日曜日, 7月 01, 2007
2005年9月の発行。
「たとえば、日本陸軍は、平時には20個師団・兵員数20万人の規模だったが、最終的には194個師団547万人まで急膨張した。日頃から、よほど組織の骨組みや各種マニュアルが整っていなければ、これはとてもできることではない。」
「戦争はまさに「生き死に」の世界である。だからこそ日本軍の歴史を紐解けば日本だからこそ成しえた成功事例、日本だからこそ陥りやすかった失敗事例のそれぞれが、極限までつきつめられた形で遺されている。虚心坦懐に見て行けば、そこには日本人が組織をつくり、アクション的に行動しようとしたときに参考にすべき教訓が山ほど隠されている。それを読み取れるかどうかが、これからの日本の成功と失敗をわける大きなちがいとなるだろう。」
著者によれば、現在の日本はすべてオン・ディマンドな生き方で、アメリカ頼り。そうでないアクション的生き方をしようとすれば、日本軍の研究を、と序文で書いている。日高氏によれば、訪米した久間大臣は、
アメリカに、早く次の基本戦略を示してもらわなければ、日本としては手の打ちようがない、と訴え驚かれたとか。日本はこうしたいのだが、という提案がくるはずとあちらはアクション主体だから思っていたのに、それにまだ策定中で状況に応じてどんどん変わっている、とも。
締めくくりには、「新しい日本」に目覚めよ、という呼びかけがある。
「いずれにしても、日本のマスコミの中に、日本独自の世界観や戦争観をもってニュースや国際情勢を解説する人が欲しいところである。マッカーサーから日教組、一部マスコミなどに脈々と受け継がれている「戦争は悪いことです、やめましょう」という道徳の世界から、日本はそろそろ卒業する必要がある。そして、日本が目指す戦争の姿を文章に書き出して、誰かが内外に発言する必要がある。」と、さりげなく戦前までの「常識」で締めくくる。
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繰り返しになるが、ようやく目覚めつつある日本では、外国からのミサイル攻撃を防ぐための先制攻撃は、まもなく容認されるようになるだろう、とも。
「今日本は「外交ーーー戦争ーーー外交」の時代を目の前にして、すでに目覚め、変わり始めている。こうした予断を許さない国際情勢の中で、現実主義を地でゆく「わかりやすい日本人」になろうとしている。
そこで不可欠なものは、戦争に対する本当の理解を持つことである。
国際社会において「永久平和」はけっして実現しない。「歴史は繰り返すものだから、必ず次の戦争は起こりえる。そう考えて対峙するのが平和への道である。」と。
こうした問題は、戦争の論理で予測し、評価しなければならない。平和の論理や願いや努力だけでは騙される。その際私たちの参考になるのは、日本軍の教訓である。
戦争の論理を忘れて、久間大臣発言問題で揺れすぎていないか!?。
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