられたという。実は、ケーシー少年は、13歳までに聖書を13回も読みこむほどの熱心なキリスト教徒であったのだが、ある日いつものように、雑木林の中で聖書を読み、夕方になったので家に帰ろうとした。するとふと、自分の名を呼ぶ不思議な声がしてきた。「こんなところで誰だろう。お母さんかしら」と思いながら、声のするほうをふりかえったところ、まばゆい光りに包まれたひとりの女性が立っていた。そして、呆然としているケーシーに向かってあなたの願いを言って御覧なさい、と語りかけた。ケーシーは日頃考えていること、すなわちキリストのように病人や悩める人々を助ける人になりたい、と答えた。(13歳でこう答えられる少年は皆無ではないが、まずそこいらにはいない、と思う)すると、その女性は微笑み、「あなたの願いは聞き届けられました。その気持ちをいつまでも持ち続けて下さい」といって、姿を消した、という体験以降にそのような能力がついていた、という。
まるで、ファチマやルルドの予言と基本型はうりふたつの話しではないだろうか。岡博士は、信じないことがいけない、ということを言っている。ある寺の奥さんが、そんなにいい浄土というところがあるのなら、はやく往きたいと自殺されたという話しを引用して、信じるという行為の大切さに言及している。アーレフみたいになっても困るが・・・。
これこそ、神の恩寵そのものであろう。以後、紆余曲折をへて、彼の預言能力を医者が信用して、彼を助手としてふつうの医者では直らない病気の治療に役立てたと言う。その記録は1万4千件以上(記録だけで、それ以前のも含めると2万件を超すともいわれる)も残されており、病気の治療だけでなく科学の預言や博打の予想などもあったというが、はずれたのはわずか200件ほどしかないという。第2次世界大戦が始まったとき、催眠下のケーシーに、この大戦の目的は何ですか、と尋ねた人がいたが、ユダヤ建国(直接そう言ったわけではなく、聖書のどことどこを読めば、自ずからわかる、と答えたという)を暗示した。
「アラブの目覚め」という、1939年にアメリカで発行されたアラブ人による、アラブの近代史(列強に手玉にとられたアラブ人とユダヤ人の確執の歴史)を読んでみると、第一次大戦時から、ユダヤのシオニストたちの一部がイギリス政府とドイツ政府(どちらの側が勝利するかわからないので)に食い込んで、いろいろと取り引きをする様がアラブ人の眼から(そう思わせて、実は欧米人が指図したいたかもしれない)いたるところで記述されているが、非常に複雑な利害が多国間にからむ交渉を長く経験してきた列強の外交(何ごとにも相手がある)のすごさを見ると、神の配剤としか言い様のない世界があり、日本人による日本語の世界でみたヨーロッパ世界というのは、非常に歪んだ片寄ったもののように思えてならない。
ケーシー氏が催眠状態に入ったときの質問についての答えの適中率がすごいことから、またその事例が膨大なことから目に見えない別の世界が厳然としてあることは事実のようです。(彼もそのことで悩み、他人にたのんでそのことを催眠時に聞き出してもらった。それによれば、人間は誰でもケーシーのように宇宙の叡智の源に接触が可能であるという。そこを「アカシック・レコード」(仏教ではアーラヤ識?)と呼びそこにわれわれのひとりひとりの魂の固有のアカシック・レコードを持ち、そこに我々の宇宙に存在を開始して以来の、あらゆる前世の出来ごとが書き込まれているとされる。ただし、この記録に接して人間が理解できる言葉に解釈するには、ある種の霊的訓練が必要であるという。彼の場合は、前世においてそのような修練を積んでいたので、その記録を読むこと(リーディング)が可能だということであった。)それでは、いきなり具体例から2例を紹介してみよう。
例1:ある少年(B)に与えられたもの。2歳から9歳まで頑固な夜尿症に親が依頼したもの。
『「よろしい。われわれ(だれのことでしょう?)はBのアカシック・レコードをとらえた。この人はひとつ前の過去生において、現在住んでいる土地にいたことがある。時代は教会の牧師によって大きな混乱がもたらされたあの時代であり、その当時、この人は魔女狩りをおこなう側のひとりであった。
この人は牧師であり、霊界の人々の声を聞いたり、体験したと主張する子供たちを厳しく罰した。そしてかって他人を裁いたこと、特に人を「水に沈める」という処罰を採用したことが、この人の現在のトラブルをもたらす原因となった。
それゆえに、この人は日々の活動の中で、肉体的に自分を水浸しにするという経験をさせているのである。このことは他人を裁いたということに関して、心と体と魂の不調和が正されないかぎり、この人にとって今後ますます障害となるだろう。・・・後略」
このように述べたあとで、彼は具体的な暗示療法を指示したのである。半信半疑の両親がためしにその暗示を寝る前に与えてみると、夜尿症がその晩からピタリと止まったという。(70〜71ページ)』
例2:将来を予見した例。
『1907年秋、彼はある鉄道会社の副社長からリーディングを依頼された。その鉄道会社で起こる度々の事故の原因調査であった。この依頼に対して、眠れるケーシーはその会社には職務怠慢な鉄道員が一人おり、彼のミスがこれまでの事故の原因となっている、と答えた。ケーシーはその人物の名前をあげ、さらにこう付け加えた。
「もしこの人物が現職に留まる限り、12月1日までに再び大きな事故が起こり、この知らせを無視する人の死を招く。事故はバージニア州とウエストバージニア州でおこる。」
依頼者はさっそく事実関係を調べようとしたが、会社は指摘された人物が古参でもあり、その調査をうやむやにした。その結果、どうなったか。
彼の予告のタイムリミットまであと二日という11月29日、疑いをかけられた人物が線路の切り替えを忘れ、特急列車が退避線に突っ込むという事故がおきた。そして丁度この時刻、依頼者であった副社長が退避線上でクルマを止めて仮眠をとっていた。列車はクルマごと彼を跳ね飛ばし、まもなく彼は死亡したという。死亡事故はちょうど予告どおり、両州の境でおきたという。』(159ページ)
1996年9月発行。購入は2000年6月の23刷分。
輪廻転生の記録を精神病などの治療に役立てる話が、PHP文庫から「前世療法」(ブライアン・L・ワイス著、山川紘矢・亜希子訳)という名で出版された。初版は1997年でしたが。そこには、第2巻の冒頭に、第1巻を読んでいない人の為に簡単な紹介があります。その中で、博士があつかった20代のカトリック女性・キャサリンの話がある。
『キャサリンは深い催眠状態になり、子供の頃の記憶を細かく喋り出します。子供のとき、飛び込み台の上で後ろから押され、水の中に落ち溺れそうになっとこと、歯医者に行った時に、顔にガスマスクをのせられて、びっくりして息がつまった時のことなどを思い出しました。そして、一番悲惨な事として、3歳の時に酒に酔った父親から性的なイタズラをされたことを思い出しました。・・・次ぎの週、私は再びキャサリンに催眠術をかけ、深い催眠状態に導きました。しかしこの時、私はうっかりして「あなたの症状の原因となった時期まで戻ってください」とあいまいな指示をだしてしまったのです。キャサリンがもう一度幼児時代に戻るだろう、とおもったのです。』
『 しかし、彼女はおよそ4000年も前の古代の中近東の人生に戻ってしまったのです。そこで、彼女は、今とは全く別の顔と肉体、髪の毛と名前をもっていました。その場所の風土、人々の服装、日常生活の細々としたことまで、彼女は詳しく思い出しました。最後に大きな津波に襲われて、抱いていた赤ん坊を波にさらわれた上、自分も溺れて死んだことを思い出しました。・・・』
『その日の退行催眠で、キャサリンは他に二つの過去世について思い出しました。一つは18世紀にスペインで売春婦だった時のもの、もう一つは中近東での人生から何百年か後、ギリシャ人の女性だった時のものでした。』
(性別だけは変わらないように思われるでしょうが、キャサリンは兵士として戦地で、咽をナイフでかき切られて、絶命する記憶もよびさましますので、どちらにでも生まれ変わるようです。最近ラジオ番組でもう一度(本当は何度でも生まれかわれる、と道元禅師も言っておられる、と岡博士も書いていますが)生まれかわれるとしたら男性、女性のどちらが良いか、というアンケートの結果、女性はやはり女性という人が多く、なのに男性はかなり女性と答える比率が高い結果でした。コメンテーターの宮台首都大学教授(社会学)も、僕もできたら女性が良い、なんて言っていましたが、はたしてそううまくいくのでしょうか?)
『私は大変なショックを受け、どうしても信じられませんでした。それまでの数年間、私は何百人もの患者に催眠療法を行ってきました。しかし、こんなことは一度もおこりませんでした。・・・そこで、彼女がみたのは、幻想か一種の夢のようなものなのだろうと結論をだしたのでした。しかし、不思議なことが起こりました。キャサリンの症状が急激に良くなり始めたのです。毎週、彼女が催眠術によって過去生を思い出す度に、以前には手におえなかった症状が消えてゆきました。そして2〜3ヶ月たつと、彼女は薬の力を借りずに完全に治ってしまいました。』
『4回めか5回めの催眠治療の時、もっと不思議なことがおこりました。古代の過去生に戻ってその人生の死を体験したあと、キャサリンは自分の死体の上を漂っていました。彼女は人生と人生の間に通過する中間生(仏教でいう、中宇?(中宇(字は記憶おぼろげで確信はないが、中宇が両親を選んで生まれると仏教では教えている、という話しを岡博士の著作集のどこかで読んだ)色則是空とはそういうことではないのか!)で出会う霊的な光の方へ、引き寄せられて行きました。「神は私達一人ひとりの中に存在するのだから、無数の神があるのだ、と言っているわ」と彼女はしわがれ声でしゃべり始めました。「あなたのお父様がここにいます。あなたの小さな息子さんもいます。アブロムという名前を言えば、あなたにわかるはずだと、あなたのお父様は言っています。お嬢さんの名前はお父様の名前からとったそうですね。また、彼は心臓の発作で死んだのです。息子さんの心臓も大変でした。心臓が鳥の心臓のように、逆さになっていたのです。息子さんは愛の心が深く、あなたのために犠牲的な役割を果たしたのです。彼の魂は非常に進化した魂なのです。・・・彼の死は、両親のカルマ(自分および他人に対する借り、または学ぶべきレッスン)の負債を返しました。さらに、あなたに、医学の分野にも限界があること、その範囲は非常に限られたものであることを、彼は教えたかったのです」・・・こうした情報をキャサリンが知っているはずがなかった。どこかで調べることができるようなことでもなかった。父のヘブライ名、一千万人に一人という心臓の欠陥のために死んだ息子のこと、私の医学に対する不信感、父の死、娘の命名のいきさつ、どれもあまりに個人的なプライバシーに関する事柄ばかりだった。この何も知らない検査技師の女性は、超自然的な知識を与える導管なのだ。私はもっと知りたかった。「誰?」。私はあわてて言った。「誰がそこにいるのですか?誰がこんなことをあなたに教えてくれるのですか?」「マスター達です。」と彼女は小声で言った。「マスターの精霊達が私に教えてくれます。彼等は私が肉体を持って、86回、生まれていると言っています。」』
これで、前述のケーシーが催眠状態で答えるときに、「我々は、誰某の肉体を捕らえた。・・・」という我々とは、キャサリンがいうところのマスターといわれる精霊たちだということが、推測される。そして、筆者が書いているように、『体や心の症状がいやされることよりもっと大切なことは、私達の肉体が死んでも、私達自身は死なないということを知ることです。私達は死にません。肉体は滅んでも生き続けているのです』と明記していることは、岡潔博士が紹介している道元禅師が教えてくれていることと全く同じです。人は生の位、死の位とこもごも踏み固めていくもので、ひとの一生はその長い旅路の一日のようなもの、という意味に私は理解していますが。気違い扱いされかねない、あぶない考え方かも知れませんが。しかし、最近の東大出版会の小冊子をよむと、物理学者や工学者などは、人が死んだら後はない、と考えているように思われるが、どうもそうでもないように思う、ということを書いている学者もおります。自意識のなかに、そうした世界を拒否する何かが組み込まれているようだ、というようなことも書いてあった気がします。しかし、そうした世界へメスが加えられるには22世紀の到来をまたねばならないであろう、とも書いてあった。
精神医学や心理学も進歩中ということだろうか!?しかし、この前も女子アナの卵らしき女性が、ラジオで、大竹(まこと)さんの過去生で、あるお寺の住職だったとき、私は小坊主で仕えていたんですって、占いの人にもてもらったら、などと普通に話していた。
ケーシー氏は輪廻転生を催眠で告げられて、熱心なキリスト者ゆえ信じられず悩んだと言うが、聖書にもむかし書いてあったのを、教会がかってに削除してしまった、とかいう記述もどこかで読んだ。コンノケンイチ氏の指摘のように、キリストがインドで修業したり、密教の影響をうけて発生したのであれば、逆にケーシーの預言の正しさを間接的に証明してはいないか?
島田教授は、多神教=一神教だと最近書いた。コンノケンイチ氏は、仏教=キリスト教で、キリスト教と日本人は深い関係があると。ブライアン博士によれば、過去生で相互に人種や性別が変わっているので、上述の関係も至極当然ということになる。
遠藤周作氏は、東南アジアなどの幼児で、お腹に血が飛び散ったような痣がある子に、生前というか大戦中に機銃掃射を受けて死んだ人の生まれ変わりだとする事例などから、キリスト教の教義に疑いを持たれたようだった。
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